2019/02/02 のログ
■東雲 七生 > 今の天気を見る限り、明日も明後日も雪どころか雨一つ降りそうにない。
それなら明日は少し遠出して散策をしようか、等とぼんやり考えながら七生は待つ。
今日はどうやら流星群が見られるらしく、少しだけ楽しみにして一日を過ごしていたのだ。
ただ、『何時に』見られるかを確認し損ねたので、こうして寒空の下で延々と星が流れるのを今か今かと待っている始末である。
鼻の頭をすっかり赤くしつつ、時折首をぐりぐりと回しながら、七生は月と星空と睨めっこを続ける。
あんまり遅くなり過ぎたら怒られるだろうことは想像出来るので、まあ、ほどほどにしようとは思ってはいるものの。
ご案内:「異邦人街:公園」に北条 御影さんが現れました。
■北条 御影 > 寒空の下、一人空を見上げる少年に近づいてくる少女が一人。
白い息を吐きだしながら少年の後ろから―
「おや?こんな夜更けに何をしてるんです?あ、もしかして人待ちですか??」
なんて、親しげに声を掛けてきた。
如何にも顔見知りのような態度ではあるが―
恐らく、少年は少女のことを覚えてはいないだろう。
少女は、それを理解していながらそれでも―
「こんばんは、先輩」
にこりと、人懐っこい笑みを浮かべた
■東雲 七生 > これ明け方だったらどうしよう。
そんな嫌な予感が頭の隅を流れて行く。このまま朝までここに居たら、きっと怒られるだろうし、明日は家から出して貰えなさそうだ。
「しゃーない、次の機会かなー……」
大きく伸びをしてから諦めようとしたその時、不意に声を掛けられて其方へと意識が向く。
「ふひゃっ……ああ、こんばんは。
いや、別に人待ちって訳じゃないんだけど、いや、待ってるのは確かに待ってたけど。」
どう答えたものかと悩みながらはにかむ。
首の後ろを掻きながら、声の主である少女へと目を向けて、僅かに首を傾げた。
■北条 御影 > 「あは、意外とかわいい声が出るじゃぁないですか。うんうん、私的にポイント+1です」
振り向いた少年の声にくすりと小さく笑う。
ぴ、と指を一本立ててにんまりと笑みを深めれば
「人ではない何かを待っている…となると、何でしょう。
そのいち「寒空の下、孤独を儚んだ先輩は異世界転生のきっかけとなる暴走トラックを待っていた」
そのに「冬の寒さに耐えかねた先輩は、温かい缶コーヒーの差し入れを待っていた」
さて、どっちです?」
冗談めかして選択肢を提示するその手には缶コーヒーが入ったコンビニ袋。
少年の回答を待たずして、そこから一本取り出して―
「それともー…流れ星とか、ですか?」
ん、と少年に向けて差し出しながら、第三の選択肢を提示して見せる
■東雲 七生 > 「う……今のなし。お前は何も聞かなかった。いいね。」
声変わりのひとつでもしていれば可愛さも半減しただろう。
しかし現実は非情である。到底18歳男子の口から出たとは思えない「ふひゃっ」はけっして消えやしない。
「うう、こんな時間のこんな公園にトラック突っ込んでくるの難易度高えよ……?
割と道入り組んでるし……それに、」
七生の言葉を遮る様に、公園の上空を貨物運搬用のワイバーンが通り過ぎて行った。
ざっと見送ってから、な?と言わんばかりに視線を少女へと戻して。
「……あ、缶コーヒーは確かに欲しかったかも。
それと、実際のとこ流れ星が正解。流星群見れるって聞いたから、ちょっと見に来たんだけど。」
差し出されたコーヒーを受け取りつつ、笑みを浮かべて頷く。
そんでお前は何をしにこんなとこへ?とプルタブを起こしながら訊ね返して。
■北条 御影 > 「おっかしいなぁ。今時の男子のトレンドはこの世に見切りをつけてさっさと異世界ライフに望みをかけることだ、って誰かが言ってたんですけど」
ワイバーンが通り過ぎるのとほぼ同時。
二人の間を吹き抜ける風に合わせてわざとらしく首をかしげて見せて
「話題になってましたもんね、流星群。先輩にそんなロマンチックな趣味があったとはちょっと驚きですよ。
あぁいえ、褒めてますからね?私、人の意外な一面とか見るの好きですし」
ぷし、と音を立てて缶コーヒーのプルタブを起こせば、立ち上る湯気が吐息と混ざり合って寒空に溶けていく。
紡ぐ言葉もゆらゆらと湯気の中に混ざって消えてしまうかのように、取り止めもなく。
「あ、私は単に夜中の散歩です。結構好きなんですよ、夜の街って。神秘的でよくないですか?
