2020/12/16 のログ
■火光雷鳥 > 「――まず、真っ先に俺が出来る…いや、やるべき事は『そいつ』と対話する事だな。
俺の言葉一つで何も変わらないとしても、最初からそれを放棄するのは論外ってもんだろ。
勿論、言葉を交わして、尽くしても駄目だったら――…。」
少し迷うように、考え込むようにそこで一度言葉を切って。
それから、小さく笑いつつも真っ直ぐ友人の目を赤い瞳で見据えて。
「――ま、そん時はそん時だ。戦うかもしれなし、尻尾巻いて逃げちまうかもしれない。
少なくとも、俺は普通の環境で育ったから、そんな大それた事は出来無いだろうし。
だけどさ…うん、甘すぎる意見だろうけど…友達が『敵』になっても俺は『諦めない』ぞ。」
具体的な手段とか、実際そんな場面に己が当事者として立ち会ったらどうなるか。
それはその時になってみないと分からない――そんな日は来て欲しくないけど。だから。
「…ま、だから仮にセレネさんが俺の『敵』になったとして…そーいう事だ。
俺は『俺を諦めない』。そして、セレネさんも『諦めない』。」
と、そこまで言い切ってから…ハッ!?とした。何かクサい事を言ってるぞ俺!?
とはいえ、前言撤回をする気は無い。少なくとも嘘偽りの無い正直な言葉だから。
「お、おぅ魔素…えーと魔力とかその源って事でいいのかね?
つまり、空気中に魔力が一切無い場所とかだと流石に機能しねーって事か。」
まぁ、肝心の少年自身に魔力が欠片も無いのがそもそも問題なのだが。
少年から魔力を感じるとしても、それは『彼』のもので少年のものではない。
「――…あーー…馬鹿な俺でも少し察したわ。成程、マジっぽいな…。」
少し濁すような友人の言葉に、やや乾いた笑みを浮かべてしまうのは仕方ない。
そうか、俺の脳内のアレは異世界の奴なのか…で、そんなのが居るという事は。
「未だに詳細さっぱりだけど、俺…や、正確には俺の脳内?が《門》みてーな感じなのは間違いでもなさそーだな。」
■セレネ > 「…成程。貴方らしい考え方ですね。」
己とは全く違う価値観と考え方に蒼を細めた。
相手のような考え方は己にはない。一つたりともない。
彼を「甘い」と評するのなら、己は酷く「冷たい」のだろう。
彼のように優しくないのだから。
「あれですね、貴方はアニメや漫画とか、映画とかの主人公みたいなタイプですね?…熱血系の。」
見た目も赤いし、なんかそんなイメージがある。
質問に答えてくれた事に対し、「有難う御座います」と礼を言えば。
「そうですね。貴方には魔力がありませんから…。」
”彼”からの魔力は時折視えるものの。やはり彼自身の魔力は視えない。
悲しいかな。
そして己の言葉に流石に察した相手。
己も苦笑を浮かべるしかなく。
「間違いでもないというか、恐らく≪門≫そのものというか…。
貴方の頭痛の原因がそれだろうと推測出来るのですよね…。」
■火光雷鳥 > 「――なんとなーくだけどさ?セレネさん、『自分にはそんな考えは欠片も無い』とか思ってない?」
この少年、時々鋭いのかふと、まるで世間話の延長のようにそう告げる。口調は何時ものそれで。
「そりゃ、俺とセレネさんは何もかもが違うんだし、友達の前にそもそも『赤の他人』だったんだからしょうがねーじゃん。
…でもさ。理解出来なくても、到底そんな考えに至らなくてもさ。
お互い歩み寄って多少なりとも分かろうとする努力とかは出来るもんだろ?
さっきも言ったが、俺は『諦めない』。凡人の意地みてーなもんだけどさ。
――あと、俺はせいぜい脇役だよ。セレネさんはそうだな……ああ。」
ふ、と自然と何故かそんな単語が出てきた。それが本当か間違いか、なんて気にしない。
「――何か、『神様』って感じ?ヒロインもすげぇ似合いそうだけど。」
凡人は、時と場合によりけりだが偶にその本質を突く事も稀にはある、かもしれない。
「…だよなぁ。魔力判定も再検査も一応して貰ったけど、相変わらずZ判定だったし。
むしろ、全く無いのが逆に珍しいとか言われたぞ…うん。」
『術理を持たざる者(ロスト・ルーン)』と少し皮肉げに言われたくらいである。嬉しくないけど。
「つまり、俺自身が《門》で、脳内にソレがあるから、副作用で頭痛やらたまーに意識や記憶が飛んだりって感じか?
