2022/05/10 のログ
ご案内:「裏常世渋谷」にセレネさんが現れました。
■セレネ > 『―あら。今日はただの買い物のつもりだったのに。』
はたと蒼を開ける。道の真ん中、ただ月色だけが浮いた色のモノクロ世界。
久し振りとはいえ、今回は運悪く迷い込んでしまったようだ。
刀も持って来ては居ないし、属性変換の指輪もつけて来ていない。
動きやすい服装でもないから、戦闘はなるべく避けたいところ。
だが魔力は余裕がある。それだけは幸いか。
とはいえ、あまり長居する気もない。
厄介な怪異と遭遇する前にこの世界から出なければ。
瘴気も己には毒だ。スタスタと、慣れたようにヒールを鳴らして歩き始める。
■セレネ > 低位の怪異は近付いて来ない。というより、恐らく近付けない。
己は弱くとも一柱。神性も持ち合わせているから。
中位の怪異も今は様子見しているのか建物の隙間から、窓から、
マンホールの隙間から、月色を覗いているのが分かる。
上位の怪異は、別の所に居るかまだ発生していないか。近場には居ないようだ。
『怪異と瘴気さえなければ散歩するのも悪くはないのだけれどね…。』
零す言葉は使い慣れた言語。
小さく溜息をつき、蒼が辺りを見回す。
…出口は何処だろう。
ご案内:「裏常世渋谷」に神樹椎苗さんが現れました。
■神樹椎苗 >
「――めんどくせえ事になっちまいましたね」
都市伝説の一つ、『裏常世渋谷』。
ネットワーク上に拡散した情報や、風紀や公安に保管されている報告書から、その実在こそ知っていたが。
自分がこうして迷い込む事になるとは、あまり考えていなかった椎苗である。
「迷った時はヘタに歩くべきじゃねーです、ね。
どうしたら出れるかも、不確かな噂が多すぎてわからねーですし」
迷い込んだ時のまま、オープンテラスで甘い紅茶を啜る。
足元には買い物袋。
買い物の途中で迷い込んだのがまるわかりだ。
あちこちに怪異の気配があり、空気が悪いのも頂けないが。
喧騒のない静かな空間は悪くないところだった。
「――ん」
そんな調子で、緊張感もなくくつろいでいると。
道の方を歩く青い月。
こんな場所で知人に出くわすとは、何とも稀有な――
(いえ、もしかしたら『知人』が居たから迷い込んだのかもしれませんが)
可能性は十分にありうる。
とはいえ。
その蒼が留まるように艶のある生地の袖を大きく振る。
「――お前も買い物ですか、ピンボケ女神」
彼女が椎苗に気づけば、まるで普段と変わらない様に声を掛ける事だろう。
■セレネ > 視界の端に、動く何か。一度足を止めて見れば
モノクロのオープンテラスで一人ゆったりと過ごしている少女が居た。
知人である小さな子。知人友人の姿を騙る怪異ではなく、
本物というのは彼女自身が持っている神性ですぐに分かった。
流石の怪異も神性まで真似る事は出来なかろう。
「あら、椎苗ちゃん。
こんな所で会うなんて…何というか、お互い今回は不運ですね。
えぇ、夏に向けて服でも買おうと思ってた所なんですけど…
その最中に迷い込んだみたいで。」
普段と変わらない彼女に、己も何とも思っていないように軽く肩を竦めて言葉を返す。
テラス席へと歩いて行けば、彼女の席の傍まで近付いて行こう。
――今日の彼女の服装は華ロリのようだ。
前回の着ぐるみ姿も可愛かったがやはり彼女にはロリータ服が似合うと思う。
「今日の服装も可愛らしいですねぇ。」