2019/02/02 のログ
ご案内:「歓楽街」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
■水無月 斬鬼丸 > ここは紳士の社交場であり、格闘者たちの殿堂。
腕に覚えのあるデュエリストたちはここに集まり、日頃の研鑽をぶつけ合い、競い合う。
曰く、修羅の巷。曰く、歓楽街で最も熱く狭いスポット…。
常世ランキングファイターズ。通称、TRF。いわゆる対戦台専門のゲームセンターだ。
新旧問わず所狭しと並べられた筐体に座る男たちの顔は皆どこか鬼気迫っており、そしてなぜか半笑いだ。
「ふへへへ…そいつはお前悪手ってもんよ」
水無月斬鬼丸も多分にもれない。
彼がやっているゲームは屈強な男たちが非常識な速度で飛び回り、一度攻撃が刺され橋を意味するような
高度な読み合いと立ち回りが要求されるゲームだ。
比較的有利に事を運んでも一気に逆転されるなどということはよくある。
■水無月 斬鬼丸 > ぺしぺしぺしと打音が響く。
ゲーム自体のSEとボタンをリズミカルに叩く音。
こちらの攻撃が刺さればあとはこちら側がどれだけ攻撃をミスしないかというところにかかってくる。
自分の使っているキャラクターはダイヤグラム上位、ゲーム内で四強と言われる性能を持つ屈強な大男のキャラクターだ。
高い攻撃力と制圧能力を持つが、高いコンボ制度が要求される。
今何気なく入れている小パン連打も目押しであり、タイミングを誤ればコンボが途切れて相手にチャンスを与えてしまう…のだが…
「!」
普通にミスった。このゲームワンチャンスをモノにできなければ即座に敗北につながる恐ろしいゲームである。
特に相手側のキャラクター…白髪痩身の髭男は基本性能研究が進んだ今でも強キャラとして君臨している。
そして、ここ…常世ランキングファイターズの猛者であれば…
「ああっ…あー………あー…」
ワンチャンスあれば勝てるのだ。
一度攻撃が刺さってしまえばあとは見てるだけ、あっという間に体力ゲージが溶けていき、勝負が終わるのを眺める他なかった。
ご案内:「歓楽街」に北条 御影さんが現れました。
■水無月 斬鬼丸 > 苦笑しつつも席を立ち、次のプレイヤーに譲る。
惜しいところであったが、あそこでミスしてしまう当たり、自分もまだまだ甘いといったところか。
特殊能力『無限の可能性《ブレイク・ザ・チェイン》』により、無限の成長性を持つ自分であるが
誰に迷惑かけることなくそれが発揮できる場など、こういった娯楽の世界しかない。
次はもうちょっとうまく立ち回りたいところだ。
確かに負けは悔しいが、それでも楽しいものでゲームセンターは彼にとってはいいプレイスポットであった。
「はー…ったく」
ひとまずは落ち着こう。アイスでも食って。
近くに設えられたアイス自販機でチョコミントアイスを買おうと手を伸ばす。
■北条 御影 > 「えー…っと。此処にコイン入れればいいんですよね?」
席を譲られたのは赤い髪の少女である。
凡そゲームセンターには似つかわしくない風貌であり、
きょろきょろと辺りを見渡しつつ、不慣れな様子でコインを投入。
「わ、わ、これで、次はキャラを選ぶと?」
けたたましいSEと共に画面に表示されるキャラクターセレクト画面。
マジマジと画面を見ながらカーソルを動かして―
「ねぇ、ちょっと誰か!どのキャラが強いの?ちょっとー!」
なんて、はた迷惑な質問を飛ばす少女である。
どうやら未経験者が興味本位でコインを投入してしまったようで―
■水無月 斬鬼丸 > チョコミントアイスもぐもぐ。
火照った体に爽やかな甘味。やはり、勝負のあとはこれだ。
さて、どんな戦いになるか…しばらくは後ろで見に回ると…
赤い髪の少女。最近は女流ファイターも増えたらしいが、言動を見る限りどうやらズブの素人…
「あー…」
このゲーム、キャラ性能差はあるにしても、突き詰めればどのキャラでもチャンスメイクは可能という代物。
その難易度の高さ低さがキャラの強さと言っても過言ではない。
無論キャラ選択にも時間制限があり、もたもたしていればかってにカーソルの会っているキャラクターが選択されてしまうわけだが…
初心者はどれをやれとはいいづらいゲームでもある。
オロオロしっぱなしであれば、かってにキャラクターが選ばれてしまうだろうが…
