2019/02/03 のログ
■北条 御影 > 「お好きなように。なんてったってお友達なわけですからね。
北条でも、御影でも、みーちゃんでもいいですよ?その場合、私は水無月さんのことをザッキーと呼ぶことにします」
戸惑う水無月を他所にぺらぺらとマイペースによく喋る。
握り返された手の平にぐ、と力と思いを込めて―
「ふふ、どうするかは水無月さんにお任せしますね。
次に会った時にどうするか、答えを聞かせてくださいよ。私、その時の答えに従いますからね」
くすくすと笑いながら静かに手を放し、くるりと背を向けて。
「それでは水無月さん、私はこれで失礼します。また、次の「はじめまして」を楽しみにしていますよ」
ひら、と小さく背中越しに手を振って店外へと歩を進めて去っていくのだった
ご案内:「歓楽街」から北条 御影さんが去りました。
■水無月 斬鬼丸 > よく喋る、というかまくしたてるような少女。
彼女の手が離れた自身の手と、彼女の背中を交互にみて
あっけにとられたように。
呼び方は…まぁまた今度考えるとして、どうするか?
どうするかとは…やはり、『先』の話だろうか?急すぎて混乱している。
モテ期?モテ期なのか?
「…次のはじめましてってなんだよ…」
妙な約束をしてしまった気がする。
せまい店内でボーッとしているわけもいかず、少年は店外へと向かうのであった。
ご案内:「歓楽街」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に九重夢子さんが現れました。
■九重夢子 > 日が落ちて尚賑やかさを失わない。
繁華街なんてそういうものであるから、此処常世島の歓楽街もそういうもので
ただ……他とすこうしばかり違う所があるとするなら、異世界人の数が多い事かなと思う。
例えば、右を向けば獣頭人身な御仁が寒気を物ともせずに肩で風を切って歩き
左を向けば一見は普通で、しかして耳の尖った男女が肩を寄せて睦まじく歩いている。
勿論無論に普通の人間も数多に歩き活気あること著しく、
この島に来た甲斐もあろうと、周囲に人がいなければ舌なめずりをしていた所でしょう。
「──あら、そこのお兄さん。ええ、そう、貴方。そんな風に浮かない顔をして何か悩み事?」
何処の店に入る訳でもなく物見遊山に暫く往来を歩いていると、人の切れ間に浮かない顔をした青年を視る。
年の頃は私と同じくらい、着崩れたスーツ姿に酔っていると思しき赤ら顔。
それでいて上機嫌とは程遠い、どこか鬱屈した──端的に言えば不幸そうな人。
そんな彼に恵比寿顔で近づいて、努めて親身に、親切そうに声をかけた。
■九重夢子 > 人通りの多い場所から数歩入った小路の口へ移動をし、怖いものを視たように私を見る青年を宥めすかして話を聞くと
一言ぽつりと「家に帰りたくない」と言うものだから、これはアタリを引いたかなと心裡で笑う。
「あらまあどうして。御自宅に怖い奥さんでも待っている?……いえいえ違うわね、違うでしょう。
貴方を家で待っているのはもっと"よくないもの"。なにしろこんな土地だもの、ね?」
わざとらしく含み笑い等をしてから彼に名刺を差し出す。
「怪異相談、万承ります。九重夢子」と記された名刺を受け取った青年は訝しむ様子を隠しこそしないけれど
一応は事情を話し始めた。
「成程成程、御自宅に夜な夜な怪音やら声やらと……いやいや貴方は運がいいわ?餅は餅屋と言うでしょう。
風紀委員会とやらに相談しても解決はするかもしれないけれど、専門家に任せるほうが確実ってものよ?」
聞けば明日にも、この島の警察機構にあたる風紀委員会に相談する所だったようでそれは止める。
客を逃がす訳にはいかない。
■九重夢子 > 「……で、プロとしての見解だけどそれらは雑霊の類ね。姿を現さないのは"姿を現すだけの力がないから"よ。
だから簡単な魔除けで済む筈。……で、此処に丁度そういうものがあるんだけど……」
群青の巾着袋から取り出される物は小さな、お守りサイズの木製の符。
今は私の手の内にあって、淡く藍青に煌めいている。
「これには私の力が籠められていてね。数枚程も窓や扉に貼っておけばそれでもう大丈夫な筈。
後は……そうね。時節的に豆でも撒いておきなさいな。追儺も伊達に残った風習じゃあないのだからね?」
青年の手を取ってから木符を握らせ微笑んで──
「──と、言う訳で代金は〇〇〇〇〇円ね。ああ、勿論効かない時は何とかするから心配しないで。
電話番号と住所は名刺に書いてあるでしょう?……そうそう、すぐそこの雑居ビルの9F」
丁寧かつ、早口に、青年に言葉を挟ませないままに告げて流れで押し切る。
そうなれば後は代金を受け取って、彼の背を押して帰宅を促して差し上げてから私は通りに戻ろう。
嗚呼、商いが上手く行ったからか、下品な意匠のネオンサインも今は少しばかり眩い気がする。
■九重夢子 > この島。常世島は異常の坩堝だ。
色々な物事がそれはそれは鮮やかに混ざる、目が覚める程に冥い場所。
それならばきっと、私が潤う目もあるだろうと訪れて今の所は半分順調と行った所。
「商売繁盛、善哉善哉。あとはまあ……学生生活って奴をどうするかだけど……」
さてはて、と群青の巾着袋を指にかけてくるりと回し、誰が見ている訳でもないのに悩まし気にしてみせる。
異能、異世界、異邦人。数多の神秘に対する理解を深める座学の類は学園島の性質上、興味が無くとも取らざるを得ない。
興味があって取った科目の大半は、身体の健康に良いだろう運動関係なものだから、予定外といえば予定外だ。
「……教室の大半が年下って、結構キくのよね……。」
建物の壁に手をついて溜息。ただただ溜息。
すると何という事でしょう。私の様子を心配したのか、人の良さそうなおじさんが声をかけてくるのでした。
「ああいえ御心配無く。いえ、飲み過ぎとかでも無く……ちょっとこの先を悲観したというか──」
ご案内:「歓楽街」から九重夢子さんが去りました。