2019/03/16 のログ
ご案内:「歓楽街」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」にニコラスさんが現れました。
ニコラス >  
(歓楽街の大通りを駆ける。
 脚力強化の魔術を使い、時速五十キロほどの速度で人ごみをかき分ける――必要はない。
 既に先行し人ごみをかき分けて走る目標のせいだ。)

くそっ!

(追いかけるのは大型の爬虫類――トコヨオオトカゲ。
 小型の恐竜のような見た目の草食トカゲだ。
 主に転移荒野に生息しているはずなのだが、つい先ほど落第街の方から飛び出してきて、思わず追いかけて今に至る。
 最大速度は時速七十キロにも迫るというが、人ごみではそこまでの速度は出せていないらしい。
 おかげで見失うことはないのだけれど。)

退いて!
危ないから道開けてくれ!

(前方の通行人に声をかけながら走る。
 何らかの理由で落第街に連れてこられた個体が逃げ出したのだろう。
 普段は大人しく人懐っこい種のはずなのだが、興奮しているらしい。
 トカゲらしい声をあげながら走り続けている。)

ご案内:「歓楽街」にルギウスさんが現れました。
ルギウス > さてさて、今日はどうやって暇を潰そうか。
たまには、ウィンドウショッピングと言う名の冷やかしでいいだろう。
そんな事を考えながら、女性に変身してゆるりと散歩していれば。

「おやおや、これはこれは。
 誰かが街中でPOPでもさせましたかねぇ?」

わざわざ道の端に退いてやる事もないだろうと、トカゲの前で堂々の観戦の構えである。

「こんなことなら、先ほどのお店でポップコーンでも買っておくべきでした」

ニコラス >  
(背中の弓で足へ射掛けるか。
 一瞬そう考えるが、すぐに却下。
 いくら強化しているとは言え全力疾走だ。
 そんな状態で射てばどこへ飛んでいくかわからないし、外せば一瞬で引き離される。
 第一、何もしていない彼を傷付けるつもりにはなれなかった。)

っ、そこの人、退いて!

(前方に人影。
 正確には、トカゲの進路上から退こうとしない人物。
 まさかとは思うが、気付いていないのか。
 右腕を大きく振り回しながら大声で呼びかける。)

ルギウス > 退いてとの声に溜息を一つ。
どうやら、第四の壁とは行かなかったらしい。
まぁ、進行方向にいるのだから当然と言えば当然だが。

「さて、どうやら時間がないご様子です。
 生け捕りにすればよろしいので?」

見たところ、トカゲは興奮状態のようだ。
意識を奪ってもいいのだけれど……ふむ と 何かしらの考えを巡らせた。

「まぁ……捕縛してしまえば、どうにでもなるでしょう。」

質問しておいて答えを聞かない。
近づくトカゲにすれ違い様に、そっと触れて『サニティ』呟く。
通常の興奮状態であれば、これで正気に返るが果たしてどうか。

ニコラス >  
早く!

(このままだと怪我をしてしまう。
 何も悪いことをしていないはずのトカゲが、人に怪我をさせてしまう。
 それは避けたかった。)

……え?

(が、トカゲはその人物とすれ違った後に速度を緩めていく。
 すぐに追い付き近くに寄ってみれば、先ほどまでの興奮状態はどこへやら、と言った様子で。
 手を伸ばしてやるとむしろ向こうから顔を摺り寄せてくるぐらいに落ち着いていた。)

――あんたが?

(振り返り、さっきの女性に問いかける。)

ルギウス > 「ええ、魔術を少々嗜んでおりまして。
 毒物などでなくてホッとしました。また違う魔術が必要となりますので」

そう言って笑顔を向ける。
きっと、サングラスがあるから目元までは見えないだろうが。

「時間があるのなら、どこか落ち着いた場所でお茶でも飲みながらお話でもどうですか?」

そして、声かけ事案である。

ニコラス >  
そっか。
助かった、サンキュ。

(おかげでこいつが人に危害を与えずに済んだ。
 頭を下げる。
 それを真似するようにトカゲも頭を下げて。)

あー、えっと――

(こいつを放っておくわけにも、と言おうとしたら風紀委員がやってきた。
 通報を聞いて駆け付けたらしい。
 何やら保健所とかなんとか言う言葉が聞こえてきた。)

あー、いや、ちょっと待ってくれ。
こいつは――俺が、飼おうとしてて。

(信じられないという目を向けられる。
 どう誤魔化そうかとあたりを見回し、彼女に顔を見て思いついた。)

こ、この人!
この人が育ててたこいつが大きくなりすぎて、譲ってもらうことになって!
それで、初めて来た街で興奮しちゃって――だ、だよな!?

