2022/08/16 のログ
ご案内:「異邦人街/修道院」にマルレーネさんが現れました。
マルレーネ > 息を思い切り吸い込めば、修道服に包まれたそこそこ大きめの胸が前に押し出されるように膨らんで、そこから細く細く、吐息を吐き出していく。
修道院の裏で目を閉じて瞑想する彼女の額には汗一つ無い。日差しを浴びながらも、普段通りのヴェールを身に纏ったまま。

「………………よし。」

彼女の手には、ガッチリとしか木製の杖。
杖と呼ぶにはかなり大型の、2mほどもあるそれを手に取れば、くるり、くるりと頭の上でゆったりと回す。
昔はこれくらいの杖を振り回していた。多少の懐かしさを覚えながら。

「………手には馴染みますね。」

目を閉じたまま、身体の周囲を杖を回す。自分の手足とまではいかずとも、目を閉じてどこまで届いているか把握するくらいはできる。

本来は棍も使う女。

マルレーネ > 異邦人である修道女。この世界の宗教とはまた別のものを信じる女は、穏やかにこちらの世界での暮らしを過ごしながらも。

時折ふと不安になる。


私は本当にあの世界に生きていたのだろうか。


この世界は人工的に生命すら作り出せる世界だと聞いた。
自分が“そう思い込んでいるだけ”では無いと誰が言えるだろうか。

自分が覚えているあの雪の冷たさも。
あの火山の暑さも。
見上げるような怪物も。
その手で刈り取った命も。

足元が、時折ぐらんぐらんと揺れるのだ。 これはきっと、この世界の人には分からぬ感覚だろう。

マルレーネ > そういう時は、心静かに保つために、己の身体に尋ねる。

「……せぇい、やっ!!」

思い切り杖で茣蓙を撒いた目標を叩く。
地面にしっかりと打ち込まれた杭を、右に、左に。
身体の重さと遠心力を全て使って、全力でぶん殴る。

素晴らしい理合は無い。
実戦に次ぐ実戦で磨かれた、ケンカ殺法。

気合の声と共に、風を切り裂く薙ぎ払いが。
地面が揺れるほどの突きが。
全く間を置かずに、たたきつけられる。



早い話が、身体を動かして忘れるのだ。