2021/10/20 のログ
ご案内:「異邦人区地下街《常世アンダーグラウンド》」に幣 美奈穂さんが現れました。
幣 美奈穂 >  
「ふぁあ~・・」

バスの窓からお外を見て、その高い天井にびっくりです。
修学旅行、10月の学校行事です。
任意参加なのですが、学校が好きな美奈穂は出来るだけ参加です。
そのためお仕事も頑張ったのですから。

選んだのは、一泊二日の温泉付き。
一般の学生の修学旅行と違うのは常世学園だからでしょうか。
他にもプランは色々ありますが、それなりに忙しい美奈穂なのです。
今回の修学旅行と、もう一個ぐらい行こうと思うのです。

修学旅行なのでただ旅行するだけではありません。
学びも必要なのです。
温泉旅館までの途中で寄るのは異邦人街にある大きな地下街。
そこでの生活や仕事を調べ、帰ってからレポートとして出す必要があります。

「すっごく大きいですわね。
 わたくし、この地下街には初めてきました!」

一緒に温泉旅行と、中等部の一般教養で同じクラスの女学生と一緒です。
まあ、他の修学旅行に行っている方もおられるので全員ではありませんけど。
主に、委員会活動している方や、他の活動、夏の祭典を終えた方々とかです。
今の車内、腐女子率高し。

そんな中で素直に目をキラキラさせて外を見る美奈穂のお口に、
細長い焼き菓子がIN。
かりかりかりかりっ。
食べてるとお口が閉じます。
午前中がここで、お昼ご飯は中華街で頂き、その後マーメード村で水中サーカスを見てからお宿の予定。
楽しみです。

幣 美奈穂 >  
お着換えとか荷物はバスのお腹の中。
ポシェットとかだけな身軽な手荷物。
バスが大きな広場に停まります。

クラスメイトと手を繋いでバスを降りるのです。
1時間の簡単な案内と説明、そのあと1時間の自由時間。
班行動は基本です。
足が遅れがちな美奈穂も頑張る所存。むんっ。

「はいっ!。まだ広がって大きくなっているのですか?」

質問していいとあれば、手を挙げてはきはきご質問です。
片手は繋がれたままです。
パネルや展示がある、観光案内所。
ちょっとした博物館みたいに展示など沢山。
ここを見るだけで時間が終わってしまいそうです。
ですが、『興味あれば~』というので、修学旅行用のショートカットコース。
広げていく中で出てきた発掘品を、刷毛などで綺麗にしている部屋など。
普通は見れない裏道コースだそうです。
お得です。

「あれ・・あの、その壺は・・」

今手入れされている壺。
少し神力が宿っています。これ、聖遺物の1つですわ?
祭祀局に連絡して、あと、たぶんですがオニャンコポン様と連絡取った方がいいかと思います。
こくりっ。
ニャメ様やオドマンコマ様の感じもありますから、オニャンコポン様の力が一番多いです。
と、案内の方に伝えておきます。

幣 美奈穂 >  
いい壺でした。
案内とパンフレットや地図を頂きます。
どこいこうかとお友達と相談――決まっているそうです。
ここらへんで行くべき場所として、マグマ直火のマグマ焼き、宝石とかの石屋さん、
地下街ファッションの《マンモール》。
ほむほむっ。
判らないのでついていきます!

ほうほう、これがマグマ焼き・・ゆっくり流れるマグマ。
その熱で食べ物を焼く、串焼きだそうです。
お好きな物と言う事ですが、ここはやっぱり現地のもの。
ミルク芋虫にします!
大丈夫と大丈夫じゃない人が結構分かれます。
何人か一緒です。
処理されたミルク芋虫を刺した棒を渡されます。
言えば焼いてくださるそうですが、自分で焼いてもOKだそうで。
じりじり、じりじりっ。
表面が冷えて岩みたいですので、全部遠赤外線な炙りです。
お料理好きとして、タイミングを見極めます。
――ここです!

