2020/09/02 のログ
ご案内:「宗教施設群-修道院」にマルレーネさんが現れました。
ご案内:「宗教施設群-修道院」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
マルレーネ > 宗教施設群の中、ひっそりとたたずむ修道院。
今日も看板には「相談・愚痴・懺悔・その他何でもお聞きします」という看板だけが掲げられ。

今日は試練は無い。
というか、もはや9月だというのに、全く暑さが衰える気配が見えない。
確かに、これだけ湿気を感じるとどうにも。

「………これ便利ですね。」

ぽち、と扇風機のスイッチを押せば、そよそよそよ、と風が流れてきて、その顔に当たる。
何時もの修道服からフードは外して、金髪の流れる髪をそのままに、扇風機の前でへたり込んでいる修道女。

まだまだ日は高い。

水無月 斬鬼丸 > 宗教施設。
あまり立ち寄ることがない場所。
それどころか、立ち寄ったとしてもさっさと通り抜けてしまうのだが…

今日もそのつもりだった。
季節も変わり、少し野暮用で市街に出ていたというだけで
このあたりはただの通り道に過ぎない。

「あっつ…」

それにしたってまだまだ暑い。
ダラダラと修道院の前を通り過ぎようと歩く。
修道院の門を過ぎようというところで
思わず看板に目が行く。
こんなところに看板。妙な商売っ気を感じてなんか違和感を感じるが…
『相談・愚痴・懺悔・その他何でもお聞きします』と書かれたそれを前に立ち止まり

「…………」

ちょっと立ち寄ってみるかという気になった。
日差しを避けるにも丁度いいし。
扉に手をかければ、ゆっくりと修道院の建物の中へと歩みだし。

マルレーネ > 「……あー。」

声を出すと何か変な声になって面白い。
面白いから変な声を出していて、扉が開いたものだから。

「へぁっ!?」

本当に変な声が出てしまい、慌ててばさりと修道服を翻して立ち上がる。
金色の髪を揺らして慌てて立ち上がれば、恥ずかしそうに頬を赤らめて、へへへ、と笑って誤魔化し。

「……あれ、……水無月くんですか?
 お久しぶりです。 海の家もそろそろおしまいですかね。」

なんて、首を傾げて声をかける。
海の家で赤いビキニでバイトをしていた、誰とでも話す女性。
……が、修道院で修道服。

水無月 斬鬼丸 > 「……あ…」

扉を開けるとそこには…
扇風機に向かって口を開けて、『あ゛~~~』なんてやってる
金髪シスターの姿。
扇風機に加工された悲鳴とともに立ち上がる姿に
なんか悪いことをしたような気になってしまう。

「…あ、えっと、おじゃまします…」

小さく頭を下げる。
ここでかえると余計に気まずそうなので。
というか…バイト先で見た陽キャのお姉さんだ。
こんなところで扇風機で遊んで…修道服まで着込んで何をやっているのか。

「あぇ?えーっと…あー……どうも…
新しいバイトかなんか、っすか?」

距離の近い女性で、スタイルもよく見てのとおり顔立ちもなんか可愛らしいことから
いつも周囲にウェイ系やら陽キャやらがいたため、自分はあまり話したことはない。
むしろ、名前もよく覚えていない。
赤い水着姿を遠目に見ていたくらいで…だから、彼女の本業も知らなかった。

マルレーネ > 「あ、あははは、いやー、暑いですよね。
 懺悔室くらいには空調を入れるべきなんでしょうかね……。」

ふう、と掌でパタパタと仰ぎつつ。
誤魔化すように言葉を連ねて。
次いで、相手の言葉に少しだけきょとん、とする。

「……ああ、いえ、こっちが本業なんです。
 異邦人の支援金だけだと、どうしても限界はあるので。
 それに、海の家のご主人が困っていたので、ついつい。」

大人しい少年、というイメージだけが残っているが。
それでも、一緒に働いた仲間で、年下である。

「今日は何か御用です?
 ……あ、それとも、声漏れてました?」

はっ、と何かに気が付いたかのように自分の口元に手を当てて。
あんな声が外まで漏れていたなら恥ずか死する。

水無月 斬鬼丸 > やはり気さくというか気安いと言うか
なんとなく距離の近さを感じる女性だ。
きれいな人だしスタイルもいいし…
陰キャ男子としては困る。いろいろと

