2020/10/07 のログ
ご案内:「裏常世渋谷」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
背景。お父様、お母様。
美奈穂は今日もピンチです。

「わぁ~~~!、あぶない、きゃぁ~~~!」

ケットシーの猫伯爵様を両手で抱えまして、悲鳴を上げながらぱたぱたっと右往左往です。
周辺はどーんどーんと爆発して、一緒にきた調査の方々も逃げ回っております。
腕の中におります猫伯爵さまは、まるでチベットスナギツネのようなお顔。達観したお顔なのです。

と、どぎゃん!、と何かがぶつかる衝撃で美奈穂は前にころころ~。
びっくりした!、とむくっと起き上がった美奈穂です。
無傷。
ちょっと気を付けて、ここに来る前に清めの塩で周囲の結界を強めにしておいたのがよかったようです・・。

『主任が巻き込まれたぞ!』

と、誰かが叫んだ声で見ますと、真面目な風紀委員の方がなんか飛んでいる姿。
思わず安全を願い手を合わせるのです。

『あれ、今の弾いたのがあたったのにゃ』

達観している猫伯爵様は全てを見ていたようです・・そのお口を手で防ぎ、お顔を横に小さく振ります。

「あれは、不幸な事故でした・・」

そうきっぱり断言します。残念ながら事故なのです。
背後を見れば、なんか大きな機関車がからくり人形のように二本足でなったお姿。
そこから火の玉や火の線が無数の様に出ており、辺りは火の海のようなご様子。

なぜこうなったかと、少し前に戻ります・・。

幣美奈穂 >  
裏常世渋谷の怪異、朧車。
この怪異をどうにかせんと、討伐ではなく、現れる原因となる核を探そうと編成された調査隊とその護衛。
ある程度の朧車なら対処は可能でしょう。
もし見つけた場合として、封をするために同行する霊的予防係の美奈穂です。
なぜか、朧車案件だとセットのように扱われる長いお名前の猫伯爵様もご一緒・・巻き込まれているだけですけど。

実際に現われた朧車の位置や種別などを地図に書き込みながら、現地も確認し、魔力や空間の歪みなどを探るのです。
美奈穂はその中程、前も後も人に挟まれた位置です。

「皆さん、忙しそうですね」

と猫伯爵様と呑気に会話してたりしますけど。
ふと、皆さんが色々見ているところから外れた所に、何か違和感を感じるのです。
人の目には何も見えるわけではありませんけど・・勘です。
周囲をきょろきょろとして、誰もこっちを見ていないのに。
少し首を傾げさせながら、ひょこひょこ近付いて、その場所に手を当てます。
壁から5cmほどだけ離れた位置・・何かある感じがします。
――結界?
なんか中に空間がある様な気がするのです。

なんでしょう、と思い。
その何もない所に鳥居を指で描きますと。
二礼しまして、二拍、そして一礼するのです。

「お邪魔します~」

その何もない所に手を伸ばしますと・・おもむろに、戸を開くように横に滑らす仕草。
空間に出入口を作ってしまうのです。
そしてのこのこ・・と入れば、美奈穂の姿は見えなくなるのです。

幣美奈穂 >  
中に入って左見て‥右を見ますと。びっくり!
なんか大きな列車がデーンと。

「わわぁ、なんかおっきい!」

目を大きくしてしまうのです。
目をぱちぱちっとさせてますと、その車両の先頭に大きなお顔が浮かんできます。

『彷徨いこんで来たか、おs——』

相手が何か喋り出したのですけど、美奈穂は入って来た場所に手を掛け、横に開きます。

「レモンシューックリーム様!、みてみてみてくださいまし!」

なんか消えたにゃ、また怒られるにゃ!、と消えた場所で慌てて左右を探り、前足で壁をぺたぺたしていた猫伯爵様に
美奈穂は明るい声をあげて、前足を掴んでひっぱります。
開けたら閉める。
ぴしゃん、その異空間にあけた入口を癖でしめちゃう美奈穂です。