柔らかく、口の中で濃厚なクリーミーな味が広がります。
うん、美味しいです。
美奈穂、イナゴの佃煮とか大丈夫な子なのです。

幣 美奈穂 >  
皆さんと感想を言い合いながら、次は石屋さん。
お土産屋さんでなく、石屋横丁で屑石から探すのがいいそうです。
キラキラしてきれいですね~。
あっ、このアクセサリーも綺麗!
しゃらんしゃらんと風や人に当たり鳴る石の音。

ふと、気になるのが・・。
これ、あまり良くない石です。
そっと浄化しておきます。

幣 美奈穂 >  
お土産にちょっと良さそうなのが中に入ってそうな石にします。
割るのはお家に帰ってから。

最後は服屋さん。
時間がないのでみんな急いでです!。
きゃあきゃあと言い合いながら、様々な柄のものを。
このドワーフ民族柄、ちょっと面白い。
ノーム柄は凝ったものが多いですね!

ハンカチを買って、集合場所にとみんなで急いで戻るのでした。

ご案内:「異邦人区地下街《常世アンダーグラウンド》」から幣 美奈穂さんが去りました。
ご案内:「異邦人街外れ」に紫陽花 剱菊さんが現れました。
紫陽花 剱菊 >  
其れは実に、済んだ星空の天蓋だった。
多い尽くされるは緑の海。一面の草野原。
宵闇を彩るのは淡雪の如く儚き、蛍光の数々。
此処、異邦人街の端の端。謂わば、"穴場"と人は言う。

「……良い場所を見つけた」

静寂を好む剱菊にとって、故郷に似た夜景だ。
羽虫の音色も心地良く、肌を撫でる寒風が幾許か心地良い。
一度、己の仕事に区切りを入れた思考整理だ。

「……さて」

思う事……あらましを辿り、ゆるりと目を閉じる。

紫陽花 剱菊 >  
何故異邦人街と言えば、落第街と隣接し
余程自信が無ければ幾ら不遜な輩と言えど踏み入れまいと踏んだ。
多くの文化が此処には群れを成している。決して一枚岩では無い。
多少頭が回れば、そうそう追いかける者は居まい。
然れど、油断はせず。行住坐臥。如何許りも油断は無い。

「……さて」

先ずは例の『蜥蜴』。
実に足早な組織と言って良い。
構成人数はかくも、危険が及べばまさしく『尻尾切り』で全貌を全て理解したとは言い難い。
鼬と己の手足、目、耳を、使えるものを悉く使って見せた。
毛穴を数えるが如く、徹底的にとは今のお上のお達しだ。
あの隈のついた嫌味な表情が脳裏に過り、思わず顔を顰めた。

「……また嫌味の一つを言われそうだ」

事実、此度の任務は幾許か失敗もある。
然も然さりとて、結局目的も凡その位置も突き止めれなかった。

「……だが……」

今の蜥蜴の頭は慎重かつ貪欲な理性の獣だ。
下部組織を使った薬物や色事は飽く迄資金調達。
彼の者の眼差しは、もっと先。即ち、幾久しく続く生。
尤も、あの言葉通りに受け取るのであるが……。

「…………」

今は、一旦隅に置いておこう。次だ。

紫陽花 剱菊 >  
『伊都波 凛霞』について。
拉致された風紀委員。分かっている事は、今現在も『蜥蜴』の腹の中。
まだ、見るも無残な糞に変えられていない事だろう。
無論、実際の生死を確認していない以上、絶対とは言えない。
然るに、人一人消えるというのは相応の労力を用いる。
敢えて、証拠や存在を消せる異能の事は考慮しない。
仮にいるとすれば、恐らく『蜥蜴』はもう少し勢力拡大の勢いが強いはずだ。
何より、事都合よく斯様な異能がいるとは思えない。
是を一手、弐手と考慮すると"鼬ごっこ"が過ぎるからだ。

「…………」

しかし、『人質』にしては些か動きが静かすぎる。
頭目の慎重さが故だが、是では傍から見れば"持て余している"ように見える。
然れど、其れは無いと断言できる。
斯様な男が、使えるものを持て余すなど、あり得ない。

「……救出には骨を折る事に成りそうだが……」

無傷とはいくまい。
何より、彼奴等も是以上生かしたまま拉致していれば大事に成るのは恐らく良しとしないだろう。
人が一人、依然と帰らぬまま。落第街に住まうものならまだしも
『伊都波 凛霞』は青春を謳歌する一生徒。
是以上消息が掴めぬので在れば、より多くの勢力が動くやもしれない。

