2022/10/15 のログ
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」に笹貫流石さんが現れました。
笹貫流石 > そのチラシを拾ったのはただの偶然―黒街の方でばら撒かれた一枚を誰かが拾い、そして捨てたものを少年が拾い上げた。

「…ほぅほぅ……成程なぁ……やっべぇ、面白そうじゃん…!!」

チラシを器用に糸目のまま目を通せば、目をキラキラさせて興味惹かれまくりである。
…糸目なのに目をキラキラさせているのかどうかはツッコミなしでお願いしたい所。

「…けど、これって俺が参加したらさすがにお叱り受けるよなぁ。下手すりゃ反省文と謹慎?」

別に風紀でも公安でも何でも無いけれど、ちょっとだけ面倒な立場でもある。
チラシを眺めたまま、うーーーむ、と唸る。往来のど真ん中だったので、すすす、と端っこに寄りながら。

「んーー…?まだこのURLにはアクセス出来んのか…。しっかし、この暗号?…サッパリ分からんぞ?」

少年は基本的に頭が良いとは言えない。こういうのは閃きとかも大事なのだろうけど。
取り合えず、そっちは後で考えるとしてチラシを改めて見直す。
『古書店』『ガーデナー』『仕立て屋』『映画監督』『ギーク』…幾つかは名前くらいは知っている所だ。

(錚々たる顔触れって奴なんかな…しかし、やっぱメインはこれだよなぁ…!)

表舞台にいられず、姿を消したとあるバンドのライブ…ライブである。これが見たい、生で見たい…!!
理不尽なお仕事の中でも、少年は音楽を節操なく色々聞いている。ぶっちゃけ音楽方面の才覚や感性は凡人だろう。
けれど、単に音楽好きとしてはこれは見逃せない。是非とも生で見て、聞いて、熱を感じ取りたいものだ

笹貫流石 > 個人的にお気に入りの曲は、ここ最近だと某『叫喚者』さんが所属していたグループの曲だ。
あれはいいものだ…もう生であの歌声が聞けないのかと思うと俺は素直に悲しい。

(…あと、監視対象で数少ない常識人枠だと思うから、健やかに生きて欲しい)

そんな事を考えながらチラシの一番下を見る。…あ、うん俺、英語の成績やばいんだけど何とか読めるよ。

(『Produce by Knowface/HOWLER IN THE NIGHT』…えーと、プロデューサーが、ノゥ…ノーフェイス?顔無し?顔見知り?はうらーいんざないとはグループ名?)

聞いた事が無い名前だし、多分見た事も無い。どんな人物なのだろうかと興味も沸くが。

「…最近、理不尽な監視やら追跡任務ばかりだしなぁ。ここらでストレス発散しておきたいとこだし…。」

何で俺がこういうポジションになっているのかいまいち分からないが、現状そうなってるんだから仕方ない。
まぁ、それはそれ。ライブステージ以外も色々と面白そうだしやっぱり出来る事なら参加したい。

「…つっても、俺の頭じゃこの暗号の解読なんてまず無理な気がする…清水の姐さんとかそっち方面なら一発で分かりそうだが…。」

もうちょっと真面目に勉学に励むべきだったかな…と、サングラスの奥で遠い目をする。糸目だけど。

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」に真詠 響歌さんが現れました。
真詠 響歌 >  
お仕事終わり、ふらふらとショッピングモールを歩き回って。
残念ながら今日は広場にストリートミュージックは無し。
無許可のゲリラライブも無さそうだ。

「お……?」

あそこに見える後ろ姿は……
青みがかった髪、一回り高めの身長。
人違いだったら困るから遠巻きに一回観察してから――

「さっさぬっきくーん」

もう一回後ろに回ってから突撃。
何かチラシみたいなの見てるみたいだけど、どっきりは成功するだろうか。

笹貫流石 > 「しっかし、なるべく自力で解きたうぉぉぉぉいっ!?」

彼女の姿に気付かず、チラシを眺めながら独り言を呟いていた矢先。
後ろからいきなりフレンドリーに声を掛けられて途中から驚きの声に変わる。
思わずバッ!と、勢いよく後ろへと振り返り――一瞬、サングラスがズレ落ちたのは気にするな。
ともあれ、糸目のままそちらをジッと眺めてからあぁ…と、胸を撫で下ろす。

