2021/01/12 のログ
ご案内:「宗教施設群-修道院」にマルレーネさんが現れました。
マルレーネ > 「寒くないですか。」
思わずくらい空に向かってツッコミを入れた。毎回ツッコミを入れている気がする。
しんしんと降り積もる雪の中、スコップの入った一輪リヤカーを引いてやってくる修道女。

「……こっちの世界の方が防寒着の質は高いはずなのに、それでもなお寒く感じるんですが………。」
手袋を手に、手をぐーぱーぐーぱー。
それでも寒い。

「………ええっと、まあ、まあ………雪かきは必要なことですからね。」

マルレーネ > 「それがこの通り全部でなければ!!」
畜生! とスコップでぱすんと雪を叩く修道女。
通り全部雪かきとか私は何ですか、軍隊か何かですか。ブルドーザーですか。

空と天と神に向かってツッコミをしながら、ちくしょう、ちくしょう、とぽすぽす雪の積もった地面に地団駄を踏む修道女。
踏みつける感覚が楽しいだけ、ともいう。

ご案内:「宗教施設群-修道院」に神代理央さんが現れました。
マルレーネ > 「聞き方がズルいんですよね……
 やれない理由は何かありますか? とか………いやそりゃ、無いですけど、無いんですけど……」
ため息をつきながら、よいしょ、っとスコップを持ち上げる。
スコップで雪をかく。かくというより掘る。掘るというより雪の中を竜が泳ぐといった方が正しいかもしれない。
ざしょざしょ、っという激しい音と共にリヤカーにこんもりと盛られる雪。

神代理央 >  
「……何というか、その…大変だな」

それは、帰路につく少し前。
見回りがてら少し遠回りして訪れた修道院で見掛けたのは、随分と世話になっているシスターの姿。
唯、今の姿はシスターというか……。

「……その、転職したのか?」

多分違うとは思うけど。
絶妙にリヤカーとスコップが似合っている…様な気がするのも、また何ともかんとも。健康的であると言うべきなのだろうか。

「こういう仕事は人手をかけるべきだと思うんだが」

なんて。
もこもこと暖かそうな風紀委員のコートを纏って、雪を盛り続ける彼女に声をかけるだろうか。

マルレーネ > 「大変ですよ。」

ふー、ふー、っと白い吐息を吐きながら遠い目をする金髪の女。
よく見れば、別に分厚い上着ではなく、単なる修道服であることが分かるだろう。
夏も冬も同じだ。

「……転職、転職ですか。 転職の前に自分の職業は何だったのか分からなくなってきているのが本当のところですね。」
顎を一つ撫でて、んぅう、と小さく言葉が漏れる。

「………人手×時間なので、人の手が足りなければその分がんばるしかないですよね、と。」
とほほ、と肩を落としながら、ざっくりざっくり、小さな子供くらいの重さの雪を持ち上げてはリヤカーに積み込む。

神代理央 >  
「…私が覚えている限りだと、修道院のシスター、だったと思うんだけど。
雪かきも此処迄するなら、生活委員会に声をかけてみるべきだと思うがね」

雪と同じ色の吐息を吐き出す彼女に、苦笑いを含んだ言葉を返す。
彼女が持ち上げる雪の量を見れば、おお、と感嘆符を交えた吐息を漏らすのだろう。

「…ふむ、確かに。であれば、私も加勢すれば作業も早く終わるということだな。………まあ、私はマリーほど、その、雪かきが得意な訳ではないから――」

断じて、彼女より力が無いとは認めない。
彼女が持ち上げた雪の量を見て、魔術の強化抜きで持ち上げられる気がしない、とか思っていない。断じて思っていない。
というわけで――

「要するに、通りの雪を排除すれば良いのだろう?」

ぱちり、と指を鳴らすと生える様に現れるのは両腕が巨大な大楯へと変化している異形。
普段であれば、敵の攻撃を受け止め、押し潰す為の大楯は、ガチン、と雪を貫いて地面に押し立てられる。
大楯の異形はそのまま、ブルドーザーの様にずりずりと大楯を突き刺した儘黙々と雪を路肩に押しのけていくのだろう。

