2021/02/26 のログ
ご案内:「異邦人街」に幣 美奈穂さんが現れました。
■幣 美奈穂 >
今日は珍しいお仕事がお昼からありました。
異邦人街でやっているバザーの巡回巡視です。
色々と噂されている風紀委員会だそうですが、こういう地道なお仕事が大事だそうです。
もともと、お出かけする風紀委員の人達に「お仕事ないですか?」と尋ねた美奈穂です。
いつもなら、少し遠出になるので断られるのですが。
ふと、お出かけする方が隣のブロッサムちゃんを見て、
そしてお仕事のお手伝いを許可したのです。
異邦人街に行きますのもとても久しぶりです。
美奈穂は学園内と学生街ぐらいしかお仕事させてもらえないからです。
移動する車、窓から外を珍しそうに見ている間につきまして。
ブロッサムちゃんと一緒におります。
色々と予定があるのか確認をしている責任者から、美奈穂のお仕事が何かわくわく待ちます。
『細い路地や暗い所に行かないようにすること』
はいっ!、とお返事しますが。
責任者の顔はブロッサムちゃんに向いています。
ん?
『知らない人についていかないようにすること』
はいっ!、とお返事しますが。
責任者の顔はブロッサムちゃんに向いています。
んんっ?
『この時間になったら、この場所に戻ってくること』
はいっ!、とお返事しますが。
責任者の顔はブロッサムちゃんに向いています。
ちらりとこちらを見てから、念押しするようにブロッサムちゃんの方へもう一度。
んんんっ?
美奈穂は首を傾げさせます。
責任者さんはブロッサムちゃんの首輪にリードを繋ぎますと。
美奈穂の帯にそれをしっかり結びつきます。
「大丈夫ですわ。
ブロッサムちゃんもきっちりお守りします!」
ぐっと軽く握った手を胸前に、気合を入れます。
責任者とブロッサムちゃんがこっちを見てから、互いを見て。
小さく頷きます。
責任者さん、わんこさん大好きなのですね!
■幣 美奈穂 >
「こういうお仕事も大事なのですよ?
わたくしはいつもは、学生街とかでやってます」
えっへん。
臨時で風紀委員になっているブロッサムちゃん・・レオンベルガーと言う超大型犬の首輪に、
美奈穂の腕章をつけてあげています。
美奈穂はいつもつけてませんが、こういう時に役に立ちます。
「たくさんお店、ありますわね・・あっ、あれはなんですかしら?」
きらきらとした装飾品が並べられたお店にふらふらと美奈穂は近づきます。
わんこさんなブロッサムは、しっかり周囲を警戒しながら。
人にぶつかったりしないように護衛対象を守ります。
「うわあ、綺麗ですわね。
これも異邦のものですの?
お髭のおじちゃま」
横にふとましいドワーフの職人。
立派なお髭がありますが、実は10代の若手職人見習い。
見た目で呼び名を決めた美奈穂です。
聞くと、石はガラスで簡単なもの。
本格的な宝石を使ったものはまだなかなか作らせてもらえない為、
このバザーで売るように練習用に作っていた習作を並べているようです。
ガラスも、炉のそばに砂などを置いて作られたものに色をつけたもの。
とてもお安いそうです。
「綺麗です・・」
にこにこと嬉しそうにそれらを見る美奈穂です。
胸ほどにまで頭の高さがあるブロッサムも見れます。
ほんのりとエンチャントも出来ており、将来は有望な職人見習いの様だ。
■幣 美奈穂 >
「ブロッサムちゃんはお腹空いてません?
あっ、あっちで精霊魔法の大道芸があるそうです・・。
にゃんこさんです!
え?、挨拶したらだめ?」
様々な異世界料理の屋台があり、
そしてバザーで芸を見せる異世界大道芸があり、
そして異邦人街を縄張りにしているにゃんこさんが路地裏でのんびりしているのが見えます。
路地裏に行こうとした美奈穂の前に回り込んでいかないようにしたのは
ブロッサムです。
ブロッサムの首輪に下げられた風紀委員の腕章に思う方もいるようですが。
ほのほの呑気な雰囲気を全方位に無制限にばらまく美奈穂の様子。
見かけた者を微笑ましくさせています。
■幣 美奈穂 >
『嬢ちゃん、食べるかい?』
ガレットのようなものを下さる方もいます。
ふんふん、ブロッサムちゃんが嗅ぐので「食べますか?」と差し出してみますが。
匂いを嗅いで満足なのか、ふいっと顔を反らします。
ブロッサム、毒や身体に悪いものがないか嗅いで確認したのである。
「わぁ、中のチーズトロリです。
しゃくっとしたタマネギも美味しいですわ」
しゃがんで食べてみて、頬を抑えて満足な美奈穂です。
立って食べるのは苦手なのです。
チーズの塩気もいい感じなのです。
傍にきたにゃんこさんが見上げてから脚に身体をこすりつけてきます。
しゃがんで撫でて差し上げると、立てた尻尾、甘えた声です。
「う~ん・・タマネギはいってるからこれは駄目ですよ?
