2020/10/30 のログ
ご案内:「常世渋谷 大通り」に刀々斬 鈴音さんが現れました。
■刀々斬 鈴音 > 「トリックオアトリート!!お菓子をくれないと血を吸うよ!」
『はい、ありがとうございます。チェロス一本サービスです。』
ハロウィン限定のサービス仮装をして「トリックオアトリート」と言えばチェロス一本無料(二本買った場合)。
そんなサービスをしているチェロスの屋台で安く手に入れたチェロスをくわえて近くのベンチに座る。
ハロウィンという事で吸血鬼のような恰好をしている鈴音。
何となく西洋風の格好に何となく安っぽいマントを身に着けて……
口からは赤い雫を垂らせて……本物の吸血鬼に見られたら眉を顰めだろう吸血鬼的な吸血鬼。
『私は吸血鬼というものが嫌いだ……。』
どのような技術か西洋剣のような形になった妖刀、血腐レ。
この刀が何かに対して好き嫌いをいう事は珍しい。
「えー。何かカッコいいじゃん。」
頬を膨らませて刀に言う。
なんでだろう?何故だか知らないけど吸血鬼は好きなのだ。
■刀々斬 鈴音 > 「ちーちゃんも血吸ってるんだから吸血鬼みたいなものじゃないの?」
『……。』
黙り込む刀。
「何で黙るのー?ちーちゃん?都合悪くなったらすぐ黙るよね?」
刀は何も語らない。
ぺしぺしと刀をベンチに打ち付ける。
「なんでそんなに吸血鬼嫌いなの?」
『獲物を巡って争っていたからだ……。』
分かると単純な理由。
鈴音が知らない昔の血腐レの話、鈴音は知らないのだから他の誰も知らない。
■刀々斬 鈴音 > 「ふーん……。」
理由が分かると興味を失って足をプラプラさせながらチェロスをかじる。
カリカリとした食感と甘さ、期間限定だというこれはハロウィンらしくカボチャの風味。
通りを通る人たちに目をやれば仮装している多くの純粋な人間や異邦人。
いや、異邦人だと思ってるだけで実際は仮装してるだけの人かもしれないけども……。
皆ワクワクしているようなそんな面持ちでこのイベントを楽しんでいるように見える。
「……もし、鈴音がここで急に人いっぱい斬ったらどうなるかな?」
明らかにテンションが下がっていまやコスプレの小道具に成り下がった相棒を手に小さくつぶやく。
ご案内:「常世渋谷 大通り」に雨見風菜さんが現れました。
■雨見風菜 > 「がうがうー☆トリックオアトリートですよー」
初めて常世渋谷に足を踏み入れた風菜。
先日と比べれば犬耳と犬の前足を模したグローブでケルベロスの仮装っぽさが増している。
そんな格好で、チュロス屋台でサービスを受けてチュロスを二本受け取るのだった。
他の仮装した人々のように、平和に浸り無防備な姿。
豊満な乳房は、人々の目を引いている。
■刀々斬 鈴音 > 『3人。いや、1人は斬れる。それ以上は無理だ。』
視界に映るのは仮装している無防備な女性の姿。
多分、サクっといったらスパッて出来るだろうと思う。
それで勝てるかどうかは分からない……。
刀に下された厳しい判定。
最も全員斬れると言われたところで動くつもりはないのだけども……。
「警備が厳しいって事?」
『……鈴音が警戒されてる、自身の刀と話している女などどう考えても不審者だろう。』
確かになんとなく視線を感じるようなそうでもないような……。
ガジガジとチェロスを食べ進めていく。
「はーあ…鈴音がもっと超強かったらなあ……。」
おそらくそれこそ警戒されてしまって身動きできないだろう。
犬っぽい仮装の女性の方を見ながら小さくつぶやいた。
それにしても何の仮装だろう?狼女??
ご案内:「常世渋谷 大通り」に雨見風菜さんが現れました。
■雨見風菜 > 少女の方から視線を感じる。
剣を持って……携帯端末を使って通話しているのか。
一体何なんだろうとは思いつつも、無防備にのんびりと歩く。
「次は何処のお店に行きましょうかねー」
犬のぬいぐるみが首を出すように2つ付いたマフラーで、本人はケルベロスのつもりだ。
■刀々斬 鈴音 > 狼女……いや…違う?
……よく見れば犬のぬいぐるみがマフラーの両端にくっついている!!
……ここでケルベロスにたどり着く知識がないのが刀々斬鈴音!
「……なんで……なんで犬がマフラーにくっ付いてるの??」
分からない、分からない。
「なんの……何の仮装なの???」
混乱は深まるばかり……。
■雨見風菜 > こちらに視線を向ける少女から、何の仮装かわからないという声が聞こえた。
「あ、これはですね、冥府の番犬と呼ばれるケルベロスの仮装なんですよ。
頭が3つ有る犬なので、マフラーに2つくっつけてるんですよ」
ついついくるりと振り返って笑顔で解説。
「そういう貴女は吸血鬼の仮装、とてもよくお似合いですよ。
血糊の匂いもなんだかリアルですね」
相手のことを知らない以上、その匂いも仮装の血糊であるのだと思っている。
とは言え、たとえ知っていたとしても風菜はただの一般人。
今から風菜が警戒したとしても、斬るのは容易いだろう。
■刀々斬 鈴音 > 「ケルベロス??頭が三つある……?だからぬいぐるみつけてるの!アナタ頭柔らかいね!」
納得したように手を叩く。
なるほど……なるほど!!!