「…おっどろいたぁ…よぅ、響歌姐さんじゃん。ちょいと久しぶりだな!」

と、驚きも落ち着けば何時ものフレンドリーな態度と笑顔。さりげなくサングラスは直しつつ。
右手にチラシは持ったまま彼女の姿を眺める――さすが現役モデルさん、私服も決まっている。

真詠 響歌 >  
どっきり大成功。忘れられてたら泣くところだった。
大声出せないから気づかれなかったらそれはそれで寂しかったけど、
いきなり後ろから囁いたりしたらなんだかそれはそれでまずそうだしね?
 
「あっははー、お久しぶり」
「そのサングラス、似合ってるね」

相変わらずの糸目を隠すように直されたサングラス。

「随分興味深そうに見てたけど何見てたの?
 ハロウィンの特集とか?」

この辺りのデパートやショッピングモールはシーズンに向けてチラシをそこら中にポストインしてる。
もしかしてやらしー奴だったり?

笹貫流石 > 考えてみて欲しい。冴えない男子(俺)が、美少女モデルから後ろからドッキリ(はぁと)されたら心臓が飛び出そうになるだろう。
実際それくらい驚いたが、半分は熱心にチラシを見ていて周りに気が向いてなかったこの少年の落ち度だ。
ちなみに、別にハートは出ていないがそこはアレだ、男子の何とやらというやつだ。

「へ?ああ、まぁうっかり目を開いたら異能発動しちまうからさ。サングラス越しなら誤魔化せるし。」

ケラケラと笑いつつ、ちょいちょいと自分の目元を軽く左手で指差して。
そういえば、彼女は他の監視対象の事は――いや、彼女の監視体制とか考えると”情報統制”が本人にもされてそうだ。

(…あ、これ迂闊に言うと後で俺がお叱り受ける可能性が)

まぁ、その時はその時だ。お互い監視対象という面倒な立場だが、突き詰めればただの少年少女である。多分。
彼女に問われれば、右手に持っていたチラシをそちらへと見やすいように差し出してみせて。

「ほら、これこれ。なーんかゲリラ的に面白そうなイベントやるみたいでさ?
何か、色々出し物あるっぽいけど…俺はこれ、このバンドの生ライブステージが気になるんよ。」

と、チラシの一点、メインステージの項目を指でトントンと叩く。

真詠 響歌 >  
「あー、異能。ずっと発動してるタイプの人って大変だよね……
 友達にも異能のせいでずっと体温高いからって冬でも薄着の子いるや」

服を選ぶのが楽だなんて笑ってたけど、実際大変なんだと思う。
浮くし、奇異の目で見られるだろうし。
うっかり発動しようものならどうなるか。それは私もよく知っている。

「『ホワイトライオット』‼
 え、これ生でやるの? 映像同時視聴とかじゃなくて!?」

フェスの常連、人気絶頂の最中に不祥事起こして退場したっきりのロックバンド。
クスリだったっけ、それとも女性関連だったかな。
当時はよくある事だって人ごとみたいに笑ってたら私も同じ境遇になったわけだけど。
わはは。

笹貫流石 > 「そうそう、常時発動型ってカテゴリーのやつ。自分の意志で力のオン・オフが出来んのよ。
俺はまぁ、目を開かなければ発動絶対にしないからそこは一応マシといえばマシかなぁ。」

自分の場合、問題は”何が見えてしまうか”なのだが。
周りに影響は一切与えないが、こっちが一方的に認識して感じ取れてしまうのは正直しんどい。

「そうそう、ゲリライベントだから、これ逃したら次は何時お目にかかれるか分からんのよなぁ。
俺もこのバンドは多少知ってて曲も幾つかインストールして聞いてるんだけどさ?」

ちなみに、目の前の美少女モデルさんの曲もバッチリ常連で聞いておりますとも。
確か、メンバーの一人がクスリやってて、女性問題はまた別のメンバーだった気が。同時だったっけ?
ちなみに、笑い所なんだろうけど、目の前にドロップアウトせざるを得なかった女の子が居るんだよなぁ。