扇風機で遊んでいたのをごまかすように話すバイトのお姉さん。
あえてこれ以上はツッコむまい。

「そうだったんっすか…
こんなところに…知り…顔見知りがいるとは思ってなかったんで
少し驚きました」

年上の女性。
知人…というにはバイト中も距離があった…というか
自分が近寄りがたかっただけだが。

「いや、俺はちょっと外の看板みて…
外までは声、聞こえてなかったっす」

いちおう、修道院の外までは聞こえてきていない。
そこまで薄い扉でもなかったし。
だが、開けばすぐに見つかってしまうところでやっているのもどうかと思う。

マルレーネ > 「ですから、本職ですからね。
 何でも言ってくださいね。」

えへん、と胸を張って自信満々に言い放ちながら、どうぞ、と椅子をすすめる。
二人を首振りで扇風機が当たるようにしながら。

「あはは、そうですね。
 ここ、来ない日は一日誰も来ないこともよくあるんで、久々です。

 ………ちょーっと気を抜いてましたね。」

てへ、と舌を出して笑う。
視線を左右に揺らして、やっぱりまだ恥ずかしい。

「あ、そうなんですね。 声が聞こえてないのは良かった……。
 ええ、何か困っていることが一つでもあれば。

 何も無ければ何も無いで、それを素直に教えてください。」

向かい合うように座って、穏やかに微笑む。
こうやってこの格好で微笑んでいると、本職に見えてくる。 本職だけど。

水無月 斬鬼丸 > 張ってる胸は海の家のときも思ったが目の毒だ。
思わずみてしまう。
修道服に包まれていると、水着のときよりも背徳感をかんじる。
そのためか、なんか悪いことをしているような気がして目をそらし

「あ、うす…んじゃ、失礼します」

とりあえずはすすめられるがままに腰を下ろす。
日陰にはいったためにマシに思えたが
立ち止まってしまえばこの室内も結構暑い。
扇風機一台でどうにかなるものでもないだろう。
とくにこの女性はこんな厚着だし。

「そういうもの…なんっすね。
まぁ、なんつーか、俺もバイトの時そんな感じだったんで」

気にしないでとちょっと不器用な笑顔。
舌を出してわらう女性は気さくなお姉さんといった感じ。

「困ってること…」

そういえば看板を見てはいったんだっけ。
相談・愚痴・懺悔・その他……

「あー、えーっと、そんじゃ…その…
最近、妹とすれ違ってしまってこう…気まずいと言うか…」

マルレーネ > 「空調、しっかり今度入れますね。」

暑いですよね、っと少しだけ笑いながら、扇風機をON。
特に視線は気にすることもない。
まあ、水着にライダースーツにバニーウェイトレスとやってきたせいか、視線に関して麻痺している気がする。

「そういうものなんですよ。
 ですから、とりあえずさっきのだらけた姿は気にしないってことで……」

人差し指をそっと唇にあてつつ。


「……妹さんと?
 ケンカとか、何かそういう形ですか?

 すれ違う、っていうのがどんなものなのか、ある程度教えられる範囲で、教えてもらってもいいです?」

水無月 斬鬼丸 > 「つか、そのカッコで暑くないっすか…?
その、このあたり暑いと思うんで、倒れないうちに…」

今年はもうこれ以上暑くなることはないだろうが
彼女が来年以降もここにいないとは限らない。
むしろ心配になってしまう。
少し無防備なシスターのなんだか楽しげな表情に目を向ける。
胸を見るよりはこちらのほうが健全だ。

