2022/08/17 のログ
ご案内:「常世神社」にクロロさんが現れました。
ご案内:「常世神社」にセレネさんが現れました。
クロロ >  
此処は夜の常世神社……の、外れ。
石階段の上では明かりと騒音が聞こえており
お月様がそれを見守る明るめの夜。
夏祭り、というものらしい。
何時ぞやは警備員のバイトとして駆り出されたこともあり
今日もそんなこんなで呼ばれたので石階段の下で仁王立ち。

「…………」

そんなこんなで今日は出力を抑える魔術は使っているが
有事のために体はいつもと変わらない。
人ごみに出てしまうと、すぐ火事になってしまう。
そんなわけで入り口をずっと張っているわけだが
まぁこれがまた緩い仕事なわけで、ついでと言わんばかりに呼んだ。
そう、自分の女を。

「…………」

そんなこんなで仁王立ちしつつ待つこと数分……。

セレネ > 夏場の夜、神社から外れた場所。
境内でやっている夏祭りの喧噪を他所に、やや緊張した面持ちで歩く月色。
お口の悪い少女から、手のリハビリも兼ねてと繕われた浴衣。
着付けや髪結いは店の人にやってもらったが、やはり着慣れ無さが否めない。

カラコロとこれまた履き慣れない下駄を鳴らしながら待っているだろう黄緑髪の彼の傍へと向かおうか。

「――お、お待たせしました。」

待ち時間より早く来たのに、それより早く場所にいた彼。
ふわりと漂うローズの香りは今の彼の身体では分からないだろうが、
普段よりもやや強く香っている事だろう。

クロロ >  
「……ア?おう、来たな」

そうこうしてる内に待ち合わせ人がやってきた。
彼女は結構オシャレに気を使うタイプだ。
夏祭りに合わせて、それ用の格好にしてきていた。
すれ違う連中が来ていた"浴衣"とかいうものだった気がする。

「言うほど待ッちゃいねェよ。……浴衣、だッけか?似合ッてンじゃねェか」

なんて言ったっけ。映える、だったか?
人の言うオシャレなんかは興味はないが
こう見ていると、少し面白い気もする。

「さァて、と。呼ンどいてなンだけどどーするよ?
 オレ様、言ッとくけど今お前にも触れねーし人ごみにいけねーぞ」

でーん。
悪びれる様子もないこの言いよう。
一体どんな考えがあるのだろうか……。

セレネ > 「…夏服か?って聞かれなくて良かったです。
――有難う、御座います。」

前回のデートでは散々だったから、正直不安もあったけれど。
似合っているとの言葉を受ければ心の準備もしていなかったせいか
驚きつつも嬉しそうな感情は隠せないだろう。
あの子には、今度お礼を言わねば。

「人の身体ではないのですね?
…うーん。私も人混みはあまり得意ではないので、
ゆっくりお散歩でもしながらお話しましょうか。」

悪びれない彼に苦笑を浮かべつつ、まぁ想定していたから呆れる事は無く。
手は繋げないが、傍を歩けるだけでも良しとしよう。

クロロ >  
「夏服?夏にしかきねーし似たようなモンじゃねェか?」

夏に着るから夏服。
凄く頭が悪いけど単純な答え。
一応言わなかったけど夏服とは思ってたらしい。
実に悪びれる様子もないきょとんとした顔だ。

「当たり前だ。そうなンども使えるかよ」

ただでさえリスクがあるし、準備にも実は手間がかかる。
彼女のために何度かやっているが
一応裏側に住み込む住人の自覚がある以上
幾ら会うためとはいえ、何度も使えはしない。

「ならちょーどいいな。ちょっと歩こうぜ、イイ場所を見つけた」

それならちょうどいい。
くい、と顎を指せば先導するようにゆっくりと歩き始める。
熱量は抑える魔術を使っているため、隣にいても暑くはない。
とは言え夏の夜。特に今日は特に蒸し暑い。
暑さ対策はしっかりしないと中々汗だくになるだろう。

セレネ > 「……まぁ、言わないだけ進歩したと思っておきます。」

偉い偉い、と手を伸ばしかけたが今彼には触れられない。
ちょっと寂しい。が、ここは我慢だ。

「なら、また今度ですかね。」

次に己の部屋に来てくれる時に、目一杯彼に触れようと思う。
己に会う為に、わざわざ手間をかけた事をしてくれているのは知っているから
あまり我儘は言えないし。

「…良い場所?」

今夜は二人でお散歩。一人も良いが、やはり二人の方が楽しい。
相手が好きな人なら、愛しい人なら、猶更。
先導するよう、歩く彼の隣を慣れない下駄で歩きながらついて行く。
暑さ対策については、先日作った氷属性付与のチェーンイヤーカフをつけているので大丈夫…な筈。

クロロ >  
「……今オレ様バカにされたか???」

なんだかそんなニュアンスを感じる。
児戯扱いというかなんというか。
ああーん、と訝しげにしかめっ面。
まぁいい。今回の事は水に流すとしよう。

「悪ィな」

まぁ次回触れたければ触れればいい。
奇しくも似たようなことを考えながら
付いた先は少し神社から離れた竹林。
いや、林というにはかなりざっくばらん、隙間だらけ。
竹が生えた緑と言えばいいのだろうか。
少し、埃がかぶってそうな木のベンチが侘しい思いを醸し出す。

一方で、その向こう側には黒い水平線とそれを見下ろす星々と月。
海に面した神社ならではの、長めのいい夜の海だ。

「この辺なら雰囲気的にも涼しそーだし、丁度いいだろ?
 煩くねェ位には祭りの雰囲気は感じられるだろうしな」

セレネ > 「……いいえ?気のせいでは?」

最近小さな子とお話する事が多かったから、つい。
顰め面をする彼にふるふると小さく首を横に振って否定しておく。
それ以上追求されないなら、ホッと胸を撫で下ろす。

好きな人には触れたいし、触れられたい。
そう思うのは己が寂しがり屋だからだろうか。
それとも、自身がしっかりと存在している事を確認したいからか。

なんて事を考えつつ神社から離れ辿り着いた場所は竹林…とも言い難い疎らに竹が生えた場。
何ともワビサビといった雰囲気が似合うベンチに、海と夜空の星々。

「まぁ、素敵な所。…こんな場所、あったのですね。」

先程より遠くに、祭りの太鼓や祭囃子の音、人々の楽しそうな声が聞こえる。
騒がしい場が嫌いな訳ではないけれど、こういう静かな方が居心地が良い。
穏やかな微笑みを浮かべながら、傍らに居る彼に蒼を向けた。

クロロ >  
「そーか」

納得した。
案外、というよりも単純なのである。

「なンだよ、そンなに気に入ッたか?
 まァ、偶然見つけただけなンだけどな」

警備のバイトの見回りの際見つけた場所だ。
物静かだし、休憩するにはもってこいの場所だ。
まぁ、やや小汚いというのが難点だが
そこはご愛敬。古めの神社だし、それ位いいだろう。

「ちょーど海が見えるしな。打ちあがる花火とかも見れるかもな。
 よォ、腹減ッてンなら何か買ッてくるけどいるか?」