「まだ、イベントの詳細っつぅかここのコードはアクセス出来ないぽいけどさ。
あと、何かこの暗号?ぽいの解読しないといけないっぽくて中々難儀でなぁ。」

と、言いつつ少年の声は楽しげに弾んでいて、いかにも「参加したい!」という気持ちが隠せていない。

真詠 響歌 >  
「マシ、だよね。マシなんだよね……」

目を開かなければ、歌わなければ。
それが無いと死んでしまう訳でもないし、マシなのだろう。
死ぬほど心は窮屈で退屈だけれど。

「いいよね、いいよね!
 えぇ、生ライブって事は復帰……って感じじゃなさそう?」

覗き込むように一つのチラシを眺めて。
どう見てもアングラというか、非合法な物のオンパレード。
文字通りのブラックマーケット。

「あはー、謎解きめっちゃ好きだけど苦手だ。
 "HELL 16-2 1563 1st"……なにこれ、ヒントとか無いの?」

膝を曲げてしゃがんで裏側も見てみるけど、何もない。
ぐしゃぐしゃになってるけど炙り出しとか? フライヤーでやるのめっちゃロックじゃない?

笹貫流石 > 「まぁ、俺はうっかり目を開いちまう場合もあるんだけどな!…うん、まぁそれはそれとして、さ。
――俺は別にいいけど、響歌姐さんの方がしんどいだろ。
思うままに好きなように歌えないって何の地獄だよって話さ。おまけに監視生活とかさ。」

敏感に空気の変化を察したのか、少年にしては若干ではあるが神妙な表情と声で。
自分も、彼女も、そうやって窮屈で退屈を押し殺してそれでもこうして日々を送っている。

「いんや、案外復帰ではあるかもだけど…”こっち側”ではないかもしれねぇなぁ。」

残念そうな、そんな苦笑じみた表情を浮かべつつも。これっきりだとしてもまた聞ける機会があるのは嬉しい。
まぁ、その前に謎解きをしないといけないんだが…。

「マジで?響歌姐さんならもしかして解読ワンチャン…んー、目ぼしいヒントは無さそうだなぁ。
案外、このチラシのどっかに紛れ込んでるかもしれねーけど。」

この手のあれこれはマジで苦手な少年はさっぱり分からない。お手上げである。
あと、確かにロックだけどここで炙り出しをしたら普通に通報案件な気がする。

「とりま、そのチラシは姐さん持っておいていいぜ。他にもばら撒かれてるぽいし。」

まぁ、彼女の監視役とかが没収する可能性が大なのだが。

真詠 響歌 >  
「あはー、そっか。笹貫くんは知ってるんだもんね。
 最初は色んな人に感謝してたんだけどね?」
「問題が起こらないようにとか、何とか制御できないのか……って
 手を尽くしてくれてるんだし」

誰かのお世話になって生きてるんだーって、思う。
だけど、そこに満足は無い。
歓楽街に思いのままに歌い上げる人を求めてしまうのも、
芹香ちゃんに言った言葉が、全部だった。
歌うのが好き、それが駄目な生活に耐えられる程私はタフじゃない。

「私も謎解きとか好きだけど答え見てからそうなんだー!ってなるタイプだからね?」

しげしげと眺めていたら譲られるチラシ。
同じものを私が探して見つかるかは怪しいし、ありがたい。
ありがたく受け取ってみるけど……どうやって持って帰ろうかなぁ。

「……笹貫君は? 窮屈だったりさ、嫌だーってなったりはしないの?
 この前はチョコ並んで……というか並ばされて? たけど」

パシらされている、って言ってた気がする。
監視対象絡みじゃなくてお友達にーとかだったら気にするほどでもないかもしれないけど。

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」に笹貫流石さんが現れました。
笹貫流石 > 「…んーー、そだなぁ。ぶっちゃけ俺や響歌姐さんみたいな監視対象の立場の奴の能力?とか監視体制については、ある程度は知ってる。
勿論、全員じゃないし詳細までは把握して無いけどさ。」

『監視対象を監視する』という面倒なお仕事をさせられている自分は、そういう情報をある程度ではあるが渡されている。
渡されたからといって、それが有効活用出来るかは別問題で、そもそも活用したくないが。

