2022/11/24 のログ
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」にクロロさんが現れました。
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」にセレネさんが現れました。
セレネ > 「色々…例えばどういう事を、と聞いても宜しいですか?
折角なら私もお手伝いをしたいですし、一緒に初めてみるのも良いかもしれませんし。」

どうでしょう、と顔色を伺ってみる。
いつも此方が彼に世話になりっぱなしだから、せめて何か力になりたい。
己が出来る事など、たかが知れているのだし。
なんて思っていたら、彼の口元が少しだけ緩んだのを蒼が捉える。
…普段の険しい表情より、そういう表情の方が印象が良いのに…。

しかし無理矢理笑顔を作れとは言わないし、
己の前でしか見せない表情もある。
それが凄く嬉しくて、独り占めしたくて。
やっぱり、そのままで良いかと考えを改めた。

「お金に困ってないと学生のうちから言えるのは少し羨ましくもありますが…。
――ん、そうですね…。」

彼の特殊な体質である炎の身体なら、確かに衣食に金銭は必要ない、か。
己のやっているバイトも、給料は良いが如何せん諸々お金がかかる生活をしているので
時折多少なり切り詰めた生活をしていたりもする。
彼にバレないようにしているつもりだけれど、
案外勘が鋭い所もあるからもしかしたらバレてしまっているかもしれないな。
彼と共にメニュー表を眺める。
珈琲は飲み慣れないから今回はパス。
冷えてきた季節柄温かい飲み物は欲しい所だが、猫舌な己にはカイロ代わりにしかならない。
軽食は…今はまだ小腹も減っていないから良いだろう。
そうなれば後はカロリーお高めのフラペチーノ。
季節限定のものが大々的に推されている。
…なら、これを頼もうか。

「私、これが良いです。」

す、と空いている白い指が指し示したのはイチゴがふんだんに使われた季節限定フラペチーノ。
若干不思議そうに首が傾いでいるお隣の彼に、蒼を向けた。

クロロ >  
「アー?色々ッたら色々だよ。
 なーンかやりてー事が色々あッて色々だった」

もう色々脳みそ少なめな発言だけどその通りではある。
要するに一通りカップルらしいことって意味合いにはなるらしい。
真似事というより学びとして、という意味。
なんでかなんて口に言い表せない。ただ、今のうちに彼女との"思い出"づくりはしたかった。
これはなんとなく。そう、何となく感じていること。
別に確証も根拠もない。ただ、記憶が戻った時に"自分が自分でなくなる"気がする。

そうなる前に、と急かす心がある。
決して明かさぬ胸中にそれがあった。

羨ましいなんていうからちらりと横目で見やった。前髪が揺れる。

「別にオレ様金に頓着ねーし、お前に使うか人に使うか位だよ。ほしいならくれてやろうか?」

おおよそこの世界で暮らす上で必要となる衣食住。
それなりに確保するにはこの学園都市でもそれなりに必要だ。
クロロはそのうち二つも必要としない。シノギのうちに金が貯まるのは必然だ。
ヘッ、と鼻で笑うさまは何処となく得意気。稼ぎの良い男はモテるらしい。しらんけど。

「おう、じゃぁそれな」

とりあえず注文。
クロロは何も頼まず、明るい笑顔の店員が応対。
さながらその手際はマジックめいており、あっという間にカップに色々盛られていく。
ふわふわもこもこ。あまぁ~いいちごと赤い色が可愛らしいフラペチーノが彼女に手渡された。
ふんわり生クリームに掛けられた甘酸っぱいいちごソース。
アクセントにブラウニーが丸々ブレンダーされており、飲めるいちごケーキといえる。

……なんだかこう、凄いものだ。

「それ、飲み物なのか……?」

訝しげにフラペチーノを見やるクロロ。
生クリームとかのせいでどちらかというと食べ物に見えるクロロ視点。

セレネ > 「……そうですか。」

具体例はなく、ただ漠然とした何か。
それを色々で済ませてしまう辺り、やっぱり彼らしい。
クスクスと小さく笑ってしまいながら、相手の言葉に頷く。
愛する人がずっと隣に居てくれるとは限らない。
それは、身を以て知っている。
だが、願わくば。叶うならば。いつまでも隣に居て欲しい、と。
そう願ってやまないのだ。

「いいえ、そのお気持ちだけ受け取っておきます。
…ご友人とお食事したり遊びに行くのは構いませんけれど、
あまり触れ合わないようにお願いしますね?」

例えば、そう。手を繋ぐ事。
人の身体の状態で彼の友人知人と
遊びに行く事はもしかしたらあまりないかもしれないが、
一応釘を刺しておく。
勿論時と場合によるので、絶対やめて欲しいだなんて事は言わない。

「――有難う御座います。」

応対してくれる店員に礼を言えば、渡されたフラペチーノを受け取ろう。
…うん、やはりカロリーは高そうだ。

「一応飲み物ではありますが…。」

疑う彼に苦笑を浮かべる。
スマホを取り出して手に持ったフラペチーノを写メれば、後でインスタに上げようと思いつつ。

「――苦手な貴方に申し訳ないのですが、少し飲んで頂けませんか?」

多分これを全部一人で飲むとなると、己がマズい。
少しばかり不安そうに、彼の金を覗き込んだ。

クロロ >  
とりあえず目的のものは買ったし再び手を繋いだままゆったり歩いて行く。
昼も夜も人だかりが絶えない街だ。
よく見ると、例のフラペチーとかいうのを持ち歩く女子が多い。

