2021/01/09 のログ
ご案内:「常世神社」に修世 光奈さんが現れました。
ご案内:「常世神社」にジェレミア・メアリーさんが現れました。
修世 光奈 > 常世神社の階段下。
かんたん着物で、楽しそうにきんちゃく袋を揺らす光奈が居た。
帯は結ぶのではなくぱちん、と留めるタイプだがそれはそれとして和服だ。
レンタルも、時期を過ぎたからか安かった。

色合いは彼女らしい黄色と薄い赤を基調としたもの。
寒い中でも、暖かさを感じる色あいだ
そして…伸び始めた髪がさらりと揺れる。
今は大体首筋より先…肩口との間くらいだ。
まだまだ伸ばそうと、そう思う。

「~♪」

初詣の時期は少し過ぎてしまったが、それはそれで彼が少し苦手な人混みを避けることができる。
自分は特にこだわりはなく…行事ごとなら参加したいな、と思うくらいだ。
ただ、今回は光奈が色々と忙しかった。
年末年始に色々な場所に行った人から色々な探し物の依頼が来ていたのだ。
だから無理を言って、この日にしてもらった。

寒いから、着物の内側にはしっかりカイロも入れている。
さて、またそろそろ彼が来る頃だろう。

ジェレミア・メアリー >  
「寒……。」

吹き抜ける寒風に、思わず言わずにはいられなかった。
如何にもここ最近、寒い気温がより下り坂のようだ。
寒いのは苦手だ。布団から出たくない。
何より、動くのが億劫だ。
元々インドア派、外に出るよりは家で過ごしたい。
吐き出す白いため息を目で追いながら、咥えていた煙草を携帯灰皿へと押しつぶした。
そろそろこの辺りが待ち合わせ場所だ。
常世神社の階段下。
初詣、と言うのが日本にはあるらしく、時期的には少し過ぎたらしい。
それでも、まだ間に合うとは彼女の弁だったか。
随分とまばらな人々とすれ違いながら彼女の姿を探す。
碧眼が右往左往。普段とは違う姿の彼女を捉えた。

「あ、いたいた。光奈、お待たせ。似合ってるよ、服。」

いつもとは違う和服姿。
ものが良いとよく似合う、と言うのは惚気が過ぎるか。
ゆったりと歩み寄れば、軽く手を挙げてご挨拶。

「今日も寒いね。光奈は大丈夫?」

修世 光奈 > 「あ」

彼を見つければ、はー、と白い息を吐いていた光奈の表情が華やいでぱたぱた、と近寄ってくる。
防寒対策はしているもののやはり少し冷える。

「でしょー。簡単なやつだけど、やっぱりこういうのっていいよねー」

彼に近づけば…くる、とその場で回って見せる。
足元もしっかりと足袋に下駄だ。
そうは見えないが、保温機能…寒さ対策が施されているもの。
それらによって少しは暖かいが…彼を見るとやっぱり別の欲求が出てくる。

「ねー、寒いよね。
…ぎゅー♪、こーしたら大丈夫じゃない?」

こくこく、と頷いてから彼の腕に抱き着く。
伸びた髪がさらりと揺れて。
まだ階段前で、ちらほらと人が居るがそんなことは気にせず。

「どーするー?まだ出店もやってるみたいだけど、そのままお参りいく?」

ふふ、と笑いつつ彼を見上げて。
自分を心配してくれている優しい大好きな顔をじー、と見る。

ジェレミア・メアリー >  
「華やかと言うか、光奈によく似合ってる。髪がもう少し長いと、もっと似合うかも?
 長髪は僕の趣味だけど、ね。うん、何時もよりおしとやかに見えるね。可愛いよ。」

和服には何というか、得も知れない華やかさがある。
お洒落として聞かざると言う意味ではそうだが
一言では表せない不思議な魅力。
大和撫子、とでも言うのだろうか。
自分の国にはない雰囲気だ。
彼女の元気一杯具合とは裏腹のおしとやかさ。
だから、からかうように言えばクスリと口元は笑みを作った。

