2020/07/27 のログ
ご案内:「異邦人街」に九十八 幽さんが現れました。
■九十八 幽 > ゆらり ゆらり
異邦の為に造られた街を 気儘な足取りで進む影法師ひとつ
学園の制服は纏わずに 久方振りに袖を通したいつもの服装
腰には一振り刀を差して ゆるりと辺りを見回し乍
ゆらり ゆらり と石畳の道を往く
「──ああ 本当に 本当に沢山の人が居る
人──……と呼んでしまうのは失礼かな 失礼かも
それでも 人 の他に呼び方を知らないから
失礼も無礼も許して欲しいのだけど」
そんなひとりごとを口遊みながら 異邦人街を散策する影法師ひとつ
空を見上げれば 盛夏の訪れを感じてひとり 目を細めて
ご案内:「異邦人街」に阿須賀 冬織さんが現れました。
■阿須賀 冬織 > 普段は学園地区と学生街、休日に遊びに行っても歓楽街が一般学生の主な行動範囲であろう。
しかしそれが夏休みのような長期休暇であればまた別である。
特に一年であれば興味の赴くまま、島内を散策するのも珍しくないであろう。
「はー、建物見てるだけでおもしれーなここ。」
彼もまたその一人である。
折角の機会だからと様々な場所(流石にスラムや落第街は除くが)をと、とりあえずここ異邦人街へとやってきた。
「ん、そこのにーさんが持ってるのってもしかして刀?
本物って初めて見るなあ。良ければそれ見してくれない?」
周囲を観察していれば今風の服に刀を刺した人物を見つけた。
彼は刀を持っていることなどから男と判断したようだ。
初対面にしてはちょっと馴れ馴れしいかもしれないが、気になったので声をかけてみる。
■九十八 幽 > そろそろ夏の日差しに負けそうで どこか飲食店でもあればと視線を彷徨わせる
似ているようで それでも全く違うようで
立ち並ぶ建物は 異国と通り越し異世界情緒あふれるもので
どれが飲食店かなんて 素人目には分かりはしなくて
「──……うん?
にーさん?刀? ああ これの事かな」
声を掛けられれば ゆるりと振り返って
周囲に帯刀している人影は無く ならば自分しか居ないのだろうと判断し
にこりと微笑む姿は 男とも女ともつかないモザイクな姿
「構わないよ 大したものではないのだけれど
刀は武士の魂とも言うらしいけれど 武士ではないからね」
するりと腰から刀を外し 声を掛けてきた少年へと
はいどうぞ と差し出して
■阿須賀 冬織 > 「おっ、いいのか!? ……じゃっじゃあ、遠慮なく……。
へー、服装はフツーだけど、武士というかそういった感じの人なのかなって思ってた。」
断られるかな、なんて思ってただけにあっさりとした返事に、しかも触っていいなんて言われて驚く。
差し出された刀を、落とさないようにと慎重に受け取る。重さからしても木刀ではなさそうだ。
(うおお、かっけー!!!!)
流石に人も多い中で叫びはしないが、雰囲気が物語っている。
少しだけ鞘から出して光を当ててみたりと興味津々だ。
「あっ、ごめん。初めて見たからつい気になって。
初めて見たけど本物の刀ってこんなんなんだな。身に着けて持ち運んでるってことはなんか思い入れあったりすんのか?」
しばらくそれを眺め彼に返す。
かっこよかったなあなんて思いながらなぜ持ってるのかと聞いてみる。
■九十八 幽 > 「ううん、違うよ 違うんだ
武士なんて立派な人じゃあないよ」
静かに否定しつつ 興味津々に刀を見つめる少年を見守る
手渡した刀は何の特異性も無い ただの打刀
ただ持ち主が気に入ってる事が伝わる程度には 手入れが行き届いている
「──……刃だけは気を付けてね 怪我をしたら大変だから」
一言だけ注意を添えて にこりと微笑んだまま
刀を眺める少年を 眩しそうに見つめていたが
満足した少年が刀を返せば 静かに受け取って
手の中の刀をすぐには戻さず、じっと見つめたまま
「うん そうだね思い入れというほど付き合いが長いわけじゃないのだけど
この島に来て 少しばかりの苦難を乗り越えた仲間なんだ」
静かに語り 慣れた手つきで腰へと戻した
■阿須賀 冬織 > 「へえ……。でも、きっとおにーさんは立派な人だよ。
刀についてよく知らねー俺でも、大切に使ってるってわかった。
そうやって物を仲間なんて言える人が立派じゃないわけねーと思うな。」
戻す際の慣れた手つきといい、本当に鑑賞用などではなく、仲間として共にあったのだろう。
注意といい、見ず知らずの相手にそんな大切なものを触れせてくれるあたりいい人なんだなと思う。
「あっそうだ。俺、阿須賀冬織っていうんだ。
いいもの見れたし、そんな大切なもの触らしてくれたってことで何かお礼したいんだけど何かある?
まあ、この島に来たばかりの一年だし、あんまり大したことはできねーけど。」
めったにない体験も出来たことだし、お礼に何かできないかなと聞いてみる。
といっても特別お金持ちでもないただの一年なのであまりたいそれたことはできないが。
■九十八 幽 > 「そうかな? そう言われると 何だか照れてしまうね
でも きっと 刀に詳しい人が見たら怒られてしまうよ
どうにかちゃんとした風に扱えるように 勉強してはいるのだけどね」
目元を少しだけ赤らめながら 口元を手で隠しにっこりと笑んで
優しく腰の刀の柄を撫でると 少年の名前を聞けば自分の胸にそっと手を当てて
「九十八 幽というよ にたらずさん でも かすかさんでも 好きな様に呼んでくれて構わない
でも かすかと呼んで貰えるのが 一番好きさ
君は冬織というんだね 冬織、冬織 うん覚えたよ」
己の細い顎先を指でなぞる様に撫でて
にっこりと微笑みながら 少年の名前を繰り返し呼んで覚える
「お礼なんて ただ見せただけなのだから
でも……そうだね うん、そうだ
この辺りで何か 美味しいものが食べられるお店は知らないかな?」
少しだけ悩むように 戸惑うように視線を彷徨わせ
ぱしり と両手を打ち鳴らすと 静かに飲食店の場所を訊ねた
朝から何も 食べていないものだから と少し恥ずかしそうに付け加える
■阿須賀 冬織 > 「そういった姿勢があれば十分なんじゃねーか? まあ詳しいことは知らねーけど。」
「なんか、そんなに名前呼ばれるとちょっと恥ずかしいな。
……じゃあ、かすか……んー、さんで。オッケー俺も覚えた。」
自分の名前を繰り返し呼ばれ、少しこそばゆいなと思う。
好きなようにと言われたが、好きな呼ばれ方があるならわざわざ別のものにする理由はない。
さんを付けるのと付けないのでどちらが少し迷ったが、しっくりくるので付けることにした。
男だと思っているが、時々性別がわからなくなるような不思議な感じなのだ。
「あー……。うーん、わりい異邦人街は俺、初めてなんだよな……。
朝から食ってないらしいけど、少し歩いていいなら、うちの近くの店を紹介できるけど。」
頭を掻きながら考える。うーん、テレビなんかで美味しい店の紹介なんかをしてた気がしなくもないが……。
流石に初見で見つけるのは難しいだろうと、自分の寮の近くの店なら……と言ってみる。
ダメそうなら近くで良さそうな店探すの一緒に手伝うかな……。