2020/10/22 のログ
ご案内:「常世神社」にシャンティ・シンさんが現れました。
■シャンティ・シン > ――こつり こつり こつり
音を立てて女は歩く
『その少年は、携帯をしまい込み――煙草に火をつけようとして、手を止める。
「――」少年は、煙草を懐にしまう』
謳うように女は語る。
「あら、あら……ふふ……どう、して……やめて、しま……った、の、かし、らぁ……?」
くすり、と女は笑う。
「神社? 神域? あなた、は……そん、な……こと、を……気に、する……お方……?」
くすくす、と笑いながら女は歩み寄ってくる。
■神代理央 >
静謐の境内に、鈴の鳴る様な声。
独りになりたい、という訳でも無かったが、声をかけられるとは思っていなかった。
それ故に、少し驚いた様な。少し意外そうな表情で彼女に振り返り視線を向けるのだろうか。
「……信仰心に富む、という訳では無いがな。
神様よりも、世間の目が気になる場所である事には違いあるまい」
歩み寄ってくる女性に、小さく肩を竦めてみせる。
砂利を踏み締めて彼女に身体を向ければ、僅かに思案する様な顔色。
「しかし、その言い分ではまるで私の事を知っているかの様だな。
少なくとも私は、君に会った覚えは無い様に思えるのだが」
■シャンティ・シン > 『少年は、女の方を向いて意外そうな顔をする。「――」
そして、思案するような顔で問いただす。「――」』
変わらぬ謳うような口調。情景をただ、読み上げるだけの言葉。
「世間の……目、ねぇ……ふふ、そぉ……あなた、世間、の……目、が――気にな、る……?
そん、な……人、かし、らぁ……?」
くす、くす、と笑う。笑う。
「あらぁ……『肩まで伸びた金髪に大きな紅い瞳。おさなげで怜悧な顔立ちに、華奢な体つき』。
これ、だけ……そろ、えば……ふふ、予想……つきま、せん……?
風紀、委員……の、方、では……ありま、せん?」
面白そうに、少年の居る辺りを見やる。
「いいえ、いいえ……私、の……勘違、い……でした、ら……ごめん、なさい?
正解……で、した、ら……ふふ、ご褒美、でも……でる、かし、らぁ……?」
■神代理央 >
此方の行動を読み上げる様な彼女の言葉に、僅かに眉を上げる。
拙い、とは言わずとも、ぽつぽつと途切れる様な言葉遣いの中で。
彼女が"詠みあげる"所だけは、詩を唱えるかの様に流暢な言葉遣いなのだから、怪訝そうな表情を浮かべたくもなる。
「……此れでも、善良な一生徒のつもりだからな。
世間の目を気にするという世俗的な一面くらい、持ち合わせているつもりだが」
笑う彼女に、訥々と言葉を返して。
心の内を見透かす、というより『全て知っている』と言わんばかりの雰囲気を纏う彼女に、僅かに瞳を細めてしまうのだろうが。
「――…身体的な特徴から当てられてしまう程、有名人になったつもりは無かったのだがな。
しかし、君の予想は正しい。私は紛れもなく。君の言う通り風紀委員で間違い無いさ」
ふぃ、と溜息を吐き出すと、穏やかな笑みと苦笑いが入り混じった様な表情を浮かべる。
「如何にも。私は風紀委員。名は神代理央。
褒美を強請る程、幼くは見えぬあ。所望する物があるのなら、聞くだけ聞いてやっても良いぞ?」
向けられる視線が、ほんの僅かにではあるが微妙にずれている事に少し首を傾げつつ。
彼女の言葉に頷きながら、笑ってみせるのだろう。
■シャンティ・シン > 『「――」訥々とした言葉を少年は返す。瞳を細め、怪訝そうに――
「――」苦笑とともに少年は正答であることを認め、名乗る。』
謳い……言葉を止める
「あらぁ……もし、だって……理央さん、は……『広報部長』様、なの、でしょ、う?
知られ、て……な、い……ほうが、不自然、では……ない、です、か?
