2020/06/09 のログ
■小玲(シャオリン) > 「うん、ご馳走様でし……ん?」
ばたばた。
体を抱きとめる腕の中で軽くもがくが、腕を離す素振りが見えない。
「……ん?お兄ちゃん、もう食事は終わったから離していいのよ?」
未だに魅了がかかっていると勘違いして、そんな命令をする。
■葉山翔一 > 抱き留めた腕の中で少女が藻掻くが気にせずに抱き続け。
寧ろ逃がさないとばかりに力が強くなって。
「俺は血を売った記憶は流石にないんだけどね。
この代金は何で払ってくれるのかな、シャオリン」
痛みと血の吸われる感触ですっかりと魅了が解けていて。
どうするんだと耳元で静かに告げては目を合わせないようにとする。
■小玲(シャオリン) > 「え、なんで!?
なんで魅了が解けてるの!!
んーっ!んぐふーっ!!」
今まではタイミングが良かったか、あるいは血を吸いすぎていたのか。
そんなことはなかったらしい。
なので、こんな状況は初めてで。
「え、えーと。
……ま、またぬいぐるみを買いにくればいい?お兄ちゃん」
とりあえず、かわい子ぶってみる。
■葉山翔一 > 「目の色が変わってから記憶がはっきりしないが……。
魅了ね……シャオリンはそう言うのが出来るのか…!」
聞けば見事に嵌められたと笑みを深めて強く抱きしめ。
痛みか血を吸われる感触、どちらかが欠けていれば解ける事はなく。
自分にとっての幸運、少女にとっての不運となり。
「それは嬉しいんだが……ちょっと割に合わないよな?」
魅了をかけられ血を吸われた直後では流石に騙されず。
それじゃ駄目だと首を振って。
■小玲(シャオリン) > 「……お、お金。
えっと、寮に帰ればお金あるから!
ぬいぐるみを買うとかじゃなくて、血の分の代金でいいんだよね!?
そ、それで!ね?」
捕まっている今、何を要求されるかがわからないために恐ろしい。
ゆえに、お金。
お金は全てを解決できる……はず。
■葉山翔一 > 「……いや、払えるならいいんだけど…。
言っとくが俺の血液型は高いんだぞ?」
お金という少女にさらっと値段を囁いて払えるかの確認。
普通に血液パックを買うならお高いで済むが、自分の血液型は珍しいだけにかなり値が張るのだと。
「多分払える額じゃないしな……シャオリン、目を閉じろ」
一番良いのは取り返すだがそれは出来そうにない、そして金銭での回収も無理だと思うと良い事を思いついたという笑み。
少女が言うとおりにすれば驚かされた仕返しに驚かせてやろうと唇を奪いに掛かって。
■小玲(シャオリン) > 「やっ、まって。
だって、あの、だって!
――っ!!」
近づく顔にぎゅっと目を瞑る。
プルプル震えながらその瞬間を待つ。
■葉山翔一 > 「待たないな。血が欲しかったら交渉するべきだったんだぞ」
慌てる少女の言葉に聞く耳を持たずに顔を近づけ。
そしてそのままうちビルを奪い重ねてしまい。
人目につかない場所とは言え少女を抱きしめて唇を奪う姿。
どう見ても犯罪という光景なのだが気にせずに唇を奪い続けて。
■小玲(シャオリン) > 「んぅっ、んっ」
暴れて良いのかおとなしくしているべきか。
そんな判断も出来ず、ただ呻く。
■葉山翔一 > 「暴れるなよ。それなら次は血も売ってもいいからな」
一度唇を離してそう告げて、それからも何度も唇を重ねては離しと繰り返し。
最後にと唇を舐めてから解放して頭を撫で。
「人形は500円、血は今の量ならキスでいいよ。
今以上欲しいなら別の物も貰うけどね」
少女にそう告げて意地悪く笑うと今度は逆に手を引いてゲームセンターの入口へと向かっていって。
■小玲(シャオリン) > 唇が離れると、その場にぺたりと座り込む。
はぅ、はぅ、と小さく呼吸をしながら頬を抑えている。
彼の言葉が届いているのかは不明だが。
しばらくはその場で座っていたようだ。