「ひとまず…そこの鉄仮面のキャラ使っとけー」
あえて最弱性能キャラを推す。
なんか楽しそうだったので。
■北条 御影 > 「っ、ありがとうございます!」
残り時間ギリギリ3秒。
背後からの声に天の助けとばかりに、急いでレバーを動かして決定ボタン。
「よぉーし、私もバシバシとカッコいいコンボを―
って、ちょ、えっ!?あ、あのっ待って!いきなりはダメですって!ちょっとー!!」
試合開始直後である。
ド素人が戯れに乱入して、勝負になるハズもない。
対戦相手の飛び込みからの怒涛の攻撃を防ぐことも出来ず、凄まじい勢いで体力が減らされていく。
「う、わわ、くっ、この!この!!あっ、ちょっあぁぁ~~~っっ!!」
正に瞬殺。
此処はTRFである。戦士たちの神聖な戦いの場に紛れ込んだド素人はあっけなくそのリングを追い出されてしまうのだった。
「―……っかぁー!!クソゲー!!!!!」
捨て台詞を吐いて席を立った少女は背後の少年へと向き直り―
「何ですかあれ!全然何もできないんですけど!!」
理不尽なクレームをつけてきた
■水無月 斬鬼丸 > 当たり前のように瞬殺。
基本性能が低いキャラクターを使いこなすには相当の熟練が必要だ。
つまり予定調和。つまりいつもの。
基本性能が高い痩身白髪の髭男に鉄仮面がぼっこぼこにされるのはTRFのいつもの光景だ。
流石に大爆笑してしまう。
「あっはっはっは…っと、まぁ、なんもできねーだろうな。
アイツ最弱だし」
笑ってるところ、なんか文句言われた。
実力不足はおいといて、最弱キャラを勧めた自分もどうかとは思うし。
だが、オレは謝らない。
■北条 御影 > 「……最弱だとわかってて勧めるとは。格ゲーマーってのは性格悪いんですかね?」
ぐぬぬ、という効果音が良く似合う顔で楽しそうに笑う少年に抗議の視線を向けるも、
少年は悪びれる様子もない。
「男の園に女の子が飛び入りしてるんですから、お茶の一つでも出して歓迎するのが正しい在り方では??
更に初心者をだまして笑いものにしてるわけですから、お茶どころではなくアイスの一つもおごってもらわなきゃってやつですよこれは」
ぷく、とわざとらしく頬を膨らませて先ほど少年がチョコミントアイスを買った自販機を指さす少女である。
無茶苦茶な言い分なのは自覚はしているが、このぐらいしてもらわなければすっきりしないのも自覚している
■水無月 斬鬼丸 > 「いや、割とどのキャラ選んでても結果は同じだっただろ、ありゃ…
あの動きじゃ相手と同じキャラ勧めたところで小パン一発刺さることもねーって」
やや悔しげにこちらを見る少女の姿。
赤い髪が目に眩しい。
確かに最弱の鉄仮面を勧めることはなかったかもしれないが、自分の言っていることもそれなりに正しい気もする。
詭弁?聞こえない聞こえない。
「男も女もねーだろ…ジェンダーフリーだっけ?そういうの叫ぶ割には姫扱いされてーんだなぁ…
まぁ、ジュースくらいおごってやらねーでもねぇけど…」
新手の逆ナンだろうか?よくよく見ればかわいいような…
飄々とした様子を装っているが、女の子に声をかけられて嬉しくないわけもなく
内心ガッツポの男子学生である。
「で、何アイスよ」
■北条 御影 > 「そこはほら、可愛い女の子相手なんですからもっと接待プレイとか。要するにちやほやしてほしいわけですよ私は。
ちやほやされて嫌な気する女の子なんてそうそういませんよ。貴方も、可愛い女の子と遊ぶのは嫌いじゃないでしょ?win-winってやつですね」
身もふたもないことを言う少女である。
その表情は何処か得意げですらある。
「お、良いですね。こういう時にぶつぶつ不満を漏らさないのは私的にポイント+1、ですよ。
それじゃ、チョコクッキーのやつをお願いします」
少年の言葉に途端に上機嫌である。
小悪魔っぽい笑みを浮かべてアイスの自販機まで歩きだす
■水無月 斬鬼丸 > 「ゲームで相手が女の子でも、恩恵あんまねぇからなぁ…
つか、オレに話しかけてくるとか予想外だったんですけど?」
夜にこんなところで格ゲー三昧している男たちが、モテるわけがない。
そりゃ声をかけられたり一緒に遊ぶなら嬉しいだろうが。
だったらもっと別の遊びを選べと言わざるを得ない。対戦格ゲーだぞ?