あっ、お魚さんならあります」
背負った鞄から干した小魚を取り出す間。
膝の上に置いたガレットに手を伸ばそうとするにゃんこさんを、
ブロッサムちゃんがあやしてます。
ブロッサムちゃんももう仲良しさんですね。
『新入りか?』と恐れず近づいてくる野良猫。
いや、人に対して新入りかどうかというのはどうだろうか?
とりあえず警戒されない体質らしい。
『うまそうなもんくっとるやんけ』と強請る猫に、食べ物を上げるつもりのようだ。
だが、ガレットは食べない方がいいだろう。
怪我をさせないよう鼻先で猫の前足を邪魔しておく。
体内の力を操作すれば、鋼鉄さえ切り裂く爪や牙もあるが。
そのようなものを使うまでもない。
「はいっ、これなんてどうですか?」
にこにこと小魚をにゃんこさんに差し出します。
ふんふん嗅いでかぷりっ
すぐにはぐはぐとする様子が可愛らしいです。
加えたまま路地裏に行こうとするのですが、
にゃんこさんとブロッサムちゃんが顔を合わせると、大通りを歩きます。
それについていこうと引っ張るブロッサムちゃん。
「あっ、まってくださいませ」
食べている途中のガレットをハンカチでくるみまして。
立ち上がるとついていくのです。
■幣 美奈穂 >
良い所連れて行ってやる。
と伝えて路地の方へといこうとする猫。
いや、路地などに行ってはいけない。
そう、風紀委員の責任者と約束している。
それよりも、座ってゆっくりできる場所はないか?
猫は肩をすくめると、こっちだと歩き始めます。
それについていくことにするのだ。
すまん、もう少しゆっくりでいいか?
にゃんこさんを先頭に、それについていくブロッサムちゃん。
腰に結わいつけられたリードに引っ張られるように付いていきます。
するとちょっとした広場、異国風な噴水がある広場に出ます。
ひょいっと噴水の縁に上り座って、差し上げたお魚さんをはぐはぐするにゃんこさん。
「わぁ。綺麗ですね?」
ブロッサムちゃんを撫でてから、にゃんこさんと並ぶように座ります。
ブロッサムちゃんは私の前で座り、周囲を見渡してます。
賑やかなバザーのお店がそこかしこに開かれています。
それを見ながら、先ほどのガレットを包んだハンカチを開きまして。
ぱくりっ。
とても美味しいのです。
お昼下がりで、少し涼しいですが。
人も少なくなく、寒さも随分和らいだ時期です。
ガレットを頂きますと、手を拭いて水筒を取り出します。
玄米茶をくぴりっ。
ほっとする時間です。
皆さんも楽しそうなご様子なので、とても嬉しいです。
にゃんこさんが膝の上に上ってきます。
少しブラッシングしたい毛並みです。
でも、優しく撫でて差し上げるのです。
■幣 美奈穂 >
うとうとっと少し仕掛けるのですけど。
ぴくりっ。
美奈穂、何かを感じたのです。
きょとんとしたお顔で、周囲を見渡します。
居眠りをしていたにゃんこさんを膝から下ろしますと。
なんにゃ?、という感じでこっちを見てから、後ろ足で耳の裏をがしがしっ。
そしてぴょんっと縁から降りて縄張りに戻ります。
「なんか・・あっち?」
周囲を見ましてから、一方向に目を定めます。
ブロッサムには判らない、何に幼子が反応したのか。
少し警戒し、四肢で立ち上がります。
「大丈夫よ、ブロッサムちゃん。
悪い感じではありませんから・・」
わんこさんの背中をなでなで。
そうしてから立ち上がりますと、ふらりと店のある方向・・いや、店と店の間の壁に向かうのです。
「んーっと。ここですけど・・」
指を軽く動かし、拝むようなしぐさ。
そして手を伸ばせば・・その壁。
いえ、壁は動いてません。
その前の空間が揺らぎ、1つの路地が姿を見せます。
白い石が並べしっかりと掃かれており綺麗な路地。
二階の窓などはプランタが並び、白い壁が陽光に清潔に見せています。
ブロッサムはびっくりした。
何も判らず、感じられなかった場所に。
道が現れたのだ。
途端に、ハーブなどの匂いなどが感じられた。
「え?、大丈夫よ。
こっちは」
中に入ろうとする美奈穂の足を止めようと、前に回り込むブロッサム。
そのブロッサムを撫でると、美奈穂は路地に脚を運びます。
■幣 美奈穂 >
警戒するブロッサム。
そんなブロッサムちゃんを横に、安心させるように背中を撫でてあげながら。
その白い石畳を歩きます。
二階のベランダの柵の上で、器用に寝ている黒猫さんなんかもいます。
暫く歩きますと、緑の木扉の入り口。
そこには『OPEN』と看板が下げられています。
「おじゃまします・・」
扉を開けて入ると、お店の様です。
ハーブやお茶などを揃えたお店です。
