2020/09/26 のログ
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」に修世 光奈さんが現れました。
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」にジェレミア・メアリーさんが現れました。
修世 光奈 > 「~♪」

腕時計を確認しながら、ロク公像前で誰かを待っている光奈
楽し気に身体も揺れており、何度デートしても、好きだという気持ちが薄らぐことはない様子。
服装は張り切って赤と黒のチェックの膝丈スカートに、肌寒くなってきたからか薄手の薄ピンクの長袖シャツ
足元は長いソックスを履いて…歩きやすく、それでいて落ち着いた色合いのスニーカーを合わせていて。

(今日はどの店いこっかなー♪、ジェー君だとやっぱりカッコいい系…うーんでも、敢えてラフな感じもいいよねー…)

そう。今日は…いつも似たような格好の彼の新しい服を買ってあげたいと思い、常世渋谷に誘ったのだ。
下調べも万全。体調も良いし、心配していたことも…問題は無かった。
まあ、それはそれとしてあの時のことを根に持っては居るのだけれど。

(……ほんとにもう…)

思い出すだけで顔が熱くなる。
ぷるぷると頭を振って、熱気を払いつつ…彼を待っていよう。

ジェレミア・メアリー >  
常世渋谷。刑事課の自分としては、駐屯所の存在も相まって慣れた土地だ。
此処は昼間だと言うのに、相変わらず人の出入りが激しい。
白い煙を漂わせながら、キャップの奥で視線が右往左往。
さて、お目当ての人物は……。

「……いたいた」

ロク公像前、機嫌がよさそうな光奈の姿を発見。
何時もと違った格好というか、やはり女性。
そう言ったお洒落はばっちりなんだろうか。
生憎、身だしなみに気は使っても服装にはあまり興味がなく
基本的にジーンズと上着があれば何でもいいタイプだった。
人込みを避けるように動けば、携帯灰皿に煙草を潰し
光奈へと向けて軽くて振って近づいていく。

「お待たせ、光奈。待たせちゃったかな?」

修世 光奈 > 「!」

光奈も、人混みの中で彼を探しており。
同じように見つければ、ぱ、と表情が華やぐ
いつも通りの、嬉しそうな顔だ。

「やっほ、ジェー君。ううん、待ってないよー」

彼は時間に正確…というか、全くルーズではない。
今だって、約束した時間よりも早いくらいだ。
そんな彼の真面目さも好きだし、何度このやり取りをしても光奈が先に来ていれば毎回気遣ってくれるのも嬉しい。

「じゃーいこっかー。まずはあっちいこ!あっち!
ちょっと人通り多いかもだけど…手、繋いでいこー」

早速指さすのは…ロク公像前よりも人が多そうな大型の商業施設。
それも、服を専門に扱っている場所だ。
まだ昼間ということもあり、学生や同じようなカップルもちらほら見えて。
そんなにぎやかな場へと…ぱ、と彼の手を取って、緩く引っ張っていこうと。

ジェレミア・メアリー >  
「そう?ならいいんだけど……」

こう見えてジェレミアは計画管理はきっちりしている。
スケジュールを書くほどみっちりはしていないが
ちゃんと時間管理を決めてやるべきこと
やりたいことはきっちりとやっている。
だから、今日一日は全部空けてある。
全て彼女との時間にするためにだ。
それでも一応、腰につけている装備はもしもの為、というのもあった。
此の街は特に、学生街と比べれば軽犯罪も多いのだ。
彼女が隣にいるだけで、自然と口元が緩んだ。
好きな人の隣にいると、それだけで安心する。

「うん、行こうか。いつも通りくっついてもいいけどね?」

なんて、ちょっと意地悪く言えば右手で手を繋いで歩いていく。
手袋越しでも暖かく、少し歪になってしまった大きな手。
慣れた彼女の暖かさを手中に向かったのは、大型の商業施設。
見る感じ、余り自分には縁がない場所だった。

「光奈ってやっぱりオシャレなんだね。こう言う所で買ってるの?」

当然、彼女の買い物だという前提で話を進める。

修世 光奈 > 光奈も時間についてはしっかりしている方ではあるものの
それでも、相手も時間を守ってくれるというのは嬉しいことだ。

「…何かジェー君、前と比べて余裕出てきた?何かむかつくー!」

ぽんこつなところを見られているからか、最近彼の態度が意地悪なような気がする。
だから、口だけで怒りながらも…一度手を離し、彼の腕に抱き着いて。
その顔は、にへへ、と緩んだ…言葉と態度が一致しない様相だ。