……うん、ぶっちゃけ治療法とか無さそうだなそれ。」
何か、流石にちょっと自覚も少しは出てきたのか苦笑気味にそう述べて。
■セレネ > 彼の言葉にピクリと眉が動いた。
「…相手が歩み寄ろうとしているのなら、此方も相応の態度になりますが。
自分から歩み寄る事は…したくないのです。
何せ手酷く振り払われた事がありますから。」
相手から蒼を逸らし、紅い空を見る。
…が、その瞳もすぐに元に戻り。
「――私がその『神様』だって言ったら、貴方どうします?」
どこか儚げにも見える、笑みを口元に。
「まぁ…適性がないのは耐性があるとも言えますし…そう悲観はせず…。」
上手いフォローの仕方が出来なかった。口惜しい。
「その通りです。
…まぁ、そうですね。≪門≫を塞ぐのも難しいですし…。」
仮に塞ぐ方法があったのだとしたら、それは”彼”が全力で拒否してきそうだ。
■火光雷鳥 > 「そっかぁ……じゃ、俺からやる事は一つしかねーじゃん?」
少年は陽気に、そこらに普通に居る少年のように笑って。
一歩、彼女との距離を詰めて。そして手を伸ばして握手の真似事をしてみせる。
「俺から歩み寄って『手を伸ばす』…それしか出来ないかもしれねーけど、だからこそやるんだ。」
彼女が歩み寄れないならこちらから歩み寄ればいい。
手酷く振り払われたのならば、こちらから真っ直ぐその手を伸ばせばいい。
一瞬逸らされた己とは対照的な蒼穹が、赤い空を見て…またこちらへと戻る。
「え?すげーじゃん!…むしろ神様と友達とか、親父や母さんに自慢出来そうだな!
…で、さ?セレネさんがマジで神様だとして…友達として何か問題でもあんの?」
一瞬だけきょとん、と目を丸くしてから…笑ってそう答える。ごく自然体に。
『彼』も『能力』も関係ない。これが火光雷鳥という少年の持つ『力』なのかもしれない…いや、その本質か。
「あーーうん。まぁ無いものはしょうがねーし。
それにほら、セレネさんもアドバイスしてくれたじゃん。
こう、魔道具とか外部からのあれこれとか他で補うみたいな。」
そう、全く魔術が使えないという訳でもないのだ。間接的で良いなら手段はきっと沢山ある筈。
「…むしろ、塞ぐとして俺の脳内にあれこれ干渉する感じ?になりそうだから、下手したら俺って死ぬか廃人なりそうだしな…。」
やや遠い目で。まぁ、現状も決してその可能性が無いとは言えないのだが。
■セレネ > 己に一歩歩み寄り、片手を差し伸べてきた相手。
その手に蒼を向けては数度瞬かせた。
「……。」
恐れず、ただただ真っ直ぐに。
伸ばされたままの手を握り返そうか悩んだ。
片手は空いている。でも、その手を取る事が恐ろしい。
己の白い手が、強く握り拳を作るのが分かるだろう。
「ぇ、あ、あぁ…ご両親に…?
…まぁ、友人としてなら…特に問題はないかと…。」
尤も、有名な神のような万能な力はない。
信仰も何もない神なのだ。
彼のその自然な態度に、珍しく狼狽えた。
「えぇ、外部からの魔術であれば貴方でも扱えるでしょうし…。
魔導具、もう少しだけ待ってて下さいね。」
己が自作する魔道具以外にも沢山の種類の物があるだろう。
無論、値は張るが。
「ある場所が脳ですからねぇ…。」
だから下手に手出しが出来ないのだ。
もしかすれば一生、その頭痛と危険がついて回るかもしれない。
ご案内:「裏常世渋谷」に火光雷鳥さんが現れました。
■火光雷鳥 > 手を伸ばしたまま、ただ笑顔でじっと待つ。でも目はその蒼穹から逸らさない。
――『紅蓮の龍門』はきっとそういう人間で…。
彼女の白い手が強く握り拳を作るのが分かる。葛藤や迷いや、己には想像もつかない何かがあるんだろうけど。
――そう、でも、だから?手を伸ばさない理由には欠片もならないのだ。
…だから待つ。たかが握手、されど握手。強引にその手を取る事はしないけれど。
だからといって、こちらから手を引っ込める事はしない――静かに手を伸ばしたまま待つ。
「まぁ、うちの親父は頭がアレだから、お前とうとう彼女が!!とか言い出しそうだから、その時はちょっとセレネさんの分まで殴っておくわ」
と、そこは無駄に真顔でうむ、と頷いていた。中々に愉快な父親らしい。
そして、信仰が無い?あるではないか、自称『凡人』だが今、目の前の貴女に手を伸ばして笑う馬鹿が。
信仰とは祈りやあれこれだけではない。誰かを信じる心…信心。それも含まれるであろう、きっと。
そもそも、この少年にあれこれ小難しい打算や考えなどが出来る筈もないのだから。