「ほら、こんなおっきいの!」
『吾輩がみたのとまた違うにゃ」

と賑やかな一人と一匹の声に、

「――こほん。彷徨いこんだか。用がないなら去れ、きさまr——」

そう喋り出す汽車の先頭のお顔。
を、遮るように。

「違います!。なんかあったから開けて入りました。きちんとお邪魔しますと言いましたもん」

少しほっぺを膨らます美奈穂なのです。

幣美奈穂 >  
『何用だ。私はお前たちに用は――』

「あっ、はい。知ってたら教えて欲しいのです!」

元気なお声でまた被せてしまう美奈穂。
なんか列車のお顔の口元がひくっとします。
なんか不味いにゃ、と美奈穂の服を少し引っ張る猫伯爵様ですけど。

「なんで、朧車さん達は現れるようになったのですか?」

素直に尋ねる美奈穂です。
教えてくれそうな方がいるなら、その方に聞けばいいのです。

『そんなことか。それは――』

「あっ、ちょっとまってくださいませ。
 きちんとお話ききたいですので・・ほら、レモン様もこっちで正座です。
 きちんと聞いておかないといけませんよ?」

また話し出すのを遮り、大きな朧車の前にいそいそ正座。
そして横をぽんぽんたたいて猫伯爵様も呼ぶのです。

それを、目を瞑りへの字口で待つ朧車・・大朧轟さん。
話すことに聞くきはあるようなので、待つ姿勢です。

『なぜか、か。私たちはアスt——』

「――えいっ!」

話し出すタイミングで、カバンから取り出す袋を開けるバリンっという音。

『・・・』『・・・』

「あっ、話をお聞きしながらおやつにしようかって・・お時間ですから・・。
 今日のは、駄菓子屋平米で買ってきましたおせんべいです!
 美味しいのですよ?」

機関車と猫伯爵様の視線を受けて、少しはにかみながら今日のおやつをご説明です。
そして、敷き紙を出して、それぞれの前にも置くのです。

「どうぞ、教えてくださいませ!」

やる気は見せる美奈穂です。
でも、カバンから水筒も出して、玄米茶もコップに入れるのですけど。

『そ、そうか。それで、狭間にはいり――』

まだ説明してくれるようです。

幣美奈穂 >  
目を瞑り、話を続けようとしてくれるのですけど――。
ばりんぼりんばりんぼりんっ。
目を細めて固焼きのおせんべいを食べる音。

『あっ、けっこう旨いにゃ』
「そうでしょう?。わたくし厳選です!。
 創業学園元年だそうです」

一人と一匹は目を細めて口を動かして音を立ててます。
その間も、なんか機関車のお顔がひくひくとしながらなんか話してくれているのですけど。

「あっ、ごめんなさい。なんていいましたのかしら?」

固焼きせんべいをばりんぼりんと食べる、健康な歯の美奈穂。
食べる音で聞きとれなかったのです。

『だからそこはだな・・』

ずずずずぅ~・・ほぅ・・
熱い玄米茶が入ったコップ、音を立てて飲んで、ほっとするのです。

『——そなたら、聞く気はあるn——』

「あっ、機関車さんはおててがないですわね。
 ごめんなさい、気が付かなくて・・!
 レモンにゃんこ様、手伝ってくださいませ!」

かなりひくひくっとし始めているおっきいお顔。
美奈穂の背では、機関車さんのお口に届きません。

幣美奈穂 >  
猫伯爵様を持上げまして肩に乗って頂き、まずはおかき・・。

『そんなものは・・確かに旨いな』

いらないという大きいお顔に、まあまあと食べて頂きます。
サイズ感がすごいのですけど、お口にあったようです。
そして次は玄米茶の入ったコップを・・。

『あっ!』
「あっ!」
『あつぅっ!?』

猫伯爵様、所詮肉球前足。
つるっと滑ったコップが機関車さんのお顔にかかり。
その熱さに・・ですが、まだここまでは耐えてくれた大朧轟さん。

その後も猫伯爵様に電話がかかってきて中断したり、
長い話に寝てしまったりで。
なんやかんや、なんやかんや。
お顔を真っ赤になってしまった大朧車。

黙って追加の車両を呼び出し始めて・・撃ち始めたのです。
急に怒りだしました!
と慌ててその場を離れようとする美奈穂が、また気軽に空間を開けて外にでてしまい。

そして、消えた一人と一匹を探していた調査団と護衛団を巻き込んでしまい。
大騒ぎになったのです。

あっ、どこかの部門の副部長さんも飛んだわ!

なんか、とても大事な話もあったのかもしれません。
でも、今はみんな、生き延びるのが必至なお昼なのでした・・。

ご案内:「裏常世渋谷」から幣美奈穂さんが去りました。