2021/11/04 のログ
ご案内:「異邦人街」にファロンさんが現れました。
ファロン > 「こんな分厚い服なぞ要らんというに……」

子供用の冬着を重ね着して、口にかかるほどぐるぐる巻きにされたマフラーをうっとうしそうにしながら、商店街の裏道を歩くちんちくりん(141cm)の影。
が、半ば無理矢理押し付けられたとはいえ人間どもからの捧げ物を道端に捨てるというのも憚られた。

「しかし……まさかとは思うが我を哀れんでおったのか?そうだとしたら赦せぬが……」

やはりこの世界の者どもは無礼者だらけだ。一度力を見せつけてやるべきか……。
そんな物騒なことを考えている自称神龍……の娘だが、なんの意味もなく暴れてみるというのもそれはそれで子供っぽいなぁと思い留まる理性もある。
結局、子供みたいなやつが子供みたいな格好で子供らしく歩いていくだけという、なんということもない光景が展開されていた。

ファロン > 見た目、服装、思考まで子供そのもののファロンに子供らしくないところがあるとしたら、厚着越しにも自己主張する胸の膨らみくらいである。
もちろん、それで大人扱いする者などいないだろうし、そのことに取り立てて文句を言うつもりもない。が、

「いくらなんだって、スーパースペシャルに高貴な龍の神を捕まえて牛とはなんだ、牛とは!」

今日仕事を探している途中、牛の獣人と間違われたことを思い返して、思い出し笑いならぬ思い出しムカつきをし始めた。
確かに胸はでかいし角も生えてるし力も強い。しかしこの角がどう見たら牛に見えるというのか。悪意がなさそうなオバチャンだっただけに余計腹が立つ。
怒ったときのテンプレ行動として道端のゴミ箱を蹴り飛ばそうとして、やっぱりやめる。
怒られたら怖いからじゃない。こんなことで物に当たるのはカッコ悪いからだ。

「いつか、いつか思い知らせるからな人間ども……」

果たしてそんな日は来るのか。
ふらふらとおぼつかない足取りで、ますます人通りの少ない通りを進んでいく。
人を避けているとかではなく、宛もなく歩いていたらたまたまそうなっただけである。

ご案内:「異邦人街」に毒嶋 楽さんが現れました。
毒嶋 楽 > 「はぁい、ちょっとそこのお嬢ちゃん良いかな~?」

人通りの少ない道を、子供が一人で歩いていると通報……というか相談があった。
公安委員所属風紀委員配属の毒嶋楽としては、今日は非番で異邦人街にタピりに来ただけだったのだが。タピ屋の店員から相談を持ち掛けられては無下にも出来ない。
ツケも貯まってるし。5桁円ほど。

「こんなところで一人で危ないよ~?
 家族の人は?おうちどっちか分かる?」

片手にタピ(ryを持った不健康そうな長身痩躯の男が少女に声掛けしている
これはこれで事案じゃねーの、と我が身を振り返り思う楽だった。

ファロン > 「なんだお前。まずお前が名乗ったらどうだ、人間」

近づいてきた人間がいきなり馴れ馴れしく話しかけてきたので、普通に受け答えをする……はずだったのだけど、妙に威圧的な言葉選びになってしまった。
機嫌が悪かったのはもちろんだが、向こうの背が高くて、こちらを見下ろす格好なのが良くない。うん、我悪くない。
そうして自己弁護が完了すると、

「ここの何が危ないというのだ。何もいないではないか」

と、さらに言葉を続ける。
どんなに高圧的に言ったところで、所詮モフモフな子供服を着た身長141cmに過ぎないわけだが。

毒嶋 楽 > 「あっ、そりゃそーだ、悪いねえ~
 よいしょっと、俺ちゃんは毒嶋楽っての。お巡りさんみたいなお仕事しててさ~
 さっきお店の人から、女の子が一人でよろよろ歩いてるからって相談されちゃって。」

高圧的な態度にも怯むそぶりすらなく、ヘラヘラと笑みを浮かべて膝を折ってしゃがみ、目の高さを少女と合わせる。
高圧的な相手に慣れてるのか、我関せずな性格なのか、それとも両方なのか。
ともかくどこかゆる~い調子でヘラヘラとした態度を返して。

