2022/11/10 のログ
■蘇芳 那由他 > まぁ、歩いていれば知っている場所に出るかもしれないし、とりあえず歩こうという精神で行く。
何せ、危機感とか全く無いので、例えば襲われるだとか拉致されるだとか、そういう事に考えが及ばない。
…とはいえ、ただでさえ方向音痴っぽい少年が当ても無く歩けば当然更に迷う訳で。
歩き出して小一時間経つが、一向に知った場所に辿り着けない。
「……うーーん…本格的に迷子になったかな…?」
風紀委員さんとか、土地勘がありそうな人とか居ないだろうか?と、周囲を茫洋と見渡すけれど。
…残念ながら、人の気配がどうにも乏しい。見た感じ、不良?みたいな人影はちらほら見るが。
「…【槍】に聞いてみる……っていうのは駄目かなぁ。そもそも意志の疎通難しいし。」
■蘇芳 那由他 > 自分が朧気に把握している限り、何か成り行きでうっかり所持する羽目になったあの【槍】は破邪というか、化物とかそういうのに強い力を発揮する…んだと思う。
そもそも、死神のあれこれを自分が所持出来た理由も実はサッパリ把握していない。
まぁ、手に入ってしまったものはしょうがない、という感じで今まで所持しているけれど。
(…あの『声』も今は滅多に聞こえないというか…調べようとしても、展示会終わっちゃったしなぁ。)
また、何時かああいうのがあったら足を運んでみるのもいいかもしれない。
だが、それよりもまず今はここを抜け出して元の場所、というか知っている場所に出るのが先決だ。
普通の人間なら、少なくとも一般的な学生なら警戒なども働く程度には些か治安に問題があるこの区画。
だが、少年は相変わらず先程から警戒心の欠片も無い態度や言動だ。
記憶と同時に、感情の一部を失うというその言葉に出来ない重さを、彼はまだ自覚すら出来ていない。
■蘇芳 那由他 > 「まぁ、『成る様になる』…って感じかなぁ。」
呟く声は、茫洋とした表情に反していっそ気楽でのんびりとしたそれだ。
どう足掻いても迷子は迷子、親切な人間も周りに見当たらないのなら自力でどうにかするしかない。
それで、どうにもならなかったら――それこそ、その時に考えるとしよう。
今日も、そんな調子で彷徨少年は道無き道を往く――…
数時間後、偶然に見知った大通りに出る事になったが、それも些細な日常の一コマであろう。
ご案内:「常世渋谷 黒街(ブラック・ストリート)」から蘇芳 那由他さんが去りました。