2020/10/26 のログ
ご案内:「常世渋谷 ハロウィンストリート 裏路地」に焔誼迦具楽さんが現れました。
焔誼迦具楽 >  
 常渋のハロウィンイベントは、小さくない盛り上がりを見せている。
 しかし、そのストリートの突きあたる先は、落第街のほど近く。
 ストリートから外れた裏路地には、落第街からにじみ出て来た、闇も潜んでいた。

「――イベント乗っかって、素人相手に商売すんじゃないわよ」

 ハロウィンの仮装をした少女と少年。
 イベントだからとデートに出てきたのだろうが、この街で遊ぶには少しばかり警戒心が足りなかったのだろう。
 声を掛けられ、路地に呼び込まれたところで、怪しい薬を売りつけられそうになっていた。

 それを偶然通りすがって、売人を踏みつけ、黙らせて。
 カップルを片手で追い払った。
 慌ててストリートに逃げていくのを眺めてから、売人から足をどけた。

「やり方がこずるいのよ。
 自分から踏み込んでくるバカはともかく、何も知らない素人を引き込むのはやめるのね」

 売人は迦具楽に愛想笑いしながら、へこへこと頭を下げて、逃げ去っていく。
 ここ常渋の路地にはどうも、イベントにかこつけて裏側に引き込もうとする連中が多いようだ。
 

焔誼迦具楽 >  
 路地から表に顔を出せば、ヒトの流れがストリートの終わりまで続いている。
 そして、そのうちの何割かは――そのまま行き過ぎて落第街にまで入り込みかねない。

「たしかに、商売には都合が良いんだろうけどさ」

 何も知らない相手に、高額な違反薬品を売ったり、違反部活の店舗へ誘導したりと。
 仕事熱心な連中が多すぎるもので、一部はやり過ぎてるやつもいた。
 そんな連中を、地道にケツを蹴って追い払って回っているのだ。

「あまり妙な連中が居るところには、連れてきたくないもんなあ」

 今週末、迦具楽は友人とこのイベントに参加するつもりなのだ。
 だからこそ、目障りな小悪党どもは、予め追い払っておきたい。
 とはいえ、熱心に見回ってるわけでもないが。

「風紀の見回りも全然足りてなさそうだし、ほんと、肝心な時にアテにならないんだからさあ」

 と、治安維持組織の頼りなさをぼやきつつ。
 路地とストリートを行き来しながら、落第街からはみ出してきた連中が居ないかと見て回る。
 ストリートから外れて路地に入り込む、一般学生たちを、適度に追い返しながら。