「ここで遠慮しないのはオレ的にはポイント-1だけどな。
ついでだしジュースも奢ってやろう」
狭い店内で女の子連れと勘違いされてそうで、少し視線が痛くはあるが…
とりあえずチョコクッキーのアイスをがちゃんと購入。
そのついでに、ジュース…独特な風味で昔一世を風靡した炭酸飲料と一緒に差し出す。
■北条 御影 > 「それはほら、貴方が助け舟を出してくれたからですよ。
あそこで助け舟を…いえ、泥船でしたけど。ともかく、私みたいな異分子の問いかけに反応してくれる人であれば、
こうしてアイスぐらいは奢ってくれるかな、と。そう思ったわけですよ」
ジュースとアイスを受け取り、満足げにアイスを一口。
優しい甘さに思わずにっこり。おいしいアイスだけでなく、ジュースまで奢ってくれるとは。
やはり世の中捨てたものではない、などと思いながら、そのパッケージをよく確認せずにジュースを口へと流しこみ―
「―っげほげほ!!ちょっ、これ、何でこのジュースなんですか!!
どうせならもっと普通のコーラとかで良かったじゃないですか!嫌がらせ!?嫌がらせですか!?」
予想外。
予想外の風味であった。
タチが悪いことに、この独特な風味のジュースは、この世界でごく一般的に親しまれている炭酸飲料とパッケージが似ているのである。
完全に意識の外から味覚を鷲掴みにされて殴りつけられた気分だ。
「もぉー。これ、私前に一回飲んで二度と飲むかって思ってたのに。こんなに飲めないんですけど…」
■水無月 斬鬼丸 > 「そんで、まんまとおごらされたわけか…。
なんかチョロいと思われてそうでムカつくなそれ」
実質チョロいのだろうが、まぁこんなところで遊んでる男子なんて
可愛い女の子が声かけただけでイチコロなんだから仕方ない。しかたないのだ。
異能だなんだと言っても、男子学生の本質は何も変わりはしない。
が、ただ奢るだけというのもつまらないと思って買ったジュース…見事にかかってくれた。
「えー?いいじゃんかー。味もちょっとケミカル感強いけど似たようなもんだろ?」
ケタケタと笑いながらハンカチ…は無いので、来る途中に路上で配ってたポケットティッシュを渡す。
「飲めないってもったいねーな…じゃあオレが…」
ん?オレが?オレが…どうするというんだろう。
これを。
女子が口をつけたこの缶ジュースを。
■北条 御影 > 「―」
渡されたポケットティッシュで口元を拭く手が止まる。
目の前の少年が言いかけた言葉の意味をゆっくりと飲み込んで―
「えぇ、構いませんよ。飲んでください。''勿体ない''ですからね?」
ポケットティッシュを丸めて屑籠に投げ入れれば、隠れていた口元が露わになった。
先ほどまでとはどこか違う、意地の悪い笑み。
出来やしないだろうと。そう、言外にあざけるかのような笑みと、口調。
「おや、どうしました?遠慮なんかしなくてもいいですよ?
ほら、私はどうせ飲めませんから。えぇ、勿体ないですからねぇ?」
なんて、調子づいた言葉を紡ぐ。
仕返しのつもりだろうか―
■水無月 斬鬼丸 > こいつ、笑っている。
いや…嘲笑っている!
どうせこんなところで遊んでる童貞にゃそんなことできんだろ?
ほれ?やるんじゃねーのか?やらんのか?できんのか?おーん?
などと言っているような。
むしろ言葉からして煽ってやがる。
「おー?あー…お、おう、そうだな。
もったいねぇしな!!」
おもむろに差し出された缶をつかみ!
彼女が先程口をつけていた部分に口をつけ!
一気に中身を呷る!飲み干す!