「正直、外に出るのも億劫だったけど…っと…うん、暖かい。」

いつものように腕に抱き着く光奈。
動揺する事も無く受け入れる程に慣れている。
……うん、暖かい。特に心が暖かい。
抱き着いた光奈の頭を、あやす様に歪で大きな手が髪を撫でる。

「んー、まずはお参りしていこうか。出店は、帰りのついでに見ていこう?」

その方が遊ぶ時間も増えそうだ。
ゆったりとした足取りで、彼女をエスコートするように進んでいく。

修世 光奈 > 「そうそう!本当は髪あげたかったんだけど、まだまだ足りなくって。
楽しみにしててねー」

こうして彼と色々なところに行くことは多い。
まだ長髪、とは微妙に言い難い長さだが…着実に伸びてきている。
彼が思う長髪になる日も近いだろう。
かんたん着物とはいえ、動きは制限されるため急いで近寄ってきてもどこかゆったりとしているような印象を与える。
無理に動けばこけてしまうからだ。

「でしょ。せーっかくいい筋肉してるんだから、動かさないと鈍るよー?」

まあ彼の場合、運動はしているから全く問題は無いのだが。
つん、つん、と彼の腕を突いて遊びつつ。

「はーい。そうしよっか。あっちだったかなー」

ここには探し物係として何度か来ているし、祭りの時も一度来た。
だから迷うことはなく…やがて、人がまばらに並んだ社殿前に。

その途中も、フランクフルト、ピリ辛のお肉を焼いたもの、ちょこばなな、りんごあめ等々。
食べ物中心に色々な出店がでているようだ。

「よーし、じゃあお参りしよっか。ちょっと待ってよー」

まばらとはいえ、他の人に割り込むわけにもいかない。
彼の腕を引っ張って、その小さな列の後ろに並ぼう。

「…ミアは、何をお願いする―?」

そもそも、こういったことをおぼろげにしか知らない可能性もあるが
それはそれとして彼の願いと言うのは気になる。

ジェレミア・メアリー >  
「勿論。きっと似合うから、楽しみにしてるよ?」

靡く、揺れる、乱れる彼女の黒髪は是非とも見てみたい。
自分の為に伸ばしてくれる、そんな彼女の姿勢も大好きだ。
そんな彼女のあらゆる姿を見たい。
すっかりそんな欲も抱くようになってしまった。
頭を撫でた後は、軽く首筋を撫でてからかったりも忘れない。

「ハハ、光奈に負けない位動いてるから大丈夫。」

これでも現場職。
彼女に負けない位には動いている。
光奈に案内を任せながら、出店をちらほら見ながら歩を進めた。
しかし、どうしてこういう屋台料理と言うのは美味しそうに見えるのだろうか。
ちょっとジャンクな感じの匂いが鼻を刺激する。
若者が好きな匂いって、こんな感じ。
特に、あのお肉の奴が少し気になった。
目深に被った帽子の奥、碧眼かしっかりお店をチェック。

「意外といるんだね、まだ並んでる人。
 皆、もう年明けに済ましてると思ったけど……。」

並ぶ程度にはちらほらいるようだ。
最後尾に二人で止まって、何となく先を覗いたりして見る。
今年一年、何を神に願うべきか。
まぁ、既に決まっている。
だから……。

「秘密。」

敢えて、ぼかした。

修世 光奈 > 「あ、ちょっと、もう!そーれーは、なーしー!」

頭は良いが、首筋はNGだ。
誰にそうされたのかは明白であるため、むぅ、と照れ怒り。
手は彼の腕を掴んでいるため、軽く頭突きのような動きで仕返しだ。
そうやってからかわれるのも好きだが、人の眼があるのだ。
パブロフの犬の姿を簡単に見せるわけにはいかない。

「それもそーだった。
…この神社、いつでも定期的にお祭りとかやってるし、来る人も時期とかあんまり気にしてないんじゃないかなあ?」

くすくすえへへ、と笑い。
人が居ることについては、この神社の特徴を考えて…こだわる人が少ないのではないかと。
屋台に目線を向ける彼の様子を楽し気に観察して。
ただ、光奈も一緒に眼を奪われる。彼女はやはりスイーツ。
ちょこばななやりんご飴、カステラに視線をやって。
これは帰りが楽しみだ、と足取りは軽く。

