2020/11/05 のログ
ご案内:「裏常世渋谷」に火光雷鳥さんが現れました。
■火光雷鳥 > 常世渋谷――本土の渋谷を模した、この島のファッション等の流行の最先端?発信源らしい街。
自分みたいな地味ーな凡人が足を運ぶのも気が引けたが(ついでにぼっちだしな!)、物は試しと訪れてみた。
最初こそ、街並みに本土でも田舎の地方都市出身の己は圧倒されて完全にお上りさんになっていたものだが…。
「……うん、おかしいな?確か俺はスクランブル交差点を渡っていた筈なのに、何で誰もいねーの?」
ふと気が付けば、スクランブル交差点を歩いていた筈なのに、何やら灰色のどんよりとした空と景色で覆われた場所に立っていた。
街並みこそ、まぁさっきまでの常世渋谷と変わらない…筈なんだけど、天候も空気も雰囲気も違う。ついでに人っ子一人居やしない。
「…え、マジでどういう事なのこれ…?夢でも見てんのか?俺。」
と、試しに自分の頬を抓ってみるが…痛ってぇ!?どうやら夢とか幻覚とかでは無いようだ…良かった。いや全然良くないが。
■火光雷鳥 > 残念ながら、この男に『裏常世渋谷』に関しての予備知識などは全く無い。
そんな訳で、この異常事態に戦々恐々、というか戸惑うしかない訳だが。
何か空気も重いというか、気のせいかちょっと息苦しい気がする…排ガス?いや、そもそも車の一台も走ってないが。
(えーと、夢とか幻覚の類じゃねーのは分かった。…で、これはどういう事なんだ?)
さっっっぱり分からん!!え、俺何かした!?改めて見渡すと何か不気味なんだけど!
街並みは殆どそのまんまなのが余計に怖い!某静かな丘にでも迷い込んだみたいだ。
「と、取り敢えず突っ立っててもしょうがねーし…少し歩いてみるか?」
スクランブル交差点のど真ん中に一人立っているのも何かアレなので、一先ず歩き出してみる訳で。
ご案内:「裏常世渋谷」にセレネさんが現れました。
■セレネ > 今日も今日とて怪異の情報集め兼ちょっとした討伐に繰り出す。
興味本位と趣味程度のものだけれど最近楽しみを見出してしまっている節がある。
耳を澄ませてもそれらしき物音や悲鳴、気配は感じない。
…いや、近くに人の気配はする。
己と同じように興味本位で来た者か、どこぞの組織に所属している者か、もしくは紛れ込んでしまった者なのか。
分からないがとりあえずは気になるので其方へと足を進めよう。
灰色の建物の路地を抜け、蒼を左右に走らせる。
すると視界に入ったのは無難な恰好をした赤髪の人物の背。
該当する人物は己の中では一人しかおらず、蒼を瞬かせた。
何故こんな所に…?
カツカツ、とヒール音を鳴らしながら彼の傍へと歩いて行けば、その足音も聞こえるだろう。
■火光雷鳥 > 歩けど歩けど人の気配…いや、生命の気配?と、いうかそんなものが微塵も感じられない。
自分みたいなただの凡人でもそう感じられるのだから、多分本当に誰も居ない?のだろう。
…本当に自分は何処に迷い込んだんだ?さっぱり皆目見当も付かない。
途方に暮れて足を止める。息苦しい空気の妙な重さは続いている…流石に何かヤバい場所なのは理解出来た。
(いや、理解出来たとしても何の解決にもなんねーんだけどさ。……って?)
溜息を零しつつも、聞こえてきた靴…いや、ヒールの音?に赤い瞳をそちらへと向ければ。
「………へ?…セレネ…さん?」
同級生で友人の少女の姿が。知己の姿に一瞬きょとん、と目を瞬かせたが…直ぐにとてつもない安心感が押し寄せる。
「よ、良かったぁ!俺だけしか居ないのかと思ってたーー!!」
正直ちょっと泣きそう。流石にそれは情けなさすぎるので我慢しつつ彼女の元へとこちらも駆け寄ろうかと。
■セレネ > 足音に気付いた相手が己に振り返った。
やはり先日友人になった彼で間違いないようだった。
お互いに驚くのも無理はあるまいとは思うも、
きょとんとした赤を向ける顔に片手をひらりと小さく振って挨拶してみせ。
「こんにちは。…あぁいや、こんばんは?