「石畳だから足元転んだりとかね~
 まっ、迷子とかじゃないなら一安心だ。……迷子じゃないよね?」

一応念の為の確認。迷子だったらさすがに非番じゃないお巡りさん呼ばないと。

ファロン > 「ブスジマか。私はファロン、ハイパーウルトラに偉大な龍の娘だ」

こちらの言葉に全く怯む様子も讃えようという素振りもないのは腹が立つが、視線を合わせに来たのは感心だ。少しだけ機嫌を直して、話を聞くことにする。

「迷子?迷ってなどない、どこかを目指して歩いているわけではないからな。目的地がないなら迷いようがない」

完璧な論理だ。どや、と胸を張って見せる。
胸を張るのは偉大なものの特権だ。そして私は偉大だし、その証拠に胸が大きい。断じて牛だからではない。
むふー、と鼻息を出して見せれば、さぞすごそうに見えるに違いない……と本気で思っているのであった。

毒嶋 楽 > 「ファ ロ ンちゃんね……龍の娘、ってことは異邦人かなー
 家族は島に居る?それともひとり?」

つかLINEやってる?まで言いそうなくらい軽いノリだが一応職質みたいな事をしている楽。
手帳を取り出して名前と簡単な特徴を周辺の風紀委員にあらかじめ伝えておけば、
楽のように少女に声掛けする事案手前な風紀委員が減るだろうという目論見だ。

「ふ~ん、てことはお散歩か。
 最近はすっかり暗くなるの早いけど、暗くなる前に帰れる?帰り道、覚えてる?」

どこまでも子供扱い。一応職務モードなので服装をチラッと確認した以外はファロンの目を見て話している。
ときどき手帳に視線を落として何やら書き込んでは、すぐに顔を上げてを繰り返す。

ファロン > 「貴様らの言うところの異邦人で間違いない。家族……家族はいない、我一人だ」

聞かれたことに答えることくらいはしてやってもいい。
相変わらず、こちらの言葉に畏怖する様子がないが……と、思っているファロンだが、完全に子供扱いされているということはまだ気づいていない。

「帰る?帰るもなにも家などない。今日は公園の方の時計塔で寝る。道ならわかるから問題ない」

つまり、我は完璧。賢い。
もう一度改めて胸を張ってドヤる。
むふー。

毒嶋 楽 > 「おっと……そっか、ファロンちゃん一人で常世島に。
 そりゃー大変だね、困ったことがあったらちゃんと近所のお兄さんお姉さんに相談するんだよ~」

必要事項は書き留めたのか、ペンを挟んで手帳を閉じる。
あとで近所の風紀委員と共有すれば非番の最低限のお仕事は完了です。

「家などない、と来たか。
 ダメだよ~出来れば屋根のあるとこで寝ないと。急に天気が変わったりもするし。」

異邦人の子供が、一人で、野宿。
落ち着いて考えてみなくても問題がありそうな気がするが、ひとまず注意喚起はどこかズレていた。
いや異邦人だったらこの島の生活様式とか居住環境が肌に合わない事もあるのかな、ってのは楽の言い分。

ファロン > 「わかった、そうする」

雨や雪くらい降ったところで堪えるような身体でもないのだが、そう言ったところでこの男はまともに受け取らないのではないか、という気がし始めていた。
『適当に話を合わせておく』というスキルを獲得した瞬間である。

「……ところで、貴様……じゃない、お前」

『貴様』と『お前』ではさほどニュアンスに違いがないのだが、ファロン的には丁寧な言葉への言い換えである。

「お前なにか、甘い匂いがするな。菓子か何か持っているのか?」

先ほど表通りでも嗅いだような匂いだ。なんだったか、タピ……タピなんとかいうやつだった気がする。別に欲しいわけではないが、決して欲しくはないが、何故だか気になってしまった。

毒嶋 楽 > 「そうしてそうして~」

雨の中、少女が野宿しているとなればまた通報が飛んでくるかもしれない。
何やら風紀かゴタついてるなか、極力手間はかけさせたくないという親心からだった。
適当に話を合わせられてるとは思っていない。

「はいはい、俺ちゃんに何か?
 ……甘い匂い?あー、こいつの所為かな。
 これ以外にもお菓子はまあ持ってるけど、ファロンちゃんタピったこと無い感じ?」

手に持っていたタピを思い出した。疲れた脳への栄養補給、特製ダダ甘タピオカミルクティー、楽のお気に入りである。
プラスチックのカップを掲げながら、ちょっと飲んでみる?と首を傾げて見せ

ファロン > 「タピ……そう、そのタピだ。そんなにうまいのか?」

タピなんとかいう名前だと思っていたが、『タピる』とか動詞から察するに『タピ』が正式名称なんだろうと思い、差し出されたカップをまじまじと見る。食い物だとばかり思っていたが、飲み物だったらしい。

「……むぐ」

くれるのだろうと勝手に決めて、ブスジマの持ったカップから伸びたストローをそのまま口にくわえて、吸い上げる。
甘い、滋養のありそうな液体の味に目を輝かせる。が、

「むぐっ!?えほっ、げほ、ぐえぇぇ……」

ストローから飛び出してきた固形物が喉に直撃した。咀嚼されることなく食道まで滑り込んだその感触に悶絶するが、なんとか盛大にこぼすことは回避出来たのは不幸中の幸いか。