そして、すぐに消化されそうとはいえ本殿の列に並び。
よくある、賽銭箱と鈴付きの縄が備えられている。
並んでいる人々は賽銭を投げ入れ、鐘を鳴らし…何事か願いをかけてからまた道を戻っていく。

「ぇーー、いいもん。じゃあ、私もひみつ!」

言わない方が叶う、なんて話もあるくらいだ。
秘密というなら、無理に聞き出そうとはしないが。
それはそれとして、彼の願いを聞けないのはもどかしい。
だから、光奈もまた秘密だと。

手を繋いだり、歩いていく神社の人たちを眺めているとついに次が二人の番だ。
光奈は五円を投げ入れ、ぱん、ぱん、と二拍二礼。
目を閉じて、お願いを始めよう。


―――どうか、この一年も彼がけがや病気をしませんように

そんな、彼に対する願いだ。

ジェレミア・メアリー >  
「ふふ、ごめんごめん。」

慌てる彼女をどうどう、と宥めた。
流石に少しやりすぎたと思う反面、そんな姿も可愛げがある。
彼女をからかう事にも楽しさはある。
だから、帰ったらもっと"可愛がって"上げなきゃいけない。
頭突きされても動じることなく、よしよし、と髪を撫でて宥めた。

「そう?確かにこの学園の事を考えれば、皆結構自由なのかもね。」

人種のみならず、異邦の住民さえここにはいる。
異文化、という意味では自分のみならず
多くの人々がある種、自由なのだろう。
初詣と言う文化もそうだし、そもそもいつも通りに神社に祈りにきた人間もいるかもしれない。

「僕の事だったら嬉しいな。」

秘密、と彼女は言った。
勿論、彼女の考えが覗けるわけじゃない。
これは、一種の惚気だった。
そして、自分の願うことの答えでもある。
徐にポケットから取り出した一枚の硬貨を親指で弾いた。
大きく弧を描き、賽銭箱へと入ったそれを見れば此方も二拍二礼。
作法は知らないので、彼女の見様見真似だ。
静かに瞳を閉じ、願うのは一つ。


────今年もずっと、彼女の隣にいれるように。


と、願うばかりだ。
勿論、全てが神頼みじゃない。
これは、唯の祈りだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
後の事は、自分で何とかする。
ゆっくりと目を開ければ、小さく、力強く頷いた。

「さ、それじゃぁお店色々寄ってこうか。
 光奈、何食べたい?食べながら、ゆっくり話そうよ。」

修世 光奈 > 「い、いつまでもそうやって誤魔化されると思わないでよね!」

なでられてそんな声をあげてしまうが。
やはり、誤魔化される。
撫でられるだけで微かな怒りも消え、彼にひっついてしまって。

「…そうだねー…。もう、ひみつだってば!」

学園だけでも異邦人が何人もいる。
そんな人たちに初詣、と言っても困惑することが多いだろう。
それによって得られたこの神社の自由さに感謝しつつ。

からんころん、と鈴を鳴らして。
しばらく、二人の祈りが静寂の中に満ちる。

「ん。いこいこー。私は甘いものがいいかなー…、あ、じゃあさー、ああいうとこ入るのはどう?」

そうして祈りが終われば、ぱ、とまた笑って。
道を戻りつつ指すのは…屋台、とはまた違った場所だ。

というのも、大きなテントに簡易な椅子とテーブルがいくつも置かれており。
テントの中には屋台がいくつか集まっている。
自分たちのように…歩きながら、ではなくゆったりと座って色々食べたい人向けの場所だ。

甘酒や…もちろん、屋台に売られている肉類やスイーツもあるため特に問題もないだろう。

「あそこなら座れるんじゃない?いこーいこー」

何と、昼間から吞んでいる姿まで見えるがそれはスルーしておこう。
ここで何をしようと、人に迷惑をかけなければそれは許される。
くいくい、と腕を引っ張って、そこに導いていこうと。