此処に居ると時間の感覚もなくなるのが困ったものですね。」
相手が安堵して駆け寄ってくるなら己は足を止めて待ち、微笑みを浮かべよう。
独りは心細いよね。分かる分かる。
「…その反応という事は、貴方は此処に”迷い込んで”来たようですね?」
此処の存在を知っているか、若しくは侵入する手口を知っていたり持っていたりしたならばそのような反応はしない筈。
確認するように緩く首を傾げて問いかけた。そうならば猶更共に行動した方が良いと考えたから。
■火光雷鳥 > 何で彼女がこんな所に?とか、ここは常世渋谷じゃねーの!?とか。彼女に聞きたい事は幾つかある。
あるのだけど、まずはこの安心感に浸りたい…情けない話だが一人は心細い。こういう訳分からん場所では特に。
「時間間隔?…あーー確かさっきまでは夜の7時くらい…あ。」
と、彼女と挨拶を交わしつつもふと気付いてポケットからスマホを取り出す。
……何で圏外?時間は正確に刻まれているようだが、灰色の光景といえど明らかに夜ではない。
「つーか、ちょい待ちセレナさん。迷い込んできた、ってどーいう事?」
矢張り、彼女は『この場所』について何か知っているような口ぶりだ。
全く知識が無い男としては矢張り気になるもの。スマホをポケットへと戻しつつ。
彼女の推測どおり、この男は偶然迷い込んだ…『神隠し』の類に該当するのだろう。
何より、彼自身がここがどういう場所かをいまいち把握していない態度がその確たる証明となるだろうか。
■セレネ > 色々聞かれるのなら、それに一つ一つ丁寧に答えるつもりではあるけれど。
本当に安心しているという事は、彼の表情で十二分に察せた。これが演技の類ではないのなら、だが。
「19時?夕方や深夜でもなく?
…朝方にしては、流石に学生が活動するには早過ぎるか…。」
相手の言葉に思考を回す。
境界が曖昧になる時刻ではない時に来てしまったという事は、所謂”呑まれた”形で来てしまったのか。
「――此処、見ての通り普通の常世渋谷とは違うでしょう?
裏常世渋谷って場所なのですって。
意図的に入る方法もあれば、貴方のように何かの偶然で此処に迷い込む人も居て。
出る方法を知らないと永遠に此処から出られない…なんて事もあるんだとか。」
己も聞いただけの話なのだけど。事実何度か出入りしているから少なくとも多少の知識はある。
相手は下手をすれば迷い込んだまま出られず…なんて事もあり得た訳で。
「幸いでしたね、人と会えて。」
己は”人”ではないけれど。
■火光雷鳥 > むしろ、色々聞きたい事が多過ぎて何から尋ねたらいいのか分からん!!と、いうのが男の本音。
それでも、友人と会えたという安堵感は精神的な余裕にもなる。
「ああ、俺はちょっと常世渋谷に興味があったから、バイト帰りに立ち寄って散策してたんだけどさ?
何か、丁度交差点を渡ってた時に気付いたらこうなってた、っつーか。」
言いながら一度周囲を見渡す。灰色の空、灰色の街並み。生命の息吹が感じられないまるで廃墟だ。
「…うらとこよしぶや?…え、裏?迷い込むって…何だそりゃ怪談みたいだな。」
本当にゲームか漫画じみてきたぞ?だが、考えたらここは割りと何でもありそうな常世島だ。
…頭ごなしに笑ったり否定したりは出来ないのはこの島に来てまだ2ヶ月くらいの自分でも分かる。
「いや、むしろ下手したら永遠に出れないって事!?…って、セレネさんは?