ふふ……それ、ともぉ……」
くすり、と女は笑う。
「あなた、の……オシゴト、に……自信、あり、ま、せん……かぁ……?」
けだるげに、楽しげに、女は詠う。
「そう、いえ、ばぁ……ええ、ええ……そんな、こと、も……ある、かも……しれ、ません、ねぇ……?」
■神代理央 >
「……耳が早い事だ。公式に発表された事であるとはいえ、新設された部隊の事を知るとはな」
成程、彼女の言葉には一理ある。
とはいえ、それに対して抱いた感想もまた然り。
『特務広報部』は、未だ出来たばかりの組織。広報部を名乗ってはいるが、活動実績は怪異『朧車』の討伐と、幾つかの違反部活の殲滅程度。
知っていてもおかしくはないが、知っている事に驚く、程度のものではあるが。
しかし、次いで彼女から投げかけられた言葉には。
僅かに。ほんの僅かにではあるが――表情を、固くしてしまうだろうか。
「……可笑しなことを。私が、自身の仕事に自信を喪失した、と?
そして、それはさもありなん、と?」
「今日初めて会った君に。名も知らぬ君に。
其処まで言われる所以は、無いと思うのだがね」
尊大で傲慢な言葉遣い。
しかし、その声色には――微妙に、覇気がない。
纏うべき制服を纏わず、立つべき権威も今は休暇の身分であれば。
己が立つ場の不安定さを示す様に、彼女に向ける言葉には、そこはかとなく意志の力が感じられないだろう。
彼女の言葉を、肯定するかのように。
■シャンティ・シン > 『「――」神代理央は、わずか驚き……
「――」「――」わずか、表情を硬くして。わずか覇気を欠けさせて。
少年は尊大に言葉を放つ。』
「私、の……唯一、の……趣味、が……情報――集め……だ、から……ふふ。
興味、深、い……事件、できごと……は……ぜぇん、ぶ……覚え、て……いる、の……よぉ?」
笑う
さも当然のことであるように笑う
「ええ、えぇ……その、中、にぃ……すこぉし……ふふ、面白ぉ、い――できごと、が……ふたぁ、つ……
ふふ……あらぁ……お気に、めさ……なかった……かし、らぁ……?」
反応を見るように……言葉をとめる
「私、はぁ……むし、ろ……貴方、の……才能、を……褒め、たぃ――の……だ、けれ、どぉ……?」
くす、くす、と笑う
■神代理央 >
「……その、人の仕草や動作を読み上げるのは癖の様なものかな。
揶揄われている様には思えないが、どうにも居心地が悪い」
己の行動を、まるで本を諳んじるかの様に謳う彼女に、疑問と苦言を混ぜ合わせた様な声色の言葉。
不愉快では無いが、不可思議である。そんな思いから投げかけられる言葉。
「……私の仕事にケチをつけられた様に思えたからな。
私は、風紀委員として恥ずべき事など――」
恥ずべき事等無い、とは言えなかった。
思わず言葉に詰まり、拳を握り締めようとして――
「…褒めたい、だと?分からぬな。君が私の何を褒めようとしているのか。君が私の何を知っているのか。
私には今一つ理解し得ぬのだがね」
彼女が、何処まで"知っている"のか。
それを問い質すかの様な言葉と共に、小さな吐息を吐き出すのだろうか。
■シャンティ・シン > 『「――」疑問と苦言を混ぜ合わせた様な声色。不機嫌ではないが、異様を違和を感じているような、それを湛えている。』
「あらぁ……お気に、さわ、り……ます、かぁ……? えぇ……これ、は……癖、の……よう、な……もの。なに、か……心、に……刺さる、トゲ――の、よう、な……もの……で、も……ありま、したぁ……?」
わずかに首をかしげる
『「――」言葉に詰まる、神代理央。その手は握りしめられようとして――
「――」女を問いただした』
「ふふ……グランギニョル……ご存知、か、しらぁ……? 貴方……才能、ある、わぁ…… ええ……特、に……あなた、が……産み、だし……た、"モノ"……たち、は……とて、も……すて、き……よぉ……?」