「……まあ、繊細な作業では無いかも知れんが。
あと、そうだ。これ」

羽織っていたコートを脱ぐ。そのまま、ん、と言わんばかりに彼女に差し出すのだろう。
差し出す、というよりはずい、と押し付ける様な動作ではあったのだが。

マルレーネ > 「シスターですー。いつも変わらずずーっとシスターですー。」
唇を尖らせて、不満そうに相手をジト目で見つめて。

「おぉ………。」
思い切り巨大な異形が雪を押しのけていくのを見れば、流石! っと手を打って。
後は、と建物の入り口までふさいだ雪を、せっせと取り除いていく。

「………あはは、大丈夫ですってば。 もう、甘やかしますね。」
なんて、よいしょ、っとそのコートを羽織ってから、後ろからよいしょ、っと抱き着いてほれほれ、と冷たくなった手で頬をぷにりとつまんで。

神代理央 >  
「神に仕え、弱気を救うという点では確かにマリーはずっとシスターだろうけど…。滅私奉公が過ぎるのは、神も良くは思わないんじゃないかな」

まあ、無神論者の己が言う台詞でも無いのだがそれはさておき。
唇を尖らせる彼女に、クスクスと笑いながらも少しだけ気遣う様な声色の言葉を向けるのだろう。

ズズズ、と音を立てて雪を掻き分け、押しのけていく異形。
一応細かく指示を出す為に思念を飛ばしてはいるが、建物の入り口や歩道の隅の様な細かいところは彼女に頼る事になってしまう。
もう少し筋肉付けた方が良いかな、なんて思ったり。

彼女にコートを渡した後、そんな事を考えながら異形への指示に集中していたが故に、突然後ろから抱き着いてきた彼女の動きも、頬に伸びたその掌にも気付くのが一歩遅れて――

「わひゃい!?つめ、冷たい!?
というか、此処迄冷え込むまで頑張り過ぎだ馬鹿者!
ちゃんと温まりながら作業……ほんとにつめたい…」

思わず素っ頓狂な声を上げた後。
その手の冷たさにぽんぽんと怒りながら、首だけ回して彼女に抗議の視線を向ける。
尤も、その言葉の最後はぶるり、と身を震わせる事によって尻すぼみになってしまうのだが。

マルレーネ > 「別にいいんですよ、こう見えてなんだかんだ好きでやってますからね。
 好き、まあ、好き………ではないですが。」
はー、っとため息をつきながら遠くを見た。
目のハイライトは無かった。

「あはは、これくらいの冷えそんなに大ごとじゃないですよ。
 終わったら温まろうかなーって思ってたので、丁度いい感じに温まれます。」
あはは、と笑いながら頬をぷにぷにするシスター。弟に対していいように自由にする姉の行動。

「…………んー、じゃあ、終わったら温まります?
 ストーブとかもありますよー?」
修道院を見上げながら、そんなことを尋ねる。
コートの前を止めれば、二人して一人のコート。

神代理央 >  
「……何だか良く分からんが、辛い事は辛い、と言った方が良いと思う…んだが。こういう作業を、マリーだけが頑張る必要は無いんだし…」

ハイライトオフな彼女を見れば、困った様に眉尻を下げて彼女に視線を向ける。
自分より少しだけ背の高い彼女を、見上げる様な形で。

「それなら良いんだけど…。…というか、つつき過ぎだ。
やめ、やめないか。私の頬なんてつついてなにが楽しいんだなにが」

漸く冷たさにも慣れてくれば、今度は頬を突かれる感触が気になる。
今の姿勢も相まって、流石に気恥ずかしさを感じて一歩前に踏み出そうとするのだが――

「…へっくち!」

思わず零したくしゃみで動きが止まった間に、コートの前を止められてしまう。二人羽織の様な態勢に、結局動きを止めてしまうのだろう。

「……そうだな。取り敢えず、このこっぱずかしい恰好で外にいるのは、その、色々憚られる。ので。
とっとと終わらせて温まろう。可及的、速やかに!」


――そうして、急に勢い良く動き出した異形が通りの雪を除雪車の如く道路脇に押しのけ続けて。
一通りの作業を終えた後、彼女と共に一時の休息を取るのだろうか。
作業の合間も、温まっている時も。寒さとは違う理由で頬を赤らめていた事は『鉄火の支配者』の名に懸けて、口を噤む事になるのだが。

ご案内:「宗教施設群-修道院」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「宗教施設群-修道院」からマルレーネさんが去りました。