俺みたいに、その…迷い込んできた?ようには見えねーけど…。」
ちらり、と彼女が携えている刀を見る。…本物?いや、まぁ本物だろうな多分。
問題は、何でそんな物騒な物を彼女が携行しているのか、という事だが。
「いや、ほんっとーにそれは安心したけどさ。じゃあ俺は運悪くこんな裏?世界に来ちまったって事かぁ。」
運が悪いのか間が悪いのか、日頃の行いが悪いのか…いや、最後は違うと思いたいが。
困ったように頭を掻きながらも、少し落ち着いたので幾分かは冷静になれた。
「むしろ、セレネさんは何でこんな場所に?その物騒なモンも関係あり?」
と、そこで刀を指差して。怪異、というのもこの男にとっては殆ど未知の存在だ。
■セレネ > 己が何かしらの安定剤となれたのなら良かった。
見知らぬ場所に何も分からず放り出されて、独りぼっちで心細くなる気持ちは
己がこの島に迷い込んでしまった時の気持ちと大差ないのだろうし。
「本当に呑まれてるのですね。…不運ですこと…。」
彼は色々と苦労人気質だろうなぁとは思っていたが。
こればかりは同情せざるを得ないというか。
思わず苦笑を浮かべる。
「常世渋谷自体が怪談…というか、霊障やら怪異やらの話が絶えない場所らしいのです。
だからこういった裏世界に迷い込むのも不思議ではないのかと。」
日の出や日の入り、丑三つ時の深夜に交差点や三叉路等の道が交わる場所に行くと此処に入れますよ、なんて付け足しながら。
「あぁ、私は此処に何度か出入りしてるので…目的があって来ているのです。」
彼の赤の瞳が刀を見るなら、鯉口を切り刀身を少しばかり覗かせてみせ。
光源はなくとも妖しい光を放つそれ。普通の刀では無い事は分かるかもしれない。
「…個人的な情報収集と運動ですよ。趣味の類ですがね。」
刀身を覗かせた刀を収め、軽く肩を竦めてみせた。
■火光雷鳥 > 彼女も多少気付いているかもしれないが、この男は自称だが凡人気質である。
実際、この島に来たばかり、というのもあるがこういう特異な状況に慣れていない。
心細くなるのは当然だ…そもそも、異能が目覚めるまで割と平凡な人生だったのだし。
「不運どころじゃねー気がするんだが…俺、こんな異常事態人生初なんだけど。」
異なる別の世界?に迷い込んだ経験なんて、凡庸な人生だった自分に今まであった筈も無く。
苦笑を浮かべている友人に、こちらも困ったように苦笑を返すしかない。
「俺、そんな噂聞いた事ねぇんだけど…あ、いや多分スルーしてたのかも。
こういう特異な島だと、噂話なんてごろごろあるだろうから、どれが真実かなんて分からんしさ。」
あと、何か入り方まで聞いてしまったけど、自分から入る気は無いよ!?と、俺は言いたい。
「…何度か…むしろ出入りする方法やっぱりあるのね。…と、いうか目的、ねぇ?」
そんな刀まで持ち込んで、となるとやっぱりここはやばい場所なのは間違い無さそうだ。
彼女が刀の鯉口を切ってみせれば、明かりも無いのに不気味に光を煌かせる刀身が垣間見えた。
(…あ、ド素人でも分かるわ。ぜってぇ普通の刀じゃねーな、あれ)
思わずそんな感想を心の中で呟きつつ。彼女が刀身を納めて肩を竦める様子にふぅん、と頷いて。
「まぁ、セレネさんの目的とかあれこれ根掘り葉掘り聞く事はしねーけどさ。
…えーと、セレネさんの用事終わったらでいいんで、帰り方教えてくんないかな?」
むしろ教えてくれないと帰れない!!少なくともこんな場所に取り残されたくは無いのだ。
「あと、ここなんか息苦しいというか空気も重いんだけど、これも裏常世渋谷?が特殊なせいか?」
先ほどから感じている妙な空気の重さ、というか。気のせいか若干だが倦怠感も感じる。
紛れもない人間の身なので、矢張り多少なりともこの場の影響を受けているようで。
■セレネ > 彼のその今までの平凡な人生が、己にとっては少し羨ましくも思える。
血の繋がった家族が居る、義務教育を受けている。
本土では極一般的だろうし、己の居た世界の一つでも一般的な事だけれど。
その普通が、受けられなかったのだから。
