2023/06/02 のログ
ご案内:「異邦人街・漂着横丁」に深見 透悟さんが現れました。
深見 透悟 > 空はどんよりと雲が立ち込め、今にも降り出しそうな様相を呈している
――それでも此処、異邦人街の漂着横丁と呼ばれる商店街は活気に満ちていた

立ち並ぶのは各々の故郷の様式を模した商店、行き交うのは多様な種族の人々
その中にテディベアを背負った少年の姿もあった

「はー……梅雨時はホント気が滅入る……土塊ボディにゃ雨は大敵だってのに
 ついでにリリィも濡れちまうし、まさに百害あって一利なし!」

時折空模様を気にしながら、すれ違う人々にぶつからないように注意しつつ
異国情緒どころか異世界情緒あふれる通りを、軽い足取りで進んでいく

「さっさと目当てのモノ見つけて帰ろっと」

こんな天気じゃ口数も減ってしまう、と唇を尖らせ独り言ち
いやだいやだと愚痴りながら、目当てのモノ――魔術媒介を探してきょろきょろと視線を巡らせる

深見 透悟 > 「んー、真っ当なルートで仕入れをしてるわけじゃないし、仕入れる量もバラバラで当然値段もバラバラ
 こういう混沌極まった市場なら掘り出し物も見つかるかと思ったけど、なかなかどうして上手く行かないもんだ」

数件の店を冷やかした末に、店と店の間の裏路地の入口で足を止める
行き交う人々の流れにもまれて若干人酔いの気を覚えて小休止のために壁に寄り掛かれば、空はいよいよもって暗くなり重い気分に拍車をかける

「せめてリリィは置いて来れば良かったかなあ……防水カバーとかあればそれ買って帰ろ」

自分は濡れても良いけど大事な相棒は死守したい。壁に寄り掛かる際に背から下ろしたテディベアを抱え、小さくため息を溢す
こうして雑踏から抜け出したのも雨の気配に足早になる人々がぶつかるのを避ける為もあった
小さく後悔を口にしながら、きゅぅ、とテディベアを抱き締める姿は均整の取れた顔立ちも相俟って少女にも見えなくもない