2020/11/16 のログ
ご案内:「異邦人街」にオダ・エルネストさんが現れました。
■オダ・エルネスト >
このオダには目標がある!
あれは自転車を買って直ぐの事!
このオダには夢がある!
それはこの島――常世島の色々な場所へと行き、この学園を歩き尽くすという野望だ!
これまでも異邦人街の方面には何度も足を運んで来たが、変則的な移動だったりしていた。
今日のように『異邦人街の大通り』を歩くのは、初めてのことである。
学園地区や男子寮周り……学生・職員居住区のあたりはよく歩き回っているが、ここは普段の生活の圏外だ。
近くは通るが、予定もなく訪れることは、この街に住んでいない限りはあまりないのではないか、と青年は考える。
「しかし、意外と悪くない」
学園地区の学生通りや商店街と比べるのは酷とも言えるが、
ファミレスなんかも部活動が手を伸ばして出店してるし日用品にも困らなさそう。
別に視界に入れるだけで正気を失っていくような外宇宙生命体もいない。
それどころか、混雑なくのんびりとした時間が流れているのは、都会の喧騒から離れた田舎といった趣も感じる部分もある。
それでいて寂れているというのとは異なるこの場は、意外と悪くない。
「流行の服装とかそういうのより、異邦人たちが受け入れやすい服とかか……考えてるな」
学園からの援助あって衣服のオーダーメイドなんかも彼らは気軽に受けれるようだ。
■オダ・エルネスト >
故郷の衣服を常世学園の最早《星の海》と形容してもいいような
異邦人に対する情報と本人から語られる情報を元に作られる衣服や装飾品。
服飾系部活動は、異邦人に対してここでの生活を支援する場合に限り、そう言った情報へ接続する権限を得ているのだとか話をちょっと聞いたりもする。
「中々考えられて構築されてる」
正直、こうであると知らなければあまりいい印象をこの場には持っていなかった。
一つの立場のヒトを一箇所へ追いやってとも考えてはいたが、こうも手厚い状況があると知れば印象はがらりと変化する。
逆に言えば、ここまでやっているのであれば下手な摩擦を起こさないようにという先達たちの苦労も考えさせられるというものだ。
住居の形態一つ、食事のあり方一つ、衣服もそう。
コレまであったものが急になくなるのはストレスだ。
青年もこの島に来る前に、祖国でこちらの水に慣れる特訓をしたから今ではミネラルウォーターではなく蛇口から捻って出てきた水を飲める。
水一つで体調だってボロボロになる。
そう考えれば、これくらい手厚くなくては彼らは、健康で健全にはこの島で生き残れないのかも知れない。
■オダ・エルネスト >
奇しくも出会ってきた相手は、そう言った異邦人と呼ばれる立場の者が多いふと気づく。
あまり気にしていなかったが彼ら彼女らはこの世界で生活できるようになるまで大変だったのではなかろうかと今更ながら思う。
「だとすれば……」
それは、必死だったに違いない。
しかし、今更そうだと気づいたからといえいきなり敬うとかは――気持ち悪い、なぁ。
それに幸いにも、知り合って面々は割と物怖じせずに自分の気持ちは口にする者たち、だと思う。
で、あればコレまで通りでいいかと思う。
「それに、こちらの文化や文明を積極的に触れていってるのが分かる相手もいる」
この世界のものを贈ることもまた異文化交流、そう思ってえるだろう。
■オダ・エルネスト >
後期授業が始まってから、顔を見ても自分が忙しいもあったのだが挨拶程度にしか言葉を交わしてないなぁと思い返したり、
色々と級友ともそんなに遊べてなかったと苦笑する。
野望の前に、大事にすべきものがありそうかと。
「学園祭、一人でこっそりやろうかと思ってたが」
それじゃなんか物足りないんじゃないか、と今更思う。
学園祭でやろうとしてるゲームのアイドル《ノヒメ》で三十分にも満たない程度のミニライブ計画だ。
式典委員会には申請してるし、他のバンドなんかの前座にでもして貰えればオーケーだとしてるから割といい感じの第一返答は得ている。
「……そうだな、楽しいものというのは誰かと分かち合った方が何倍も楽しいというものだ!」
結論が出れば、
一人晴れやかな顔をして異邦人街という今の時代を表すような自由な街を歩き続けることにする。
何か珍しいもの・事をやってはないかと。
■オダ・エルネスト > 賃貸情報ひとつ見るだけでも中々面白い。
この世界の普通の感性からすれば欠陥住宅に見えても、彼らからすればそうではなかったりと唸るものがあった。
管理している生徒に聞けば、学園地区の喧騒から離れたりちょっと特異な体質だったりするこの世界出身のヒトも普通に住んだりするのでところどころ普通の物件もちゃんとありますよ、とのことだった。
この街の自由度は祖国と比べてもいい勝負をしそうだ、と一人感心して男は通りの奥へと消える。
ご案内:「異邦人街」からオダ・エルネストさんが去りました。