2020/12/20 のログ
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」にジェレミア・メアリーさんが現れました。
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」に修世 光奈さんが現れました。
ジェレミア・メアリー >  
忠犬ロク公像前。
相変わらず此処は色んな人種がせわしなく人込みになっている。
歓楽街と似た雰囲気だが、浮ついた雰囲気だ。
この雰囲気にももう慣れたものだ。
刑事部である自分は、よく常世渋谷分署に入り浸るものだから余計に、だ。
日夜酔っ払いやチンピラの相手だなんて、ルーチンワークに等しい。

「…………」

……いや、よそう。
せっかくの休日、しかも彼女とのデートに仕事の事を考えるのは。
小さくため息を吐いて、目深帽子。
スマホを確認すれば、待ち合わせきっちり五分前。
ジェレミアは結構几帳面だ。さて、彼女はやってくるだろうか……。

修世 光奈 > スマホを確認して、彼が顔を上げたところで。
少し離れたところから元気に寄ってくる光奈が居る。
洒落た柄がついたロングスカートに、縦セーターと呼ばれる服とコートを羽織っている。

「あ、今日は負けたー。やっほ、…ジェー君」

いつもほぼ同時に待ち合わせ場所に来るものだから。
負けた、と言っても1、2分だ。
彼の呼び方に一瞬迷い、口慣れた方を出せばぽん、と肩を叩いて。

「?、どしたの?何か考え事―?」

そして、彼のことを見慣れているのは光奈も同じ。
彼が帽子を目深に被っている時は、照れている時や何か自分の考えに浸っている時だと思っている。
照れるようなことは何もないだろうから、何か考え事だろうかと訪ねつつ隣に立って…すっかり慣れた仕草でその腕に自分の腕を絡めようとしていこう。

ジェレミア・メアリー >  
聞きなれた明るい声が聞こえた。
スマホを懐にしまえば、視線を彼女へと向けた。
冬向けの可愛らしいコーディネートだ。自然と口元が笑みを浮かべた。

「残念、職場が近いから僕の勝ち。こんにちは、光奈。」

別に入り浸った訳じゃないし、今日は寮から訪れたから関係はない。
ちょっとしたジョークだ。軽く手を挙げて、まずはご挨拶。
肩に乗る手も気にもかけずに、続く言葉に首を振った。

「何でも無いよ。それより、まずは何処に行く?光奈は欲しいものとかある?」

他愛ない事だ、話しても仕方ない。
こうやって互いに身を寄せ合うのも慣れたものだ。
すっかりカップル、と周りにはそう見えるんだろうか。
ちょっと気恥ずかしい。自身の頬を軽く掻けば、軽く人込みを見渡した。
……思えば、クリスマスが近いんだ。この街にはよく見れば、自分たち以外のカップルは多い。
すっかり冷え込んだ空気には、互いの体温が良く伝わる。

修世 光奈 > ふわりとスカートが揺れ、彼の隣へ行けばわざとらしくむむ、と頬を膨らませて。

「むむ。ずるい…。まーでもいっつもお仕事頑張ってるもんねー」

ずるい、というも…勝ちたいなら、いつもより早く寮を出ればいい。
それをしないのは…大体同じ時間に来る、という以心伝心な部分を感じたいからである。

「欲しいものかあ…、色々飾りつけも見たいし…後はほら、ちょっと別れてさ、お互いにプレゼント買うとかどう?」

寮での部屋改造は中々自由度が高い。
せっかく彼氏ができて初めてのクリスマスなのだから、しっかりお祝いしたいと。
食材は直前に買わないと流石に味が落ちそうなのでやめておいて、部屋の飾りつけをしようと提案し。
更に、日程が近くなって来れば…お祭り騒ぎだろうから、彼も忙しくなるだろうと予想して。
ならば、今のうちにプレゼントを買うだけ買っておいて…当日に見せ合おうと提案する。