だが、整っているというか…可愛らしい年上の女性というのは変わらないため
みつめていると照れくさい。
仕草からして、唇に注目してしまうし。いけないいけない。

「喧嘩っていうか…その…心配で、つい、妹を困らせてしまって…
ちょっと言い過ぎたかなってところはあって…」

マルレーネ > 「そりゃ暑いですけど。 でもまあ、制服みたいなものですからね。
 それに、通気性はそこまで悪くないので、他の服と同じようなものですけど。

 でも、汗をかいたままってのもアレですし、後で着替えてきますか。」

じ、っと見つめられても気にした素振りも無く、ふんふん、と真面目な顔で聞いていて。


「………まあ、心配をするのは当然ですからね。
 それに、どれくらい心配をかけることをしたのかで変わってきますからね。

 でも、………押し付けではない、愛情から来るものなら、心配するのも、口にしてしまうのも、仕方のないことだと思いますよ。」

水無月 斬鬼丸 > 着替え。
このシスターは自身の魅力というものを理解できていないようで
軽くそういう事を言う。
感受性豊かな思春期の男子学生の前でそういう事を言ってはいけない。
思わず頬が暑くなる。
しかし、真面目に話を聞いてくれるシスターを前に流石にそんなことではいけないと
軽く首を振って邪念を払う。

「ぁ、えっと…それがいいっす…」

汗がなんとか言ってたので、これ以上は言及しない。
汗臭いとか口にした日には
このシスターは落ち込んでしまいそうだし。

「押し付けるつもりはなかったんっすけど…
なんていうか、できれば俺としても、あまり危険なことしてほしくないっていうか…
俺の気持ちを押し付けちゃったかも知れないって、少し、後悔してて…」

マルレーネ > 「そうですね、ちょっと後で……。
 っても、これと同じ服しかないんですけどねー。」

あはは、っと明るく笑う。
それ以外の服? あー、バイト用しかないのでマトモなのが無いです。
それらを頭の中から追い出しながら。


「………危険なことであれば話は別です。
 どんな理由があったとしても、それに対して心配するな、は無理があります。

 ……どんな理由があっても、は言い過ぎかもしれませんが。
 それでも、………押し付けたって、仕方ないとは思いますよ。」

目を閉じながら、少しだけゆっくりと言葉を選ぶように。

水無月 斬鬼丸 > 年上の女性でありながら、どこか幼気な…
可愛らしい印象。
なるほど、バイト中も陽キャ連中がつきまとうわけだ。
明るい笑顔に見惚れてしまう。

とはいえ、今は彼女に相談…いや、愚痴…それも違う
懺悔…というべきだろうか。
心の中の後悔は拭えないのだから。

「でも、あの…沙…妹を、その…混乱させたと言うか
困らせたと言うか…
環境の違うところにいたんで、彼女には、生き方の否定に聞こえちゃったんじゃないかなって…
俺も、ずっと…思うところがあったから、ついきつい言い方になっちゃったとこも…」

シスターの視線から逃れるようにうつむいて

マルレーネ > 「………………。」

少しだけ口を噤む。
この世界は"まとも"ではない。
争いのただなか、それが平時とする人間もまたいるのかもしれない。

「………そういう生き方しかできていないのなら、時間はかかると思います。
 私には、想像で語ることしかできませんが。

 ……それでも、心配は当然だと思いますよ。

 少しだけ、言葉を選んで。
 それが良いとかダメとかではなくて、そうなってほしい、って希望を伝えるようにしていってはどうでしょう。」


言葉をつづけながら、少しだけ息を吸い込んで、吐き出して。

「それでも、そういった妹さんを放ってはおけないのですね。」

瞳は優しく微笑む。

水無月 斬鬼丸 > 自分が妹に言ってしまったことはエゴの押しつけにも思える。
だからこその後悔。
だからこその懺悔。
自分はもっと、妹に寄り添えたのかも知れない。
でも、妹は自分の知らないところにいて
その中で傷つき続けて、苦しみ続けて、それでもなお
兄である自分にはそこにいてと。でも助けてくれと。
平和の中でいきてきた自分には、どうしていいのかわからなかった。
それでも、唯一の肉親として
彼女を助けたかったし、兄として護りたかった

