2020/06/18 のログ
ご案内:「宗教施設群/その中の教会の一つ」にモアネさんが現れました。
モアネ > ――とある教会の礼拝堂。
――等間隔に置かれた長椅子の最前列に銀髪の少女が座る。


手には携帯端末。ある意味では、この場に相応しくはないだろう道具。
視線はその画面へと注がれていて、憂鬱気に溜息が零れた。

モアネ > 『……次のニュースです。
 本日未明より、転移荒野中央部に時空間の歪みが観測されています。
転移荒野「門」観測所による解析の結果――』

少女が端末に目を落としていた理由は、その記事。
続く文は、少なくとも自分に関係はないと言えない内容であった。


……さて、どうしたものだろうか。
色々考えるべき事はあるのだが、顔見知りの風紀委員に話を通せば――まぁ、面倒な事は色々避けられる筈ではあるが。


一週間程度という話である限りは、余りのんびりと迷って居られない。


そんな思考をすれば、また一つ知らずに溜息が零れていた。

モアネ >  
「確か……」

端末の上を細く白い指先が動く。
画面を切り替えて、連絡先の表示。

登録された知り合い――この場合、別の意味で眼を付けられてしまったと言うべき相手――の情報を表示させる。

落第街・スラムを住居に構えている、とある少女のもの。


「……メールか電話より、直接行った方が……」

いいよなぁ、なんて。最早何度目かわからない溜息と共に言葉が漏れた。


どうにもこうにも苦手なのである。
嫌いかと言われればそんな事はないのだが、自分の性格とはちょっと真反対な相手には、尻ごみしてしまいがちだ。


加えて言えば、自分の妹の事を考えてしまうと五体投地でもしないといけないかもしれない相手だ。

モアネ >  
暫く思考した後に、端末を手に椅子を立ちあがる。

あちらも自分の役割で出歩いてる可能性を考えれば、
うまい具合に掴まえられるとは限らない。


それならば、早急に行動に移した方が良いだろう。


よし、と小さく呟き、自分に活を入れ直せば、
その足は礼拝堂への裏手――自分達の住居となっている部屋へと姿を消す。


纏っている事が大半ともいえる、
自分の祭服に袖を通してから行った方が気分的な事も含めて楽だ。



……そうして、再び礼拝堂には静寂が訪れた。

ご案内:「宗教施設群/その中の教会の一つ」からモアネさんが去りました。