うろたえる彼女に、「セレネさんが動揺するの珍しいなぁ」と、笑って。
「ああ、それは気長に待つよ。あ、お礼にはならんかもだけど、クリスマスには礼も兼ねてなんか贈るからな!」
バイト代もぼちぼち入る頃合だしな、と。笑って。しかしまぁ…。
「――あー…いや、まぁいいさ。まだ正直サッパリな部分も多いけど。
一生付き合うしかないなら、それもいいさ。それに――この『誰か』さんはきっと表に出しちゃ駄目な奴だし」
直感的に悟っているのか、一蓮托生だよなぁ、嫌な意味で、と思いつつも…さて。
「セレネさん、手間掛けさせて悪いけどまた帰りの案内を頼めるか?」
ご案内:「裏常世渋谷」に火光雷鳥さんが現れました。
■セレネ > 少し待てば引っ込めてくれるかな、なんて思っていたが。
そんな素振りは一切見せず、そして笑顔も保ったまま、蒼を真っ直ぐ見つめる赤。
数分ずっと待たせてしまう事になったけれど、ゆっくりと拳を開いてはその伸ばされた手を握り締める。
きっと己の手は外気温と同じように、氷のように冷たいのだろうけど。
「あー…仮に彼女にするのでしたら私じゃなくて、その、もっと良い人は居るでしょうし…。」
己の父とは別のベクトルで賑やかそうな父親らしい。
…しかし、この人はこんなに良い人なのに何故彼女が居ないのか、不思議である。
性格や行動も真っ直ぐな彼に釣り合う人はきっと居るだろう。
この島は沢山の人がいるのだから。
握っていた手を離せば、また元の位置に。
「へぇー?お洒落なプレゼント期待しておきますね?」
なんて半分冗談交じりに言うと、
「まぁ…駄目でしょうね。危険な存在ですから…。」
己が調べた限りだと、”彼”はかなり危険だそうだし。
「最近案内ばかりしている気がしますが…まぁ、良いです。
此処一帯には怪異もいないようですし、一緒に帰りましょうか。
また何かあったら大変でしょう?」
■火光雷鳥 > 凡人を舐めてはいけない、彼女が握手をしてくれるまで粘ってみせよう!!
…ただ、今更だが内心でちょっぴり「俺って格好付けすぎてない?」と、思うのがこの少年らしい、というべきか。
それでも、数分の後に彼女の手がゆっくりと開かれてこちらの手を握り返してくれる。
冷たくてもお構いなしだ。こっちは能力のせいかちょっと温かいから少しは暖かい、はず。
「…え?セレネさんすげー美人だし、むしろ卒なく何でもこなしそうだし…。」
むしろ、何でセレネさんはモテそうなのに彼氏とかいねーんだろうか?と、奇しくもお互い同じような事を考えているのであった。
握手を終えれば、素直に手を引っ込める…い、いかん終わってから少し気恥ずかしくなってきた!!
どうやら、精一杯の男の子格好つけタイムは長くは持たなかったらしい。
「うーん、まぁ、多分気に入ってくれる…と、いいなぁとは思うけど候補は考えてるぞ。」
一応、一つもう考えてあるのだが彼女が気に入ってくれるかはまた別問題であるし。
まぁ、誰かにプレゼント経験とか家族くらいにしかないがこれも経験だ。
「あーーうん、あの上から目線は絶対にお人好しじゃないのは俺でも分かるわ。
…実際、セレネさんには案内して貰ってばかりだしなぁ。ほんとお手数掛けます」
と、両手を合わせてごめん!と、謝りつつも素直に感謝を。
ともあれ、彼女の案内で今回も無事に表へと帰りつく事が出来ただろう。
■セレネ > 思い切り恰好つけているのなら兎も角、これくらいならあまり気にしない己。
これはこれで彼らしいなと思うのだ。
握った手は人より少し暖かく感じる。
…これも異能の影響なのだろうか。
「家事は一通り出来ますし、慣れておりますけれども…。
美人かどうかは分かりませんけどね…!」
恋人以上の人は居たのだが、そのせいで対人関係に難が出ている…とは、言えない。
傷が癒えていない以上、今はまだ…と言う方が適切か。
そして握手をし終わった後、気恥ずかしそうにしている彼にクスクスと小さく笑って。
「じゃあ、楽しみに待っておりますね。」
己は父の影響か、贈り物をしたがる傾向があるので。
今後交友を続けていくうちに贈り物が増えていく…かもしれない。
「機会があればどこか案内して欲しいくらいですよ。
…まぁ、貴方に怪我がないのが一番ですから。」
本当に”お守り”でも作ろうかしら、なんて思いつつ。
迷った彼と共に今回もこの裏世界から出る事にしよう――。
ご案内:「裏常世渋谷」から火光雷鳥さんが去りました。
ご案内:「裏常世渋谷」からセレネさんが去りました。