「そのつもり、だったんですけどね…。
でも、その、なんていうんだろう…
どうすればいいのかわからないって感じで…
どうすればいい?なんて聞かれちゃって…」

額に手を当て、うなだれてしまう。
思い出す無力感。

「ずっと、なにもできなかったんで…助けたかったんですけどね…
逆に苦しめてしまったみたいで」

マルレーネ > 「………。」

口を噤む。
まずはゆっくりと話を聞き。
その上で。

「どうすればいいか分かっていたら、誰も困らない。
 何かに頼ることもしないですし、相談も必要はない。

 どうすればいい? って相手が聞いてくるのなら、いつか何とかなるはずです。
 だって、そこには何らかの答えを探す意思があります。

 ですから、貴方がやらなければいけない………そんなことを言う資格はありませんが、それでも。

 やらなければいけないことは、"どうすればいいかわからない"ことを恐れないで。
 助けることはきっとできます。
 "助けたかった"なんて言わないでください。

 手を引っ込めないであげてください。」

よいしょ、っと隣に座り直せば、その手をぎゅ、っと握って。

水無月 斬鬼丸 > 彼女の言葉はどこまでも肯定的で優しい。
でも、こぼれだした後悔は
今まで抑えてきた不安もあってか
ボロボロと溢れてくる。
胸が苦しい

「言うだけだったら誰だってできるんです。
俺じゃなくても…妹には、助けてくれるひとはいっぱいいるんで…。
でも、俺、護るって言ったのに…答えの助けにもなれないで…
妹の生きてる場所のことも考えないで…
でも、考えたとしたって、心配がなくなるなんてことなくて…

正直、怖いです。
わからないのもだけど…俺のせいで苦しめちゃってるのがわかるから
コワイんです。
誰かが、妹の手をとってくれるならきっと、俺がするよりもそのほうがいい
きっと、その誰かのほうが妹に寄り添ってくれるって…
そんな気もしちゃって…」

握られた手は、小さく震えた。

マルレーネ > 「………それは。」

これ以上は言わない方がいいかもしれない。 聞き役に回って、吐き出させてあげるだけでいいかもしれない。
でも、彼女は学が無い。セオリーも何も分からない。
だから、口を開いた。

「……それは違います。
 いいですか。 妹さんが救われる権利があるのと同じように、貴方だって満足する権利があるんです。

 このまま放っておいて、誰かが助けてくれるまで見ていて。
 それでは、結果がどうあれ貴方が救われないのではないですか。」

手を握ったまま、目を合わせようとする。

「心配する兄と、心配される妹は、妹だけが救われるべき、ではないでしょう。

 もちろん、………どんな方法がとれるかは、もっともっとたくさん悩んで、辛い思いもしなければいけないでしょうけど。
 それに、一人が助けないといけない、なんてルールはありませんよ。」

ぱちり、とウィンクを一つしながら、両手で手を包み込む。

水無月 斬鬼丸 > 「っ!」

手に感じるぬくもり。
顔を上げれば、シスターの顔が近い。
きれいな瞳。
見惚れてしまえば目をそらすこともできない。
両手に包まれた手を見下ろし、再びシスターに視線を

「……俺を、心配してくれる人もいるんです…
でも、俺が妹救いたくて…なにかしたくて…
だけど、そうすると、その人の心配を無駄にしちゃうっていうか…
もっと心配させちゃうっていうか…
そのひとは俺に普通でいていいって言ってくれたんですけど
俺、妹助けたいから…普通でいられなくて…
妹も普通でいてほしいっていうんだけど、普通のままじゃ何もできなさそうで…
みんな、裏切って、みんな無駄にして…そんななのに
救われていいのかなって、なんか…こう…わかんねぇ…」

ウィンクを見せるシスター
すべてを委ねて甘えられたら楽になるのかも知れない。
でも、不安の種はすでに芽を出している。

マルレーネ > 視線が合わせられれば、握る手はそのまま。
相手の不安を耳に入れて。

「救うのは、特別でなければいけないんですか。」

素直に言葉をかける。

「私の世界にも、戦いに向かう人を心配する人は、いました。
 その心配が我慢できなくなったとしても。
 隣に立って戦うことが正解でしょうか。
 それは逆に、自分が救われたいから。 自分が満足したいからでは?」

