2020/09/12 のログ
■レオ > 「いほうじんがいで、たおれてたみたいで……
財布しかとられて、なかったから……まぁ、運がいいほうです」
苦笑した。
金で済むなら安いものだ。寝てた自分が悪い。
そう言いながら傘を押し付けられれば、困惑した顔で返そうとする。
これ以上は受け取れない。
気持ちと裏腹に、力はまだ出ないので、押し付けられれば押し付け返す事すらできなかった。
「え、あ……、……あの、ほんとに、だいじょう…」
■レオ > 言いかけて、既に先に立ち去られてしまった。
なんだか悪い事をしたな、と思いながら……ぺこりと雨の中歩いていく先輩に頭を下げて。
そして、そろそろ行かなくてはと、自分も傘を差して立ち去る……
幾分か体もマシになった。無事…駅には、ついただろう。おそらく。
■伊伏 >
伊伏はというと、
風を巻き上げて歩き、ふとした瞬間に―――姿が路地へと消えて行った。
ご案内:「異邦人街」から伊伏さんが去りました。
ご案内:「異邦人街」からレオさんが去りました。
ご案内:「異邦人街」に干田恭支さんが現れました。
■干田恭支 >
切っ掛けは、友人の些細な一言だった。
『干田ってさ、私服地味だよな』
昼休みにそんな話題から始まり、挙句『そんなだからイイ奴なのにモテねーんだよ』とまで言われた恭支。
普段学校に来ている間は制服かジャージを着ているから良いのだが、寮へ帰った時や休日の姿が友人たち曰く『正直ダサい』らしい。
「そんなにかなあ……ポロシャツとスラックス……動きやすいんだけどなあ~」
高1なんだからもっと洒落っ気出せよ、と言われ委員会活動を終えた足でそのま服屋を何軒か回っている。
■干田恭支 >
「というか、ここは……異邦人街、だよな。」
確か最初は常世渋谷に居た筈だ。
それをぶらぶらと歩いているうちに異邦人街へと入り込んでしまっていたらしい。
異国情緒あふれる街並みに、思わず感嘆がこぼれる。
「へえ、ちゃんと来た事は無かったけど。こんな雰囲気なんだ。」
常世渋谷に似たようなエキゾチックな雰囲気の一画があるが、ここは街ひとつがそんな雰囲気だ。
むしろこの街が常世渋谷に進出しているのだろう。
きょろきょろと物珍しそうに周囲を見回しながら、ひとまず通りを歩く。一応当初の目的は忘れていない。お洒落な私服、だ。
■干田恭支 >
学生街や常世渋谷のショッピング街と比べ、異邦人向けの店が多く並んでいる。
取り扱われている商品も、もちろん異邦人向けが多数。角カバーとかあるんだ、と感心したように足を止めた。
「へ~、あれかな。俺らで言う手袋とかと同じ感覚なんだろうなあ。」
角の無い恭支には当たり前だがいまひとつ使用感が想像出来ない。
興味深そうに眺めていたら、店内の店員と目が合ってしまった。営業スマイルを向ける店員に、ぎこちなく笑みを返してから慌てて店先から立ち去る。
「誰か角のある知り合いが出来たら、どんな感じなのか聞いてみよう。」
すれ違う人々も異邦人がぐっと増えたように思える。
こうして見るとかなりの数の異邦人が居るんだなあ、とまたしても感心し始める恭支。
■干田恭支 >
「ええと、服屋服屋……出来れば普通の人間が着れるやーつ……っと。」
歩き慣れない道で足を取られない様に気を付けつつ。
自分の頭の中で地図を描きながら歩いて行く恭支。
もしかしたら今度委員会の活動で訪れるかもしれない。その時に街の全容……とまではいかなくとも、ある程度把握が出来ているのは大事だろう。
「おーよーうーふーくー……っと、あったあった。」
ショーウィンドウに様々な様式の衣服が並んでいる店を見つけた。
どんな服を売っているのか、まずは外から様子を窺うことにする。
■干田恭支 >
「うーん、見た感じだと異邦人以外のお客さん向けのもあるっぽい?
翼用の穴とか尻尾用の穴とか角用の穴とかあるにはあるけど……」
いわゆる「人型」の衣類を中心に扱う店の様で、恭支はガラス越しに商品をじっと見つめてみる。
次は値段だ。手持ち資金が全く無い、というわけではないが小金持ちというわけでもない。
委員会からの給料も、今は見習い、研修中ということで割安だ。
「出来れば一万以内で上下くらいは揃えたい……けど。」
エスニック柄なフリーサイズのシャツが目に留まり、ああいうの良いなあ、と店先で突っ立ったまま呟いた。