どんなのがあるのだろうとみていけば、綺麗にラッピングされた袋。
『いい夢が見れる』や『砂漠の国を旅できる』などと説明付きです。
中のハーブ茶葉ですが、美奈穂の目にはきらきらと煌めくものが入っている感じがするのです。
『おやおや、珍しい。
――常世のお客さんかい?』
と、髪の白く、とんがり帽子を被ったお婆様がお店の奥から。
「あっ、はい。
なんか変なとこに繋がってる感じがしましたの」
へにゃりとはにかみながら伝える美奈穂です。
話を聞くと、たまに常世島の異邦人街に繋がることもあるらしい。
特に、今はバザーをやっているので繋がったのだろうとお婆様。
お茶でもどうか?、というのでご相伴に預かる事にしました。
ブロッサムちゃん、わたしのすぐ横で身体を固くしているままです。
■幣 美奈穂 >
ハーブティーとクッキーを、お店の中にある小さなテーブルとイスのセットのところに置かれます。
名前や常世島の4年生である事、風紀委員とかしてることをお話しします。
ここはイタリアの島にあるお店で、こっちは裏口らしいです。
時々、他の世界や場所と繋がってしまうことがあり、不思議な者がきたりもするらしい。
もう、長い時間お店をしてますが、常世島で客が来たのは本当に久しぶりとのこと。
『そう、もうそんなにたつのね』
「そうなんですか?
あっ、こっちのレモンクッキーも美味しいです!」
美味しかったのは、半分こしてブロッサムちゃんにも。
いくつも何度も口に押し当てられ、食べないと悲しそうな顔をするので。
食べるブロッサムでした。
『裏口から帰ったら、きちんと元の場所に戻れますからね?』
孫やひ孫を見る目で、お茶をするおばあちゃまです。
『あら、クローチェもきたの?』
と、先ほどベランダで寝ているのを見かけた黒猫が、
奥にある扉の猫口から顔を出します。
『この子、魔女の黒猫なのよ?』
と、お婆様に撫でられてから美奈穂の足元に。
膝の上に飛び乗ってきたので、撫でて差し上げればごろごろと喉を鳴らします。
日向ぼっこしていたからか、お日様の匂いと手触りがします。
あらあら、ところころ楽しそうに上品に笑うお婆様です。
■幣 美奈穂 >
そろそろ、戻らないといけない。
時間を気にしたブロッサムが美奈穂の服の裾を咥え、
軽く引っ張るまで続くのです。
『地中海のゴンドラに乗る夢』や『フランスの美術館の夢』などが見れますハーブティーを美奈穂は買います。
あとは美味しかったクッキーも。
また来ますね、と朗らかな美奈穂を。
愛猫を抱えたお婆様が出口までと送ってくださいます。
『ここを通れば元の所・・あら?、まだ繋がってないわ?』
不思議そうにするお婆様。明日か明後日には繋がりそうですが、
まだほかの場所と繋がっていません。
裏路の先は白い石壁にふさがれています。
「そうなのですか?
あの、また遊びに来ます!」
が、美奈穂は普通に石の前に手をかけますと・・
横にスライド。
空間に出入口をいとも簡単に作ってしまい、そこを通っていきます。
手を振りお別れの挨拶をしますと、閉じます。
すると、普通の石壁です。
お婆様も黒猫が触ってみますが、他の場所と繋がっている様子はありません。
■幣 美奈穂 >
お土産も買えました!
と弾むような歩みの美奈穂です。
ブロッサム、そんな美奈穂を後ろから少し押します。
時間が結構ぎりぎりなのです。
なんなら、背負っていきたいほどです。
ブロッサムには、この幼子が何をしたのかまるで判らない。
力なんてまるでないと感じていたのだが、普通になにかとんでもないことをしたのでは、
とは思うのです。
主が不在の間、守れ、といったのは。
こういう事からなのか?
「はいっ、きちんと戻ってきました!」
責任者はブロッサムを見ます。
少し自信がないのか、尻尾が少し垂れ気味。
ブロッサムが判っているだけで、路地に入りそうになったのが数度、
知らない人についていこうとしたり、貰ったりも数度ある。
・・だが、無事に任務をまっとうできた・・とは思う。
あの、変な空間はともかくとして。
それに比べると自信満々に仕事をしました、と見せる美奈穂。
こっちはいつも通りです。
帰りは、特に報告書もいらないとのことで。
学生街の、家に近い場所で降ろしていただきます。
このまま帰っていいそうです。
美奈穂、ブロッサムちゃんに指二本たてて伝えるのです。
「ちょっきというのです!」
オトナっぽいと思っているのでしょう。
ブロッサム、人の言葉が話せないので。
『それはチョキです』というつっこみも出来ないのでした。
ご案内:「異邦人街」から幣 美奈穂さんが去りました。