「好きは好きだけど…前も言ったでしょー。ジェー君に好きでいつづけてもらうために、色々頑張ってるんだから
でも、今日はジェー君の服だよ?別に悪いとは言わないけど、ジェー君、おしゃれしたらもっとカッコいいと思ったから…」

エスカレーターに乗り、メンズのコーナーへ向かっていこう。
季節の変わり目だからか、普通の服も、異界テイストの服も…新作がずらりと並んでいる。
カッコいい系から、可愛い系まで色々だ。
それに合わせて、少なくはあるがベルトなども販売されている場所

「後はえっと、色々話しながら、楽しく買い物とか…またしてみたいな、って
水族館とか、本屋も好きだったし、ジェー君の部屋もたのしーけど…こういうのも、ふつーな感じかなーって」

彼には、日常と幸せを味わってほしいと常々考えているから。
こういった…普通のカップルがするようなことも、どんどんしていきたいと思っていて。

ジェレミア・メアリー >  
「そうかな?光奈が"可愛い"のを知ってるからかな」

それこそふふ、と余裕のある笑顔で対応した。
何処となく含むような言い方だったけど、ある意味悪い意味じゃない。
彼女がある意味、絶対的に自分のものだという確信を持ち
不安感も無く寄り添う彼女がただ嬉しくて
そう言う部分でついつい惚気れるような関係だからに相違ない。
そうやって緩んだ笑顔も大好きだ。可愛らしい、なんて思ってしまう。

「僕の為って言われると悪い気はしないけど、僕はどんな光奈でも好きだよ?」

彼女だからこそ、だ。
自分の為と言ってくれるのは嬉しいけど
それがいつか、負担に成るのは嫌だから
趣味は趣味として楽しんでほしいのだ。

「というか、僕の服か。あんまりそう言うの、知らないけど大丈夫かな……」

そう、衣服に頓着は無い。
この格好もとりあえず"カッコよかった"から選んだ。
ずらりと並ぶ服の群れにわあ、と気圧され気味に声が漏れた。
こんなにあるのか、この施設。思えば、常世島。
地球人どころか異邦人用のファッションの取り揃えている。
手が広いと言うべきか、此の島ならではの当然とはこういうものなんだろうか。

「種類が凄い多いけど……なんだか目が疲れちゃいそうだ……」

修世 光奈 > 「…ジェー君だって、カッコいい…よ?」

うぐ、と…余裕の笑顔で対応されると怯むも。
なんとか、そう反撃しつつ、フロアを歩いていく

「そ・れ・は、甘えだよジェー君!
もっとこー、私にしてほしい格好とかないのー?
褒めてくれるのはいいけど…色々格好変えても、反応あんまり変わらないしー」

ぷー、と頬を膨らませ。
彼があまり、そういうことに関わってこなかったのは知っているけれど。
それでも、光奈としては何か意見を出してほしいと思う。

「今すぐじゃなくていいからさ。いつかリクエストしてよー」

ただ、不満というわけでもなく。
おねだりするように、甘い声でリクエストをせがんでから。

「だいじょぶだいじょぶ。ジェーくん、身体も締まってるし…
顔もイケメンだし!結構何でも似合うと思うよ。あ、その…目が疲れるならーー」

ぐぐ、と力説する光奈
彼女贔屓な目を除いても、彼はかなりカッコいい方だ。
身長と体格が問題だが、異邦人向けの服も用意されているため…サイズは色々ある。
そして、色とりどりの服たちに疲れそうなら

「…せ、先輩を見てるといいんじゃないかなー…、なんて。
…ジェー君って何色が好き?やっぱり黒?」

照れ照れしながらそんなことを言いつつ…まずは好みの色を聞いてみよう。

ジェレミア・メアリー >  
それこそ、聞きなれた台詞だなと、思ってしまった。
クスリ、と相変わらず余裕を崩さずに笑みを浮かべたままだ。

「ありがとう、光奈」

余裕のお礼だ。
だが、甘えと言われると少しばかり気圧された。
そりゃまァ、当然女っ気のない生活を続けていたので
そう言う気遣いに欠けると言えばそうだ。
頬を膨らませて拗ねる姿もやっぱり可愛い。
少し困ったように頬を掻いた。