「だから、あそこかな?ほら、この通りの先にショッピングモールがあるじゃない?あそこなら結構色々揃いそう!」

さむさむー!なんて言いながら、彼の腕にしがみつく役得。
手袋は付けていないから、彼の手を握って、自分のコートのポケットに誘い、暖を取ろうと。

ジェレミア・メアリー >  
「ハハ、ごめんごめん。今度は光奈より遅く来てもいいけどね?」

それでも早く来てからかってやろうかな、なんて意地悪だ。
ずるい、という彼女を宥めるようによしよし、と頭を撫でた。
猫かわいがり。彼女の頭を撫でるのも、大好きだ。

「飾りつけかぁ。そう言えば、僕の部屋でいいの?クリスマス。
 ああ、うん。プレゼント。……んー、そう言うのも確かにありだなぁ。」

後で一人のときに買おうと思ったが、それはそれでワクワク感がありそうだ。
しかし、内心ちょっとした懸念点。彼女に何をプレゼントすれば喜ぶのか。
どうせなら、普段使い出来て劣化しづらいものがいい。
このご時世、案外そう言うものはありそうな気もする。
言われるままに、とりあえず向かう先はショッピングモール。
センター・ストリートではメジャーな場所だ。
おおよそのものが揃っているし、自分もよく利用する。

「急に冷え込んできたからね。ん……、そんなに寒い?」

緩急も無く一気に冷え込んだ印象だ。
起きる朝が何時もより辛い。
彼女にくっつかれるのは嫌いじゃないが、何時もより積極的な姿に照れてしまったようだ。
少しばかりどもって、何気なく尋ねた。
握られた手も、ポケットの中へと呆気なく誘われる。

修世 光奈 > 背の高いカッコいい女性には憧れるけれど。
彼に撫でられるという嬉しさには勝てそうもない。
髪に触れられるのは、よほど親しくないと抵抗があるというけれど。
とても嬉しいのは…その逆に、彼のことが大好きだという証拠でもあるから。

「ん。…いーんじゃない?もう何か管理人さんにも、ああ君かーみたいに見られててさー。
慣れってすごいねえ…最初は結構緊張したんだけど…
ふふーん。良いアイディアでしょ」

クリスマス。
それも…お祝いするとなれば昼よりも夜だろう。
そんな時間になれば、必然また『そういうこと』になるのは予想できる。
けれど、それでもいい、と肯定してくすりと笑い。

出入りは許可されているものの、男子寮に認知される女子と言うのもおかしく感じてくすくす声を漏らす。
そして向かう先を決めよう。こういう色々な目的がある時に、複合商業施設は非常に便利だ。

「そ、寒いの。ジェー君は彼氏として私を温める義務がありまーす」

本当は、冬でも外で色々探し物をしているから慣れている部分はある。
けれど、触れ合っているこの暖かさは特別だ。
少し声音が変わった彼に、してやったり、というような顔をして。
ぎゅ、とポケットの中で彼の手を握ろう。

「かーわい。…ほら、いこいこ。」

自分の彼に対する観察眼も鍛えられてきた。
一言だけからかって、ショッピングモールの中へと。
やはりというべきか、中はクリスマスムード一色だ。
どこも、クリスマスセールだの、大感謝祭などと書かれており、非常に人通りが多い。

その中でも、大型のホームセンター…モミの木や部屋の飾りつけ用品も売っている場所へと向かっていこう。

ジェレミア・メアリー >  
「……えっ、そうなの?ま、まぁ、そうか、な……そうなる、か。」

……思い返せば、毎週、毎日といったくらいで彼女が来る。
うんまぁ、そんな顔されてもしょうがない。
初めから気にしてはいなかったけど、もしかして隣人にもバレているんだろうか。
一応男子寮と言う名目上、あんまりイチャつくのも忍びないかもしれない。
うーん、と困ったように唸り声。

「マンション、借りる?学生街のさ。二人でそこで住むって言うのはどう?」

その方が煩わしくないだろう。
何も考えずに言ったが、同棲宣言でもある。
近すぎると気づかない事ってある。そう言う事。

「いいアイデアだと思うよ。……ん、はいはい、光奈の可愛さには負けるよ。」

確かに、その役目は譲れない。はにかみながら、目深帽子。
ぎゅ、と彼女の手から温もりが伝われば優しく此方も握り返した。
手の大きさでも、此方が上。それこそ包むように、手が抱きしめるように握り返そう。
さて、辿り着いたショッピングモールもクリスマス一色だ。
これが終われば次は日本でいう元旦に染まるのだからせわしないものだ。
そのせいか、かなり人が多い。ホームセンターでも、何人か集団が回っているのが見て取れる。