ご案内:「歓楽街」から小玲(シャオリン)さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から葉山翔一さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に紫陽花 剱菊さんが現れました。
■紫陽花 剱菊 > (常夜島歓楽区。歓楽街にて、人込みから外れるように男は静かに佇んでいる。夜の宵闇をネオンライトが照らす不夜城。眠らない街に、何時までも騒ぐ人々。喧騒から外れ、行きかう人々をただただ男は黙ってみている。) …………。 (街の騒がしさに似合わない、静けさ。瞬きもする事無く、人の波を見守っている。……特に剱菊自身も何かを考えているわけではない。ありていに言ってしまえば、"ぼーっとしている"のだ。)
■紫陽花 剱菊 > (しかし、本当に眩しい場所だ。朝な夕な、この島の区画はずっとこんなに騒がしいのだろうか。この島がどんな場所なのかは、落第街の住民からそれとなく聞いている。されど、自らがいた世界と比べるとそこは余りにも眩しく、明るく、そして"綺麗"に見えた。)
遠近と囀る……良くぞ皆、隣人の声が聞こえるものだ……。
(この騒がしさ。耳の良さには自信があるが、にっちもさっちも、あっちもこっちも余りにも混沌とした話題が渦巻いている。よくもまぁ、この騒がしさでそれぞれが会話を続けられるものだ、と素直に感心しているのだ。)
……此れが、常夜の天が下の若人の在り方、か。謂わば……"なうい"、か……。
(何か言い始めたぞこいつ。)
■紫陽花 剱菊 > (しかし、ただ流れるまま、眺めるままだと些か退屈だ。何ぞ、面白いものがないものかと周囲を見渡せば、目についたのは所謂屋台。しかも、あれは、甘味か。)
……ふむ……。
(成る程、餡子の甘味が恋しい。此処は一つ、食欲の従うままに行くとしよう、ふらりと屋台の前へと移動する。路銀であれば、相応に稼ぎがある。)
…………失礼、この"抹茶ばばろあ"成る物を一つ…………。
『あ、すみません。ソレ品切れなんですよ~。』
…………。
(がーんだな、出鼻をくじかれた。男も何処となく、眉がしょんぼりさがった。)
■紫陽花 剱菊 > ……なれば、"苺白玉"を……。
『ですからごめんなさい。それも売り切れなんですよぉ~』
…………。
(成る程。結局めぼしいものは何もないわけだ。これは、間が悪かったようだ。男の食欲も気分も、下降気味だ。とはいえ、誰かに文句を言えるようなものでもあるまい。)
……では、豆かんを一つ……。
『はぁーい、豆かん一つねー』
(物凄い妥協した結果、大分グレードダウンした、致し方ない事だ。プラスチック容器に入れられた豆かんを受け取り、お金を置いて踵を返す。)
…………。
(食べたかったな、"抹茶ばばろあ"。胸中独り言ち、溜息だ。)
■紫陽花 剱菊 > (いや、しかし、しかしだ。流石に白玉やばばろあとは見劣りするが、此の豆かんも中々悪くない量をしている。たっぷりの寒天と豆。まぶされた黒蜜の香りが食欲を刺激した。)
……うむ……頂きます……。
(しっかり食物への礼を欠かさず、スプーンでたっぷりの豆と寒天を掬って口へと運んだ。)
…………。
(……うむ、いい豆だ。寒天も弾力があって歯ごたえもあり、豆の味を引き立ててくれる。この素朴さに黒蜜の甘味が合わさって、何ともしがたい幸福感を訪れさせてくれる。)
……うむ……。
■紫陽花 剱菊 > (だが、此れは何処まで行っても"豆かん"なのだ。たっぷりの量は嬉しいが、"ばばろあ"にも"白玉"にも勝てない。むぐむぐ、と寒天を噛み締めていくと何だか妙に物悲しくなってきた。)
…………。
(なんとも、"とほほ"な気分だ。こういう時もあるというもの。空しい気分と寒天を噛みつぶし乍ら、歓楽街を後にするのだった……。)
ご案内:「歓楽街」から紫陽花 剱菊さんが去りました。