……あ、此処で女の子の一人歩きはー、なんて言ってくれたら私的にポイント+2ですよ?」
■東雲 七生 > 「それどこのどんなトレンドだよ……?
まだこの世界でやることいっぱいあんの俺は。異世界に行けたとして行くのはそれ終えてからじゃないと。」
ふんす、と鼻を鳴らしてから転生の意思は無いことを主張する。
曰くまずは身長が180cmくらいになる事らしい。異世界は遥か彼方だ。
缶コーヒーから熱を分けて貰う様に両手で包む様に持ちながら、ふい、と小首を傾げて。
「ロマンチック、……かあ?
むしろ……頭の上を燃える石の塊がどんどん通ってくって何か強そうじゃね?」
『なんかつよそう』だから今後の参考にしたい。
そんな男子児童的な動機で寒空の下流星群を待っていたなんて事実を果たしてロマンチックと呼べるのだろうか。ちょっと違うけど多分呼べる。
「散歩かー……いやまあ、ポイントとか関係無く流石に夜道は危ないだろ。暗いし。
それに寒いしさ、風邪引くなよー?何か流行ってるみたいだから、風邪。」
■北条 御影 > 「強そう…ですか?ふむ、か弱い女子であるところの私にはイマイチピンと来ないとこではありますが…。
それでも、やっぱり流星群を待ってる男の子ってちょっとイイと思いますよ?ほら、不思議ちゃんっぽくて」
冗談めかして空を見上げても、流星群が降り注ぐ気配も特にない。
冬空特有の澄んだ空気の中、いつもと同じ星々が瞬いているだけで―
「ふふ、ありがとうございます先輩。でも、こうして私がちょっと危ないことしてるって先輩が分かってくれたなら―
今度会った時は、私の名前を呼んでくれるかもしれないでしょう?
だからほら、私はこうして先輩に敢えて心配をかけているんですよ。
ですので、もっともーっと心配してくださいね?」
■東雲 七生 > 「強そうじゃん、だって石が燃えてるだけで強そうなのに、それが飛んでるんだぞ?強そうじゃん!
不思議ちゃんじゃねーって、……いや不思議ちゃんって何だ……?」
強そう強そう言うくせに、七生の頭はあんまり強くない。
こてん、と首を真横に傾げながら、コーヒーを口へと運び、器用に飲み下す。
既に夜空へと視線が向くことは無い。その程度の関心だったのだろう。
仮に今流れ星を見たところで『思ってたのとなんか違う……』って言い出すに違いない。
「名前って……お前、……あれ?
んん?俺、お前の名前知ら……んん?
でも常世祭……アレぇ?
いや、心配はするけどさあ!」
頻りに首を傾げながら混乱した様子で言葉を紡ごうとするがどうに自分の頭の中がちぐはぐで上手くいかない。
自分の記憶に歪な空白があるような、ないような。そんな曖昧な感覚がどうにも気味が悪いようで。
■北条 御影 > 「―」
これは予想外だった。
何と目の前の少年は自分のことを僅かながらでも覚えていたらしい。
ぶるり、と体が小さく震えるのが分かった。
きっとこれは寒さからではない、別の何かによるものだろう。
それが何かを明らかにしてしまうのは、なんだか少し勿体ない気がして―
「あはは、じゃぁ改めまして。
私は北条御影っていいます。貴方の可愛い後輩ですよ、先輩」
何度目かもしれないお決まりの挨拶をして、此方も残っていたコーヒーを飲みほした。
ぷは、と吐き出した息は、先ほどより何だか長く残っていたようにも思える。
今回の「はじめまして」は果たして如何ほどの効果があるものか。
もしかすると次は本当に名前ぐらいは憶えてくれているのかも、なんて。
頭を過った甘い考えはきっと、口中に残ったコーヒーの優しい甘さが連れてきたものだろう。
小さく頭を振ってもう一度、目の前の先輩へと向き直り―
「それじゃ、私はそろそろ行きますね。またいつか会いましょう。またね、先輩」
そう言い残し、鼻歌交じりに公園を後にする。
未だ影も見えない流星群に願うまでもなく、少女のささやかな願いはほんのちょっぴり、叶ったのだった
ご案内:「異邦人街:公園」から北条 御影さんが去りました。
■東雲 七生 > 「お、おい?どうした?やっぱ寒い?