「クリスマスツリー……と言うより、本格的に飾っちゃう?」

修世 光奈 > 女子寮と男子寮がそこそこに近いこともあるが、既にぼんやりしていても勝手に足が向くほどだ。
管理人も、咎めはしないものの、生暖かい視線になるのも無理はなかろう。
彼のことだから、同性に揶揄われていないかと新派にはなるけれど今のところそんな様子は無さそうだ。

「……………………大胆…。ぅー…、ま、まあ練習だと思えば…いい、けど」

同棲宣言に…ぽぽぽ、と光奈の顔が赤くなる。
彼の部屋に行くことが多いとは言っても、住んでいるわけではない。
一緒に住むということは、例えば休日などはおはようからおやすみまで一緒に居ることになる。
二人の時間が更に増えるのだ。恥ずかしがりながらも、嬉しさが勝り…少しうつむいたままこくりと頷く。

彼と密着しているからか、体温が熱くなっているのがバレそうでどきどきしつつ、慌てて視線を逸らして。

「ひ、人、多いねー、やっぱり。
うーん…そうだね、本格的にやろうよ。
ほら、この前のアルコール抜きシャンパンとかも買ってさー」

せっかく楽しめるイベントなのだ。
とことんまで彼に楽しんでもらおうと彼を引っ張っていく。
ツリーは…あまり大きいとその後が大変であるため、小さめのものを。
しかも、そのツリーの下部分には空気清浄機が付いており、シーズン以外はそのために使える機能性のあるものなどをピックアップしてみよう

部屋の壁に飾るリースも、ツリーの飾りも、黄色や白、緑など…カラフルで楽しげなものを選んでいこう

「…ん、んん、その、どーする?引っ越し…空きがあったら、すぐ、する?」

そんなにぎやかなものを選んでみながら…ちらちらと彼を見て。
光奈もまたその提案に期待していることを伝えていこう。

ジェレミア・メアリー >  
「……ん?……ぁー……うん、まぁ……、……。」

一瞬何のことだと思ったが、彼女の照れ具合に思い返せばはっ、と気づく。
我ながら、大胆な事を確かに言った。
んん、と軽く咳払いして深く深く帽子を被る。
とは言え、実際煩わしいのは確かだ。
何時も彼女に来てもらうのも忍びない。
それならいっそ、二人で暮らした方がいいのは間違いない。

「ほ、ほら、二人で暮らした方が色々便利だろうし、ね?
 それに、そろそろ、ね。年も明けるしいいタイミングだと思うから、ね。」

お互い新しく始めるには丁度いい頃合いだ。
将来的には同棲するんだし、悪くはない。
まぁ、それはそれとしてお互い恥ずかしいようだ。
気づかぬうちに、此方も頬が紅潮している。

「ま、まぁね。クリスマスだし……うん、いいよ。
 光奈がしたいならそうしようか。あんまりセンスないし、光奈に合わせるよ。」

飾りつけのセンスなんて、精々西部劇っぽくするくらいだ。
こういう楽しげなのは、きっと彼女のが向いている。
実際見立て通り、彼女が選ぶ装飾は華やかで楽しいものになりそうだ。
隣で相槌を打ちながら、選んでいる最中……。

「年明け位にタイミングを合わせる……かな?
 ほら、色々手続きとか準備いるだろうしね。」

島の中と言えど色々その辺りの手順は多い。
それを考えれば、それくらいが丁度いい。

修世 光奈 > 「そ、そーだよね。色々…うん、ほら、勉強教えてもらったり、も…しやすい、し…」

情けない事に、勉学に関しては下級生であるはずの彼に助けてもらっていたりもする。
だから、その機会が増えるのは嬉しい事なのだが……

(……た、爛れた感じにならないよーにしないと…)

