2022/06/27 のログ
メロウ > 多少のセンスの振れ幅は持ち前の容姿でゴリ押す
そんな態度も、『マスターに趣味に合わせる』と言う設計の一環足りえるのだろうか?

そんな打算的な部分までは、考えてなさそうなのが彼女の表情

「その様子だと、確かにご期待には応えれれてそうだね
 今回のテーマは『お揃い』という事で。じゃあ、次のテーマは...」

モノクロで、シンプルで。そして同時に、渡された物
曰く、見つけてしまった物と言うが。目線は自然と探していたか
自分もカチューシャを見つけた時、ちょっと目線が揺らめいていたもの

「...ふへへ、やっちゃったねぇ」

受け取りながら、神妙に頷きます
しばらくお待ちくださいとの声をかけて、カーテンを閉ざしたそうな

黛 薫 >  
試着室に消えていくメロウを平静に見送ったフリ。
視線が切れたのは確認したから、先ず顔を覆った
姿は見られていないはず。互いに知らない鏡映し。

『魔が差した』という言葉が非常にしっくり来る。

見つけてしまったからしょうがない、というのは
紛れもない本音だが、こうも綺麗なタイミングで
見つけてしまうと、無意識下で探していたのでは
という懸念が首をもたげるのも栓なきこと。

やってしまった、という自責の念にも似た感情が
胸中を渦巻いているお陰か、カーテン越しの音が
いやに大きく聞こえてしまって。疾しい気持ちを
追い出すのに必死になっている。

メロウ > 幸いにしてか、今度はただ脱いで着てと
シンプルにまとまった2着故に許された着替えの速さ
貴女が煩悶と格闘し続ける時間も短く済んだ事だろう

ただ、居ると分かっていても声をかける様子がない
動きが止まっていた事は容易に察せるとして、
迷った様子で暫く、佇んでいた間。かちゃ、と
小さな小さな金具の音が、『最後の仕上げ』の存在を示した


「開けるよ、薫様」


メロウ > 白い肌には黒、黒いタイツには白。意識した通りのコントラスト
下半身は日常的に、上半身は今まで見せた事のない対称に
ロリータ調では決して見せない肩を、黒いトップスが浮かび上がらせる

「今度はどう、かな?」

持ち上げてみた手は、首元へ。触れた位置に『魔』の証
肌と髪と、これまた白に囲まれてこれでもかと浮かぶ証

まさしく『渋谷系』に溶け込むような様相を見せる彼女の姿
カチューシャと合わせて、どれ程の意味を見出させたのだろうか?

黛 薫 >  
冗句か、それとも単に見つけたアクセサリーの
前振りだったか。メロウが口にした『テーマ』と
いうワードがきっかけで出来上がってしまった
コーディネートは、リボン付カチューシャ含めて
間違いなく高い完成度を誇っていた。

この流れで選ばれた組み合わせが似合ってしまって
いるというのは些か複雑な気持ちが混入してしまう。
贔屓目に見ても可愛いのは間違いないとしてもだ。

「……買ってくかぁ」

褒め言葉より雄弁な感想をぽつり。

『所有』と『飼育』。どちらの方がインモラルやら。
しかもゆくゆくは今より強固な魔術契約を行いたい
と考えているのだから、尚のこと悶々としてしまう。
また手慰みに指先で猫の顎の下を擽りつつ。