「いや、ご、ごめん。本当に何来ても似合うから……えっと……
 そう言うの、光奈と付き合うのが初めてだから…と、とりあえずリクエストも今度で!」

若干キョドり気味に答えたその場しのぎ。
相手に喜んで欲しいのはこちらも同じだ。
ただ、ジェレミア自身は女性経験も彼女以外ないし
何よりも意外と博愛的だ。女性に対して実に"無難な返答"しかしていない。
女心とはいったい……此れは中々、難題だ。

「そ、そうかな……正直、動きやすくてカッコいいなら何でも……」

職業柄、そう言うのは気にする。
だが、褒められて悪い気はしない。
照れ隠しで、キャップを目深に被った。
そんな中、そんな事言われてしまうものだから、思わずはにかみ笑顔を浮かべてしまった。

「何時でも見てるよ、"先輩"」

なんて、からかうようにほっぺを突いた。

「んー、色、色かぁ……黒って無難だから選んでるだけで、意外と……」

「──────……」

在る記憶が、脳裏を過る。

「色だけで言うなら、淡い感じの紫、かな」

修世 光奈 > また反撃は失敗に終わってしまった。
やはり、演じるためとはいえ、"キッド"で散々誉めて誉められてを繰り返してきたからだろうか。
いつかふつーに照れさせてやる…!と密かに対抗心を燃やしつつ。

「…もう。いーよ、別に。ゆっくりでいいから、また教えてよ」

にこと笑って返答を。彼も、ころ、とすぐに変われるわけもない
こういう関係が初めてなのは光奈も同じだ。色々と探り探り話しつつ…踏み込んでいっているだけ。
だから、その場しのぎとわかっていても怒りはしないし…むしろ、考えてくれることが嬉しい
彼の眼から見ても、彼女は不機嫌で無い事はよくわかるだろう。

「ぅぅ…。……つ、次!、何でもいいって言ったらこの後のスイーツ奢りね!」

ただ、また反撃しようとして失敗する。
ほっぺを突かれた変な声を漏らしつつ。
何でも良い、を封じてしまおう。
いつの間にか、スイーツを食べることにもなっている。

「まあ黒ってなんにでも結構合うしねー、私的には反対の白だとどうなるかー…、……?」

いつもとは逆の色の服を着た彼を想像していたが。
彼の言葉が途切れると、小首を傾げて見上げ。

「淡い紫…?、こー…なんていうか、リクエストするには珍しい色だね。何か、思い出とかあるの?」

言葉を聞けば…早速、うーん、と悩みながら服を見つつ。
黒に近いから青とか。その辺りが出てくるかと思ったが。
見上げながら、その理由を聞いてみよう。

ジェレミア・メアリー >  
如何にも彼女にはわかりやすさがある。
心の中でメラメラ燃える対抗心が透けて見えるので、それがまた可愛らしい。

「うん、ごめんね?」

なんて、謝罪一つしてポンポン、と頭を撫でた。
それこそ猫可愛がり、彼女をあやしている感じだ。
そうしたいくらいに彼女は可愛い、惚気だ。純度100%の惚気。
不機嫌では無いのはわかってるけど、それはそれとして、だ。

「うん?うん。スイーツ位なら何時でも奢ってあげるよ」

残念、その手は意外と通じない。
彼女の為ならスイーツ位安いものだと思ってしまうからだ。
こういう変な所でも女心がわかっていないのだ。

「白色って言うのも悪くないけどね。……んー、まぁね」

何処となく歯切れの悪い答え方だ。
視界を服の群れに移しながら、右往左往。
何か言いづらいものだ、と言うのは態度でわかる。

「光奈、どういうのが僕に似合うと思う?」

生憎、服はどれもこれも似たように見える。
此処は思い切って、彼女に頼る事にした。

修世 光奈 > 彼に揶揄われる度、嬉しい事を言われる度。
全く隠さず、光奈の表情はころころと変わっていく。
読心術など覚えていなくても、大体何を考えているかわかるのは利点か欠点か

「謝らなくていいけど…ぅー、頭はやーめーてー」

うにゃんうにゃん、とあやされる。
彼との体格差を考えると本当に猫と人間のようだ。
やめて、とは言うもののまた機嫌は上向きに修正され、えへへ、と笑っていて。

「うぐぐ……。そーじゃなくってぇ…はぁ…まったくもー
…別に私も全部言ってるわけじゃないし…隠し事あってもいいけどー、浮気はめっ、だからね!」

これもありがちな、他の女の影を心配する光奈。
綺麗どころ、と言われる人たちが居るという情報もあり、更に沙羅ちゃんも美形だった。
キリちゃんも、系統は違うが美人の部類だろう。
そんな中で働いているのだから、目移りしてもしょうがないとは思うのだが。
それはそれとして、釘は刺しつつ…ぴと、と彼にくっついていて。

