2021/11/05 のログ
ファロン > 「んくくく、何をする!なんなんだ貴様は!どうすれば納得するんだ!」

なんとしても胸を確かめたくないのか。あまりの不条理(ファロン視点)にすっかり怒り心頭である。
ここまで来たらなんとしても本物だと認めさせなければ……とすら思っている。

「それにだな、我は貴様なんぞより遥かに年上なのだぞ、なんせ……」

そこまで言いかけて、首をかしげる。

「私、今何歳だ?」

そこらの人間よりは年上なのは間違いないのだが、具体的に何歳なのか全く思い出せない。
大分前から数えてなかったのかなんだったか。

毒嶋 楽 > 「世の中には納得できないものなんてザラにあるってえ話じゃないかねぇ!」

もう自分でも何を言ってるのか分からない。
とにかく今はファロンの露出を抑え込めればそれでいい。良いはずだ。
何だか意固地になりつつあるファロンに若干の力負けの気配を感じつつはあるが

「ほぉ……遥かに年上たぁ大きく出たな」

だからと言って野外露出はお巡りさん認めませんよ、と抗う姿勢満々だったが

「いや、覚えてないのかよ!」

突然の天然ボケ炸裂に思わず全力ツッコミ。
上着を掴んで押さえていた手も離れてしまう。

ファロン > 「うーん……神たる龍はいちいち齢を数えたりはせんのだ」

たぶん。そうだったと思う。あまりに適当だが、そう思うんだからそうだったに違いない。というか、ブスジマより歳上ならそれでなんの問題もあるまい。
適当な自己弁護が済んだ頃には、上着からブスジマの手が離れていて、

「ともかく今回は我の勝ちだな、ブスジマ……ん?」

ひらり、と上着の前が開いて、めくり上がりかけたシャツと白い素肌があらわになる。
とは言っても大したことはない。へそから、乳の膨らみの下半分……いや、下1/3程度だ。

毒嶋 楽 > 「数えてなかったらホントに年上かどーか分からんでしょーが。
 少なくとも俺ちゃんよりは見た目年下なんだから……って、ぁ。」

自己弁護にも律儀にツッコミを入れていく。まず歳上であるという証拠をくれと。
しかし自分の手が彼女の上着から離れてしまったことに気付くと、同時にさらりと晒された白い肌が目に入って。

「……うっそ、マジで本物……!?」

思わず口元を手で覆って目を瞠る。
いや瞠ってる場合じゃないのだが。が。

ファロン > 「だから本物だと言ってるだろうが!どうだ!ほらどうだ!もっと見ろ!」

ただでさえ勝手に勝ち誇っていたところに、向こうからも敗北宣言が出た。
ますます調子に乗って身体をくっつけ、さらにはTシャツを脱いでしまおうとすらしていたが、

「……寒い」

急に冷静になると、上着の前を閉じてボタンを留める。
防寒着というものもなかなかバカに出来るものではない、とこんなところで初めて実感するのだった。

毒嶋 楽 > 「いや……すっげ…じゃなくて、スイマセンっした。本物でした。
 分かった分かったから、そのまま引っ付くな!危ないって、全部零れるから!てか脱ごうとすな!」

謝れば納まるかと思えばそんな事は無かった。
調子に乗ったファロンがますます主張をするのにいよいよ困窮極まったところで

「まあ、寒いよな。」

我に返ったか上着を直す姿を見て少しだけ安堵。
落ち着いてみればだいぶ日も傾き肌寒さも増してきたような。

「……はー、それじゃそろそろ帰ってタピ温めて飲も…。」

何だかどっと疲れた気がする。脳がめちゃくちゃ糖分を欲していた。

ファロン > 「うむ……我も寒いんだから人間はもっと堪えるだろう、あまり無理はするなよ」

冷静になりすぎて上から目線な物言いも一緒に戻ってきた。
服をくれたオバチャン達の判断は間違っていなかったのだな、と今さらながらに悟ると同時に、

「……タピを温める。そういう飲み方もあるのか……」

このなんとも言えないやりとりのあいだに、妙な知識や経験を積んでしまった自称神龍なのだった。

ご案内:「異邦人街」からファロンさんが去りました。
毒嶋 楽 > 「しないしない、無理なんて一生しないって俺ちゃん決めてるから。」

一気に元に戻ったな、やっぱり子供では?と内心で訝しみながら立ち上がる。
しかし今しがた見たものは子供らしかぬ重装甲。だとしたら自称する通り歳上なのだろうか。
ちょっと悩んだ末、……ま、異邦人だしなで考えるのを止める。

「お互い風邪ひかないようにしような。
 そんじゃ、じゃーねーぃ。」

ひらりとファロンに手を振って、家路を急ぐ楽であった。

ご案内:「異邦人街」から毒嶋 楽さんが去りました。