いや寒いよな、俺もめっちゃ寒いし。」
小さく身震いした少女の様子を見て、心配そうに眉根を寄せた。
しかし、改めて自己紹介をされれば、一瞬面喰った後に笑みを浮かべる。
そうなんだろうなあ、なんて独り言のように呟いてから、
「うん、俺は七生。東雲七生。
……最近休学してたからまだ先輩かどうかあやしいとこなんだけど。」
まあでも最近一年で進級してくスタイルじゃなくなったとも聞いた。
だからまあ、相手が自分を先輩だと思っているのなら、先輩として胸を張っても良いのだろう。中身が伴うかは別として。
「はは、気を付けて帰れよなー!
またなー、北条ー!コーヒーサンキュー!!」
公園を去る少女の背へと大きく手を振って見送って。
空になった缶を放れば、スコーン、と小気味の好い音と共に屑籠の中に呑まれていった。
よっしゃ、と小さくガッツポーズをした後は、思い出したように、再び夜空を見上げて。
すっかり夜も更けて深夜に差し掛かった辺りで、渋々帰路に就いた事だろう。
ご案内:「異邦人街:公園」から東雲 七生さんが去りました。
ご案内:「異邦人街」に蛭谷 エルさんが現れました。
ご案内:「異邦人街」から蛭谷 エルさんが去りました。
ご案内:「異邦人街」に蛭谷 エルさんが現れました。
■蛭谷 エル > 「なるほど...。異邦人、実に興味深い。」
街中を歩きながらそう呟いた。
ここは自分と同じ異邦人と呼ばれる別世界の人間が集まる場所らしい。
その甲斐もあってか、ここは自分の知らない文化が詰め込まれている。
とは言ってもこの世界の殆どが自分のしらないことばかりなのだが。
「これは...自動販売機だったか...?」
目に留まったのは自販機。
ちょくちょく目にしてはいたが、業務中故まじまじとみることがなかった。
確か使い方は...
■蛭谷 エル > 「ん...硬貨を入れて、確か...。」
100円玉を2枚程入れ、缶コーヒーのボタンを押す。
ガコン、取り出し口に缶が落ちてくるのとほぼ同時にお釣りがカチャカチャと排出される。
なるほど、これは合理的だ。感心した表情で缶コーヒーを取り出せば、すぐに開け、口に含む。
「...っ?!これは...。」
口に含んだ瞬間感じる苦み、そしてほのかに感じる砂糖の甘味。
元の世界では高級資源だったコーヒーと砂糖、まさかこんな場所で飲めるとは。
■蛭谷 エル > 「しかしこれ程までの嗜好品、盗難の被害にはあわないのか...?」
味もよく、砂糖まで含まれた嗜好品。おそらく自分の世界でこの2種を手に入れられるのは上層の一部くらいだろう。
それをこの世界ではこんな手軽に入手ができる。
理解の追いつかない事象に頭を抱えながらもう一口飲み、ほっと一息つく。
「まてよ、これだと...まだ他にも手頃に嗜好品が入手ができるのかこの世界は。」
目を少し大きく開き、閃いたかのように声を漏らす。
どうしてもっと早くに気が付かなかった、もっと早くにこの世界の文化に目を向けてさえいれば。
ご案内:「異邦人街」に人見瞳さんが現れました。
■人見瞳 > 異邦人街の事務所からお菓子と飲物の買出しへ。
コーヒー飲料のCMみたいに感じ入っている様子の男子生徒は誰あろう、白髪の君。
転移したてのあの頃の、あれやこれやで知らない間柄でもなし。せっかくですから声かけてみましょうかね。
「ごきげんよう蛭谷さん。お散歩ですか?」
■蛭谷 エル > 「君は...人見さんだったか。」
口に付けたままだったコーヒーの缶を降ろせば、顔をそちらに向ける。
確か転移したての頃少し世話になった女性だったか。
「散歩...そうだな。異邦人街というものに少し興味が沸いてな。」
繁華街とはまた別の賑わいがあるこの場所を見回せば、そう答える。
それにここにはまた別の食べ物や文化がある。実に、飽きない場所だ。
「人見さんは今日は何の御用でここに?」