「鈴音もかなり頑張ったからね!」
くるくると回って見せればマントがひらひらと回る。
それに合わせて漂う血の匂い。
「刀もほら!すごい良いかんじでしょ?」
錆び錆びに錆びた刀。
そこから漂う錆びた鉄と血っぽい匂い。
「……もし、鈴音が本物の吸血鬼っていったらどうする?」
■雨見風菜 > 「ふふ、ありがとうございます。
ふと思いついただけですが、自分でもいいアイデアだと思ってるんですよ」
褒められれば嬉しいのは誰だってそうだ。
そして、くるくるとマントを翻らせて回る吸血鬼の仮装の少女。
「ええ、まるで本物の吸血鬼みたいで。
刀も、とても雰囲気が出てますよね」
とは言え、風菜に刀はわからない。
だが、ここまで錆びさせることはなかったのではとは少し思った。
言わないが。
「……本物の吸血鬼、ですか?
だとしても、この島では珍しくないのでは?」
ふと、神妙に問われたが。
人外や怪異も住むこの島ではそんな珍しいことではない、と風菜は思っている。
■刀々斬 鈴音 > 「……もっと、怖がってくれると思ったのに。
……確かにこの島では普通にいるもんね。」
残念そうに呟いて……。
錆びた刀をチャキチャキと鞘に入れたり戻したり。
……今着れば確実に斬れるのだけども。
流石にこんなに人通りが多い場所で斬ったりなんだりすることはない。
風紀委員のお世話になるのはゴメンだ。
「……うーん、それにしてももうちょっと怖がった方が良くない?
鈴音錆びてるけど刀もってるし……めっちゃ血ついてるよ?
いつか、痛い目見るよもうちょっと危機感もたないと!!」
■雨見風菜 > とても残念そうに、めちゃくちゃ鯉口を鳴らしている。
相対する風菜はやはり無防備だ。
「え、でも仮装でしょう?
それにこんな人通りの激しいところでは、すぐ風紀の方が駆けつけるでしょうし……」
実際危機感はない。
いや、怪しいものや薬を売りつけられないようには気をつけては居るのだが。
目の前の刀だって、よく出来た模造刀だと思っているのだ。
■刀々斬 鈴音 > ハ、ハロウィン効果……。
ハロウィンであるがゆえに(そしてばっちり仮装してるが故に)
全く恐怖を煽れない、アトラクションのようなものだと思われている。
「……そうやって油断してちゃだめだよ!!
捕まる事なんて気にしない人なんていくらでもいるんだよ?」
刀を抜いて。
切れるはずもない錆びた刀でぺしぺしと風菜の身体を叩く。
痛みはないだろう、そんなに強い力ではない。
でも、その叩いた部分、その部分にもしかしたら微かに血がにじむかもしれない。
■雨見風菜 > 「まあ、風紀の方や自警団みたいな方たちの目があるのに堂々とやってる人が居るのは分かります。
けど、だからって危ない人が自分は危ないよ、とは言わないんじゃないんでしょうか?」
キョトンとした顔で、目の前の相手を全く警戒していない風菜。
そもそも、彼女を警戒するならもっと警戒すべき相手は居るだろう。
錆びた刀でペシペシと叩かれれればかすかに血が滲んだ。
だが、風菜はそれが自分の血とは気づかず、刀の血糊だと思っている。
とりあえず滲んだ血はシミになる前に『液体収納』で仕舞っておく。
■刀々斬 鈴音 > 「で、でも自分で危ないよって言ってるのは絶対危ないよ!!
普通の人はそんなこといわないし!!」
全く、動じてない。
……かなりいい環境で育っての来たのだろう。
だが……実害があれば流石にその甘い考えを改めるだろう。
これは……そう、これから自分よりももっと危ない相手と会わない為の授業料みたいなもの!
血をにじませた部分から!血を吸いだす!これがこの血を操作する妖刀の力!!
血腐レ─吸血!!
……?普通ならこの傷口から血を吸いだせるはずであるが一向に血を吸えない。
『鈴音…鈴音…血がない。消滅してるこれでは吸えん。』
刀から声が聞こえる。
「えっ?ちーちゃんどういう事!?」『分からん…。』
少女の目の前で刀と思いっきり話して……。
「……そう、こうやって気が付かない間に血を吸おうとしてくる人もいるからやっぱり気を付けたほうがいいと思うな!」
■雨見風菜 > 「うーん、それって一体何の益が……?」
少女の狼狽に、疑問符しか浮かばない。
実際に風菜は日本の、恵まれた環境で育ってきている。
故に目の前の少女が危険人物であるとは知らない。
そもそも風菜とてある意味危険人物ではある、痴女という意味で。
そして彼女は何かを行い……だが失敗した様子で、刀に話しかけているように見える。
その原因は、血がシミにならないようにした風菜の『液体収納』のせいなのだが。
それを少女は知らないし、況して風菜自身自分の血だと認識していなかったので分かりもしない。
「え、えっと……その、それってどういう意味なんでしょうか?」
苦笑しか出ない。
血を失った感覚もないし、ちょっとよくわからない。