今でさえお泊りの日はなんとなくそういう雰囲気になることも多い。
それが同棲となるとどうなってしまうのか。
しっかり気を付けて、生活をしていなければならないと思いつつも…どうしても思考が若干桃色になってしまう。

「…せ、センスは磨くものだよジェー君。仕方ないなあ…」

そんな震える声で、色々と選んでいこう。
発送は彼の家にお任せして、自分が空いている時間に飾り付けようと。

「………うん。わかった。…じゃ、じゃあそれまでに…荷造り、するね。
そのー……家具も…見る?」

服飾が中々多くなってきたから、纏めておかないと苦労しそうだ。
だから、予定が決まっているのはとてもありがたい。
お気に入りの枕なども必要だし…

丁度良くホームセンターだから…新生活に向けての家具も色々とある。
今のうちに決めて置いて…引っ越しの日に届けてもらうのもアリかもしれないと。

ジェレミア・メアリー >  
「そうだ、ね。うん、きっとお互いに不便はないと思う、よ。
 ……あ、ああ、そうだ。一応飛び級する予定だから、来年は光奈と同じ学年、かな。」

勉学でもそうだ。彼女と一緒に卒業するために、自ら卒業の歩を速めた。
もうすでに将来へと、未来へと進んでいる。
まだまだ学ぶことも多いと自ら思っているけど、公安れただけでもかなり前進したと思っている。

しかし、それはそれとして同棲か。
ある程度"自律"はしておかないといけない。
ふとした拍子にお互い"そう言う事"になることも多くはない。
お互い、欲しいものがあるからある意味しょうがないかもしれないが……。

「……んんっ。」

いけないいけない。
デート中に何を考えてるんだ、自分は。
邪念を払うように軽く咳払い。

「といっても、あんまり飾りつけとかした事なくてさ。
 "ウケ"のいい飾りつけとか、余り考えた事ないんだよね。」

ファッションセンスはともかく、部屋作りは割と適当。
言ってしまえば、趣味だ。
特にクリスマスなんて、浮ついた事は自分でしたことが無い。
彼女が選んだものを注文し、発送を指定する。
店に居ても、ホロモニターでこの手のやり取りは済んでしまう。
技術の進歩は、本当に便利なものだ。

「ごめんね、急に。ありがとう。……んー、あー、そ、そうだ、ね。」

そうだ、家具も新調した方がいいかもしれない。
年明けも近いし、今のうちに段取りを決めた方が確かに良さそうだ。

「光奈は、何か拘りとかある?ベッドとかさ、別々にしておく?
 それともダブルベッドで……あー、クローゼットも二人分用意しないと……。」

修世 光奈 > 「う、うぐ……やっぱり、さら、と飛び級とか言っちゃうんだもんー…このこのー」

前も聞いていたが、彼は飛び級して自分に追いついてくれるらしい。
確かに、彼の要領の良さは自分とは比べ物にならないが、それはそれ。
やはり先輩ぶれなくなるというのは光奈にとっては大きな問題だ。空いた手でぺし、と彼を叩き。

桃色の妄想は一時振り払って、買い物に戻ろう。

「まー、ずっとその、仕事だったもんね。…ん。楽しい事、これからもいっぱい教えてあげるよ」

そんな要領のいい彼だから。
少し体験させれば…彼なりの新しい答えも思いつくかもしれない。
楽しい事を知らなければそれも無いのだから…やっぱり、色々感じてほしいと思う。

楽しい事を楽しむ事に関しては…学年が追い付かれても、光奈の方が先輩なのだから。
彼と一緒にわいわい選んで、後はお店にお任せ。
煩わしい勧誘が入るのが難だが、指先だけで注文できるのはやはり手軽だ。

「じゃあ、次こっちだねー」

クリスマスコーナーから生活のコーナーへ。
家具や日用品が並ぶ一角だ。
ただ、選んでいるその途中…彼の言葉にぴく、と反応する。

「………ジェー君のえっち。いきなりダブルベッドとか……。
ま、まあ。ジェー君がどうしてもって言うなら…一緒でも、いい、けど」

彼の部屋に泊まった時は大抵そうなるのだが…
『そういう』事をしない時に一緒に寝るというのも、中々緊張するものだ。
桃色の妄想がまた始まってしまい、かあ、と顔が熱くなる。