穏やかな言葉のまま、よいしょ、と抱き寄せるように。
頭を撫でながら、ひたすらに言葉を連ねる。
質問もまた、柔らかく。

「普通のままでも、できることはきっとあります。

 ………貴方は。
 自分の気持ちと、妹さんの気持ち、どっちも叶えようという傲慢さが、我儘が足りない。」

抱き寄せたまま、頭の上に言葉を落としていく。

水無月 斬鬼丸 > 「え…」

特別でなければいけないのか。
助けてくれる母親のようなひと
そして、自分が助けたい妹
特別でいてほしいとは言われてはいない。
むしろ、普通でいてほしいと願われている。
でも、自分は彼女たちを助けたいと、それを捨ててもいいと…
それは、彼女の言うように…それこそ自分のためでしかないのかも知れない。

「うわ」

ふわりと柔らかな胸にだきよせられ
頭を優しく撫でられる。
安心する。
温かい。
優しい。
おずおずと、シスターの体にすがるように抱き返し

「…我儘いって、いいんっすかね…俺…
いまのままで、なんか、できるんっすかね…
どちらも、叶えられる…のか…な?」

マルレーネ > 「逆に。」

抱き返してくるのを感じれば、少しだけ微笑んで。きゅ、っと頭の後ろに腕を回してあげて。

「妹さんの願いごとくらい、ついでに叶えてやるくらいの気持ち。
 持ったっていいじゃないですか。

 その分、ちょっとばかり大変になりますけど。
 我儘でもありますけど、兄としての度量、とも言えますね?」

なんて、笑いかける。

「何より。」
「どちらかを捨てないと持てない、って判断が間違っている可能性は考えないといけません。」

「頭の良い学者様は、"こうだろう"と思っていても、それを常に疑います。
 もしかしたら違うかもしれない。
 もっといい方法があるかもしれない。
 それを、起きている時間全てを使って、絞り出すようにその隙間を探していきます。」

「そこまでしなさい、というわけではなく。」
「そこまでしてから、捨てることを考えたっていいじゃないですか。」

こうでしかない、こうするしかない、という思い込みを解いてあげるのは、人生の先輩の役割だ。

水無月 斬鬼丸 > ふわふわと柔らかな温もりに包まれて
乱れていた心は少しずつ落ち着いてしまう。
男というもの言うものは単純だ。
だけど、いまは
それに甘えていたい。
弱い男かも知れない。
情けない男かも知れない。
この安らかなぬくもりに心も体も委ねるように
強く抱きしめて。

「ついでに…」

できるのだろうか。
自分に。
それこそ、その力が自分にあるのだろうか。
自信は持てない。
当然だ。
そんな物があるなら悩みなんてしない。
シスターの顔を見上げれば、不安そうに。

「俺、頭は良くないっすけど…
考えても、俺には…わかんないことばっかで…
人に聞いても、それは同じで…
シスターに、甘えていたくて、情けない兄貴なのに…できます、かね…」

可能性を拾えるだろうか?
できると、おもえるだろうか?

マルレーネ > 強く抱き着かれれば、目を細めて。
ああ、心細かったんだなぁ。 その気持ちを感じて、頭を優しく撫で続ける。

「………頭が良いかどうかなんて、関係ありません。
 いえ、まあ、貴方が"一人で"全て考えなければいけないなら、関係あるでしょうけどね。」

顔を見上げられながら言葉を受け止めれば、そうですね、とつぶやいて。


「………いいんですよ、甘えてしまって。
 ここにそういう気持ち、全部落としていってしまえばいいんです。
 辛くなって、困って、悩んだら、いつだって来ていいんです。


 ですから、お外ではちょっぴり見栄を張ってしまってもいいですね?
 何とかしたいと思い続けられるなら、きっと。」


頭の後ろに腕を回して抱きしめたまま、ウィンク一つ。
自信をつけさせるように、背中をぽん、ぽん、と叩いて。

水無月 斬鬼丸 > 一人ではない。
受け止めてくれるひとも、考えてくれる人も
支えてくれるひとだって…いる。
このシスターは…仕事ではあるだろう。
互いに、その距離は近いとは言えない。
だけど、こうやって預けてしまうのは、少しずつ肩の荷が下りてきたからこそかもしれない。

