2021/03/21 のログ
ご案内:「常世渋谷 黒街(ブラック・ストリート)」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
春休みには、休暇を利用して島を出る生徒も少なくない。
とはいえ、進級とゴールデンウイークを控えたこの時期には、島に残る生徒もそれなりに、といったところ。
となれば、こういった場所を利用する生徒も当然増えて来る。
歓楽街や常夜街で済んでいればまだマシだが、此処や落第街まで足を伸ばされては面倒。
今夜も、分署でのミーティングの後、ふらりと視察に訪れたのだが――

「……なんというか、此処の連中は勇ましいというか、元気があると言うか…」

落第街の住民や違反部活の者達は『喧嘩を売ったら面倒な相手』というものを心得ている者が多い。
しかし此の街は何と言うか…敵意が見え見えなのだ。
所謂、カラーギャングや半グレ、という部類なのだろうか。
肉体的な強さに、異能や魔術を併せ持ったが故の万能感だけで動く連中が多いのだろう。

(此処でグレているくらいで終わってくれれば可愛いものなんだがな)

そんな場所を風紀委員の制服で闊歩していれば、睨み付ける様な視線が浴びせかけられるが…落第街に比べれば、そよ風の様なもの。
小さく溜息を吐き出しながら、それなりに活気のある此の場所を散策中。

神代理央 >  
まあ、今は異形を引き連れている訳でも無い。
此処のギャングから見れば、華奢な風紀委員が一人呑気に歩いている様にしか見えないのだろう。
それはその通りでもあるので、彼等の視線に思う所がある訳では無いのだが。

(…この地域で異形を出したくは無いんだがなあ…)

落第街とは異なり、此処はまごう事無く学園の管理下にある場所。
そんな場所で戦争ごっこ宜しく砲弾の雨霰を降らせる訳にもいかない。
喧嘩を売られれば買うしかないが、出来れば肉体強化の魔術だけで収まる様にしたいな、というのが
役人魂と言えなくも無いのだろう。宮仕えは辛いのである。

神代理央 >  
幸いな事に、異能や魔術を行使する様な事にはならなかった。
此処のギャングも、風紀委員に喧嘩を売る程馬鹿では無かったのか。
それとも、案外見掛け倒しな連中が多いのか。
まあ、本当に実力を持った者ならとっくに違反部活で名を成しているだろうけど。

「己の実力を把握している、というだけでも賢しいのかもしれんな」

なんて、小さく肩を竦めつつ。
今夜の巡回を終えて、少年は立ち去るのだろう。

ご案内:「常世渋谷 黒街(ブラック・ストリート)」から神代理央さんが去りました。