2021/10/18 のログ
セレネ > 「…?」

何だか胸を撫で下ろしている様子の彼に緩く首を傾げるも深く問う事はせず。

「うーん、ご飯屋さん…。
私、基本はカフェテリアに行く事が多くてですね。」

攻撃ならぬ口撃に対し、残念ながら上手く切り返しが出来なかった己。
お洒落なカフェを見つけたら其方に入ってしまうので、美味しいお店はよく知らなかったりする。

「いいえお気になさらず。
…見た目が良くとも中身が駄目なのでしょうね。
ほら、長いお付き合いをするには自分と似たような人が良いとか聞くじゃないですか。」

相手が絶望感を抱いているとは知らず、苦笑したまま話を続ける。

「因みに霧島さんはどうなのです?
気になる人とかお付き合いしている方って居たりします?」

聞かれたなら聞き返さなくては、と。
恋人居るのー?なんて話を尋ね返してみた。

霧島 孝介 > ぶっちゃけ、彼女が要らぬ疑問を追及するという無粋なことをしないのに感謝をする。
これで『ステンドグラスのことじゃないですよね?』って言われたら、正直死ねる。

「かふぇてりあ。…あ、あぁ、そういう所もあるよねー…」

オシャレなカフェは陰キャにとっては猛毒。
犬にとっての玉ねぎ、カエルにとっての蛇である。
カフェなんて言ったら粉も残らず消滅すると考えているようで、遠い目をしてそのように返す。

口撃失敗。敗北である。

「あぁ、ありますよね。フィーリングとかいろいろと。
 俺も趣味が合う人なら安心できますねぇ…はい」

絶望からは立ち直って、相手の発言に返答する。
腕を組んで、うんうんと頷きながら彼女に同意する。

「見た目も中身も悪い俺に彼女なんて居る訳ないじゃないですかっ
 好きな人は…居ないっすかねぇ…交流もそこまで広くないですし」

好きなタイプはあるものの、中々そういう人とは巡り合えない。
彼女に聞かれた質問に、何故か自信満々に答える。

セレネ > 大切な事なら追及するかもしれないが、そうでないならとやかく言わないのが吉だと知っている。
己だって色々聞かれるのは嫌なのだから、相手にもするべきではないだろう。

「古書店街にある凄く雰囲気の良いカフェを以前友人から教えてもらいまして。
そこがお気に入りなんです。紅茶もスイーツも美味しくて。」

何故か遠い目をされてしまった。
相手はもしかしてカフェは嫌いなのだろうか、なんて思ったり。

意図せぬところで対話勝負に勝利してしまっていた。

「趣味や価値観が合ったり、見た目じゃなくて自分の事をしっかり見てくれる人とか。
そういった人の方が比較的ストレスも少なくて長続きするらしいですよ。」

半分実体験、半分他者から聞いた話。

「あら、それは失礼しました。
…中身はまだ分かりませんが、見た目は伸びしろがあると思ってますよ?
恋人や気になる人の前に、まず出会いを増やす所から始めないといけないのですね…。」

成程、理解した。
そうして何故か自信のある答えに苦笑する。
そこは自身持ったらいけないと思うの…。

霧島 孝介 > 「古書店街…かぁ…」

全く行ったことない場所の名前を出されて考え込む。
スイーツも紅茶も、なんならカフェも好き寄りであるが、いかんせん初めての場所。
今日みたいに迷ってしまうかもしれない。

はっ、彼女と一緒に行けばよいのでは?と一瞬考えるが、…ハードルがっ…!