「…はい…できれば、そうしたいって…
そうするのが、俺のできることって思い込んで…」

彼女の言葉は優しい。
どこまでも。
シスターらしく慈悲に満ちた声。
だからこそ、その言葉に従うように
女性の体に身を委ねて

「…はい。そうします…」

見栄を張るっていうのは無理をし続けることではなかったのだろう。
そのことも思い違いをしていたのかも知れない。

マルレーネ > 「………思い込みは恐ろしいものです。
 ありうるはずだった未来を閉ざすもの。

 それが力となる思い込みなのか、それとも、明るい窓を閉じてしまう思い込みなのかは、常に考えなければいけません。」

囁くようにしながら、頭を撫でて。

「ならよろしい。
 辛くなったら、いつでもきてくださいね。

 あとその。


 着替える前でしたけど、そのぉ………気になったりします?」

抱きしめながらも、ちょっとだけ頬を染めて。てへへ、とその赤くなった頬を掻く。

水無月 斬鬼丸 > シスター・マルレーネに体を預け、抱きしめ
その胸に身を寄せる。
撫でられながら彼女の言葉に頷いて

「ありがとう…ございます…」

礼を述べつつも抱かれたまま。
だが、続く言葉は…

「へ?」

思わず目を丸くする。
香るのは優しげな香り。
布地の匂いとはまた違う…言ってしまえば彼女の体臭だったのかもしれない。
彼女の照れくさそうな表情もあって、かぁっと顔が赤くなる。

「え、えと…安心、します…」

それでも体が離れられないのは、それだけ安心を求めていたのかも知れない。

マルレーネ > 「そ、そうです?
 気になったら着替えてきますからね。」

安心する、と言われると、それはそれで気恥しい。
あ、あっはっは、と大きく笑ってやりながら頬をぽりぽり。


「………とりあえず、今日は飽きるまで、こうしていていいですからね。
 あ、でも、ちょっと待ってください。」

ぽんぽん、と肩を叩いて、身体を離すように求めて。

水無月 斬鬼丸 > 気にはならない。
先に言ったとおり、安心する匂い。
包まれていたくなるような。

だから、彼女の言葉に甘えてしまう。

だが、こうしてていいとはいうものの
続けて待ってと言われた。いったいどうしたのか

「あ、え、はい…すんません…」

冷静になるとだいぶ恥ずかしいことをしているような。
彼女に従い体を離すも、なんだかジワジワと恥ずかしくなってきた。

マルレーネ > 「よいしょ、っと。」

立ち上がって扉の方向に行けば、看板を引っ込めて。
ついでに、がこん、っと木の棒で扉があかないようにする。

「さっきと同じ状況で、貴方の知り合いが来たら大変ですよね。」

てへ、と笑いながら、また隣に座り直す。
これで、トンデモ来客で悲鳴を上げなくても済む。なんとも合理的判断。

「はい、どうぞ。」

両腕を開いて、迎え入れようと。

水無月 斬鬼丸 > 「ぁぇ」

体が離れれば、修道院の扉につっかえ棒。
看板もしまい、まるで店じまいでもしてしまったかのよう。
あっけにとられていると戻ってきたシスターは
まるでイタズラな少女のように笑って

言ってることはわかるし、そのとおりなのだが…
なんだか余計にいけないことをしているような。
そんな意識をさせる言葉。

「ぁぅ、えっと…は、はい…」

先程とは少し心持ちは違うものの、両手を広げるシスターの言葉に
あらがうことはできない。
再びその胸に、ぽふりと体を預けた。

マルレーネ > 「ん。 じゃあ、改めてお名前、教えてもらってもいいですか?
 私はマルレーネ。 ここでシスターをしています。
 ここの学園に所属をしている1年です。」

