2020/08/07 のログ
ご案内:「宗教施設群『破壊神の社』」に焔誼迦具楽さんが現れました。
■焔誼迦具楽 >
本格的になりだした常世の夏。
日差しが降り注ぐ中、なぜかやけに周辺気温の低い場所があった。
「ふー、こんなもんかしら」
両手を腰に当てて、今しがた造り終えた【創造物】を見上げる。
二階建ての屋内プール施設。
冷暖房、入浴設備も完備の隙がない完成度。
「お隣さんたちも快く許可してくれたし、自治会も協力してくれたし、幸先よし、って感じよね」
うんうん、と満足そうに頷いた。
自宅の裏にぽっかりと開いていた、中途半端な土地。
隣近所の土地まで含めれば、ちょっとした広さになってしまう空間を、何かに使えないかと常々思っていたのだ。
そこでちょっとした避暑施設を、それも夏場だけでなく一年を通して利用できる物でも作れないかと。
この地区の自治会に提案してみたのだ。
結果、意外にもあっさりと賛同を得ることができた。
「まー決め手は建築費不要ってところよね」
この施設、材料デザインその他すべて、迦具楽と迦具楽の能力によって【創造】されているものである。
そして自治会や土地を貸してくれてる隣近所へは、収益の一部を寄付する約束になっている。
そう、うまくいかなくとも誰も損をしないのである!!!
■焔誼迦具楽 >
「そう、私以外はね!!」
そして、眉をしかめながら唸った。
初期投資はこれまで蓄積してきたエネルギーの一年分相当。
安定した収入を持っていないため、収入源の一つに出来ればと思った、思ったのだが。
「えーっと、維持管理費に、電気水道、人件費も考えると──。
うげえ、それなりにお客さん来ないと余裕で赤字じゃない」
若干計画性が足りていなかったのは、思い付きのままに動いた結果だった。
うなだれつつも、指を立てて勘定していく。
「んー、貯蓄はまあ、あるにはあるし、エアースイムの賞金を充てれば、二か月くらいは大丈夫かな?
そのあとは──あまり考えたくないなぁ。
とはいえ、安くも高くも出来ないし、場所も良いとは言えないしなぁ」
しかし、そう悪くはない観点だとは思うのだ。
こういうひっそりとした隠れ家的な施設は、常世島にはそれほど多くないはず。
そして、人目を忍びたいヒトは相当数いるはずなのだ。
「需要は、あると思うんだけどなー。
まあ二か月様子を見て、赤字が続きそうなら片付けちゃえばいいか」
消費したエネルギーは丸損だが、それは一つ、勉強代として割り切るとしよう。
残念ながら考えても今更である。
■焔誼迦具楽 >
「それよりもスタッフよねー。
とりあえずは私が全部対応しなくちゃだろうけど――疲れるもんなあ。
早いところアルバイトの一人や二人、来てくれればいいんだけど」
とはいえ、問い合わせが増えてくるまではあまり必要ではないけれど。
それでも趣味の時間が減るのは面白くない。
ぶっちゃけてしまえば、楽してお金が欲しいのだ。
「まあそんな、うまく転がる話ってのもないか。
しばらくは節約生活かなー」
と、一つ大きく背伸びをして。
依頼した各種宣伝はうまく行ってるだろうかと少々不安を覚えつつ。
日課の菜園弄りに戻るのだった。
ご案内:「宗教施設群『破壊神の社』」から焔誼迦具楽さんが去りました。