毒嶋 楽 > 「あららぁ、いきなりガッついたらそりゃ咽るわ。
 よしよし、大丈夫かー?ほら、落ち着いて深呼吸してー」

タピの洗礼を受け咳き込むファロンの背を軽く叩く。
楽も初めてタピった時は咽たから、気持ちはよく分かった。
初タピ者が10人いたら8人くらいはきっと経験してるとすら思う。

「もっとゆっくり吸わなきゃ駄目だよ~
 うん、詰まらせては無いみたいだね。良かった良かった。」

ファロンの様子を見ながら、ほっと胸をなでおろす。
これで喉に詰まらせでもしたら、非番返上で病院にダッシュするところだった。

ファロン > 「はぁ、はぁ、ビックリした、すごいビックリした……」

涙目になりながらなんとか姿勢を立て直す。かぐわしき甘味の下に凶器を忍ばせるとは、恐るべしタピ。
恥ずかしい姿を見せてしまったが、ブスジマに悪意がなかったことも察せられるのだから怒るわけにもいかない。

「ゆ、許すまじ……いつか復讐してやるぞ……タピめ……」

ぷるぷると震えながら雪辱を誓う。
これくらいしかメンツを保つ手段が思い付かなかった。
これで本当に保ててるのかはともかく。

毒嶋 楽 > 「次は喉に直撃しないように飲めたら良いねぇ。」

うんうん、と物騒な言い回しにもヘラっと笑いながら肯く。
完全に幼子を温かく見守る年寄りの心境だが、本人も若干自覚していたり。

「お、そーだ。初タピ記念にチョコちゃんあげちゃお。
 期間限定のロイヤルミルクティ味だぞー、これもヤバ甘だから、気に入ると良いんだけど。」

タピを口に含んだ瞬間の反応を見るに、甘いものはそこそこ好きと見た。
上着のポケットを探って、小さな『プックルチョコ』と書かれた包装に包まれたチョコレートを取り出し、ファロンに差し出す。

ファロン > 「飲んでやる、飲んで見せるぞ……」

復讐を誓う自分に酔い始めていた自称神の龍……の娘。
が、チョコを差し出されるとなんの躊躇いもなく受け取り、

「ありがと……」

そのまま包みを開けようとして、ちらりとブスジマの方を見て、改めて開ける。
ぱくりと一口にふくむと、さっきと同じくその甘さに目を輝かせて、

「むぐむぐ……うまい……」

しみじみと口にする。
自分でもはっきり自覚があったわけではないが、やっぱり甘いものは好きらしい。今度自分でも買ってみよう、と思う。

毒嶋 楽 > 「そーだろそーだろ。
 仕事終わりで疲れてるときに食べるとこれがまた甘くて美味いんだ。」

チョコを食べるファロンの姿に目を細め、ついつい手が伸びて頭を撫でようとしてしまう。
孫を甘やかす爺みたいな図になりつつあるが、一歩間違えれば普通に事案です。

「チョコの方は期間限定だからそのうち無くなるからねぇ。
 と言っても出たばかりだから年越すまでは売ってるだろうけど。
 ……ふふーん、気に入って貰えた様でうれしいから、ついでにもう二つあげちゃお。」

後で食べるんだよー、と言いながら更に同じチョコを2つ取り出して差し出す。
それでもまだ自分の分はそこそこ残している辺り抜け目は無い。

ファロン > 「んんむ、甘くてうまいぞ、これは……むふっ、もっとくれるのか!お前いいやつだな!」

今さっきまで不機嫌な仏頂面でブーブー言ってた自称ドラゴンだが、チョコ三つですっかり上機嫌になっていた。
遠慮するというつもりは一切ない。
表情も完全にキラキラ輝く笑顔で、タピが喉に直撃したことなどすでに忘れつつあった。

「ブスジマ、お前はとても良い行いをしたな。そのうち礼をさせてもらうとしよう」

言いながら、もらったチョコをズボンのポケットにしまう。
一挙手一投足に至るまで完全に幼児のそれだが自覚は全くなく、神の龍らしい威厳ある振る舞いをしているつもりである。