(我ながら苦しい言い訳である。
 だがこいつが助かるにはこれしかないのだ。
 頼む、乗ってきてくれ!
 必死でアイコンタクト。)

ルギウス > おやおや、まぁ風紀のいう事はもっともだろう。
それに対して、なにやら目の前の青年は慌てているし。
そんなに必死に目配せされてるんじゃあ仕方がない。

「ええ、自宅で飼っていたのですが些か大きく育ちすぎてしまって。
 庭が手狭なので、可愛がって頂けるこの方に引き渡そうとしたらはじめての街に興奮してしまいまして。
 それに驚いて手綱を放してしまった私の落ち度です。申し訳ありません」

風紀委員に頭を下げる。
ついでに、催眠の魔術も仕掛けておこう。
ちょっとした騒ぎで、有耶無耶にしてしまえ。

「ですので、『何も問題ありません』。よろしいですね?」

そして、これでいいですか?とばかりにニコラスに微笑みかけた。

ニコラス >  
(最初、風紀委員はそれでも怪しんでいたのだが、催眠魔術もあってか最終的には納得してしまった。
 あまり騒ぎは起こさないように、と言い残して去っていく。)

――二回も助けられちまったな。
ホントありがとう。

(ふうと一息。
 有耶無耶になったのはいいが、思わぬ同居人――同居竜?が増えてしまった。
 まぁ草食だし大人しい種だし、寮さえ出ればどうにかなるだろう。
 またバイトを増やさないと。)

えーと、なんだっけ。
どっかで話、だっけか?
別に構わないけど。

(二度も助けられたのだ。
 断るのも不義理だし、こちらとしても茶の一杯でも奢らないと気が済まない。)

ルギウス > 「いえいえ、大した事はしていません。」

実際に些事ではあったわけだし。

「ええ、どうやらその子を譲る事になったようですので。
 貴方の人となりを知っておかないといけないでしょう?」

そう答えてクスクス笑う。

「何処かでと言っても、その子がいるのなら店内には入りにくいでしょうし……まぁ、ブラブラとデートでもしましょうか?
 何か飲みます?」

ニコラス >  
それでも助けてもらったのは事実だからさ。

(こちらとしては十分にでかい借りだ。
 借りっぱなしはよくない。)

そりゃ、――まぁ、そう、うん。

(まいったな、と言うように頭を掻く。
 出まかせではあるのだが、それをあからさまに否定するのもバツが悪い。)

デートって。
――あぁいや、俺が奢るよ。

(デートと言う言葉に若干ひるむ。
 とは言えそこまで狼狽えるほどのことでもない。
 何か飲むか、と問われ、そこまで世話になるのは申し訳ないとこちらから申し出た。)

ルギウス > 「では、お言葉に甘えて……あちらのお店で、テイクアウトしましょう。
 確か美味しいタピオカドリンクが売っていたと記憶していますので」

微笑んで、そちらに向かって歩き出す。

「さて、お名前をお聞きしてもよろしいですか、お兄さん?
 私の事は、アルとでもお呼びください」

そして、やや思案するようにして。

「ところで、カップル割引とか利用します?」

店頭に書いてあるのだからしょうがない。
カップルなら一つの器に二つのストローがついて、値段は二つ買うよりちょっとお安い。

ニコラス >  
わかった。

(頷き、トカゲを連れて歩き出す。
 トカゲは街の様子を興味深そうに眺めているが、大人しく着いてくる。)

ニコラス、ニコラス・アルヴィン。
アル、な、了解。

(名前を名乗り返し、店の前に。
 そういえばタピオカは今まで食べたことがなかった。
 見た目が蛙の卵みたいでちょっと敬遠していたのだ。)

――っ、い、いや、それは、ちょっと。

(思わず吹き出しそうになる。
 さすがに一杯を二つのストローでと言うのは抵抗というかなんというか。
 店員にタピオカドリンクを二つ、テイクアウトでとちょっと焦って注文。)