2022/09/03 のログ
ご案内:「宗教施設群」に蘇芳那由他さんが現れました。
蘇芳那由他 > 常世島には、【異邦人街】と呼ばれる一角があるらしい。
何だかんだこの島での生活も少しずつ慣れて来た…人間って割りと慣れが早いイキモノなんだろう。
そして、自然と耳に入ったその街へと興味を示し――己の方向音痴を綺麗さっぱり忘れて休日に異邦人街と向かった。

「……うん、何処だろうね?ここ…。」

そして、案の定――異邦人街まで辿り着けはしたのだが、物見遊山気分で散策していたらこの様だ。
そもそも、土地勘が全く無い街区だし知り合いも全然居ないし、何か明らかに多種多様な人達が歩いているし。

「……多分、建物の感じとか擦れ違う人の格好を見るに…宗教施設が中心の区画なのかな…。」

普段、こういう宗教関連の施設とは全く縁が無い為か、好奇心も手伝い己が迷子なのにも関わらずフラフラと。

蘇芳那由他 > 「…宗教施設って言っても、異世界?の宗教施設もあるから、凄い色々あるんだなぁ…。」

宗教関連は色々デリケートで難しい(らしい)ので、少年はそっちの知識はほぼ無いが。
そもそも、記憶が綺麗さっぱり抜け落ちているから例え知っていたとしても忘却の彼方だ。
あちこち視線を巡らせながらも、人にぶつかったりしないようには気を付けて歩く。
こういう場所だから、荒っぽい人達や柄の悪い輩はまず殆ど居ないとは思うが…。
自分なんて、ほぼ一般学生なので喧嘩を売られたら土下座して謝るか逃げるしかない。

「…十字架は流石に僕でも分かるけど、変なオブジェみたいなのとか捩れた角みたいなのとか…。
色々なシンボルがあるなぁ……やっぱり異世界の宗教なんだろうなぁ。」

異世界…多分幾つもあるのかもしれないけど、どういう世界があるんだろうか?
興味は人並みにあるのだけど、行ってみたいかどうかと聞かれたら少し迷うかもしれない。
一応、今の自分の居場所はこの世界のこの島だ。自分の事さえロクに分からないのに未知の世界はハードルが高過ぎる。

(…チャレンジ精神とか冒険心は大事だと思うけど、僕には無縁なんだろうなぁ)

蘇芳那由他 > (…そういえば、あの『槍』も死神の神器らしいけど…死神を祀る施設とかもあるのかなぁ)

少年自身は、記憶を喪失する前は知らんが今の時点で、あの槍に選ばれた以外に死神との接点など皆無だろう。
死神、というと不吉だったり嫌なイメージが先行するものだが…。

「…必要悪…いや、悪ではないかな。…死を司る神様って世界中の神話に出てくるだろうし。」

ギリシア神話の【タナトス】、ローマ神話の【モルス】、スラヴ神話の【チェルノボグ】
エジプト神話の【オシリス】、メソポタミア神話の【エレシュキガル】、日本神話の【イザナミ】…

他にも色々な死や冥府を司る神々が居る。…考えたら異世界の神様も普通にこちらに居るのかもしれない。

「…世界は広いというか凄まじいというか。ただの人間には途方も無いスケールだね…。」

そうして、歩き回りながら(*迷子である)見渡す宗教施設は、積み重ねられてきた神々の歴史みたいなものだろうか。

蘇芳那由他 > 「…なんかすっかり観光気分だけど……そういえば、僕は道に迷ってるんだった…。」

ふと、今更かのようにその事に気付いた。僅かに茫洋とした表情を困らせ顔に。
とはいえ、少年はマイペースなのか何とかなるだろう、という楽観的な気持ちではある。

「…いざとなったら誰かに道を聞けば大丈夫…だと思うし…。」

問題は、道を聞いても土地勘が無いので更に迷子に陥りかねない事だけれども。
まぁ、そうなったらそうなったでその時だ…と、ナチュラルに懸念を先送りにする。

ふと周囲を見渡せば、この辺りは少し寂れているというか施設が少ない感じに見受けられる。

「…土地が余ってるのか、それとも廃れたりしたのかな…。」