2021/01/01 のログ
杉本久遠 >  
 寒空の下、星を眺めていれば。
 これと云って訪問者もなく、時間は過ぎる。

「だはー!
 やっぱり誰も来なかったな!」

 今年はみな、家で年を越す人が多いのかもしれない。
 それはそれでよい事だった。
 家で炬燵に入り、年越しそばを食べる――贅沢なひと時だろう。

「さて――そろそろだな」

 携帯端末の時計を見ながら、今か今かとその時を待つ。
 そして、全ての表示が0に変わる――

「うぉお――っ!
 常世島のみんな、あけましておめでとうー!!」

 そう、渾身の一声を上げながら、拝殿に向けて駆けだしていくのであった!
 

ご案内:「常世神社」から杉本久遠さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に劉 月玲さんが現れました。
劉 月玲 > こういうところにはあまり来たことはなかったが。

「おー」

意外な賑わいをみて驚き。
既に夜だが、まだ屋台は全然閉まる気配もなく、むしろこれからという活気がある。

劉 月玲 > ピンク色の子供用の着物を身に着け、しかし丈が足らないために色と感じを合わせたスカートを履き。
せっかくだからと着物に合わせて下駄を履いて、しかし足が寒いのでニートを履いて。
カラカラと煩い足音で遊びつつ、屋台を巡る。

ご案内:「常世神社」に照月奏詩さんが現れました。
照月奏詩 >  
 非常に不服であった。
 あまり人込みが好きではないから自分は年末詣を済ませたはずである。なのにこの夜。彼はここに来ていた。
 服装はオシャレではない。ガッツリ紺色の作業服。理由はバイトである。
 人が少ないからとここの清掃を担当している会社からクリーンダスターズへ依頼が来た。そして年始に空いていた自分がここに派遣されてきた。
 休憩時間なのであまり人がいない端の方でのんびりしていたが。

「?」

 視界の端に収まる。まだ幼い少女だ。
 周囲を見る。親らしい姿は……ない。上を見る。間違いなく夜。この辺はまず問題ないだろうとはいえ治安が悪い場所も存在する街。少し迷ったが、その少女に近寄る。

「こんな夜に一人で来ると危ないぜ。怖いお兄さんが寄ってくるかもしれないからな」

 俺は違うぞと少しだけ肩をすくめて伝えて。
 少し回りを見て。

「それとも友達と約束の場所に向かう途中とかだったか? それならいらないお世話だったが」

劉 月玲 > 「んー?」

近くからした声、こちらに向けて放たれた声に振り返る。
それはやはりこちらに向けて言われた事ではあったが、どうやら知らないお兄さん。
もっともかつ当然な注意ではあるが、その程度を怖がることはない。

「ご忠告ありがと。残念だけど一人よ。
せっかくのお祭り。
そんなこと気にしてたら楽しめないじゃない?
悪い人に会ったらその時はその時よ」

照月奏詩 >  
「中々に肝が据わってんなお前さんは」

 気にしていたら楽しめないというのは当然といえば当然の事ではある。
 が、年齢的にどうかと言われればその通りだが。それを言い負かせる論を持ち合わせてなどいない。
 人生経験豊富な先生などならば解決できたのかもしれないが。むしろ学の少ない側の人間である。

「じゃ、そうだな。迷惑じゃなければ俺と回らないか。俺としても流石に見ちまってそうですかで分かれて。それでホントに怖い人に会いましたってなると色々と寝ざめが悪くてさ」

 その時はその時、となるがその時があったら困る。
 こういうお祭りというのは悪い人や悪ノリに乗っかる人がかなり多いわけで。

「まぁ休憩が終わるまでの間になっちまうけどさ。一人よりは楽しめるだろうし……甘酒とか買ってやるぜ?」

 文面だけ見ると完全に悪いお兄さんの誘い文句と化しているか。本人そんなつもりは一切無い。

劉 月玲 > 「………」

じーっと相手の顔を見る。
別に目の前の人が、その悪い人とは思っていないが。

「おにーさん、ナンパ?」

ごく自然に誘ってくる手慣れた感じに、口元を隠して笑いながら一歩引く。

照月奏詩 >  
「自分でいっておいて言われるとおもったよこんちくしょう」

 わかってたわと言わんばかりに苦笑いをする。
 最近こんなのばかりである。

「でも落ち着いて考えてみろ……こんな場所でナンパするような奴が。年始にバイト入れるか?」

 入れるわけないだろと肩を竦めて告げる。
 この方が自然に声をかけられるからナンパしやすいとか言われてしまえばそれまでだが。
 ポケットに手を突っ込んで。

「ま、構図だけ見りゃ完全にナンパになっちまってるからもうそれでいいけどさ。それでどうだい、とりあえずあれだけ買ってこないか。正直体が冷えちまってな」

 とこれ以上やっていると彼女だけではなく周りに誤解を受けそうなので。そういって少し離れた所にある甘酒を指さす。

劉 月玲 > 「あはは、じょーだんじょーだん。
でも、こういうところでバイトしたほうが出会いは多いからナンパしやすいんじゃないの?」

ケラケラ笑いつつ、別にナンパでもなんでもいいが。
とりあえず悪そうな人には思えないので。

「甘酒は勿論、おにーさんの奢りだよね~?」

腕に抱き着いて甘酒の場所の方に引っ張ろうとする。