「ア?元々触れねーけど?つーか、女は好きなんだな。ソレ
 さっきも写真取ってたけどアレか?美味そうなモンは撮っとくのか?」

そもそも炎の体なので"触れ合う"なんて行為が選択肢に入らない。
勘違いしてはいけないが、この人に成るのは"例外的"だ。
彼女の言うことにはイマイチピンとこないのは当然のこと。
不思議そうに横目で見やった一方で覗き込んでくる蒼。
露骨に顔が嫌悪感に歪んだ。げぇー。

「アァ?まさかオメェ、飲みきれねェとかそう言うのか?」

確かにこうなんか、飲み物としての量が多い。
ただの液体だけならまだしも、生クリームがもられたり
ソースやらブラウニーやら最早一個のスイーツだ。
そういう理由ならまぁわからないでもない。所謂"シェア"って奴だろう。

改めてちらりと見ると…赤い山って言われてもわからなくはない。

「……思ったより"圧"あんな」

おぉ、と目を見開いた。
果たしてお前に俺を飲みきれるかな?と言った風体を感じる。
世の女子はこんなのを相手にしているらしい。おもったよりたくましい。

セレネ > いつ来てもこの区域は人が多い。
視えるものもその分多く、視覚情報の多さに酔ってしまう事もあるが
今回ばかりは同伴者も居るので迷惑をかける訳にも行くまい。

「分かってますー。ですけど、頭の隅には置いておいて下さいな。
美味しそうなものを撮る方も中にはいますが、一番は”映えるもの”…
派手で目立つ物を撮って、SNS等に上げる方は多いですね。」

彼が人の身体になるのは本当に例外なのは、自身も良く知っている。
けれど、それでも、嫌だと思ったことはきちんと伝えておきたいのだ。
嬉しい事も、嫌な事も、きちんとしっかり伝えろと。
父からそう教わって来たから。

「……一つは、貴方と一緒に飲めればと思った所もありましたけど。」

一人で飲むなら、きっともっと無難なものを選んだ。
露骨に嫌がる彼の顔に申し訳なさそうに告げる己。
えぇ、だって折角のデートですもの。
同じものをシェアしたいじゃない。

「人によっては、一人で飲み切れないとか、食べきれないとかで
残して捨ててしまう人も居るみたいですよ。」

頼む人の大半は、流行りだからだとか、承認欲求だとかで後先を考えていない人もいるのだろう。

「出来る限りで構いませんし、難しいなら一人でどうにかしますので。」

これ一つで、晩ご飯は済ませられそうなカロリー。
思った以上に圧があるとの言葉には、同意するように頷きながらそう告げた。

クロロ >  
「"映える"……?」

眉間にシワを寄せ訝しげな顔になった。
飲み食いするものにそういったものがあるのか。
確かに派手って意味でなら良くも悪くも見た目のインパクトはある。

「……成る程、"映える"な。話題の種にしてるってコトか?」

若者(?)の中ではそういう感じらしい。
見た目はクロロだって若いのに無知ゆえの頷きがちょっとおじさん臭い。
これだから最近の若い奴らは。

「そもそも飲みきれねェなた頼むなよ……。
 まさかお前がそのタイプってワケじゃないよな?」

所謂"映え"重視して用が済んだら…ということか。
想像するだけで胸糞が悪い。自然と顔も険しくなると言うものだ。
どれだけ派手派手もりもりとは言え、作り手の気持ちも考えずに捨てる。
それは流石に"スジ"が通らない。全くこれだから最近の若い奴らは。

しかし、しかしだ。
どうしても液体部分は飲みたくない。
この量なら死にはしないだろうが、"後が怖い"。
うげぇ、と顔を歪めながら彼女の顔と交互。
もしかしてコイツ、後先考えずにそのつもりで買ったのか。
飲む気ないって言ったのに強引すぎる。

ハァー、と深い溜め息を吐いて首を撫でた。

「生クリームと……なんだ?スポンジケーキ(※ブラウニーのこと)みてーなのなら」

よく見ると液体以外の容量もあるし、そういう部分なら頂こう。

セレネ > 折角和らいでいた表情が、一気に訝しそうに、険しそうな表情に戻ってしまった。
惜しい気持ちもあれど、そうしてしまったのは己自身なので反省する。

「えぇ、そうですね。流行り物は話題に出しやすいものですから。」

良い話題も、悪い話題も、人から人へ移りやすい。
話題の多さはその分その人の知識量による。
広げ方は、話術の有無でもあるので難しい所であるが。

「本当に一人で飲むのならもっと飲みやすいものを頼んでおりました。
折角貴方から奢って頂けたものですし、仮に私だけでもきちんと飲み干しますよ。」

見目を重視して後先を考えず頼むだなんて、そんな愚かな事はしないししたくない。
険しい顔で、もしや己がそういう性質だと思っていそうな顔で見てくる彼。
蒼を細め、そう思われてしまっている事に少し傷つきながらも首を横に振る。