毒嶋 楽 > 「いいよぉ、礼なんて。
 俺ちゃんみたいな木っ端風紀は、こういうささやかな善行でポイント稼がないとならんしかないからさぁ」

少し照れた。見返りを求めての善行ではない、と手を振る。
笑顔になったファロンに、うんうんと満足気に頷きながら。

「あーあー、そうやって無造作にポケットに突っ込んじゃすぐパンパンになっちゃうぞ?
 すでに上着の方はパンパンだな、一体何を詰めたんだ?」

チョコをズボンのポケットに仕舞うファロンを見ながら苦笑する。
どうやら大きな胸は色々詰め込んでいるからだと思ったらしい。自前の肉体だなんて夢にも思っていない。

ファロン > 「ふぅん、風紀委員も色々あるんだな」

『風紀委員』という名前は知っているものの、具体的になんなのかすらよくわかっていない。が、「色々ある」で理解としては十分だと言う判断だった。そこまで興味がないとも言う。興味があるのはタピとチョコと、それをくれたブスジマだ。

「んむ、鞄かなにかは手に入れた方がいいかもしれんな……ん?上着?これに興味があるのか?」

上着がパンパンと言われて、それが何を指しているのか一瞬わからなかった。
しかしそれを理解すると行動は早い。ボタンを外して前を開くと、キャラクター柄のTシャツに包まれた大きな膨らみが改めてその存在を主張する。
見間違えようもなく身体の一部、神龍の偉さの証……とファロンが信じているものだ。

毒嶋 楽 > 「そゆこと。
 いやー、血気盛んなのから日和見、俺ちゃんみたいなパシリまで色々よー」

まあその辺はどこの組織も似たようなものだろう。
そして実際には風紀委員ではなく公安委員だったりもするが、そこはややこしくなるだけなので口にしないのが楽なりのお約束。

「そーだねえ、ポーチかポシェットか……その量ならリュックでも良いかもねぇ
 とりあえずどっか雑貨屋でも当たって……て、ぇ?」

鞄探そうかぁ、と呑気に続けようとしたがファロンがおもむろに前を開けば言葉を失う。
見た目幼子なのに弩級装甲だ。いや、そんなはずはないと認識がバグる楽。

「え、ええと……さすがに服の中に詰めるのは良くないんじゃあ?」

若干引き攣り笑いになりながらも、少女の肩にぽんと手を置いて。

ファロン > 「バカを言うな、何も詰めてなどない。胸だ、私の。ちゃんと見ろ、ほら」

あからさまに不機嫌になって頬を膨らませる。自慢の胸が偽物扱いされて嬉しいはずもない。
ちゃんと確かめさせるために、ぐいぐいと身体を押し付け、肩に置かれた手を取って直に触らせようとすらしながら、

「背が低いからって胸まで小さいとはかぎらんだろうが。これだから人間は、ほらほら」

心外のあまり、つい自分の背が低いことは認めてしまったがそれはそれ。

毒嶋 楽 > 「ひっ!いやっ、いーやっ、よしんば本物だとして恥じらいも無く見せつけるような事しないっしょ!?
 いや異邦人ならそういう文化もあるか……いや、あってたまるか!?」

見たものをそのまま受け取るには情報量がちょっと多い。
タピをキメて脳を回復させようとしていたくらいには、連日の業務でお疲れモードだったのだから。
ここにきて突然の処理に頭は理解を拒む

「背が低いだけならともかく、あーた総合的に幼過ぎというか……
 えっ、じゃあそもそも何歳なんだ……?」

ぐぐぐ、と手はすんでのところで留まっている。
幼女の胸部に触れたとあれば事案待ったなしだ、非番中にお縄になんてなりたくはない。当番中でも嫌だが。

ファロン > 「むぅ……なんなんだこの世界の人間どもは、全くもって無礼極まる」

あまりに必死に抵抗されるので、根負けしてブスジマの手を離すと今度はぷりぷりと怒り始める。人の胸を本物か疑うだけでも無礼だというのに、確かめさせようしたらそれを拒むとは、全く道理が通っていないではないか。そこまでして触りたくない理由があるならしかたないが……

「お……そうか、触らせなければいいのか」

今度はシャツの裾に手を掛けて、そのままめくりあげる。実物を見ればもはや疑う余地などあるまい、と思った手付きには微塵の躊躇いもなく、あっという間に膨らみの下部分が見えてしまいそうになる。

毒嶋 楽 > 「無礼なのか……え、俺無礼なのこれ……」

人として当然の反応だと思うんですがね、と手を離され一安心といった様子でいたが、もうよく分からない。
無礼ってもっと、こう……よく言えないけど、怒られてるのにヘラヘラしてるとか、そういう事じゃないの…と実体験と較べてみたり。
それより手首がめっちゃ痛い。何て力だよ、と引っ張られていた手を確かめてる間に……

「今度は何してるかな!?」

ファロンは次なる暴挙に出ていた。
全てが露わになる前に慌てて上着の前を閉じて隠す。恐ろしいことをなさるお子様だ、と戦々恐々である