「確かに…服とかネイルとか、付けまつげの話をされても分からないですからねぇ…
 オタク趣味に理解ある女子は果たしているのでしょうか」

彼女の含蓄のある言葉に心底納得しつつも
自分の趣味に合う女性は居るのかと、不安が高まる。

「そうですかねぇ…?でもファッションとか分からないんですけどね…
 そうなんですよ!でも出会いってどうやって増やせばいいんですかね…」

彼女の答えに疑問を抱きつつも、後半の言葉には激しく同意する。
彼自身、自己肯定感が低すぎるせいで不細工だと思っている節があるそうで、容姿に関してほぼほぼ諦めているのだ。
出会いに関しても、自分と同じ考えを彼女が持っていたようで、どうすれば出会いが増えるのかと悩み始める。

セレネ > 「初めての場所に行く時は、予めしっかり下調べして行くと良いと思います。
スマホもありますし、調べれば周辺の地図も出てきますから。」

もしかしたらそこで新しい知人か友人も出来るかもしれないし。
一番はそこに彼を連れていくのがベストではあるのだが…ちょっと時間が取れそうにない。
ごめんなさい、と内心で謝罪。

「んー。これだけ人も多く集まる島ですから一人くらいは居るかもしれませんね。
もしくは、勧めていく形でそういった趣味に染めていくという形でも有りかもしれないです。
勿論、無理強いや一気にあれこれお勧めしない事を前提に、ですけど。」

理解を示してくれる人なら、多分少しずつ勧めていけばハマるかもしれないし。
不安そうな彼にはそう言うしかない。

「分からない、で済ませるのならずっと分からないままですよ。
勉強だってそうではないですか。」

分からないやらどうしたらいいやら聞かれたって、己は万能ではないのだしそこまで面倒を見られない。
少しばかり厳しい言葉を言わせてもらう。

「……霧島さんはもう少し自主性や主体性を持った方が良いと思います。
自分に自信がないのは分かりますが、自分からチャレンジしていかないと誰も相手にしてくれませんよ?
とりあえず、新しい事や行った事のない場所に行ってみるとか、した方が良いのではないですか?」

かなり酷なことかもしれないが。
こうでも言わないと動かないような気がしたのだ。

霧島 孝介 > 「確かに…ちょっと調べておきます」

ちなみのお店の名前とかは?などと彼女に聞きながら
内容を教えてくれるのならメモなどをして覚えておこうとする。

「なるほど、染める。…それも良いかもしれませんね!
 無理強いをしないようにすることはだけは、もちろん気を付けないとですがっ…」

そういう手もあるのか…と納得した様子で彼女の言葉に頷く。

「ぐっ…いやぁ…で、……そう、ですよね。そうでした。ハイ」

ぐぅの音も出ない正論を叩きつけられ、しゅんとする。
勿論、自分だって分かっている。今の状態では何も変わらないということは。
でも、勇気や度胸がない。昔からそうだったのだ。

それを今から変えるのは…

(無理、じゃないはずだ)