「五体満足…いえ、命があるだけマシですよー。」
己は自分で世界を渡っていたので驚きも何もなかったけれど。
普通はそういう反応なのかと思いつつ。
「どれが本当なのか調べるのも一興だと思うのは私くらいでしょうかねぇ…?」
気になったらとことんまで調べる質なので。
この刀は友人から譲り受けたものだけれど、案外使い勝手が良くて重宝している。
所謂妖刀と呼ばれる代物だ。相手の考えは正解である。
「帰り方は交差点や交叉路、または街の範囲から出れば戻れる筈です。」
己の目的がすんなり終わるとも限らないので今此処で伝えておく。
…まぁまた来れば良いだけの話だし一緒に戻っても構わないけれど。
「あぁー此処、長時間居ると心身共に影響が出るみたいなので、出るなら早い方が良いですよ。」
何か違和感あります?と、相手の身体を心配する言葉をかけて。
■火光雷鳥 > 凡人、というのはこの常世島では驚きと翻弄されるばかりだ…この2ヶ月だけでも幾つか体験した。
それでも、この凡人としてのつまらない平凡な感覚は無くしたくは無い。
いや、無くしては行けないと思っている。特殊な背景も家族構成も過去も無い。
確かに、異能が目覚めたりそれで1年も入院したりと、少しばかり特異ではあったが…。
逆に言えば『それだけ』だ。だから、男は普通の生き方というものしか知らない。
「怖い事言わないでくんない!?確かにやばそうな場所だけど命の危険もあるの!?」
世界を渡った経験?勿論無い。彼女に比べたら当たり前の、そこらに居る一般学生なのだから。
「…セレネさん、本当に好奇心と知識欲が旺盛っつーか…学者肌ってやつなのかね?」
何となく納得できるのが不思議だ。多分何度か彼女と話していたお陰だろう。
刀に付いては、もうただの刀じゃないのが分かればそれ以上は聞かない。むしろ聞けない。怖いから。
「…マジで?あれ、じゃあ俺が迷い込んだ交差点に行けば帰れるんかな…出入り口っぽいのはなかったけど。」
ただ、いきなり迷い込んだ感じだったから帰りもそんな感じになるのだろうか、と考え込みつつ。
体の不調を聞かれれば、うーん、と軽く手足を動かしてみたりしながら。
「今のところは、ちょいと息苦しいのと倦怠感が少しあるくれーかな。
…いや、むしろサラリと言われた気がするけど心身に影響ってやばいんじゃ。」
ええぇ…と、丸分かりな表情で。本当にやばい場所みたいだ。落第街とか転移荒野という場所に匹敵するのでは。
ちなみに、男はどちらにも当然出向いた事は無い。凡人気質だからまぁそうなる。
まぁ、今の所はあまり異常は無いし帰り方も聞けたから大丈夫――と、思った所で顔を顰めた。
「痛っつ……。」
軽く片手でこめかみを押さえる。また『頭痛』だ。この島に来てから時々起こるようになった。
■セレネ > 己としても、彼のような一般や平凡の感性を持った人物は大分レアな部類に入るから
そのままで居て欲しいと思う。
その感性は恐らく貴重だろう。そして誰かのブレーキ役にもなれるだろう。
受ける衝撃はその分大きそうだけれど…。
「事実しか言っておりません。
場合によっては、ですけどね。」
少なくとも今は周囲に怪異は存在しない。
近場で発生すればまた話は別だけれど。
「あー…それは父や師からも似たような事を言われましたね。
どうにも私は気になった事は放っておけない質でして。」
相手の言葉に一つ頷く。気になる事が一つでもあれば眠れない程のものだ。
刀について触れられないのなら己も必要以上に口に出す事はせず。
「そうですね。迷い込んだ場所と同じような場所に行けば帰れるかと。」
分かりやすい出入口はない所がゲームや創作の世界とは異なる点だろうか。
「長時間此処に居ると危ないですよ。だから帰るなら早く帰るべきです。」
何とも分かりやすい顔をする。注意喚起と共、近場に出入口はあったかなと記憶を探りながら。
落第街はまだだが転移荒野は来た当初も含め少し出入りしている…というのは余談。
「――大丈夫ですか?」
彼がこめかみを押さえた。頭痛だろうかと蒼を向ける。
口調こそ心配そうだが表情は冷静なもので。