「…有難う御座います。」

少しでも同じものを共有しようと思った己がいけなかったのだろうか。
渋々、液体以外のものを食べてくれると言った彼に礼を言う。

――これは、失敗してしまったな。

クロロ >  
「そーゆーモンか。こーゆーのも見てくれを気にする現れだったりするンかね」

ある意味見た目のインパクトのおかげと言う気もする。
味…というものがわからないからこそそういう結論にも至る。
考慮はしようにもなんというべきか。
ただ、きっと当たらずとも遠からずとは思っていた。
"映える"なんて言うくらいだ。そういうものなんだろう。

とりあえずスプーン代わりにひょい、と太いストローを取った。

「ちょっと借りるぞ」

くるくるっとブラウニーをと生クリームを救って口に入れた。
ドロリとした感触ともっさりした感触が口の中で転がっている。
味なんて当然わからない。もぐもぐと口を動かすのは作業めいたところもあった。
某駄菓子めいてひょいひょい、と山の部分を掬い上げてもこもこ口を動かした。
どろりごろり。何時もなら燃えるだけだし、こんな食感のものを食ってるらしい。

「味とかわかりゃァかわンのかね」

有り体に言えば、スポンジと泥を噛み砕いてるだけだ。
不快感ではないがこれが"楽しさ"になり得るかと言えばノーだ。
唾液のついていない太いストローを戻せば纏めて飲み込んだ。
細かく噛み砕いたそれが体を通っていくのがわかる。
感慨も何もない。軽く首を撫でながらふぅ、と一息。

「食いながらいーし、ちょッといきてー所あンだわ。付き合えよ」

セレネ > 「外見と言うより…その人が如何に周りを見ているか、になるかと。
こういうのを気にする人ほど、周りを気にして自分の身の振り方を考える人も多いのですよ。」

気にしすぎると、もっと注目して欲しいが為に思い切った行動、
犯罪に抵触するような事をしてでも有名になりたいという人もいるみたいだが。
彼が入っている生クリームとブラウニーを事もなげなく口に放り込んで飲み込んでいく。

「…そうですね。味が分かるのなら、きっともっと楽しくなったかもしれません。」

己の不安要素を取り除いてくれた、それだけで充分なのに。
あまりに無味すぎて、寂しさも感じてしまった。
そうか、味が分からないということは、それは意味のない作業なのか。
…ほんの少し、蒼を寂し気に伏せては。
液体のみになったフラペチーノを受け取って少し吸い上げる。

「――どこでしょう?」

ストローから口を離して、いつも通りに問いかけてみせた。

クロロ >  
「そこまでして目立ちてェのか、よくわかンねェな」

下らないの一言だ。
まぁ、そんなことはどうでもいいのだが
此方の食事を終えればなんだか気に病んだご様子。
何がそんなに気に入らないのかわからない。
食べてくれと言われたから食べたのに、食い方が悪かったのか。
いや、違うな。これは……。
アー、と申し訳無さそうに頬を掻いた。

「悪ィ、生クリームとか食いすぎたわ」

思えば多分これは全部合わせてちゃんとしたものではないだろうか。
そう考えると明らかに食いすぎた。とりあえず平謝り。
そもそも作業めいたことが悪いと思っていないし、至る所はそうなるのだ。

「とりあえずコッチだ。見りゃわかる」

そう言ってエスコートした先は渋谷の路地裏を抜け
所謂黒街付近に立っている一軒の店。
古ぼけた木製ドアを押し開けるとフードを被った老人がカウンター奥で船漕ぎ。
埃っぽい店からは紙とインクの匂いが充満しており
どうやら本屋というらしいが、どうにも"良い"感じはしない。
特に自分が善性によっているのであれば、なおのこと感じる。

"ここに詰められた本は、どれもろくな知識が綴られていない"、と。

「…………」

そんな本を目を細め品定めしていたが、不意にヘッ、と気の抜けた用に肩の力を抜いた。

「ま、ねェか。出ようぜ。突き合わせて悪かッたな」

そうして店を出ようとする。

セレネ > 「そうですね、そのお気持ちには大いに同意しますが。」

人によっては、そうしてまで目立ちたいと思う者も居るようだ。
…そして、個体を食べ終えた後申し訳なさそうに告げる彼に首を横に振る。

「いいえ、お気になさらず。
むしろ私が摂取するカロリーが減ったと思えば良い事ですし。」

味覚が無くとも香りは感じるなら、鼻に抜ける香りくらいは感じるかもと思っていたが。
どうやらそうではないらしい。
彼に職の楽しさを教えるのは、ほぼ不可能ということか。

「……?」

繋いだ手を引かれながら、連れられた先は一つの店。
表通りとは違い治安が悪そうな雰囲気を感じつつも、共に中に入ると
何やら宜しくない感覚が身を襲った。

「――待って下さい。貴方は何を求めて此処に…?」

せめて理由が知りたいと、彼へ首を傾げて問いかけた。