くすくす、と笑う
■神代理央 >
「……気に障る、という程でも、無い。それに、棘など。私の心に想う所、など……」
首を傾げる彼女に、言葉を断じる事も出来ず。
苦々し気な声色で、言葉を返すだけに留まるだろうか。
返す言葉も、不明瞭なものではあるのだが。
「…………知っているのか。そうか。面白い出来事が二つ、と言ったな。
――…成程。合点がいった。理解した。私の心の汚泥を。唾棄すべきモノたちを。グランギニョルとは良く言ったものだ。
アレらを素敵、と言うか。貴様の美意識も、中々に愉快なものだな」
笑う彼女を、力無く睨み付ける。
落第街で。スラムで。
己が意図せず生み出した金属の化け物たち。
それらを"知っている"のならば、今迄の彼女の発言にも、納得がいくというもの。
「……其処まで知っているのならば、先程の貴様の言葉に改めて応えよう。
自信は、確かに損なわれている。あの出来損ないの人形共を、また生み出してしまうのではないかと、危惧してはいる」
「――これで満足かね。心の折れた風紀委員を見物しに来たというなら、幾らでも目的を果たすと良い。
抗弁も否定も、しないさ」
睨み付ける視線は和らいで。
力無く笑ってみせると、ふるふると小さく首を振るのだろう。
■シャンティ・シン > 『「――」神代理央は苦々しげに、口にする。その目に力はない。
「――」神代理央は力ない目で女を睨みながら、力なく笑う』
危惧 恐怖 困惑
感情の色が 情報が 溢れてくる
ああ――素晴らしい
「いぃえぇ……私は、『褒め』、に……きた、と……いった、わぁ……ふふ。貴方の、ソレ……は、とて、も……とても……いい、"宣伝"――では、なく、て?」
くすくす、と笑う
「折れ、て……しまった、の……なら、ぁ……ぜひ、奮い、立って……くだ、さぃな? また、あの……景色を……ふふ。こぉん、な……」
いつの間にか、女の手にもう一冊の本が在った
「混沌と混ざりし……歪なる、異形……ヒトと鋼を混ぜし、歪なる異形…… 在りし日に、産み落とされし、落とし仔たち。 産み手たる少年のもとに集い、いでよ……」
謳うように詠うように女が口にする
その言葉とともに影から、湧くように……"ナニカ"が……
■神代理央 >
"宣伝"と彼女は告げる。
成程確かに、あの異形達は恐怖を植え付けるに十分過ぎる程踊る事だろう。
何せ、深遠の魔力から生み出された代物と、人間そのものを化け物へと変貌させたモノたちだ。
"力"と"恐怖"による支配。それは彼女の言う通り、己の役割を果たすのに十全なモノではある。ある、のだが。
「――あのおぞましい景色を、光景を。もう一度私に生み出せというのか、貴様は。アレを、もう一度私に――!」
完全に激昂する前に、彼女が謳う言の葉。
それは言霊の如く。神託の如く。
彼女の言葉と共に、ナニカが。"ナニカ"が――
「――……っ…!」
そのナニカを認めたくないと言わんばかりに。見たくない、と言わんばかりに。
思わず彼女に大股で近付けば、その肩を掴もうと腕を伸ばすが――
■シャンティ・シン > 「ふふ……ふふふ……あはは……阿鼻を……叫喚を……衆合し……等活し……黒縄で、焦熱で……無間の……地獄を…… ふふ、ふふ…… ええ、ええ……何処に、撒い、ても……いい、の……よぉ……?」
微笑う 哂う 嗤う 笑う
「あら、ぁ……あなた、の……仔、よぉ……認め、て……あげ、ない……の、かし……らぁ……?」
『神代理央は大股で女に近づき、肩に手を伸ばす』
抵抗もせずに女はただ、そこに佇む
■神代理央 >
嗚呼、彼女は己に何を言っているのだろうか。
おぞましい衆生の群れを率い、地獄を創生し、此の世に鏤めろというのか。
「――…やめ、ろ…!私を、嗤うな…その口を、閉じろ…!