どうだ、やった!やってやったぞ!!
「くえーっふ……」
どやぁ
■北条 御影 > 「おぉ、いい飲みっぷりです。ちょっと見直しました。
私的にポイント+1、ですね」
一息に飲み干すその姿に、ぱちぱちと小さく手を叩く。
先ほどまでの小悪魔染みた笑みは何処へやら。
当初の人懐こい笑顔を浮かべて―
「いやぁ、美少女との間接キスを躊躇うことなく実行するとは、いい根性してますね。
これ、寂しい高校生男子は一生モノの思い出にしてもいいぐらいだと思うんですけど…
貴方にとってはそうでもないんですかね?寂しいなぁ、私にとっては大事な思い出になりそうなんですけどー?」
いつの間にか食べ終えたアイスの棒を咥え、ドヤ顔をキメる少年の顔を覗き込む
■水無月 斬鬼丸 > 「……おまえー!そういうとこ、おまえーー!」
そういうのドキッとするからやめろといいたいのだが、言えば調子に乗るだろう。
顔を合わせて短時間であるが、なんとなくそんな気がした。
なんか頬が暑いのでゲーセンの薄暗さが今は救いだ。
「それに自分で美少女ってなー、人の好みってのはそれぞれであってな?
それにオレがいつ寂しい高校生男子って証拠だよ。
てかそういうこというな、いやまじで」
意識しちゃうだろう。この女…。
わかってていってるなら相当なからかい上手と言えるだろう。
あと、寂しい高校生男子というのは見事にあたっている。
■北条 御影 > 「おや、一応全部本心からの言葉ですよ?
信用ないなぁ、悲しいなぁ!大事な思い出抱えて、一人で今夜は枕を濡らしますかねぇ」
およよ、とワザとらしく泣きマネをしてみせる。
流石にやりすぎだとは思うが、それでも楽しいのだからまぁいいか、などと内心思いつつ。
「と、此処で私は思ったんですよ。
間接的にでも私の唇を奪った貴方の名前、実はまだ知らないんですよね。
順序が逆にはなってしまいましたが…自己紹介、しません?」
こほん、と小さく咳払いして話題転換。
これだけじゃれ合っていながら今更ではあるが―。
■水無月 斬鬼丸 > 「言い方ぁ!」
一人で枕を濡らすとか、唇を奪ったとか
人聞きが悪いことこの上ない。
というか、寂しい高校生男子の耳に毒だ。
「自己紹介…いや、いいけどよ…いいけどよぉ。
えーと…水無月斬鬼丸。みなづき、ざんきまる…一応言っとくけど、偽名じゃねぇぞ?
時代劇みてーな名前だなって自分でも思ってんだからよ」
なかなかに無理やりな方向転換ではあるが
このまま相手のペースのままというのもよろしくない。
こちらとしては渡りに船と言ったところだ。
■北条 御影 > 「あは、いいじゃないですか覚えやすくて。
少なくとも、私は絶対に忘れないですからね、貴方の名前」
何たって唇を奪われたわけですから、なんて意地悪く付け加えて―
「私は御影、北条御影っていいます。常世学園の1年生で、見ての通りのごく普通の可愛い女の子なんですよ」
えへん、とわざとらしく胸を張る。慎ましい胸を張りだすも、特にアピールにはならないだろう。
それでも、これで彼の脳裏には自分の存在が刻み込まれたハズで―
「それじゃ、改めてよろしくお願いしますね、水無月さん。
これで私と貴方はお友達…で、いいんですかね?唇を奪われたわけですから、もう少し先からスタートしてみます?」
なんて冗談めかして笑いながら手を差し出して
■水無月 斬鬼丸 > 「せめて間接的にをつけろよ。間接的にを…
であんたは御影と…なんて呼びゃいいんだろうな?えーと、北条…サン?」
絶対に忘れないというのは大げさだが、このへんな名前のおかげで覚えてもらえるなら
この名前も悪くはない。
エヘンとしている少女の顔から慎ましやかな胸元に視線を落とし
名前、顔、言動、そして体型…こいつもこいつでインパクト強いなーと思いつつ。
「え?先?おま…えええ…?さすがに、なあ?
ははは…」
差し出された手に握手を返しつつも、ここでこんな反応してしまうのは
寂しい高校生男子ゆえか。