2020/10/30 のログ
ご案内:「裏常世渋谷」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
今夜は確か、ハロウィン直前の常世渋谷の警備、という話だった筈。
分署で簡単なミーティングを行った後、それぞれが担当するエリアに送られる――筈だった。
では、己が今いる場所は果たして。
分署を出てすぐ、妙に人気のない横断歩道を渡り始めたところまでは覚えているのだが。
「………ああ、成程。此れが"街に呑まれる"という事か」
朧車戦の時は、道具を使って此方からアクセスしていたが故に、こうして自然と此の場所に呑まれる経験は初めてであった。
興味津々、といった様子で、己が立つ異世界を眺める。
一見しただけでは、元の世界と何ら変わりは無い。
唯、その空は鮮血を零したかの様に朱く、あらゆる建造物は錆の様な染みが浮かび上がっているだろうが。
■神代理央 >
「……まあ、暫く歩いていれば脱出も叶うだろうが…」
宛ら観光地に訪れた観光客の如く。
朧車の時にはゆっくり見る暇も無かったので、物見遊山気分も甚だしいだろうか。
「しかし、相変わらず見栄えが悪いというか、視界に優しくない配色の街中だな。こんな場所に長居すれば、精神が汚染されるというのも納得――」
懐から煙草を取り出し、一服しながらおどろおどろしい街中を眺めていれば――路地裏から。大通りから。ビルの中から。
這い出る様に現れる、影の群れ。
「……先住民の皆様、という事かな。やれやれ、碌に観光もさせて貰えぬとは」
小さく溜息を吐き出して、指を軽く鳴らす。
大地を突き破る様な勢いで現れたのは、無数の砲身を背負った力の象徴、多脚の異形。
数体の異形を従え、此方に迫る『影』と対峙する。
■神代理央 >
かくして、影と鉄が交差する戦いが始まった。
辛うじてヒト型である事が分かる影に放たれる砲弾。
ドォン、ドォン、と大気を震わせる砲声が異世界に響き渡り、異界の大地は砲弾に耕されていく。
木の葉の様に影は吹き飛び、霧散していくが――影の進行が止まる事は無い。
「……物理攻撃が効かぬ、という訳では無さそうだが…。
再生能力、とも違うな。再構成…或いは、別個体…?」
砲撃で幾ら吹き飛ばしても、じりじりと此方に迫る影の群れ。
新たな異形を召喚し、手数を増やしながらふむ、と考え込む様に思案顔。