2022/11/20 のログ
ご案内:「常世島共同墓地」にヴァイスさんが現れました。
■ヴァイス > お昼時も、ずいぶん寒くなった
袖をまくって墓碑を拭う、冷たい水はまだ辛くない季節
しずかなねむりを、なるべく邪魔しないように
日々、雨や風にけずられていく石を、せめて美しく
「ああ、なんてきれいな花なんでしょう」
そなえられた花々が、白や黒の石のむれのまえで映えている
お花の世話も、ヴァイスのお仕事のうち
「きっと、このなかにねむるどなたかの…」
共同墓地には、なまえのないひともねむっている
わけへだてなく整えてあげなければいけない
石をみがく音がささやかに、冬の陽のしたで…
■ヴァイス > お花のことはくわしくない
とてもきれいな花が、おそなえには縁起がわるいとか…
「花ことば、みなさんおくわしいのでしょうか」
学ぶことがたくさんありすぎて、知識がぜんぜんたりていない
お仕事で単位はもらえるけれどそもそもお勉強にきているのに…
余暇時間をけずるのは、それはそれでいやで…
「あとちょっと…」
自分の担当はあとちょっと
それでもかんたんに済ませてはいけないおしごとなので
しっかりと磨き込んで、みなさまの墓碑はぴかぴかに
■ヴァイス > 「ふう…おしまい」
ひとりで手入れをするのは、とてもとても無理で
要領のいいみなさんにくらべて少しだけ仕事はおそいけれど、
しっかりやれている自信はようやくついてきた
「どうかやすらかに…」
この島の言語のお祈りには慣れていないけれども
そのことばは心から、手を組んで…
道具をかたづけて、ひきあげる
こんどのおしごとは、のざらしの救済
臥所をもとめるなきがらをみつけにいかなければ…
ご案内:「常世島共同墓地」からヴァイスさんが去りました。