2021/10/31 のログ
ご案内:「異邦人街」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
異邦人街と歓楽区と居住区がちょうど交わる、そんな場所。
駅にもほど近く、駅から逆側にいけば空港もすぐ近く。空港駅はもう一つ先の駅ですが。
そんな場所にある広場、ちょうど交わる場所には大きなモニュメント。
そこに、今日は舞台が作られているのです。

そう、今日はハロウィンの本番。
休日ともあり、大勢の方がやってきており、そして本番前に様々なパフォーマンスや音楽も行われています。
その周囲には、屋台やフードカーなんかも。
お祭りです。

「ふむふむ、今日は怪異さんが沢山集まってます・・さすが異邦人街です!」

違います、半分以上は仮装しているただの人です。
それでも、異邦人や怪異、来島している方なんかも多いのですが。
天気はちょうど晴れ。
お昼前から始まったイベント、昼から本番。
夜まであるそうです。

そんな美奈穂、舞台の横にある席に正座でお座り。
傍には、昨日から一緒の魔法の箒さん。こちらは椅子に腰かけています。
残念ながら昨日は、魔女さんを見つけられなかったのです。

流しのダンサーであるダチョウさんたちの、息の合ったラインダンス。
爪が伸びた脚がぐわっと勢いよく高く、何物をも蹴り壊さんばかりの迫力です。

幣美奈穂 >  
赤い革ジャンの化けタヌキと、緑のパーカーの化け狐の抗争を発端に開催されました、
ハロウィンイベント、『破・論・WIN!』。
暴力的ではなく、言葉を武器に青年の主張、違いました、ラップで戦うことに。
その切っ掛けとなった者として、美奈穂は審査員のおひとりなのです。
舞台裏では、いまやいまやと、人に化けた化け狸と化け狐が、
戦いの前のウォーミングアップ。
素振りをしたり、支える一人の膝の上に立ち、腕を横に広げている姿などが見られます。
彼らも本気です。

出されたミルクセーキを、ストローでちゅるちゅる。
魔法の箒さんは、今日も珈琲、ブラックで。

ダンスが終わり、拍手です。
次は、浄土真宗系ビジュアルバンドと、真言宗東密系ハードロックバンドの対バンだそうです。
音楽性はともかく、中身は読経。
ちょっと何言ってるのか判らないのです。
英語が混ざってたり、叫んでるようにしか――

「あっ、すとーっぷすとーっぷ!です!」

お客様の白シーツさんや、ゾンビさんとかが昇天しかかってます!
お客様の安全を守るために、美奈穂、箒を手に乱入。
バンドのメンバーさんを叩いて、止めさせます。
危ないところでした・・!
恰好はお坊主らしくないですが袈裟を着ている彼ら。
ちょっと今日のイベントには合わなかったようです。

幣美奈穂 >  
有志参加者によるダンスも。
うん、凄いです。
舞台を見ているお客様の中でも、一緒に踊っている方が。
手をゾンビにして、首を傾け、足をインアウト!
カタカタカターと前に進む!
そんな踊りです。
ざっ、ざっ、ざっ。
あっ、妙に速い方や、マッチョな方もいます。
今年はゾンビさん多いですわね・・。

「あっ、あれはグールさんですわ。
 ゾンビではないので減点ですわね・・」

審査には厳しい美奈穂です。
舞台から見ていますと、下で、左右からやってくるゾンビさん。
動きがあっていまして、ざっ、ざっ、ざっ。

「ん?、あれは墓場の方から来てくださった友情演出ですか。
 衛生面は大丈夫ですか?
 きちんと生活委員会に届けてありますかしら?」

スタッフさんらしい方に確認です。
お食事なんかも屋台とかで出ておりますし、確認は必要です。
大丈夫、乾燥して匂いがない方だけにしているそうです。

幣美奈穂 >  
お笑いも。
お笑い芸能コンビ、セミプロの方です。
ふむふむと真面目に聞く美奈穂、漫才とかよく判らない派なのです・・。

「今の、ボケですか? あっ、まだつかみですか」

横にいる区の管理の職員さんや、魔法の箒さんにちょくちょく尋ねます。
なかなかに難しいのです。
素人参加、こっちは落語系でしたのでまだわかりやすいです。

かたかたかたっ、かたたっ

骨々な二人組の落語系漫才。
落語をベースに二人でする漫才にしたてているというのです。
くすくすと口を隠して笑う美奈穂です。
ニュアンスというか、感覚的に何を言っているか判ります。
あっ、つっこみで片方のスケルトンさんの頭が外れ転がりました。
それを追いかけ、腕に抱えて。
ちょうど終わりです。
たぶん、頭が落ちて転がるのもネタなのですわね。

ちなみに、それに反応していたのは怪異や幽霊などばかり。
一般の方々の多くには、かたかたっと骨が鳴っているとしか思えない、ホラー。

幣美奈穂 >  
おやつ時間。
《ラ・ソレイユ》のオレンジチョコレートが表面にあるパンプキンクリーム入りのシュークリーム。
甘いのが苦手なのか、魔法の箒さんの分もあって2個。
それが机の上にあるのです。

舞台では、《破・論・WIN》の前哨戦として、二軍の方々、らしい。
本番は夜。
でも、暗くなるころには帰る美奈穂です。
スーパーでお買い物して、お夕食作りませんと!

ふむふむ、ちょっと酸味もあるオレンジが入ったチョコの爽やかさと、ぱりっとした感じ。
それに、さくりとした軽いシュー生地。
しっとり系ではないようです。
その分、口当たりが軽いのです。
中には、南瓜の甘さをいかして混ぜつくったクレーム・ディプロマットと、ホイップ生クリーム。
コラボの力。
甘さ控えめなのですが、そこにチョコが支えてくれています。
なかなかに美味なのです――。

どうですか?、と司会の方に尋ねられても、おやつ吟味に真剣だった美奈穂、気付きません。
魔法の箒さんにつつかれて気付きまして、また尋ねられます。

「・・・・」

美奈穂、真顔でお顔をゆっくり横にふります。
今、お口が忙しいのです。もっきゅもっきゅ。

幣美奈穂 >  
次はきちんと聞かなきゃっ!
お菓子をゆっくりと頂きながら、聞いてみます。
――もっとゆっくりと。
あと、英語は少ない方が嬉しいです・・。

また、今回はどうかと。
素直に「よく判りません!」とお答えする美奈穂です。

「どういうので判断すればいいのかしら・・?
 ライム? え? ライムが欲しいのですか?
 レモンならありますけれど・・。
 あっ、違うのですか?
 韻・・韻とかがどうかですか・・」

ふむふむ。
ラップ初心者な美奈穂なのです。
説明されるのをふむふむと聞きます。
そして小首をこてりと傾げさせまして、考えます。
そして、理解したとぱぁっと顔を明るくしまして。
そして厳かに・・。

「・・こほんっ。
 自由律なのは判りましたわ。
 でしたら・・狐さんチーム!
 季語として『はろうぃん』と入っておりました。
 今の時代、これも季語として認められて・・」

うんぬんかんぬん。
今の勝利の理由を説明。
季語が必要なのか、とざわざわ騒然です。
韻という言葉から、俳句の競い合いみたいなものと理解した美奈穂なのです。

そんなこんなで、お昼の部は終わり。
どうもどうも。
いえいえ。
どうもどうもどうも。
いえいえいえ。
頭を下げあい、お昼の部だけの審査員である美奈穂はぱたぱた帰るのでした。

ご案内:「異邦人街」から幣美奈穂さんが去りました。