そいつら、は……ソレは、私の従僕などでは――私が生み出したモノなどでは――!」
抵抗の素振りを見せない彼女の肩を激しく揺さぶり、慟哭する様に叫ぶ。
抑えつけていたモノが。自己の存在を揺るがした異形達の影が。
――闘争を封印していようとしていた己の精神が、軋む。
「……その、口を…閉じ、ろ…!私は、私――は…!」
元々、鉄火と暴風で嵐の様な闘争を求める気質ではあったのだ。
それが先天的なものか、後天的なものかはさておき。
"力を振るう事を避けている"今の状態が、寧ろ本来は不自然なもの。闘争と支配への欲望を抑え込んでいたのは、言うなれば年相応の精神でしかない。
だから、彼女の言霊に。現れたナニカに。
否定の言葉を呪詛の様に吐き出し続けていた"神代理央"は屈服し
――
『神代理央』は、疲れた様に。愉快そうに。傲岸不遜に。
両肩を掴んだ儘の彼女に、ゆっくりと視線を向ける。
「………本当に、不愉快な女よな。しかしまあ、そういうものも嫌いでは無い。
良いだろう。見せてやるとも。地獄をばら撒き、血を鉄で埋め立て、大地を硝煙で穢そう。
ヒトの尊厳を丁寧に鋼鉄で覆い尽くし、我が従僕として従え君臨しよう」
向ける笑みは、昏く、昏く、しかして愉し気なモノ。
深々と息を吐き出すと、彼女の肩から手を離して、懐から煙草を取り出して、火を、つける。
「……焚き付けられたのは甚だ不本意ではあるがな。
だがまあ、それもまた此の世にて起こり得る理であればさもありなん、というもの」
緩やかに微笑むと、再び一歩足を踏み出して。
己よりもほんの少し背の高い彼女のすぐ傍へ迫れば、その耳元に唇を寄せて。
「……不用意に、地獄の釜の蓋を突いたのだ。
何時までも傍観者でいられると思わぬ事だ。
何時までも、物語を眺めるだけの者でいられると思わぬ事だ」
低く、低く囁いて。少しだけ、彼女の美しい銀髪を撫ぜて。
直ぐに彼女から離れて、ゆっくりと彼女から離れていく。
「ではな、名も知らぬ女。
貴様が生み出した地獄を見物していると良い。
世界を見る事の能わぬその瞳は、どんな地獄を貴様に伝えるのかは知らぬがね」
気付いていた――いや、気付いた訳では無い。
唯、彼女の笑みが己のか細い精神を折った時、そうなのだと伝える声が、己の中にあっただけ。
「何れまた会おう。私は、決して貴様を逃がさぬよ。
傍観者を気取らせるなぞ、"面白くない"だろう?」
愉快そうに嗤って、嗤い返して。
出会った時とは別人の様に。尊大さと自尊心の満ちた足取りで、境内から歩き去っていくのだろう。
後に残ったのは、己の手元で燻っていた煙草の甘ったるい紫煙の匂いだけ――
■シャンティ・シン > 「ふふ、ふふふ……」
くすくす、くすくす、と笑う。
もはや、謳うように読み上げることもなく、異形に囲まれながら。
両肩を掴まれながら。
「かつて……劇団、の……幕、は……降ろさ、れ……役者、も……姿、を……消し……存在、は……口の、端、にも……もう、語ら、れ……は、しな、い……ふふ……私の、舞台、も……終わっ……て……しまった……わぁ……」
深い笑みを浮かべる
「えぇ……私、と……して、は……もぉっと……苦し、む……貴方、を……見て、いる……の、でも……よかった……の、だけ、れど……ふふ。思った、より……脆か……った、わ、ねぇ……?」
三日月を描く、口元
離れた少年を、囁く声を、"見ず""聞かず"
笑みだけを湛える
「どう、やら……ふふ……貴方、は……とて、も……面白、ぉ、い……もの、を……そ、ぅ……デウスエクスマキナ――を、持って……い、そう……ねぇ……? ええ、ええ……楽し、みが……増え、た……わぁ……ぜひ……ふふ、引き、ずり……出して、くだ、さぃ……なぁ」
けだるげに、おもしろそうに、うすい笑みを浮かべて少年を送り出す
「私は……シャンティ。シャンティ・シン……ふふ……本当、なら……貴方の……いいえ……これ、は……いずれ、の……お楽、しみ……かし、らぁ……知った、貴方は……どん、な……顔、を……する、の……かし、ら? 絶望? 嘲笑? 狂気? あぁ……楽しみ……だ、わぁ……」
ご案内:「常世神社」から神代理央さんが去りました。
■シャンティ・シン > 「ええ、ええ……神代、理央さん……貴方の、道、行きを――ふふ。愛し、く……見守、って……いる、わぁ……」
深く、深く……笑う
ご案内:「常世神社」からシャンティ・シンさんが去りました。