近くに居たセールスロボが

『お熱いですねー。新婚さんですか?』

などと妙に人間臭い事を言うものだから、思わずぺし、と殴りつつ。

「……うん、服は…分けてたい、かも。下着とか、色々あるし。
後はー…調理器具はこっちから持っていけば、いいし…
家電は、色々付いてるかもしれないから今はいいとして。…本当に、ベッドとか、クローゼット…ぐらい?」

今となっては、中々良い家電が最初からついている家と言うのも珍しくない。
だから、選ぶのは…ベッドなどになるのだろう。

ジェレミア・メアリー >  
「い、いや、そう言うのじゃなくて勉強と言うか、元々インドアだったし……嫌味に聞こえたらごめん。」

"キッド"はともかく"ジェレミア"はそう言う少年だ。
本の虫とまではいかずとも、勉学が好きな方だ。
学園という体制を保っているこの島では、一応学生である以上勉学に励むのは本文だ。
風紀委員はそう言う所が免除される単位制度もあるが
それに甘えずに勉学を励んだ結果だ。

「……、……まぁね。」

"仕事"。そう、"キッド"としての。
日常は半分捨てていた。そう言う暮らしをこの島でしてきたから。
今はそうじゃない、自分がいる。
思い返せば、感慨深いものだ。
こうして人生が文字通り変わった以上、そう言うのを教わるのも悪くない。

「光奈の勉強を教える代わりに教わろうかな。……なんてね。」

冗談一つ、入れてやった。
ふ、と口元は楽しそうに笑みを浮かべて、彼女に歩調を合わせて進んでいく。

「えっ、あ、い、いや!そう言うのじゃ……!」

そうか、ダブルベッドってそう言うのにも捉えられるのか。
確かに一緒に寝る分そう言う事にもなるだろう。
邪念は無いが、言われて気づいてしまった。

「光奈!?」

そして、犠牲者のセールスロボ君。
光奈をどうどう、と制止しながらすみませんすみませんとセールスロボに謝ってそそくさと退却。
成る程、意外と彼女は手が出るらしい。気を付けておこう。

「女性ものと男ものはね。クローゼットは……こういうのでいいの、かな?」

なんて目についたのは安価でそこそこスペースがあるタイプ。
特に特徴はないといえばない。何処にでもあるようなベーシックなものだ。

「ベッドは……光奈はどういうのがいいかな?」

修世 光奈 > 「違う違う。嫌味なんて思ってないよ。
…もー、心配性だなあ。それはすごいことなんだから、むしろ…うん、教えてよ。ミア」

今まで、"キッド"として人とかかわってきたから。
やはりこういうやり取りにはまだまだ慣れていないのだろう。
謝る彼に、笑いかけつつ、ぐいぐいと引っ張って。
冗談に答えて、最高の笑みを返してやろう。最後の名前は、囁き声のいたずらなものだ。

手が出てしまったのは、あまりにもタイミングが良く、羞恥が煽られてしまったからだが。
彼に制止されれば、うーーー、とか唸りながら退こう。悪戯をした猫のようだ。

「……でも、そーいう事に使わないって、言えないでしょ。…私もそうだけどさ」

何せ、ハロウィンの時は自分からあんなことを…なんて思い返しつつ。
別に、彼から求められるのは嬉しいのだけれど…妙に生々しくて、彼から言われると緊張する。
ボーリングの時は自分から話を振ったが…あれはあれで、心の準備ができているからだ。

「……ん。良いと思う。丈夫な方がいいし…、その、……将来、別の家で住むときも、使うかもしれないでしょ?」

そこにある程度長く住むのか、あるいは卒業後すぐに引っ越すかはまた決めなければいけないが。
将来を見越して、長持ちするものを選ぼうと。
派手で、目を引くものではなく…しっかりと作られたものを捜して選ぼう。

