2020/07/05 のログ
■マルレーネ > 「続けられるか不安はあります。…参っちゃいますよね。」
褒められれば照れつつも、素直な気持ちを吐露。
隠し事はあまりしない。話したくないことは離さないけれども。
「っとっ!?
なるほど? ………いや、疑っているわけではないですけど、牙だけでは流石に。
流石に。」
冷静なツッコミを入れながら、子供らしいなぁ、なんて与太が頭をよぎる。
すぐムキになる相手を煽るようなことはしないのが、彼女の温和なところである。
「いいえ、壁を作っては話はできませんからね。
身を守る術は心得ていると思ったのですが、ちょっとばかり油断していました。
私は話を、悩みを、憤懣を聞くのが仕事ですから。
まあ、元の世界でもこういうことはよくありましたよ。
こう見えてですね、私は頑丈なんです。」
大きな胸をぽーん、っと叩いて、自信満々の様子を見せる。
まあ、強がりですけど!!
「いえいえ、普通の板で十分ですから大丈夫ですよ。
むしろ、そういう相手を早く見つけましょう。」
小学生の担任の先生みたいなことを言い出すシスターだった。
■スピネル > 「別に誰かに強制されているわけでもあるまいし、疲れた時は休んだらどうだ。
それこそ、今なら学校とやらで色々やっている時期なのだろう。
他人を癒してやるのも大切だが、自らを労わることもしてもらわねば。」
少年は傲慢な態度を崩さないながら、包容力溢れるマリーが痛ましく見えた。
身も心もまるでボロボロではないかと。
「他にも色々出来るのだが…流石にここで披露するとお主に迷惑がかかりそうだからな。」
少年はあまり自覚していなかったが、すっかり大人の対応をされていた。
ここでまだ自分は出来るんだぞとアピールしてしまうあたりも子供である。
「こっちの世界でも金を扱う場所は壁越しに話をするそうではないか。
お主も多少はそういうことを考えてくれ。
頑丈な人間がそんな包帯を巻くものか。
人間は良い奴ほど早死にするからな、お主もそうなるなど御免だぞ。」
強がりのマリーに呆れ顔の少年。
「やかましいぞ、マリー。
まあよい。 今日は大変世話になった。
今度は食い物と板を持って現れてやるとしよう。」
図星を突かれ、予想通り拳を強く握っては抗議する。
「ところで思ったのだが、人助けをしていくのはどうだと思う?
我の偉大さを伝えるに分かりやすいと思わんか?」
■マルレーネ > 「何言ってるんですか。私はびしっと毎日休んでますよ。
人間って睡眠時間を削らなければなんとでもなります!」
びし、っと指を立てて言い放ち、にひ、と笑う。
毎日休むというのはつまりは睡眠。
「あはは、ありがとうございます。
これ以上壊れると後で怒られますからねー。
……ただ、壁は作りませんよ。
それに、この島で絶対安全な壁を作ろうと思ったら、どれだけ分厚い壁にすればいいか分かったものじゃないですしね?
あっはっは、殺しても死んでくれないとまで言われた私ですからね。
心配してくれてありがとうございます?」
いい子いい子、なんて頭を撫でようと手を伸ばして。
おこりそうなら手を引っ込めて舌を出そう。悪戯なところを見せて。
「人助けですか? ……それはいいとは思いますが。
ここの人の悩みは簡単、ではない気がしますが…………。」
少年は素直な子だと思った。思ったが、それ故にまだ危ういとも感じる。
人助けは、心の元気を分け与えるようなものだ。僅かに言葉が濁る。
「……最初は、何でも助けるのではなくて、自分の力で助けやすい人から助けていくといいんじゃないですかね。
その方が一瞬で解決できて、すごい、と思われやすいですし。」
真面目なアドバイスを送るシスター。
■スピネル > 「それだけ元気そうならば問題なさそうだな。
しっかりと休養を取ってくれ。」
今度は相手が指を立てていた。
少年はシスターの愉快な仕草に笑みが零れる。
「うん?この施設はお主一人で使っているわけではないのか?