「どういうの、かあ…。薄紫でしょー………」

その色自体が、中々少ない。
だから、できるだけその色を意識しつつ、似合う、と光奈が思うものを捜していく。

「うーーーーーん。これと、これとこれとー…、や、違うなあ…
あんまりがら、と変えるとしんどいかもだしー…似たような感じでー…」

などとぶつぶつ言いながら、商品を手にとっては戻し、手にとっては戻し。
やがてー…

「うん。ジェー君はやっぱり、イケメンって言っても顔立ち自体はちょっと優しいからー…
こーいうのかな?」

選びぬいたそれぞれを、順に見せていこう。
まずは下から。
靴は今いる場所には売っていなかったものの、ズボンは少し足回りに余裕のあるサイズの白チノパン
脚が窮屈でないように隙間は多く取られており、それでいてしゅ、とした印象を与える。

ベルトは、合わせてバックル部分に派手すぎない装飾が付いた黒色。
次に、シャツは…薄紫に染められた生地に、華の刺繍が小さく縫われた半袖を選び。
更に、羽織る用に…白を基調に、青をアクセントに加えた薄手のロングスリーブカーディガンだ。
襟がぴし、と立っており、カッコよさと真面目さ、それに爽やかさを演出する
いつもの黒一色とは違う…言ってしまえば良く目立つコーディネート。

「ほら、試着!試着してみて―!、自分でもどう思うかが大事だからね!」

どれも、彼に合うサイズがあったため彼に渡して、試着室へと歩いていき、着てみるように促してみよう。

ジェレミア・メアリー >  
「ん、わかった」

せっかく彼女が選んでくれたものだ。
そう言う訳でさっと試着室に言って数分後。
試着室の扉を開くと同時に、カーディガンの裾をばっと靡かせて登場。
白のチノパンに下げられた黒い拳銃。
薄紫のシャツにカーディガンの色が上手く調和し
彼のトレードマークのキャップは相変わらず目深に被ったままだ。
それでもまぁ悪くない見た目に仕上がっている。

「こんな感じ……かな。似合ってるかな、これ?」

今一不安感は拭えない。
おずおずと尋ねながら、自分自身を今一度見てみた。
思えば、こんな服なんて普通に着たことが無い。
変に浮ついてないだろうか。うーん、自分ではよくわからない。

「ふふ……」

ああ、幸せだ。こんな他愛のない事を彼女と一緒に過ごす。
何気ないこの感じが、求めていたものなのかもしれない。
ずっと、こんな時間が続けばいいだなんて思ってしまう程に
この瞬間はとても大切で、愛おしく思える。

「う、浮気って、そんなことしないよ。光奈以外にも……、……まぁ……」

若干歯切れが悪い声音だ!
思い返せば確かに美人揃いと言うかなんというか。
確かに同僚、先輩周りには女性がそこはかとなくいる気がする。
レイチェル先輩は男勝りだけど、女性的で彼女よりも肉付きがいいし
真琴先輩は何処となく妖艶で煽情的。
華霧先輩も、ああ見えて結構母性的ではある。
……思えば確かに女性、多いな。顎に指を添えて思案を巡らす。
別にそれ位の程度では在るが、このタイミングで黙るのは拙い。
それに気づいたのは、今だ。はっ、とすれば軽く咳払い。

「う、浮気なんてしてないよ!ほんと、光奈一筋だから、うん……」

嘘は言ってないが、慌てたせいで随分な感じに見える。
これはちょっとまずかったんじゃないか。
恐る恐る、彼女の反応を伺うが、さて……。

修世 光奈 > しっかり選んでは見たが、彼はどう思うだろうか。
試着室の前でわくわくしながら待っていると…

「おーーーー、爽やかさましましって感じ!
似合ってるよ、ジェー君!やっぱりこー、だぼだぼなズボンじゃなくてちょっとぴっちりしたのがいいねー」

締め付けて辛くなっては本末転倒だから。
少し余裕のあるチノパンを選んでよかった。
黒いキャップもまた、色のアクセントとしてとても良く見える

「うん。いいよいいよー…!かっこいー…♪」

ぱちぱち、と。
小さく拍手をして…光奈の好みとしてとても好きだということを示していく。
一応裾の部分は長いため、拳銃を持っていても隠せる。
暑いときは上はシャツだけになるのもいいし、これからの季節、寒くなるようならカーディガンを着れば暖かい。
そんな秋らしいコーディネートだ。

