2022/07/15 のログ
ご案内:「異邦人街/修道院」にマルレーネさんが現れました。
マルレーネ > いろんなことをしてきました。
平らな道を歩き、海を渡り、川を下り、山を登り。
スケルトンやらゴーレムやらと戦ってきた経験もあります。

そう、その中でも一番暑かったのは火山でしょうか。
息をすると喉が焼ける感覚は、魔法での保護が無ければ耐えきれぬものだったでしょう。

「でもここもあつぃ………」

汗だくで修道院の開いた窓からそよぐ僅かな風を受ける修道服の女。
すっかりダラけて仰向けに倒れ、ぁー、と小さな呻きを漏らす。暑い。

火山より不快指数高いんですが。何これ。

マルレーネ > 修道服は脱げないというか、元々の教義というかルールが基本脱がないので脱ぐ習慣が無いんですが。
ごろーんと床に転がっているので、正装とかそういうもの関係なくなっているんですが。

大き目の胸までとろーんと溶けたかのような状態で、氷だけたくさん入った桶に足を突っ込んで。

「あー。」

あー。

ご案内:「異邦人街/修道院」に神樹椎苗さんが現れました。
神樹椎苗 >  
 東洋の夏は暑い。
 その暑さは、赤道付近の暑さとは大きく違う。
 最も厄介なのは、その湿度の高さだろう。
 その湿度は、肌にべったりと張り付き、まるで湯船にでも頭から使っているような気分にさせる。
 つまり、ぶっちゃけ火山より不快指数は高い。

「――お姉ちゃん、いますかー?」

 そんな暑い中でも、変わらぬロリータ衣装。
 今日は生地が水気を吸わないタイプで、フリルが少ない和ロリである。
 ツヤツヤ生地で肌触り良好。

「いねーですかー?」

 そんな椎苗は、声を掛けながら修道院をぐるっと回って。
 あー、となってるシスターのいる窓の方まで迂回し迫りゆく。
 

マルレーネ > あー。(あー。)

もはや何か分からない生き物と化した元シスター。
ここから更に暑くなるというんだから、この世界は間違っているような気もする。
これもあれですか、試練ですか。久しぶりですね試練。
でもこれ私だけの試練ではなくて世界中への試練ですよね。

あ、でも空調無いから私だけか。あっはっは。

頭の中で何かが踊りながら言葉を垂れ流して。


「………ん。」

誰かの気配がする。
プロ、と言ってもいいだろう。あれだけ溶けていたのに、なんとか身体を起こして。長椅子に座り直して。

汗をぽたぽたとたらしながらも、ハイライトが消えていた目に気合でハイライトを灯す。なんかモノアイが点灯するような効果音が出た。

「………いますよ、暑い中どうかしましたか?」

穏やかに微笑む女。憧れの存在であるならば、それを壊してはいけない。
プロの所業である。

足の桶だけは片付けられなかったけど。

神樹椎苗 >  
 修道院の室温はやべーことになってたりする。
 すでに猛暑の気配がしてるのに、空調の一つもないとか、多分人が死ぬ。

「あー、やっぱり死にかけてましたね。
 そんな事になってるだろうと思いましたが」

 ゴロゴロ。
 カートを後ろ手に引いて、肩からは大きなクーラーボックスを提げて。
 よっこいしょ、と、姉と慕う相手の前にクーラーボックスを置いて、開ける。

「はい、とりあえず差し入れです。
 冷たい経口補水液です。
 なお、これがうめーと、脱水と熱中症直前だってもっぱらの噂なので。
 ヤバそうだったら点滴ぶちこみますから、まずしっかり飲んでください」

 と、600mlの飲む点滴のペットボトルを差し出す。
 しっかりと冷えているが、味は、健康な時に飲むと美味しくない。
 

マルレーネ > ………。

「ふふふ、私は火山で炎の蛇と殴り合った人間ですよ。
 この程度の暑さ、どうってことありません。」

ずっしりと湿った修道服で、えへん、と胸を張って見せる。
汗だくで胸を突き出す格好は、この暑さなのに人はそこそこ来る理由をなんとなーく匂わせるもの。
本人一切気にしてないけど。