「或いは其れを見越して、か……いや、まさかな……」

そうなれば殺す、等と短絡的では在るまい。
ふぅ、と漏れた溜息は蛍も知らず、牡丹雪の如く夜景を彩る。

紫陽花 剱菊 >  
ふと、再び脳裏を過ったのはあの嫌味な顔だ。

『なぁ、剱菊ちゃん。"運が良い"とか思ったことある?
 まぁ、あるよな。そういう偶然。けどな、"事件"が起きた時は違ェんだ』

『"事件(ソイツ)"が一度起きたら、周りに事は偶然ってコトはほとんどねェ。
 全部、誰かが起こしたコトだ。一見偶然に見えても、ソイツは必ず事件に繋がってる』

『だからめン玉えぐれる位に目配りしとけよ?
 結局は異能だの魔術だのってのを込みでも、"誰かがやんなきゃ起きねェ"んだ』

『……ま、例外はあるけどな』


「…………」

脳裏に語り掛けしは何時ぞやの心構えだ。
確かあれはそう、公安の門を潜った時に教えられた心得だ。

「……動き……」

今一度、思い浮かべよ。
奴等の動きを。色事、薬物、どれも内の動き。
落第街の中で収まる事だ。恐らく、凛霞とは関係無い。

「……、……否」

思えばそう、一つ思い当たる節が在る。

紫陽花 剱菊 >  
無論、万能の術を持っている訳では無い。
全てを見通した訳では無いが、確かに見た。
落第街より外れていく、組織の連中を。
如何程、慎重に動いてた。何の為に。

「……護送……?」

何を護り、何を送った。
者か、物か。何方も奴等は扱っている。
だが、例の災厄の騒動も相まってわざわざ何を運んだ。

「…………」

──────人か?

恐らく、凛霞を解放した訳では無い。
薬や色事を送るなら護手はそこまで必要無いはずだ。
色事である可能性も考える。だが……。

「……迎えは居ない」

そうであるなら、稼ぎを回収する必要が在るはずだ。
だが、其のような動きは見られなかった。
もしかしたら、己の目を掻い潜った可能性も在る。
しかし、しかし、だ……。

「……凛霞以外にも人質……」

否、仮に居たとしても無辜の民を唯で解放すまい。
使えるだけ使い潰す事は考えるはずだ。
用済みで在るなら、其れこそもっと丁寧に痕跡を消す。
然るに、其れを人として見るなら……。

「……解放しても問題ない人物……仲間……?」

否、恐らくそうでは無い。
もっと一時的なものだ。蜥蜴の者で在れば、動きも違うはず。
だが、何かを"利用"した。

「何処に……」

外ではない。では、内だ。

「…………凛霞に?」

暗雲の如く、表情は険しくなった。

紫陽花 剱菊 >  
『伊都波 凛霞』とは如何なる人物か。
友の事を今一度、考える。
あどけない少女。可憐で、強く、優しく。
……故に、見過ごせぬ事態も多い。

「…………まさか」

……既に蜥蜴の手中に"堕ちた"。
よもや、と思うが其れなら静かなのも合点が行く。
如何なる状態とは言え、使える人員で在れば、あの男はある程度重宝するはず。
身内で在れば、外側の警戒は仕様とも、内側を強く警戒はしまい。
そう、堕とすだけの何かが在った。
解放されたと思われる人物は恐らく、其の為に……。

「…………」

何か一芝居打ったか、傀儡にしたか。
内容の全貌、其の誰かを見ていない以上何をしたか皆目見当は付かない。
然れど、そう過程すると嫌に辻褄が合う気がする。

「……確証は無いが……」

一度、報告する必要が出てきた。
危険を承知で蜥蜴の腹に潜るには、今は警戒が強すぎる。
例の災厄、そして己の暗殺失敗が此処で響く。
奴等は、尻尾を切ると成れば躊躇は無い。
だが、あの男なら恐らく、凛霞を持て余す真似はしない。

「……凛霞自身が動いた所を接触するのが確実、か。
 しかし、何をさせる気だ……?」

或いは、是自体が陽動なのかもしれない。
……是以上の堂々巡りは、思考の沼だ。
目を開けて、一呼吸。

紫陽花 剱菊 >  
そして身を翻し、宵闇に走る。
今一度、其の身を影へと落としていく────。

ご案内:「異邦人街外れ」から紫陽花 剱菊さんが去りました。