きゅっと、拳を握って、彼女と向き直る。
その眼差しは、まだ自身は無いが少し色が違っていて。

セレネ > 「あぁ、カフェの名前はですね…」

名前は「ロゴスの止まり木」。
店内は元々民家をカフェ用に改造したものでそう広いカフェではない…等々。
少しだけそのカフェの話をしようか。

「えぇ、無理強いされるのは何でも、誰だって嫌ですから。
相手の事を考えるのなら、自分がされても嫌な事はしないのが
素敵な人になる為の一歩だと思いますので。」

なるべく彼を傷つけないよう、言葉を選んで発言したつもり。
しょげている彼には申し訳ないが、己だって我慢できない事もあるのだ。

「…まだ霧島さんも若いのですし、失敗しても次があります。
むしろ、失敗したならどうすれば成功するのか考えるのも勉強です。」

相手が頑張るなら、それの手伝いくらいはするつもりだけど。
頼り過ぎなのも良くない。自分で切り開くからこそ自信もつくのだ。

「…頑張って下さいね。応援しますから。」

何かを決めたような目を向けられると小さく息を吐いて言葉を投げかける。
全く、手のかかる人だ。

霧島 孝介 > 「かっこいい名前ですね、ロゴスの、止まり木…っと」

彼女の言葉を紙とペンを用意してメモを始める。
民家をカフェに改造など、ずいぶんとオシャレな匂いがするカフェだなぁと考えながら
一言一句メモしていく

「ですね!…ってか、流石だなぁ、セレネさんは
 俺とそんなに歳が変わらないはずなのに、こんなに大人っぽくて」

彼女の言葉は全て的を射ている。
含蓄のある言葉に素直に納得しつつ、羨望の眼差しを向ける。

「…はい、はい!わかりました。大丈夫です!
 勉強は得意なので!それに、セレネさんの応援があればなんだってできますよ!」

セレネさんも若いでしょ。って言葉を飲み込んで、奮起するかのように答える。
彼女の言葉に心機一転、頑張るぞと気合を入れるかのように拳を握り込む。

「っとそろそろいい時間ですね…セレネさんはまだここに残るんですか?」

教会にある時計に目を向け、そろそろ帰らないと、とつぶやく。
先ほどの彼女の『一緒に帰る』という提案を持ち込もうとするが、まだ用事があれば残るつもりで。
まだまだ彼女と話したいことはあるし、彼女の顔を覗き込んで問いかける。

セレネ > きちんとメモを取る相手を見つつ、そんなに熱心なのだなぁと思ったり。
一通り説明が終わればとりあえずこれくらいですかね、と言葉を締め括ろう。

「そうでしょうか?
…私は特殊な環境で育ちましたから、そういう節があるみたいですね。」

尤もその特殊な環境で育った事を嘆いた事も悔やんだ事も一切ない。
羨望の眼差しを受けながら、そうなのだろうかと首を傾げる。

「お友達、増えると良いですね。
頑張るのは良いですが、あまり頑張り過ぎないように気をつけて。」

意気込む彼に微笑みを向けては、己も時計の方に蒼を向ける。

「あら、本当ですね。
いいえ、私もそろそろ帰りますよ。一人で帰らせる訳にはいきませんし。」

相手に顔を向けた途端、覗き込まれている事に気付いて驚いて小さく肩を震わせ半歩下がる。
自信がないと嘆くのに、無意識なのか時折こういった事をしてくるのだから油断ならないと感じた。

霧島 孝介 > 彼女の言葉が終われば、メモを取り終わり。
その紙を大切そうに胸にしまう。

「なるほど、やっぱり環境が違うと、同い年でも大人っぽくなるんですねぇ…」

彼女の言葉に納得し、どういう環境で育ったかは敢えて触れずにおく。
無粋に話を掘り下げない。これも彼女から学んだことだ。

「はい!あっ…無理しない程度に頑張ります!」

まずは彼女が紹介してくれたカフェに行くところから、と小さく付け加え
むんっといった具合に力こぶを作るように手を曲げる。

「あぁ…なんか俺、子供みたいですね…はは…
 ありがとうございます。それじゃ、行きましょうか」

彼女の言葉に苦笑いを浮かべ、礼を述べる。
彼女が肩を震わせて後ずさりしたのを確認すれば、彼女との距離を再確認して
自分のしたことに冷や汗をかきながら謝るだろう。

そんなやりとりをしながら、彼女の案内で寮へと帰っていった―――

セレネ > 「霧島さんも私と同じ環境で育っていれば同じようになっていたかもしれませんね。」

よく言えば大人っぽい。悪く言えば子どもらしくない。
もう少し仲良くなれれば、そういった話もしても良いかもしれないが。
どうなるかは今後次第だ。

「寒くなる時期ですし、無理して体調崩したりしたら大変ですから。」

他人には心配するくせ、自身の事は割と無理しがちなのは秘密にしておこう。

「次は迷子にならないように気を付けて下さいねー?」

なんて揶揄うように言いながら、相手と共に教会を出て
寮の道を歩いて帰るのだった。

ご案内:「宗教施設群」から霧島 孝介さんが去りました。
ご案内:「宗教施設群」からセレネさんが去りました。