2021/05/20 のログ
ご案内:「常世渋谷 底下通り」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
常世渋谷を訪れた事は数度あるが、此の場所を訪れた事は無かった。
まあ何と言うか、グレー寄りの黒。或いは黒よりのグレーな露店の並ぶ区域。
とはいえ、過度な害がある訳ではない。
流石に、押し売り紛いの連中には灸を据えてやらねばならないだろうが。
しかしそれよりも、己の目を引いてやまないのは――

「……此処には珍しいスイーツが並んでいる、と聞いていたが…なるほど、なるほど……」

度々同僚から聞いていた、此処のスイーツは美味いという噂。
風紀委員の制服姿なので周りからはけったいな目で見られつつも、既に何軒か屋台を梯子していた。
クレープを3つほど胃の中に収め、満足そうに鼻歌を歌いながら通りの奥へと進んでいく風紀委員。

神代理央 >  
元々小食の気はあるのだが、甘いものは別腹。
次はパフェかな、それとも異邦人のスイーツでも食べてみようかな、と。
冷徹な風紀委員は珍しく機嫌が良かった。

「…ふむ。余り強引に物を売りつけるのは感心しないな。
商品に自信があるのなら、適正価格で勝負するか。
その値段に本当に自信があるのなら、強引にではなく正々堂々と、迷惑にならぬ範囲でセールスすると良い」

どれくらい機嫌が良いのかと言えば、偶々見掛けた良く分からないアクセサリーを押し売りする売人に、優しく忠告するくらいには機嫌が良い。
唖然とした様な表情の売人から無理矢理捕まっていた生徒を引き剥がし「次はもっと毅然に対応したまえよ」なんて言いながら放してやる。

やはり糖分と甘味はよいものだ、と珍しく流血沙汰にならない解決を果たした事にも御満悦。

神代理央 >  
己の顔を知るゴロツキ共は、怪訝そうな顔をしながら珍しく大人しい風紀委員の姿を眺めている。
とはいえ、此方だって大事にしなかったのは一応理由がある。
一般生徒もそれなりにうろついている此の街で、砲弾の雨霰を降らせるのは――流石に、憚られた。

「拳銃くらいなら兎も角な…。こういう時は、素直に近接系の武器や能力の持ち主が羨ましい限りだが」

大雑把な掃討には向いていても周囲の被害を考えなければならない細やかな戦いは苦手な部類だ。
まあ、向き不向きはあるが…と自分を慰めるしかない。

神代理央 >  
やがて、珍しくご機嫌な様子で甘味を満喫した少年は、次の任務の為に街を立ち去っていった。

ご案内:「常世渋谷 底下通り」から神代理央さんが去りました。