「ベッドはー…私の趣味だと明るいのになっちゃうよ?こういうのとか」

光奈が指さすのは、ベッド部分と掛布団に四葉のクローバーがあしらわれたものだ。
全体的な色合いとしては白を基調とし、そこにクローバーの緑が可愛らしい。

「……へ、へー。この辺りにあるの、洗った時に汚れが落ちやすいんだ。…ふわふわだし、この辺から選んでもいいかもね?」

ちょっと声が震える。
そのベッドの周囲にあるのは柄は違えど同じように加工されたもので。
汚れてもその汚れが染みこまないように表面でガードする機能が付いているらしい。
ぽふぽふと触っていても、手触りも良く…寝る分には気持ちよさそうだ。
光奈は光奈で、また変な事を考えてしまい、顔を赤くしているが。

ジェレミア・メアリー >  
「…………」

そう言われると、頷くしかないじゃないか。
こういう時に言われるのはズルいけど、彼女に言われるなら仕方ない。
笑みを浮かべた口元のまま、黙って頷いた。
こういう風に返事が出来るのも、一重に彼女のおかげだ。
ありがとう、って何回言ったんだろうな。

「……勿論。ありがとう、光奈。」

これでまた、数が増えた。
そんなこんなだけど、彼女も元気なものだ。
それこそ猫をあやす様によーしよしと頭をなでながら、今度は自分が引っ張って退散する。

「そりゃ、まぁ……ハロウィンの時とか結構うれしかった、し……うん……。」

というか、間違いなく使う。
お互いそう言う関係だし、もう何回もしてるし、間違いなくやる。
彼女からそう言う話題を振られるとは思わなかったから、顔が熱い。
多分、今自分は間違いなく頬が赤いんだろう。
熱を振り払おうとしても、つい最近のハロウィンの記憶が脳裏に過る。
あれは、とても"熱い夜"だった。
……駄目だ、余り深く考えてはいけない。
とにかく、話題を切り替えないと……!

「ま、まぁ、いいんじゃないかな?クローバー。女の子らしい、し……!?
 あ、ああ、う、うん……いいんじゃない、かな。洗濯の手間とか、ね……。」

せっかく話題を変えようとしたのにこれだ。
額を抑えて、軽く首を振ってふぅー、と溜息一つ。
彼女も顔が赤い。寄り添いながら、自分もベッドを軽く触れたりして見る。
成る程、確かに柔らかい。

「…………光奈の肌も、柔らかかったな。」

思わず、無意識に口から漏れた。

修世 光奈 > 彼の頷く様子に満足した様子を見せた後のちょっとした騒ぎ。
猫の様に引っ張られても伸びはしないが、撫でられると感情も収まってくる。

「ばか。………ぅー……」

ベッドを前にして赤くなる若い男女二人。
教師や、学生のサポートとしてこの島に居る人たちが生暖かい視線を向けてくる。
ハロウィンの事を引き合いに出されれば軽く罵倒を返してしまって。

「いや、ジェー君も寝るんだから、さ。その…二人の希望の中心って言うか…えっと…なんだっけ。折衷案?にしたいなーって」

これから長く…色々使っていくかもしれないベッドだ。
可愛いだけじゃなく、彼の意見も聞きたい、と言うも。

「~~~~~~~~!、ばか、ばか!」

彼のつぶやきを聞けば、ぶわ、と髪が逆立ったような恥ずかしさ。
こんな公共の場でそんなことを言われるには羞恥が勝ってしまい。
弱い力ながら、べし、べし、と彼の適当な場所を叩き始めてしまう。