「………あー、でも、まあ、冷たいものがあって悪いわけではないですからね。
 ちょっと、その、いただきますね。」

喉に流し込めば、ふわぁ、と蕩けた顔でほぅ、と吐息を漏らす。
口以上に美味しいことを顔で語ってしまう女。

神樹椎苗 >  
 表情が物語る、結構なヤバさ。
 多分これ、水が足りなくて腎臓とか膀胱とかヤバそう。

「あー、はい。
 さすがお姉ちゃんですね。
 今点滴の準備しますから逃げねーでくださいね」

 キャリーカートからカチャカチャと三脚とパイプを取り出してきぱき組み立て。
 さらに点滴用の生理食塩水+色々栄養が採れる魔法の液体を吊り下げ。
 チューブを繋ぎ、点滴用の針を両手でしっかり構えて。
 そう、両手。
 しばらく会わないうちに、右手が治っていたらしい。
 まあ、また包帯ぐるぐるには変わりないが。

「はーい、抵抗しても無駄ですから、大人しくするのですよ。
 しいは、こういうの慣れてますから、安心していーですからね」

 そう言いながら、針を持ってにじり寄っていく。
 

マルレーネ > 「え、いやいや、大丈夫ですよ。
 そんな、冷たい飲み物と気持ちがあればなんとでも………。」

もうー、大げさなんですから。
なんて笑っていたら、なんか本気だったようだ。針を出してにじり寄ってくる。
え、いやいや、本当にだいじょ……。

言いながら立ち上がりかけて、かくんと腰から力が抜ける。

「あら。」

あらら。

「待って待って。大丈夫ですから、ね。」

注射はまあ知ってはいますけどでもやっぱり針を刺されるというのは痛いわけで。
痛いことはできれば避けたいわけで。
まあまあまあ、と抵抗しようとするけれど、すっかり衰弱したシスターはほぼ無抵抗でぷすりと。

\いったぁっ!/

神樹椎苗 >  
 
「はーい、すぐに楽になりますからねー」

 しっかり静脈に針を入れて、テープで止めて、バンドを巻いて。
 点滴開始である。
 点滴しつつ経口摂取で、とりあえず、シスターの蒸し焼きは免れそうだ。

「はい、それとこれ。
 熱除けの護符です。
 研究区謹製ですが、たぶん、爆発はしねーです」

 と、二枚の護符を持って。
 ぺし、ぺし、とだるーんと垂れた両胸に叩きつける。
 こんなけしからんモノを、そこらのモブに拝ませるわけにはいかないのである。

「それとこれ、熱取り冷却シートです。
 とりあえず、わきの下当たりに貼っておくのが良いですかね」

 そう言いながら、修道服を脱がそうと襲い掛かるちみっこ。
 自分で脱ぐか貼らなければ、容赦なく服の下に手を突っ込んで、わきの下に冷却シートをぺったり貼り付けるだろう。
 

マルレーネ > 「………ぅう。 ………」

すっかり大人しく点滴を始められる。何も抵抗できなかった。
されるがままの修道女。基本的に強いはず、なんだけどなあ。


「熱避け、ですか……………ぁひゃっ!」

ぺーん、ぺーんと胸に符を張られて。それはそれで何かいけないもののようになってしまうのだけれど。
ぽよん、と揺れた。

「……いえいえ、大丈夫、その、後でやっておきますから! ね、ね? ………ひゃぁ、んっ!?」

服の下に手を突っ込まれて、ぺたーん、と貼られると、悲鳴を上げてびっくんと跳ねる。
腰が浮いた。

暑さ対策で修道服の下が本当に薄着なのが災いして、直にべったりと貼りつけられてしまう。

神樹椎苗 >  
 
「おお、お姉ちゃんの喘ぎ声ゲットです。
 録音しときゃよかったですね」

 なんかとんでもない事を言いつつ、応急処置完了だった。

「――で、なんでまた修行僧もびっくりみたいな耐久試験やってんですか」

 と、隣に腰掛けて、汗びっしょりの頭をタオルでぺちぺちとするのだ。

「いくらお姉ちゃんが丈夫でも、流石に死にかねねーですよ」

 いくらなんでも、死なれてしまうのは困る。
 姉と慕う相手だけあって、行動にケチをつけるつもりはないのだが。
 もしかしたら、少し考えないといけないのかもしれないと、さりげなく危機感を覚えたり覚えなかったり。
 