それを選んだ光奈も、満足げにうんうんと頷いていたが…

「ふーーーーーーん。………私以外にも、なにさー、ジェー君
もしかしてー、ほんとーにうわきー?」

彼の返答を聞けば、すごいジト目に変わる!
じりじりと試着室の彼に近づき、すぐ近くから見上げて。

「ほんとーーに、私一筋?……不安だなー…何か、私が知ってるだけでも綺麗で可愛い人、居るし―?」

まだ、怒ってはいない。怒ってはいないが…
ワガママな事に、彼が誰かに思いを馳せて考えていたことに嫉妬して。
せっかく直った機嫌がまた急下落していく。リーマンショックも真っ青な急転直下だ。

まだ可愛らしい拗ね方だが、拗ねているのは事実。
彼からの弁明を待つため、ぴっとりと寄り添ってじーーー、と彼を見つめる。

ジェレミア・メアリー >  
「そ、そうかな……こう言うのがいいんだ……うん」

そうやって褒められると如何にも照れくさい。
こうやって服装一つで結構変わって見えるらしい。
彼女がそこまで喜んでくれるのが何よりもうれしかった。
勉強してみようかな、ファッション。
なんだかんだ、そこまで手は回してなかったし
彼女の前なら、このキャップ抜きの格好をするのもありなんじゃないだろうか。
素顔を晒すのは少し恥ずかしいけど、彼女の前位は……。

と、幸せに使っていたのもつかの間。
まずい、これは拙いぞ。何一つ嘘は言ってないけど、完全に疑われている。
変な冷や汗が体中から噴き出してくる。

「いや、その、ほ、本当だって!光奈一筋だよ!浮気はしてない!」

慌てて弁明する。その辺にありがちな言葉だと、言った後に気づいた。
でも、嘘は言ってないから本当だ。引っ付いてくる彼女。
明らかに疑いの眼差しを向けている。
これにはたじたじ、と視線が右往左往。

「い、いや、本当だから。ね、光奈?確かに先輩たちも可愛いけど……
 こ、光奈が一番可愛いよ!本当に、明るくて元気で……き、機嫌治してよ?」

修世 光奈 > 今までの彼が、悪いという訳ではないのだが。
これはこれで、彼の魅力をずっと増してくれる気がする。
だから、もっと別の服装も…とは思っているのだがそれよりもまず。

「ほんとーかなあ…。しょーこ」

ぽつ、と呟く光奈。

「しょーこ、見せてよ。ね。ジェー君
やっぱり、不安になるものだよ。
ジェー君かっこいいし、優しいし…きっと風紀でも、人気なんだろーなーってわかるもん」

どんどん膨れていく頬。
やっぱり、彼氏が格好いいと、そういったことがどうしても心配になる。
自分に魅力がないと思っているのも、嫉妬の原因か。

「そういうの、すごく不安になるんだ。
…勢い、っていうのもあるだろうけど…その、私じゃ、不満とか、無いのかなーって。
ほら、胸も小さいじゃない?」

一転、しょぼん、としながらそんなことを。
いくら可愛い、と言われても…心配になるところだった。
体を重ねてまでいるのに、と言われても心配は尽きない。
彼くらいなら、初体験の後別の人ともできる…なんて、暗い考えも浮かんでいて。

ジェレミア・メアリー >  
「えっ」

証拠。証拠と来たか。
確かに不安になっているなら、それが手っ取り早いが
証拠と来たか。これは一種の悪魔の証明に近いぞ。

「い、いやいや、そう言ってくれるのは嬉しいし、人気は……どうだろう?
 確かに先輩とかには良くしてもらってるけど、言う程じゃないと思うなぁ……」

確かに先輩方にはそれなりに仲良くさせてもらってるが
腐っても元過激派。言うほど人に好かれているわけじゃない。
同僚は何人かいるとして、精々仕事仲間だ。
彼女が思うような感じでは無いが、通じるだろうか。
困ったように頬を掻いて、必死に弁明を探す。

