2020/07/30 のログ
ご案内:「常世渋谷」にツァラ=レーヴェンさんが現れました。
■ツァラ=レーヴェン >
「にがーい幸せがいっぱいだなぁー。」
高い、高い、ビルの上、あるいは避雷針、あるいは電波塔の上。
指先に乗せた青く光る蝶を、
あんぐと食べるフリをして散らす、真っ白な狐。
『真理』の中の僅かな救いをひとかけら、
消えてしまった誰かの記憶をひとかけら、
終わった後の残されたモノたちをひとかけら。
甘いだけでは終わらない、チョコレートのような僅かな幸せを、狐は咀嚼する。
■ツァラ=レーヴェン >
「でもなんだか、クセになっちゃう味してるね。
いいねーぇ、帰れなくても食べてはいけそうだもの。」
ぱちぱちと拍手するように、手を叩く。
三つの尾が揺れた。
■ツァラ=レーヴェン >
「次に食べれるのは、誰の幸せかな?」
■ツァラ=レーヴェン >
そう笑い、青い蝶は……夜に散っていく。
高らかな、笑い声を響かせて。
ご案内:「常世渋谷」からツァラ=レーヴェンさんが去りました。