「…もしかしてアレか?推理小説とか漫画とか結末とか犯人先にチラ見しちゃう感じ?」

と、笑いながら尋ねてみつつも、懐から小さな巾着のようなものを取り出して彼女に手渡そうと。

「それ、ちょっとしたアイテム。ある程度はカメラとか誤魔化せると思うぜ。
それにチラシ入れておけば…まぁ、万能じゃないからお守り程度と思ってくれれば。」

と、肩を竦めて苦笑い。彼女の立場や状況を考えると自分に出来るのはそんなささやかな持ち帰りの援護くらいだ。

「アレはまぁ忘れてくれ、うん……で、俺か?んーー…。」

少し考えるように視線を彼女から外して宙を見上げる。ややあってからサングラス越しの視線を彼女に戻して。

「――そりゃーあるぜ。例えばもっと学生らしいあれこれしたい!とかさ。
女の子とデートとかもしてみてぇし……やべぇ、言ってて悲しくなって来たな…。」

と、オチを付けるように項垂れてみせる。シリアスな空気は苦手だ。
それでも、彼女の問い掛けは少年にも思う所がそれなりにある訳でして。

「――例えば、それこそ謎解きは置いておいて、イベントに参加出来たとして。
響歌姐さんと参加してみたいとか思ったりする訳よ。まぁそっちの監視役さんが絶対許さんだろうけど。」

ちなみに、自分はそこまで”警戒”はされていない。一級の旦那達は知らん。

真詠 響歌 >  
「推理小説とかであてずっぽうに犯人決めつけちゃうから、推理パートが楽しみってところかな。
 でもSNSとか見るとしれっとネタバレとか見ちゃってもそれでも楽しめるかな?
 っと、おー。マジックアイテムって奴だよねこれ」

手渡された巾着を見て、勝手に決めつけた。
古めかしいデザインだけど、結構可愛い。

「ありがとね、笹貫君」

家の中に持ち込んでも、中も見られているから意味はない。
それでも手元に置いておきたい物を多少なりとも選べるのは、正直な所嬉しい。
迷惑をかけたい、という意図はないけれどいたずらじみた隠し事はテンションがちょっとあがる。

「お、デートをご所望かな?
 保護者の皆さんが許してくれたらかなー」

いたずらっぽくからかうように笑って。
きっと、許されないんだろう。
それでも、こうして話しかける程度の事に静止をかけられない辺りは譲歩されている部分もあるのかも知れない。
前は帰ってからちょっとした罰則はあったけど。

「それとも――」

不意に耳元に顔を寄せて、囁くように続きを紡ぐ。

「――王子様が監視役さん達から連れ出してくれたりするのかな?」

笹貫流石 > 「俺は先に見ちゃうタイプなんだけど、ぶっちゃけそれでも楽しめる感じかなぁ。
むしろ、犯人とか先に分かってると、そこまでの”過程”の方を推理したりしてるわ。まぁ大抵外れるんだけど。」

と、ケラケラ笑う。こういう気楽な会話は地味に久々だなぁ、とか思いつつ。
巾着袋に関しては、正直少年は全然使わないので「どういたしまして」と、笑みのまま頷いて。
まぁ、気休め程度になるかどうか、という所だが少しは”窮屈”や”退屈”は紛れるだろうか?

「…うん、それハードル高いってもんじゃねぇからな?
出来なくはないかもだけど、後で俺のペナルティーが地獄の気がするんだわ。
…と、いうかその場合はアレだ、俺より響歌姐さんの方がやべーだろ。個人的にそっちが嫌だなぁ。」

自分がペナルティーを喰らうのは”どうでもいい”が、相手が被るのは流石にどうかと思うのだ。
もっとも、監視対象同士でこうして会話していて露骨に遮断されないのは見逃されているのだろう。
『リスト』の中ではまだマシと思われているのか、俺が雑魚だからなのかは分からん。

――が、そんな事を考えていたら不意に耳元で囁かれてドキっとした。サングラスもずり落ちた。
ちょっと!心臓に悪いですよお姉さん!ボーイには刺激が強すぎますって!!

と、内心でめちゃくちゃ焦りながら少年はこう言った。

笹貫流石 > 「――え?じゃあ本気で連れ出すけど。ちょっと後で俺の色々がピンチになるけど。」