ぽふん、と抱き着いてくる少年をそのままに、背中をぽん、ぽん、とゆったりと叩いてあげて。
改めて名前を聞いていく。

「大体は、ここにいますから。
 何かあれば、いつでもきていいんですよ。

 ………何もなくたって、きていいんですからね。」

身体を預けた少年に言葉を落とす。

水無月 斬鬼丸 > 「水無月、斬鬼丸…です…同じ、一年の…」

そういえば名前、知らなかった。
同じ場所にいたひとだったが、そのときは距離がありすぎて
でも、いまは隔てるものも、距離もない。
素直に名乗り、彼女の言葉にやすらぎを覚え

「はい…えと、その…また、きます…」

うなずき、体を預けたままに。
彼女が許す限りはそうしていたいと

マルレーネ > 「水無月君でいいです? それとも、妹さんがいるならお名前の方がいいです?」

なんて、笑いながら、頭をぽんぽん、と後頭部を撫でる。
もう、完全に甘やかす姿勢のまま。

「………ええ、またいつでも。
 あ、マリーって呼んでもらっていいですからね。」

身体を預けたままの少年がそのまま、力を抜いているのを確認して。
しばらく、ずっと身体を受け止めているけれども。

「………ずいぶん、抱え込んでいたんですね。
 もうしばらく、このままがいいです?」

水無月 斬鬼丸 > 「名前の方で…」

仰々しすぎてコンプレックスに近いものになっていた名前だが
こうして名前の方で呼んでほしいというのも初めてな気がする。
いまは、ぬくもりとの距離を感じたくなかった。そのせいか。

「マリー…さん?
ありがとう、マリーさん…」

シスターマリーとよんだほうがいいのだろうか。
そのへんの作法はわからない。
だが頷いて、その名を呼んで

「あ、えっと……よければ、その……
おねがいします…」

このままがいいか、ときかれたら素直に答えてしまう。
今は家に帰っても誰もいない。
だから、はなれたくはなかった。

マルレーネ > 「ん、じゃあ斬くん。」

よしよし、と頭を撫でながら、お願いします、と言われれば微笑む。
頼られれば、それはそれで嬉しい。

「……じゃあ、とりあえずその、着替えてきますね?
 しばらく待っていてくれます?」

とはいえ、暑い、と言っていたところでずっとくっついていたのだから、すっかりさらに暑い。
いくらなんでも、汗のにおいは気になるところだ。

それくらいは気になるんです! 確かに旅の途中では気にする余裕はありませんでしたけど!

水無月 斬鬼丸 > まるで子供扱いだが…今はそれが心地よかった。
着替えてくると言われると
流石にそれをとめることはできなかったのだが…

「あ、え、そう、ですか…
はい。まってます」

安心できる香りであったためか、少し惜しい気がしてしまって
とはいえ女性。
気になるのも仕方のないことだ。

しかし、惜しいという気持ちもあるが、時間を置くと
色々と意識が別方向に言ってしまってそれはそれで困ってしまうのだが…。

マルレーネ > 「じゃ、ちょっと待っててくださいね。
 あそこの棚に冷たい麦茶とかも入ってますから、自由に飲んでいいですから。」

ごめんなさいね、と謝りながら。
それでも、若干気になるは気になる。
慌ててぱたぱたと奥に引っ込んでしまえば、15分ほどは戻ってこない。

鍵のかかった室内に放置されつつ。

水無月 斬鬼丸 > 「あ、はい」

生返事。
コクリと頷き、待つ。
じわじわとなんだか…こう、体がソワソワしてくる。
妙な緊張とか恥ずかしさとか。
とりあえず麦茶をコップ一杯いただきて、再び椅子に。

さすがにすこし甘えすぎただろうか。
引かれた?

マルレーネ > がちゃり、と扉を開いて。

「準備オッケーです!」

どうだ、と言わんばかりのドヤ顔と共にやってくる修道服。
しっかりと取り換えてきたのか、さらさらと修道服に。
つやつやと濡れた髪の毛にシャンプーの香り。

隣に座れば、濡れたその髪をそのままに、両腕を広げて。