ジェレミア・メアリー >  
「通じる内は誤魔化していこうかな。……なんて、ね。」

既にすっかりとお互いベタ惚れなのはわかりきってる事だ。
だから、それが通じるまで何時までもからかう。
引っ付く彼女の体温に、安心感を覚えながら
何時までも続くといいな、なんて些細に願うばかり。

「スイーツ?光奈もやっぱり、好きだね。……ん、へぇ。ああいうのもあるんだ。」

言われるままに見た先は出店の群体。
一種のフードコートのような雰囲気を感じる。
成る程、人が来るならああいう風に商売も罷り通るのか。
確かに、人込みの中でああいう憩いの空間は需要が在りそうだ。
行きがけで出店の品、肉、焼き鳥、とりあえず肉。
正月気分とか知らん、と言わんばかりに頼んで片手に彼女と一緒に動いていく。
隣同士、腰を掛ければ落ち着いて周りを見渡した。

「……昼間から良く飲む人もいるんだなぁ。お正月だと、普通なのかな。」

新年早々、と言うと堅苦しいか。
正月期間では、ああいうだらけかたも許されるのだろうか。
それだけではなく、なんとなく全体的に緩い雰囲気を感じる。
迷惑を掛ければ、動かざるを得ないちょっとした危うさを感じるが
滅多なことは起きないだろうとは思いたい。

「ま、とりあえず食べようか?」

修世 光奈 > 例え、誤魔化されなくなっても。
もう光奈の素直な心情としては…こうしてからかわれるのもまた楽しい。

そんな思いを抱えながら神社風フードコートへ向かっていこう。
初詣を外れているからか、人入りはまばらでどこにでも吸われそうだ。

『らっしゃーせー。ごちゅーもんおうかがいしやーす』

いつもより少しおしとやかに席につけば、やる気があるのかないのかわからない店員が寄ってくる。
光奈はカステラとちょこばなな(トッピングいっぱい)を注文。
彼が肉なら、焼き鳥やピリ辛肉がオーダーとして通るだろう。

「あ、あと甘酒―。ジェー君は?……みたいだねえ…。お酒、お酒かあ…」

ついでにせっかくだからと甘酒を頼み。
彼が興味を持つなら彼の分も注文しよう。
酔客は特に迷惑をかけるでもなく、ただふにゃふにゃと何事かを呟きながらテーブルに突っ伏しているだけだ。

何となく気持ちよさそうでやはり酒精には興味を惹かれてしまう。

「結構飲む人多いよねー。ミアは、酔ったら泣き上戸?とかなりそう」

ふふふ、と笑う。
酒を飲む彼は見たことがないが、いつか飲める日は来る。

「私も飲めそうだったら、また将来、いい事があった日には飲めたりするといいねー」

自分の体質のことはわからないが。
そうなったらいいなー、と。

ジェレミア・メアリー >  
「折角だし貰おうかな、甘酒。」

そう言うのが許される時期だ。
今日はそう言うのに乗っ取っておこう。
勿論、普通のお酒とは違うものだ。
話では聞いてる、甘酒。目にするのも、口にするのも初めてだ。
テーブルに置かれた自分好みの肉に甘酒。

「こういう色してるんだ。普通のお酒やワインとは違うんだ。」

見た目からしても、どちらかと言うのジュースとか、そんな感じがする。
ふぅん、と興味深そうに見ている最中
そんな事を言われたら軽く首を振った。

「残念、お酒は強い方だよ。父さんもそうだったからね。」

それに、彼女の前では酔った姿は見せたくない。
どうせなら、酔った彼女を見てしまうという邪な感情。
ニヤリと笑みを浮かべて、おどけるようにわざとらしく肩を竦めて
甘酒を手に取った。

「そうだね。うん、光奈と一緒にお酒をね。
 だから、そうなる為に、今年もよろしくね?光奈。」

ずっとずっと、長い時間を彼女と過ごすために、今年一年も頑張るのだ。
くぃ、と新しい味を喉に流し込み、緩い正月の空気を楽しんでいっただろう。

ご案内:「常世神社」からジェレミア・メアリーさんが去りました。
ご案内:「常世神社」から修世 光奈さんが去りました。