2021/10/19 のログ
ご案内:「常世神社」に『調香師』さんが現れました。
『調香師』 > 今日のお店はブルーシートを広げたこの範囲
日傘を屋根に、バスケットは隣に

客寄せに選んだお香は厳かに密かに漂う森林香
サンプル品の1つ。今日の売り物はガラスの容器入りキャンドル
火を付けるだけで使える簡単さもさる事ながら、ワックスを一度使い切ってしまおうと数を用意しました


正座をして、人形は待ち時間を過ごします
その待機態度たるや、途中に挟まれる瞬きが無ければ、彼女も商品の1つであるかのよう

『調香師』 > 時々、通りかかっては普段見ない少女の姿に中止する人々が居る
彼女はその目線を受け、時々首を傾けながら笑いかける

...それだけ。客寄せの動作が一切ない
元々、『店内に入ったお客様』に意欲的に対応するだけであって、
呼び込む、という類は全て扉から通り抜けた香りにまかせっきりだった訳で

この分野を学習してこなかったのである
彼女は現状、可愛らしい置物。それ以上の存在価値はない
本人がそれを問題と思っていない事が一番の問題

ご案内:「常世神社」に追影切人さんが現れました。
追影切人 > 「――そういや、神社とかって行った事ねぇな…。」

とある非番の日。やる事も無く怠惰全開の様子で部屋でぐーたらしていた男の唐突な呟き、もとい思い付き。
常世神社の名前と場所くらいは知っているが、生憎とそっち方面は全く興味が無かったので参拝なんぞした事が無かった。

まぁ、このまま怠惰に過ごしていてもつまらんし、ちょっと顔を出してみるかぁ、程度の軽い気持ち。
参拝意識なぞ殆ど無く、単に見学気分で現在――神社に続く参道を一人歩いていたのだが。

「―――あ?…何だありゃ…。」

参道の一角に広げられたブルーシートに日傘、バスケットに…人形の置物??
まだ多少距離があるので、そこからだと正座っぽい姿勢の少女人形にしか見えない。

見た感じ、露店の一つなのだろうが…首を傾げつつも、そのまま歩いて近付いてみる。
そして、距離が間近になってきて気付いた。時々挟まれる動作を見て「あ、人形じゃねーや。」と納得しつつ。

「……つーか、何の店なんだこれ?」

思わず呟きつつ。先ほどから何やら芳香がそちらから漂ってくるが…。

『調香師』 > にこり。少女は笑みを浮かべている
近付いてきた貴方にも、通りすがりの人に向ける物と同じように見つめて、瞬きを一度

...相手が居なくならない。多分、この人なら良いんじゃないだろうか

「あなたは、お客様?」

この区間に入った、第一声
並べられたアロマキャンドルと、調整された香り
この2つを結び付けて、気付ける人は気付けるし、疎い人ならまだよく分からない少女なのでしょう

追影切人 > お互いの声が届く距離まで近付いた所で、遠目からはまるで人形みたいに佇んでいた少女は笑みを浮かべている。

単純にどういう店か遠目からは分からなかったので、興味本位で近くから見ようと思っただけの男は僅かに瞬きをして。

「…あ?客?俺が?…いや、単にどういう店なのか謎だったから近くまで寄ってみただけなんだがよ。」

と、ストレートにぶっちゃけながらも、そこで左右色違いの視線が並べられたキャンドルへと向けられる。
相変わらず今まで嗅いだ事の無い芳香が鼻先を擽る。そういうのと全く縁が無かった男からすれば未知の香りだ。

「んで、この蝋燭が売りモンなのか?」

アロマキャンドルの一つを指差して無遠慮に質問。そっち方面は本当に無知である。
疎いどころか無知。当然、そんな感じなので少女の事も彼は全く分からないし心当たりも無く。

『調香師』 > 「つまりは、お客様未満の興味本位
 うん、良いよ。そこから興味を持ってもらうのが私のお仕事だもん」

目線の行先は確かにキャンドル。それだけで、彼女にとっては脈あり判断
座り方から、あなたの方に向き直って。ガラス入りのキャンドルを3種類、並べました

「そうよ、売り物。私の作った香り達
 色々なお花の匂いを束ねたフローラルブーケ
 果実香を清涼感のある甘味の中に沈めたポンチ
 そして、香木とスパイスの混ざったオリエンタル

