2020/08/04 のログ
■神代理央 >
「え…ナイトプールって破廉恥なのか…。そうか…」
良かった。彼女を誘わなくて良かった。
また一つ賢くなった気がする。不要な知識とか言わない。
「…常世渋谷は中々に恐ろしい所だな。いや、最初声を掛けられた時は、結構真面目に服装の偏差値の低さを責められるのかと思ったぞ」
此方は至って大真面目。
こういう時こそ、制服のありがたみが分かる。
常世渋谷を制服でうろつくのは中々に勇気がいりそうだが。
「シンプルイズベスト、という事か。参考になる」
「デートなら尚更……なるほど。気を付けよう」
彼女が話しかけなければ、この常世渋谷は完全にデートコースから外れていただろう。
しかし、新たな装備を得た今ならば、彼女を此処に誘う事も出来る筈だ。多分。おそらく。きっと。もしかしたら。
「パリピではないのか。では…うーん……お洒落な女の子?」
ネーミングセンスなど無い。
普通に普通の感想しか出てこなかった。キャピキャピガールとか言わなかっただけ褒めて欲しい。
「…そうか。確かに威圧感を出すのは厳禁だな。相手の事をファッションからも思いやらねば…」
「いやはや、常世渋谷の女子の意見は本当に参考になる。皆、君の様に親切であれば良いのだが」
と、小さく笑い返して。
「…フフ、そうだな。次会う時は、高坂に及第点を貰える様な男子を目指すとしよう」
「ああ。高坂のおかげで少し自信がついた。今度会う時は、是非何か礼をさせてくれ」
と、立ち去る彼女を手を振って見送った。
親切な女の子も居たものだ。ああいう子を守るために、仕事を頑張らないとな、と決意を固めつつ。
外に出ていく彼女を見送るタイミングで、シュババと現れる店員。
予想よりちょっと増えた手荷物。
「……分署に行くのは、また今度で良いか」
流石にショッピング帰りです、みたいなノリで訪れるのは良くないだろう。
何より、白Tで訪れたら分署の奴等絶対笑う。それはなんかおこ。
というわけで。
ファッションのひよことなった少年は、鼻歌交じりに帰路につくことになる。
此れが休日というものか――と、休日ではなく謹慎中の少年は、実に満足していたのだとか。
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」から高坂 綾さんが去りました。
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」から神代理央さんが去りました。