マルレーネ > 「こらっ。」

赤い顔で叱る年上。もう、と不満げに頬を膨らませて。

「………え、いや、一応昼の暑い時間は懺悔や相談は控え目にして。
 その上で、涼しくなってくる夕方辺りに仕事をしようと、ちゃんと考えているんですよ。」

えへん。
仕事をしないという選択肢は無い女。

「大丈夫ですよ、こういうものは知ってるんです。
 身体を前に倒すと、自然と足が出ますよね。
 どれだけ暑くても、やらなければいけないとなれば身体は動くんです。」

とんでもない理論を持ち出して、大丈夫大丈夫、と。
割と自分のこととなると、がんばればなんとかなる系精神論。

神樹椎苗 >  
 
「いや、ならねーですが?」

 ふわふわタオルで顔を拭って、首元も拭こうと襟から手を突っ込もうとする。

「実際、今、しいからも逃げられなかったじゃねーですか。
 あんまり無茶苦茶言ってると、勝手に工事手配してここにエアコンぶち込みますよ?」

 強硬手段というものがあるのだ。
 というか、普段姉がやっている事を考えれば、それくらいの設備くらいは報酬として用意されててもいいくらいなのである。
 

マルレーネ > 「ならないですかね。 あ、いえ、その、ちょっとまってください。」

顔を拭われ、首元からぐいぐいと手を差し込まれれば、分かりました分かりました、脱ぎますから。と口にして。
その場で分厚い修道服を脱いでいく。

上下の下着と、その上から羽織る薄いシャツ。汗だくでべったりと張り付いたシャツはおおよそ半透明。
体のラインだけは相変わらず女性らしさバッチリなのだが。

まあ、窓が全開な辺りが女子力0である。


「フフ、大丈夫ですよ。
 今度古書店の知り合いからこう、風が出る機械を譲ってもらえることになりました。
 声も変わるそうです。」

レトロな楽しみ方を吹き込まれた女。

神樹椎苗 >  
 
「ならねーです」

 姉が脱ぐのをまって、それから今度はクーラーボックスに入れておいた冷えたタオルを取り出す。

「ほら、拭きますからシャツも脱いでください。
 これ、冷えてるから気持ちいいですよ」

 と、甲斐甲斐しく世話を焼く。
 大好きなのだから仕方ないのである。

「――それ、多分、この状況をどうにかするには足りねーと思います。
 そろそろ、観念して、しいから冷房設備の寄付を受けたらどうですか」

 なかなか頑固な姉に、むすーっとしながら。
 脱いだ修道服からはがした護符を、ぺしーんと頭に張りなおした。
 

マルレーネ > 「はいはい……わかりました。」

はぁぁ、とため息をつきながらも、べっとりと肌にへばりつくシャツをのけて、まあ、確かに気分が悪かったし、と。
冷えタオルで素直に拭かれる。あ、でもそれはそれで気持ちがいい。

「……あー。」

また別の意味であー、っていう生き物になった。

「えー、っと。
 いえいえ、ちゃんと購入資金は貯めているんですよ。
 限界だなぁ、と思ったらしっかり買えるように……いやまあ、まだ足りないんですけど。」

ぺーん、と頭に護符を貼られたまま、あはは、と頬をかく。
不満そうにする気持ちも、まあ分からんでもないので、怒りはしない。

神樹椎苗 >  
 下着姿になっても窓全開である。
 しかし、ここにそれを気にする女子はいなかった!

「ほら、そのデカいメロンの下も拭かないと痒くなりますよ」

 そう言って、胸の下にも手を突っ込んでいく。
 大丈夫、女の子同士だし。

「知ってます。
 でもお姉ちゃんが首を縦に振れば、今すぐにでもエアコンくらいつけてあげられるんです。
 ――頑固なの知ってますから、無理強いはしねーですけど」

 なんて、むすっとした表情のまま、姉のお腹に手を回して抱きついて。
 熱除けのおかげか、冷却シートか、服の生地か。
 抱きついても暑くは感じないだろう。

「ほら、ボケっとしてないで、ちゃんと飲むもの飲んでください。
 早く回復しないと、今度は病院に放り込みますからね」
 
 

