2024/05/30 のログ
ご案内:「宗教施設群」にマルレーネさんが現れました。
マルレーネ > シスター・マルレーネは異邦人のシスターである。
この世界とはまた少し違った世界からやってきた彼女は、こちらの世界の教会へとお世話になりながら、一人で自分の信仰を守る自由を与えられている。
元々旅人であった女は、なんとなく鍛えられているらしい体力を用いて、この世界でも図太く生き続けているつもりであった。

さきほどまでは。

マルレーネ > 「うーん。」

この世の終わりのような顔をしながら教会の机に積み上げられた書物を見る。いわゆる教科書と呼ばれるその分厚い本は、折れることを知らない彼女の心にローキックを二百発くらい打ち込んでいた。
痛い。

「………………今回で、30点を取らなければダメなんですよね。」

もちろん100点満点中である。ボランティア活動でなんとか今まで胡麻化して過ごしてきたが、流石の流石に、座学を一切やらぬまま学生身分でいさせてもらえるわけもない。金髪を長く伸ばした妙齢の女性は、座学が嫌いだった。

マルレーネ > 「これは旅に出る日が来たということでしょうか………」

テストが嫌すぎて旅に出る選択肢まで出てくる。さっきまでがんばって読んでいたはずなのだが、気が付かない間に突っ伏してぐっすりと眠っていたらしい。頬に木目の跡を残したシスターは、はー、っとため息をつく。

すっかり暗くなった異邦人外の修道院。テスト勉強は全くはかどらない。
眠い目をこすりながらペンでかりかりとノートに文字を写す。……頭に入る気がしない。

うーん、主よ。普段は理不尽なことはどうにかならないかとぼやいてきましたけど、これはちょっと困るのですよね………。こう、体力でなんとかならないものでしょうかね。

神にも交渉しようとする。

マルレーネ > ………………。
いくら現実逃避をしても、神は何も言ってはくれない。
元から何にも言っちゃくれないけど、今回は特に何も言ってくれない。

「………あれですね。がんばりますか。
 こう、がんばったところを一緒に提出すれば5点分くらいはおまけしてくれると思うんですよね。」

普段から行いは良いと褒められてますし、と拳を握る。
こんな打算的な感じでがんばっているつもりではないのだけれども、困ったときには何でも使う。
旅をしていて学んだことでもある。

「………それならば、こう……。本に一杯紙でも挟んで、たくさん練習したアピールを……。」

こすっからい手段で自分をアピールし始める修道女。
今宵はきっと明かりが消えることは無い。

ご案内:「宗教施設群」からマルレーネさんが去りました。