 今日はその3種類のキャンドルを作ってきたの
 普段は香りを扱ってるお店に居るんだけど。今日は出張販売ってこと

 自分で使ってもいいし、贈り物にも丁度いいと私は思うな」

追影切人 > アロマキャンドル、という物をそもそもちゃんと見たのは男にとってこの時が初めてで。
そんな男からすれば、これは変わった形の蝋燭という身も蓋も無い第一印象である。

少女がこちらへと向き直れば、その場にヤンキー座りみたいにしゃがみ込みつつ。

「ふろーらる、ぽんち、おりえんたる……。」

並べられた三種類のガラス入りのキャンドルを凝視しつつ、何処か片言のように呟く。
間違ってもこの男が普段口にするような単語ではない。
それぞれのキャンドルを眺めていたが、視線は店主である少女へと戻し。

「香りを売る商売なんてあんのか?そりゃ変わってんな…。まぁ、出張販売っつーのは取り敢えず理解したがよ。

…つっても、この手のモンは縁が無かったし、贈る相手も特に居ねぇしなぁ。」

男にとっては未知の物だから興味自体は少なからずあるのは間違いなく。
ただ、購入を決めるには至らないのか、再び視線をキャンドルへと戻して。

『調香師』 > 「香りは大事なものだよ?見えないけど、見えないからどんな場所でも届くの
 なら今日が初めましてという事として...」

首が傾く。普段ならば、ここから相手の事を聞いて匂いを調合するのだが
今回は商品が先に、相手はアロマアイテムについて全くの素人

長考。こういう時にどういう会話を広げればいいのか、会話の引き出しがまだ形成されていない!


「...好きな香りとか、あるかな?」

すん、と。貴方の匂いを記録しながら。本人としては、無難な切り出しのつもり

追影切人 > 「…あー、確かに美味そうな飯の匂いとかは刺激されるモンはあるが。」

香りは香りでも、そっち方面で連想してしまう男の単純さと無知さである。
とはいえ、素人なのと未知の物への好奇心で彼なりに理解しようとはしているようで。

「……好きな香りねぇ?ぶっちゃけ考えた事ねーな…。」

地味に彼女を困らせてしまいそうな返答である。実際好きな香りとか考えた事も無い。
視線を一度宙へと向けて睨むような視線で考え込むが、本当に思い浮かばない。

男から漂う匂いは、血と鋼と…怪異化しかけている故の混沌としたもの。
ただ、一番強いのはこの男の本質でもある刃――無機質な金属の匂い。…香りとは言えないかもしれないが。

『調香師』 > 「何かがちょっとだけ焦げたような香ばしさ
 或いは、スパイスの鼻の奥を刺激するような香り

 食事と香りはとても縁が深いのかな
 味も、匂いと大きく関係するって言うし」

うん、と大きく彼女も頷きました
しかしそのような香りは今回用意していないのです

匂いを、気配を感じた時には既に裂かれてしまいそうな緊張感
それを知ってなお、彼女が動く様子もない。それが『彼』だと理解するだけ
それが自身に向けられないと思っているのか、そもそも考えすらしていないのか...自然体

「男の人が好きそうな香りを今日は用意し忘れちゃったかも
 樹を基調に、シックな風に普段は整えて。甘さを抑えて、落ち着いた風に作る事が多いんだけど
 或いはシトラスを中心に、さっぱりと汗を流すような香りも若い人にはオススメ出来るんだけど

 ...悔しい。お店に帰らないと、作れないかな。むむむ」

気まずそうに目線を逸らしました
『実は甘いものが好き』なんて言うのであれば、売り込みも出来たのだが

追影切人 > 「おぅ、スパイスの香りとかは流石に俺もある程度は分かるぜ。ああいう食欲を刺激する香りは嫌いじゃねーな。
…あー、そうなるとアレだな。案外刺激的な香りが好み…になんのか?んー…。」

和んだりリラックスするよりも、刺激的というか目が冴える感じの香りが男はどちらかといえば好きそうで。

――そもそも、今、彼女の目の前に居る男の態度も後付けでしかなく。
その本質はただの刃――何かを斬るだけのモノでしかなく。
だから、その無機質な金属の香りとも匂いともつかぬものが一番強いのだろう。

「…んーー、そんなら、アンタの店に俺が後日とかに足を運べばいいんじゃねーの?
そん時までに作って貰って、それを俺が買うってのでも別にいいんじゃねーか。
つーか……それ、三種類1個ずつ買うわ。どうせだし試してみるのも悪くねぇし。」

と、先ほど紹介された三種類のキャンドルを指差して。勿論財布はきちんと持ってはいる。