2021/10/17 のログ
ご案内:「宗教施設群」にセレネさんが現れました。
セレネ > 『本当にどの神族も出払ってるのね。…私も顔見せくらい行くべきだったかしら。』

10月はハロウィンでもあるが、神にとっては一所に集まって会議をする時期でもある。
陽が落ちた教会にもハロウィンの飾り付けがされており、ジャックオランタンも吊り下げられている。

そんな教会の一つにお邪魔して長椅子に腰掛け、一人ぽつりと異国の言葉を呟いた。
…いや、まぁ。去年行かなかったから良いかなとか…ちょっと思ったけど。
学生の身分でもあるので長期間空けているとマズイのだ。
不審に思われたら嫌だし。

セレネ > 人気の無い教会にお邪魔して、静かに深呼吸。
体内に溜まった不浄を吐き出す。
吐き出すだけなら神社でも良いのだが、己は日本の神ではないから何となく居心地が悪い。

比較的様式の似た此方側の方が精神的に落ち着ける。
椅子の背凭れに背を預け、気持ちを落ち着かせ。
本当なら月光浴が良かったが、生憎今日は曇り空だった。

『満月の日は晴れてくれると嬉しいわね…。』

この季節の月は空も澄んで綺麗だから。

ご案内:「宗教施設群」に霧島 孝介さんが現れました。
霧島 孝介 > 「あの~…すいませーん…」

閉まっている教会の扉をノックし、ギィイと開けながらそう告げる。
人気のない教会が少し怖いなと思いつつ、息を呑んでひっそりと入っていく。

この少年、何故教会に来たかというと、道に迷ったからである。
宗教施設群は似たような建物が多い(彼にとって)ため、コンビニに行こうとふらっと立ち寄ったら案の定迷ってしまったそうだ。

教会のシスターさんなら優しいし、教えてくれるよね!

ってことで、夜の教会に来たのだ。
見た目は完全に忍び込んでいるんだが。

「あのーどなたかいませんか?」

セレネ > 来訪者か、扉をノックし開ける音と共聞こえたのは男性の声。
声色からしてまだ若そうだなどと思いながら、
蒼を数度瞬かせてはゆるりと其方に向けた。

「……あら、何方かと思えば霧島さんではないですか。」

己はこの教会の修道女でもなければ祀られている神でもないけれど。
見えた姿はかなり久し振りに見る友人の姿。
椅子から立ち上がり、彼の方に歩みを進めて行こう。

「こんばんは、お久し振りです。
このような場所にどんな御用でしょう?」

微笑みを浮かべては少し首を傾げ、訪ねてきた理由を問いかける。
まさか迷子だなんて思っていない。

霧島 孝介 > 「うおっ、天使!」

人が居るとは思わず、身体をビクッと震わせながらそちらを見る。
目の前に立ってたのは何時ぞや助けてもらった天使のような見た目の友人であった。

美しい容姿に、背中に翼が生えた時は本物の天使だと錯覚したようで、以降は彼の心の中で勝手に天使呼びをしていた。

それがつい、口に出てしまった

「あぁ、いや、今のはぁ…んん、久しぶり、セレネさん。
 あ、あぁ、えっと、道に迷ったから、道を聞こうと…しました」

微笑みを浮かべる天使のような彼に対して、こっちは陰キャ。
天使という単語が出たのを心底動揺しながらも、来た理由を彼女に告げる。

セレネ > 「――え、天使?」

再度蒼を瞬かせると彼が口走った言葉を復唱する。
教会という場所もあってか相手には猶更天使に見えるかもしれない。

己は天使ではなく神族なんだけどな、と思うも口に出す事は無く。
彼が己の事を内心で天使と呼んでいるとは露知らず。

「えぇ、お元気そうで何よりです。
あら、迷子になっていたのですね?」

動揺している彼に小さく笑ってしまいながらも、訪ねた理由に対し納得する。
この場所から寮の道は少し歩くのだけど大丈夫かしら。

「私は何度か訪れてますので、帰り道なら教えられますけれど。」

と、此処から寮への帰り道を口頭で伝える。

「もし一人で帰る事が不安なら一緒に帰りましょうか?」

霧島 孝介 > 「あ、いやぁ―――天使、のステンドガラスが綺麗ですよね!」

教会の奥、壇上の向こう側には天使を象ったステンドガラスがあり。
泳いだ目で一瞬にして、見つけてそれが綺麗であるとすり替える。
いや、あんなガラスより目の前の美少女の方が綺麗なのだが、それを素直に言えるほどいい男ではないので伏せておくのだ。

「そ、そうなんですよ。…ここら辺、道が複雑な上に似たような建物ばかりで…」

地図アプリを起動しようとしたが、持っている携帯も充電切れ。
異能で飛んでもよかったが…街中で使っていいのかわからなかったため、教会を尋ねに来たのである。

「うぇ、いいんですか!?やった!お願いします。
 …あ、でも…あれじゃないですか?彼氏さんとかに見つかったらヤバいんじゃ‥?」

口頭で説明されてもいまいち分かりづらかったので、一緒に帰るという提案は素直に受け入れる。
だがしかし、彼女に彼氏がいて、俺みたいなオタク君と帰ってるの見られて修羅場…とかになったら嫌だなと考え
先手を打ち、彼氏が居るかというのも含めて問いかける。

セレネ > 「あぁ、そうですね。ステンドグラス、どれも綺麗で素敵ですよね。」

陽に照らされて煌めくステンドグラスも綺麗だが、
月明かりや教会内の明かりを受けて煌めいている様子も綺麗だと思う。
彼の見事な話題のすり替えには気付かずうんうんと頷いて同意の意。

「ふふ、この際だからまた改めて来てお散歩すると新しい発見もあるかもしれませんね。
異邦人街なら学生街にはないお店とかもあるみたいですし。」

勿論その時はきちんと帰る道を覚える必要があるけれど。

「彼氏さん?
あぁ…その、私まだフリーなんですよ。
それに、仮に居たとしてもそんな事で怒る人と
お付き合いするのはご遠慮したいですね…。」

彼氏云々については、苦笑しながら少し言いづらそうに答える。
人は見かけで判断するものではないし、そんな浅はかな人とは付き合いたくない。
そこはバッサリと言葉にした。

霧島 孝介 > 「ホッ…」

なんとか誤魔化せたようで、胸をなでおろして息を吐く。
こういう事ばかり上手くなるんじゃなくて、もっと素直になれればいいんだろうと思う。
思うけど、勇気が出ない。そんなことを考えながら、ステンドグラスを眺める。

「えっ、あぁ~…確かにそうかもしれないっすねぇ…
 なんかおすすめのお店とかあります?…こう美味しいご飯屋とか?」

一応、この1年、話術の訓練をしてきた男。
話題を広げるという技術を学んだようで、ちょっと頑張ってみようかと攻撃を仕掛ける。
いや、正確には戦闘はしていないのだけれども。

「お、おぉう…そうでしたか、なんかすいません…
 でもモテそうなのに意外ですね。てっきり彼氏の一人や二人、あっ、二人は多いか!
 一人や一人、居そうなもんかと…」

彼女のバッサリとした言葉に若干同様しつつも、彼氏が居ないことに驚く。
こういう子にも彼氏が居ないなんて、俺一生無理では?と、ちょっとした絶望感を抱く。