2021/12/23 のログ
ご案内:「常世神社」にフィスティアさんが現れました。
フィスティア > 寒空の下、冬も深まり寒さが厳しい中、
雪のように白い少女が手を擦りながら神社の鳥居をくぐる。
こんな夜更けに一人で来る場所ではないのは分かっている、それでも一人になりたいから、と。
誰もいないであろう神社に訪れたのだ。
…あわよくば、神で悪魔でも、この気持ちを吐露出来る在らぬ者に出会えぬか、そんなわずかな期待を抱き。

「きゃっ
...暗いから足元には気を付けないといけないですね...寒い分さらにでしょうか」

階段を上り切ったところで、小さな石畳の隙間につま先がひっかかり、転びかける。
転ばぬように姿勢を整え、独り言を呟きながらすっかり冷え切った両の掌にほぉっと息を吹きかけた。

風紀の本庁でおとなしく温もりながら事務仕事でもこなしていた方が、などと一瞬脳裏をよぎるが。

「……私はいつまでこのままなのでしょうか…」

あの憐みや同情、呆れ。一部からは嫌悪すら向けられるあそこに居たくなかった。
だから、逃げてきてしまったのだ。

フィスティア > もうあれから随分と長い時間が経った。
口だけで何もできずにいた私に、彼女が道を示してくれた日から一年以上が経っていた。

「結局私は口だけの…
甘い思想ばかり口にして和を乱す存在でしかなかった…という事なのでしょうか」


そんな自問とも、誰かに解を求めているともとれる言葉は、寒空に飲み込まれて消えてゆく。
ここには誰もいないと思い、訪れたのだ。
期待するのもおかしな話ではあるが、傷心の少女は無意識のうちにそんな期待を抱いていた。

「嫌です…このままで終わりたくはありません。
誰であっても私は死なせたくありません…
見かけた誰かの死亡報告も、人の死を数字で処理する報告書も見たくありません…!」

少女はここのところ、何もさせてもらえないでいた。
戦闘能力が高い訳でも、特段人脈が広い訳でもない彼女はにできることは何もないに等しかったのだ。
近日の発生事案をみても、死や争いを嫌う彼女が邪魔でしかないような事案ばかり。
少女は何もできない事実に苦しんでいた。

ご案内:「常世神社」にセレネさんが現れました。
フィスティア > 事務仕事程度しか出来ないでいる少女は、すっかりおとなしくなってしまったように周辺の眼には写るだろうか?
それとも、思想を口にするも誰にも認められず孤立した哀れな存在に映るだろうか?
その答えは少女に向けられる視線が示しているわけだが。

「思いを口にすることすら出来なくなってしまいました…
ですが…何もできない私が何か言う権利は…」

始めのうちは、思想を唱えていた。
だが、自信もなければ実績もない彼女を相手にする人はいなかった。
事務仕事しかさせてもらえない哀れな少女は、段々と疎まれるようになっていき…
そのうち、何も言えなくなっていた。

お賽銭箱の前で立ち止まり、ぎゅっと手を握りしめた。
何か、何か行動を起こさなければ。
そんな焦燥もつもっていくが、結局は何もできずしまいなのだった。

セレネ > 寒空に浮かぶような月色を靡かせ、本殿の後方から歩いてくる人影。
少し早いが年末の挨拶も終わりさぁ帰ろうと思っていた所誰かの声が聞こえて蒼を其方に向ける。

己とはまた違った、白い子。
賽銭箱の前で立ち止まっている。こんな夜更けに一人でお参りとは、
随分信心深く見える。

「こんばんは、こんな寒い中ご参拝ですか?」

白い彼女へ歩いて行きながら穏やかに微笑んでご挨拶。
彼女がまさか、思い悩んで此処に来たとは露知らず。
白い見目も相まって、この寒さだと彼女が冬の精霊にも見える。
軍服を着ているようだから冬将軍だろうか。
…なんというか、非常に寒そうに見えて仕方がない。