誰ぞ仲間でもおるのか。
この島はそんなに物騒なのか。我もとんでもない場所に連れてこられたものだ。
ううむ、お主がそこまで言うのならいいのだが。
人間と言うのは我らに比べるとどうしてもか弱いものだからな。」
頭の上に手が乗ると、少年の赤い瞳は閉じられる。
見知らぬ世界にやってきての一人暮らしはなかなか堪えているようだ。
「これは異なことを言う。物騒なエリアなのなら我のように力を持った存在が注目を集めるのは自然だろう。」
椅子のひじ掛け部分に持たれるように座り、頬杖を。
今この瞬間はスピネルが日頃言う、ヴァンパイアの仕草そのものだ。
「それはあれだろう? 暴漢に襲われている奴を助けてやれば良いわけだろう。
対価として少量の血を分けてもらえるのなら最高だな。」
マリーの意見には耳を傾け、自らの今後を夢想していく。
街を闊歩するヒーロー的な存在を思い描いているようだ。
■マルレーネ > 「異邦人だと言ったじゃないですか。
ここは、元々他の人が使っていたものの管理を任されているだけ。
おかげで寝泊まりする場所もありますし、助かってはいますからね。」
微笑みながら、でも、仲間はいないと言外に告げる。
異邦人とはそういうものだ。
「何言ってるんですか、私、もともとはそれなりに旅慣れてもいましたし。
中途半端な相手なら倒せますよ?」
ふっふー、と自信満々なことを口にしながら、よしよしと頭を撫でる。
ただまあ。
「………暴漢ってそんなにいませんからね。
というか、そうそう暴漢が普通に襲えるくらいの場所に、か弱い守られるだけの方も行きませんからね。
あんまりお勧めはしませんよ。 むしろ、ちゃんとした方に「ここに入らない方がいいよ」って真面目に注意されちゃうと思います、よ?」
■スピネル > 「そうは言うが、異邦人でも物件を持っていても不思議ではないだろうと思っていたのだが。
そんなものなのか。」
寝泊まりする場所があるだけでも確かにありがたい。
スピネルもこっちの島に来てからそう実感することがあった。
「なら我が来る前に暴れていた奴は相当な猛者と言えるな。
お主の目の前でここまで派手に暴れるには中途半端では無理なわけだろう。」
頭を撫でられ、嬉しそうに双眸を閉じたまま生意気にも指摘してみたり。
これが猫の獣人ならば今頃ゴロゴロと音がする程度には懐いていただろう。
よく子供相手に撫でていたのか、触られてとても気持ちが良かった。
「なに!? 暴漢がいないだと!?
我は落第街なるエリアで入るなり取り囲まれたぞ。無論、倒したがな。」
今度は胸を張り、鼻高々な様子。
いちいち自慢を挟まないと話せないのがスピネルの特徴である。
「そのちゃんとした方と言うのは学内の連中か?
一度どんな奴か見てみたいものだ。」
■マルレーネ > 「そんなものです。 普通は。
価値のあるものを身に着けていたり、存在が価値のある研究材料であればあるいは。
でも、そんなものだと思っていましたから、そこまで不安ではないですけどね。」
あはは、と笑って。目を細める。
「これは仕方のない話。
私の配慮が足りなかったのですから、避けるのも違うな、って思って。
ただ、思ったよりダメージ出ましたけど。」
とほほい、と苦笑しながらぺろりと舌を出して、やっちまいました、と。
「いませんってば。いや、囲まれるのはあるかもしれませんけど。
囲まれるからこそ、襲われそうな人は行かないので、結果誰も襲われないってわけです。
そうですよ、ちゃんとそういう人たちをダメですよ、っていう組織はあるんです。
この前、ちょっとお会いしましたけど。」
少しだけ頬をぽり、と掻いて。
「一度お会いするといいんじゃないですかね? ちゃんとしてるな、と思う方もたくさんいらっしゃいますし。」
■スピネル > 「その理屈で言うと、やはり我は珍重されるべきだと思わんか?
何せ、身体がヴァンパイアだぞ? 不死だぞ? 怪力やら何やら使えるんだぞ? 貴種だぞ?」
椅子を掴み、座ったままガタガタと音を立てて前進する。
ぐいぐいと、詰め寄るように。
「避けずとも防御位できただろうに。あまり無茶はしてくれるなよ。」
舌を見せるマリーを少年が咎めた。
眉間に深い皺が出来ている。
「ううむ、この島の住人は聡いのだな。
これでは我の出番が訪れないではないか。
なるほど、その組織と関係を持てば我の出番もやってくると言う訳か。
我の偉大さに気づけばよいのだがな。」
顎に手をやり、じっくりと考え込む。
果たして、彼らがスピネルを受け入れてくれるのか。相当に不安であるが。
「機会を見かけては会ってみよう。
今日は大変世話になった。今度約束通り食べ物を持ってこよう。」
椅子から立ち上がると、マリーにハグをするだろう。
嫌がるようなら手を振るだけに止めるが。
少年は意気揚々と鼻歌を歌いながら去って行く。
■マルレーネ > 「研究材料になるお覚悟は?」
微笑みながらウィンク一つ。
無理でしょう、って顔で。 ちょっと意地悪。
「当然。 無茶をしたらか弱い乙女ですから。
死んじゃいますよ。」
口笛をぷえー、っと。にしし、なんて歯を見せて笑って。
本音のかけらもない言葉。
「そうですね、ここの島の人は基本的に賢明です。
……あー、なるほど。 それはありかもしれませんけど。
受け入れてもらうには、まずは学校に入るのがいいかもしれませんよ。」
結局会話は戻ってアドバイスもまた同じことになって。
ハグをされれば、はいはい、と受け入れる女性。お姉さんにでもなったつもり。
お母さんじゃないですよ! お母さんって年じゃないですからね!
見送りながら、さて、と空を見上げ、ゆっくりと息をつく。
ご案内:「宗教施設群-修道院」からスピネルさんが去りました。
ご案内:「宗教施設群-修道院」からマルレーネさんが去りました。