「…む、むー…太らないように、筋肉付けてきてるのに、柔らかいとか……ジェー君が嬉しいなら、いいけどさ…もう…」

ひとしきり叩いた後、なんだか複雑な表情でぶつぶつと繰り返し。
しかし、そうなってはいても近くを離れはしないいちゃつきっぷりだ。

「…いいなら、これにしちゃうよ?…まあ、後からでも柄は変えられそーだけどね。」

まだ赤い顔で、強引に話を進めよう。
どうにも最近、彼といると…そんなことばかり考えてしまって…幸せではあるのだけれど、よくない。
 

ジェレミア・メアリー >  
「い、いや、ごめん……可愛かった、よ?」

どもりながらも咄嗟に褒めた。
結果的に火に油を注いでる気がしないでもないが
そんな事に気づくはずも無い。此方も此方でいっぱいいっぱいだ。

「え、いや、まぁ、ベッドは広ければいいかなって思う位だし
 あんまり寝る場所にはこだわりは……うわぁ!?」

実際男の一人暮らしはそんなくらいのようだ。
特に拘りは無いし、こういうのは多分女の子のが詳しい。
そう言う訳で全部彼女に任せた方が色々問題はないと言う考えだ。
考えだったが、あの呟きが拙かった。
べちべちと叩かれる体。痛くはないけど、彼女の怒りの羞恥心が伝わってくる。
ごめん、ごめん!と必死に謝りながらどう、どう、と彼女の気を落ち着かせる。
よーしよし。

「い、いや、ごめん。まぁ、その、まぁ……嬉しいと言えば……、……うん。」

実際、女の子は多少肉付きが在った方が可愛いと思う派だ。
こういうことを馬鹿正直に答えるから叩かれるというのに、変なところで学習しない。
周りの目とかは気にしては無いけど、いいばかっぷるとみられている事には気付かないだろう。

「こ、光奈がいいならそれでいいよ!えっと、とりあえずそれ位……かな、うん。
 あ、そ、そうだ。ついでに服とかみてこう、か?」

なんて、同じくして話を進めに行った。

修世 光奈 > 羞恥は感じているものの、宥められれば落ち着いてくる。しかし…

「ふしゃーーー……」

そろそろ猫化しそうな光奈だ。
なでなでによって怒りが鎮静化するのもペットっぽさを際立てている。

「…ん。…じゃあ、これで。年明けに予約、と…場所は今度指定…」

色々便利に設定した後、赤い顔のまま注文終了。
後は引っ越しの時に住所を連絡すれば…そこに届けてくれる。
退店間際、セールスロボの視線が突き刺さる気がしたのは気のせいだろうか。


「服?珍しいね、ジェー君が…。いいよ、みにいこー。」

そして移動しけば…服とは彼の服だろうかと。
そう思った光奈は、注文後にメンズのコーナーへと歩いていく。
季節柄厚着が多いが…毛羽だったフードが付いたジャケットや、有名ブランドのジーンズなどが並んでいる場所だ。

「おー、これとか格好良くない?」

以前に服は買ったが…彼のコーディネートは楽しい。
彼自身にあまり興味がないなら、なおさらだ。
早速、黒と白のモノトーンジャケットを手に取って差し出してみよう。

ジェレミア・メアリー >  
とりあえず、一応の目的は達成した。
彼女とくっつきながらゆったりと歩いていく。

「まぁね。光奈の隣にいる時位はオシャレするようにしたいと思ってね。」

かっこいい自分…と言うのはちょっとあれだけど
二人きりのプライベートの格好を考える気にはなった。
相変わらず、このやってきたメンズコーナーの服のすべてが分かる訳じゃないけれど……。

「白黒……か。うーん、悪くはないけど、似合うかな?
 個人的に、こういうのとか着てみたいけど、僕に似合うかな?」

モノトーンタイプのジャケット。
実際悪くない色合いだ。彼女の目に間違いはなさそうだけど
ベッドはともかく、言った以上服には自分の趣味も混ぜてみようと思う。
何気なく目についたのは、灰色のチェスターコートだ。
こういう何処となく裾の長い服、男の子は何となく好きになってしまう。
ついでに、ああいうのが長いと"隠す"ものに困らないという理由もあった。