マルレーネ > 「言い方ー。言い方ぁー。」

不満そうに言う女。とはいえ、素直に手を突っ込まれて拭かれていく。

「ん、ぅ……っ。 ちょ、くすぐったいですってば……。」

もじもじ。こういうのを他人に触られるのはなんだかこう、むず痒い。
とはいえ、黙って拭かれる我慢の子。暑いより全然我慢できる。

「……ん、ふふ。大丈夫、大丈夫。
 もう少しだけね。」

微笑みながら、抱き着いてくる少女の頭を優しく撫でる。
有難く受け取った飲み物を飲んで、ふう、っと一つ吐息。

限界かなあ、なんて、ぼんやりと窓の外を見た。

神樹椎苗 >  
 
「むぅ――」

 全然、たった今、まったく、大丈夫ではない状態だったのだが。
 そこは、ぐっと言葉を飲み込んだ。
 もちろん、不満そうな顔にはなってしまうが。
 と、そこでふと思い出す。

「――あ、そうでした。
 今日は別に、お姉ちゃんの世話をしに来たんじゃねーんです」

 そう言って、長椅子から降りると、キャリーカートから、平たい桐箱を下ろす。
 その箱を開ければ、中には和紙に包まれた布地。

「浴衣、右手のリハビリついでに塗ったのですよ。
 ちゃんと、お姉ちゃんが好きそうな生地で縫いましたから、暑かったら普段着にでもしてください」

 なんて言いながら、桐箱をつきだす。
 桐箱の中には、本当に姉好みの柄の浴衣が収まっている事だろう。
 

マルレーネ > 暑いのも、寒いのも、それらすべてが当然であって、避けられなかったもの。
そんな世界の残り香が失われてしまうことは、ほんとうにちょびっと、寂しくて。
彼女はしっかり立っているようで、まるで揺蕩う布切れのよう。
窓の外を一瞬、ぼう、と眺めて。


「……あら、あら。可愛いですね。
 この夏はこれで夏祭りとかあれば行ってみましょうか。」

可愛らしい浴衣に、僅かに目を見開く。
具体的な草花ではない、イメージで描かれた植物と、黒の中でも艶っぽい黒。
金色と白い肌と、黒い衣服は強いコントラストで映えるだろうか。

嬉しそうにその生地を撫でて、少女の頭をもう一度撫でて。

神樹椎苗 >  
 
「んふふー」

 贈り物を喜んでもらえれば、撫でてもらって嬉しそうに子供らしい笑顔を浮かべる。

「そうです、たまには恋人でも連れて遊びにでも行くがいーです。
 ――ああ、そんな相手いなかったでしたっけ」

 てへ、なんて茶目っ気を見せて言っているが。
 なかなかひどい言い様だ。

「ん、もうしばらくすれば、体調も落ち着くでしょうし。
 一緒にアイスでも食べて、のんびりしましょう」

 そう言って、クーラーボックスからソフトクリームを二つ取って。
 暑い中でも少し涼しくなれるように、姉が断らないギリギリを攻めるのだ。
 

マルレーネ > 「いやー。私は神と共にあるんですよ。」

全くこの子は何を言ってるんだろうか。こら、と頭を小突いてやりながら。
実際そういう人はいない。年がら年中仕事しているわけだし。


「………そうですね、少しだけ休憩しましょう。
 それに、今年は海にも行きたいんですよね。
 泳ぐ練習もまたしないと。」

泳ぐのは割と下手だが。
なんだろう、無茶苦茶に手を動かしてパワーで進むような泳ぎ方になる女である。
力押しで頑張る。別に彼女のモットーでもなんでもないが。

素直にアイスを受け取れば、はわー、と表情が溶ける。
さっきから溶けてばっかりだな。

神樹椎苗 >  
 
「海。
 海、良いですね。
 またバーベキューとかしてもいいかもしれません」

 そう言えば、以前はドラゴニックに酷いことになったが。
 あれもまあ、楽しくなかったかと言えば嘘になるのだ。

「んー!
 やっぱり暑い日にはアイスに限ります。
 まだ沢山ありますし、今日のご飯は冷たい素麺ですよ。
 今日はゆっくり休んで、体調戻しましょうね」

 そう言って、大好きな姉にぴったり寄りかかる、小生意気な小娘なのでした。
 

ご案内:「異邦人街/修道院」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「異邦人街/修道院」からマルレーネさんが去りました。