「む、胸……は、まぁ、関係ないような気も……それに、一番の証拠は……」

しょぼくれる彼女の両手に頬を添えて、ずい、と覗き込んだ。

「"煙草"、光奈の前だといらないからさ」

それが何よりの証拠で、安心で、"依存してる証"。
未だに此の精神病から抜け出せないけど
彼女の隣であれば、驚くほど精神は安定する。
それが、彼女が一番であるという証左でもある。
柔く微笑めば、唇を掠めるように奪ってしまおう。
彼女を不安にさせたから、今度は安心させるように。

修世 光奈 > 少し落ち着くと、証明しようもないことを求めていることは自分でもわかってくるが。
けれど、不安は尽きないもの。
何か…証拠と言えなくても、彼からの言葉が欲しいだけ、ともいう。

「ふーん、ふーーーーーーん。
きれーな先輩とか、可愛い後輩?に可愛がってもらってるんだー」

言うほどじゃない、と彼は言うけれど。
それは彼の主観であって…本当は猛アピールされていたりするのではないか…
彼のことだから、そういう人を無碍にはできずに…という
妄想ともいえる考えが浮かんでは消えていき、自然に嫉妬が深まっていき。
そんな嫉妬をする自分が逆に嫌になって、ぷい、と顔を逸らそうとしたとき。

覗き込まれて、"証拠"を突きつけられる。

「ぅ」

「…………私の前、だけ?………ん…。……それなら、いい。
い、いちおー、信じる……。私も、その…もっと、自信持てるように、がんばる…
…きっと、さ。ジェー君に釣り合ってるのかなー、とかそんなことずーっと考えちゃってるんだー…そのー、ごめんね、変なこと言って」

確かに、彼は煙草を今は吸っていない。
精神安定の効果があるそれを自分の前だけ吸っていないというのは…それだけ、自分と居る時に特別に安心しているということだと思えて。
誤魔化されたわけではないが、一瞬だが優しく唇を奪われると…気持ちが伝わってくるように感じられた。

ばつが悪そうに、謝って…そっと彼から少し離れよう。
そういえば、彼はまだ試着したままだった。

「…ほら、1着じゃ汚れたらおしまいだからさ。もうちょっと、選ぼ?
その後、おやつ…っていうか、お茶にしない?」

もう一度、ごめんね、と謝ってから。
また彼の服を選ぼうと提案して。服専門とはいえ、大型の施設らしく休憩できる喫茶店も入っている。
もう1セットぐらい選んでから、そこに行こうと提案しよう

ジェレミア・メアリー >  
離れようとしたところを、今度はこちらから手を握って、引き寄せた。
不安がらせたのは事実だけど、そんな彼女さえ愛おしいし
そんな官女を愛でたいと考えるのもきっと、男の考えだ。

「大丈夫、気にしてないよ。そう言う光奈だって、浮気とかは……してないよね。
 うん、僕は大丈夫。光奈の事は信じてるし、光奈以外の女性とは付き合ってないよ」

その事実は揺らぎない。彼女以外は考えられないし
そんな事、彼女に疑いもかけやしない。
彼女は自分のものだ、と絶対的自信がある。
微笑みを浮かべながら、自分の体でそっと抱きしめてあげよう。
少しは安心するかもしれないし。

「うん、そうだね。もっと光奈に色々選んで欲しいし……」

まだまだ時間はたっぷりあるんだ。彼女との時間が。
離れる寸前、指先で首筋を撫でれば、手を握ったまま回っていこう。
彼女の気が済むままに、今日も何処へなりと……。

修世 光奈 > 「………わたしも。……こんな気合入れた格好するの、ジェー君の前だけ…だし。うん。信じるよ」

光奈の方こそ、証明は難しい。
普通であるからこそ、彼の様に…何か示せるものは特にない。
だから、自分の姿を証拠にしようと。
こく、と頷く。
また不安になることもあるだろうが…心の奥底で信じ続けていることは間違いなく。

「あぅ、ちょ、ちょっと、怒られ…ひぁっ!?
もー!もぉぉぉぉ―――!!」

彼だけが知っている、とあるサイン。
首筋をその歪な手で撫でられると、彼だからこそ…変な反応が漏れてしまって。
ぷりぷりと、先ほどとは別の理由で怒りながら。

またもや爽やか系の服を選び、その後お茶もして。
普通の、楽しい日常を過ごしていこう――

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」からジェレミア・メアリーさんが去りました。
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」から修世 光奈さんが去りました。