修世 光奈 > 「おぉ……………」

光奈は少し感動していた。
服に関しては消極的に近かった彼が、自分から意見を言っているのだ。
つい、彼を見上げて固まってしまうが。

「これかー、確かにこう、イメージには合う!
ジェー君背も高いしスタイル良いから何でも結構似合っちゃうのがイイトコだよね」

格好つけすぎ、と言われそうなチェスターコートでも…背が高くがっしりとした彼が着ているのを想像するとぴったりだ。
雑誌とか出れそう、なんて思いながら。

「じゃあさ、こういうのと合わせてー…仕事人っぽく?ほら、普通の帽子より良くない?どう?」

更に見つけたのは、少し縁が曲がった円形の黒い帽子だ。
今被っているキャップと同じく、目深にも被れるもの。
キャップとは違い、なんだか西部劇のテンガロンハットのような風味がある。

ホログラム試着、なるものがあり…検討している服を実際に体に合わせられる機能を使って彼の身体にチェスターコートと帽子を合わせてみて。
特別製の鏡で、彼にも評してもらおうか。

ジェレミア・メアリー >  
「……少しくらいは、光奈に見合う"男"になりたいからね。」

見上げられれば頬を掻いて、照れくさそうに答えた。
こういうのは案外見た目から、というのもあるわけだし
見た目位はおしゃれに気を使いたい。
いつもの皮ジャケットのこれも趣味ではあるが、ちょっとパンクイメージだし
こればかり、というのも少し彼女が困るかもしれないし。

「そ、そうかな。まぁ、体はそれなりに頑張って鍛えたよ。」

文字通り、"死ぬ気"で。
犯罪者を裁くために、それだけの執念で鍛えた。
今でもトレーニングは怠っていない。
ある意味、"キッド"である為のものではあるが、褒められる分には悪い気はしない。
照れくさそうに答えながら、うーん、と服を見ていく。

「仕事人……エージェント?あー、こういうのも。悪くない、かも?」

なんだかちょっとこじゃれたハット風味の帽子だ。
うん、これは確かに悪くはない。

「じゃぁ、これとこれ……かな?とりあえずは。他にはこういうコートとか……。」

シンプルな黒いロングコート。
男の子は黒が好き。

「うん、これ位かな。光奈、次はどうする?そろそろご飯に行こうか?」

修世 光奈 > 「ふふーん、これは私も負けてられないね!」

彼がそう言ってくれるなら。
光奈も、彼に見合う女になりたい、と気合を入れて。
一層、美容やファッションに気を配っていこう。

「お姫様だっことか、期待してるよ?」

彼の鍛えられた体について…そんなからかいの言葉を口にしながら服を選んでいく。

「うんうん。…………」

まあ、カラフルで明るいのをいきなり着ろ、と言われても困るだろうし。
ここは彼が意見を出してくれたのだ。素直に黒だの灰色だのといったものを購入するのを見守ろう。
じっくりと、彼を爽やか青年へと変えていこうとする光奈の計画は始まったばかりだ。

「おー、いいねー。お腹すいてきたところ!フードコート行こうよ!
食べた後に、お互いに秘密のプレゼントを捜しに行こ―!」

ごはんと聞けば、丁度お腹もいい具合に減ってきたところだ。
せっかくこういう施設に来ているから、広めのフードコートであれやこれやと言いながら食べるものを決めたい。

そして、その後は一緒に来ているのに買うものは秘密、という奇妙な買い物の時間だ。
帰り道はさぞ楽しげな声が冬空に響いたことだろう。

ジェレミア・メアリー >  
「まだまだ光奈には及ばないよ。」

彼女の言う"普通"というのが、この世界においてどれだけ貴重なものなのか。
謙遜ではない。だけど、必ず追いついて見せる。
ふ、と小さく笑みを浮かべて軽く首を振った。

「……何時でもしてあげるよ。」

なんて、軽口を一つ。
彼女を抱えるくらい、訳の無い事だ。
彼女の視線が意図するものは気づかない。
果たして、どのようなセンスにされてしまうのか……。

「ん、それじゃぁ行こうか。」

後は彼女と一緒に多くの時間を過ごした。
食事も買い物も、彼女と過ごし時間が一番楽しい。
楽しく、嬉しく、長い長い時間を過ごし
此のプレゼントは、クリスマス当日まで明かされる事は無いだろう。

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」からジェレミア・メアリーさんが去りました。
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」から修世 光奈さんが去りました。