メロウ > 「薫様のセレクトだよ?」

これは本人としては、純粋な褒め言葉のつもりだったのだが
貴女の心としては随分と、コンプレックスを描き出してしまいそうな

ごろごろと、格好ゆえにもう一歩進んで猫っぽく喉を鳴らす
服装に合わせて態度を変えるとは、ここまでノリに乗ってしまうのか

「それじゃ、着替えないとね。両方とも、ちゃんとお買い上げしちゃうからさ」

夢中になってばかりではない。購入までがお買い物の一連の流れ
購入する為には、きちんと商品の形に戻さねばならない。当然、着衣の形ではないだろう

カーテンが閉ざされ、またも布擦れ音。想像に任せる程、複雑な事はしてなかろう

「これ、籠の中にお願いするね」

途中、カーテンの隙間から簡単に折りたたまれた衣装やら小物やらが差し出されていたとか

黛 薫 >  
「ん」

短く返事をして、購入予定の品を全て籠の中へ。
気を逸らすためという訳ではないが、ついでに
余った時間で値札を確認して支払いを概算。

自分が買う服と比べれば流石に値は張るものの、
妥当に思えるのは着飾ったメロウにそれだけの
お金をかける価値があると感じたからだろう。
そういう点でも素材が良いのは得だと思う。

「レジには一緒に行こ」

カーテン一枚隔てた時間に落ち着かない様子を
見せるのは、服を選ぶのに神経を使ったからか。
黛薫が甘えを見せるのは疲れたときと不安なとき。
お店の奥の暗がりにいるときも、いつもそうだ。

メロウ > 「勿論、一緒にね」

また暫く、もしかしたら一番聞こえてくる布擦れの音
普段来ている衣装が最も手のかかるものだと言えば、そうなのだ
それでも手馴れている、だからもうすぐ出てくる気配

鏡の前でチェックをして、よしと。カーテンの隙間から踊り出たのでした

「あ、チョーカー」

貴女の前に立った後に、かちゃかちゃと取り外してこれも籠の中へ

黛 薫 >  
「飾りの多ぃ服って、着るの大変そー。
 洗濯とか手入れも大変だったりすんのかな」

今日選んだ服で言えば、オフショルダーの黒い
フリル付きトップスがそれにあたるだろうか。

装飾具合も普段の白いゴスロリ風に負けず劣らず。
ジャンルとしてはロリータ風、色のお陰でゴスの
要素を含むと表現出来なくもないといった具合。

何となくチョーカーは1番上に置かず、服の下に
隠すように。セルフレジを使えば見られずに済む
という算段もあるが、今の気分だと会計を店員に
頼む場合でもそうしていた気がする。

ともあれ2人揃ってレジに向かい、会計を済ませて
お店を出た頃には日が傾いていた。夜も短くなった
今の季節、帰る分には不自由せずに済むだろう。

「はー……何か、密度の高ぃ時間だった気ぃする。
 こーゆーの、充実してたって言ぅのかな?」

メロウ > 「自分の手じゃ洗えないよね。だからクリーニングにお願いしてるんだけど」

最後の抵抗のような、後ろめたさを全力で否定しながらも隠さざるを得ないというか
先に気を取り直した彼女は、そんな貴女の態度も微笑ましく思っていたのだとか

「充実した。確かに、そうかもね。お店にいる時間とはまた別の特別
 ふふふひ。つまり道具として、冥利に尽きるという事なのかも
 或いはお友達としても?それはいいな、いいと思うな」

心残りも少なくて済む。そう、お出かけをして初めて、私って眠くならならずに済んだかもと
今日はちゃんと活動できた事。内心ですが、本当に喜んでいたのです

黛 薫 >  
「どっちも。道具としても、友だちとしても。
 あぁ、でも。そんなら言っとくコトあったか」

車椅子の上で軽く伸びをしてメロウに向き直る。
魔術頼りで鈍りがちな身体がぱきぱき音を立てた。

「今日は連れてきてくれてありがと。楽しかった。
 メロウがいてくれて良かったよ、ホントに」

それは道具としての彼女に求められたことがある
言葉で、同時に友人への感謝としても正しい言葉。

途中、夏の熱に浮かされたようなおかしな勢いが
あったけれど──それとも、あったから?
夕陽に赤らんだ黛薫の顔には、多少の照れ臭さが
混じった、彼女にしては満面のと呼んでも良い
笑みが浮かんでいたのだった。

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」からメロウさんが去りました。
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」から黛 薫さんが去りました。