2020/07/30 のログ
ご案内:「常世渋谷」にツァラ=レーヴェンさんが現れました。
ツァラ=レーヴェン >  
「にがーい幸せがいっぱいだなぁー。」

高い、高い、ビルの上、あるいは避雷針、あるいは電波塔の上。

指先に乗せた青く光る蝶を、
あんぐと食べるフリをして散らす、真っ白な狐。


『真理』の中の僅かな救いをひとかけら、

消えてしまった誰かの記憶をひとかけら、

終わった後の残されたモノたちをひとかけら。


甘いだけでは終わらない、チョコレートのような僅かな幸せを、狐は咀嚼する。

ツァラ=レーヴェン >  
「でもなんだか、クセになっちゃう味してるね。
 いいねーぇ、帰れなくても食べてはいけそうだもの。」

ぱちぱちと拍手するように、手を叩く。
三つの尾が揺れた。

ツァラ=レーヴェン >  


 
「次に食べれるのは、誰の幸せかな?」


 

ツァラ=レーヴェン >  

そう笑い、青い蝶は……夜に散っていく。

高らかな、笑い声を響かせて。

ご案内:「常世渋谷」からツァラ=レーヴェンさんが去りました。