2020/06/13 のログ
ご案内:「歓楽街」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
■水無月 斬鬼丸 > 常世島ゲーセン・コーテイ。
少年はあるSTGの筐体の前に座っていた。
キメラビーストJET大往生ブラックレーベルRev.2
難易度が高くてプレイヤーに愛されていたシューティングゲームのシリーズ。
前作、キメラビーストJET大往生ブラックレーベルがシリーズでも温くて不評であったために
難易度調整+αで開発されていたのだが…
内ゲバでなかったことになった伝説のSTGだ。
最近このゲーセンに入荷した。
一時期話題になったが、さすがの難易度と
島全体におけるシューター人口の低さから、いまとなっては人はあまりいない。
その筐体の前……すでに2千円くらい呑まれている少年はポケットの中に百円が残っていないことに気づいたのだ。
「………ぇ…」
まさかここまでボロっカスになるとは思ってなかった。
両替…しなければ。
ご案内:「歓楽街」にエルピスさんが現れました。
■水無月 斬鬼丸 > 流石に使いすぎだろうか。
正直一日で二千円は…学生としてはかなり痛い。
やはりバイトも視野にいれるべきだろうか?
しかし、このへんでバイトってなんかあったっけ?
コンビニ?
牛丼屋?
せっかく部活もはじめたのだから、放課後は部活動を頑張っていきたいが…
それはそれとして遊ぶ金欲しさでなにかせねばあるまい…
悩みながらも筐体から立ち上がり
両替機へと足を向けた。
■エルピス >
「次の仕事は……」
2つある右腕で大きな箱を抱えた少年が通る。
アーケードゲームの筐体や基盤に使う保守部品の調達と搬入だ。
色んな意味でマニアックすぎて中々手に入らない部品だったため、『便利屋』に調達の御鉢が回ってきた形だ。
「シューティングゲームコーナーは……」
『とりあえず筐体の近くに置いといて欲しい』と指示された為、抱えたまま向かっている。
このままいけば、斬鬼丸とぶつかったりすれ違うかもしれない。
■水無月 斬鬼丸 > むむむと悩み歩く。
近づく少年の気配には…気づいていない。
考え事をしながら歩いているため視野が狭くなっているのだ。
だから案の定、大きな箱を抱えた少年を避けることはできず
ぶつかってしまう。
「ぐえっ!?」
どごぉ!!!
意識せずぶつかってしまった。
勢い、重量(荷物含む)、ともに向こうのほうが上だったためか
弾かれキリキリと回転しつつ、設えられていたスツールに突っ込む。
当然めちゃくちゃ痛い。
そして当の本人はなにが起こったのか把握しきれていない。
なんだ!?あらての異能攻撃を受けているのか!?
■エルピス >
「わっ」
どんがらがっしゃーん。
男の子二人が衝突。一人は弾き飛ばされて一人は尻もちを付く。
大きな荷箱は一度宙を舞うが、エルピスの二本目の右腕によってキャッチされる。
「あぶないあぶない。落としたら大変……
……ってごめん、キミ、大丈夫?」
荷箱を座席の上に置かせて貰ってから近寄り、手を差し伸べる。
■水無月 斬鬼丸 > 尻餅をついた少年とは対象的に
倒れたスツールとともに倒れてぐったりとしている。
どんがらがっしゃーんの音は主にこちらからでていたものに違いない。
「うぁぁ…」
ヨロリと身体を起こすと、手を差し伸べる人影。
え?なに?美少女?
でもなんか腕多くね?
ってか、声も女の子…なのか??
「あ、ええ、はい、すんません…」
疑問はさておき、とりあえず手をとって立ち上がろうとする。
■エルピス >
手を取って立ち上がって貰う最中、差し出した手とは別の二本ある右手を器用に動かして散乱物をスツールに戻す。
大きな怪我や損害はないかなと判断すれば安堵した。
「うん、良かった……結構いい音しちゃったし……。」
心配そうに斬鬼丸を見つめる。
声の質もやや高め。
話し方で何とか男の子かなと判別できる程度か。
見つめていると音を聞きつけた店長らしき人が来る。
特に問題はないことと運び終えた事を説明すると──
「『そのままキメラビーストJET大往生ブラックレーベルRev.2が入ってる筐体のレバーの効きが悪くなってるから直しといてほしい』、ですか?」
「分かりました。運んだついでに直しておきます。」
そんなやり取りが、斬鬼丸の目の前で展開された。
■水無月 斬鬼丸 > どうみても女子っぽい顔…ではあるが
なんか物腰というか…話し方?
声質はどっちともとれるが…まぁ、どっちでもいいか。
ぶつかって手間を掛けさせてしまったことには変わりない。
「あ、いえ、こっちこそよそみしてて…さーせん」
不注意はまぁ、こちらのせいだ。
とりあえず両替に向かおうと、一通り謝ってから再び両替機に向かおうとするが…
「え?」
あ?メンテっすか。そうっすか。
思わず立ち止まる。
■エルピス >
「うん。多分すぐ終わると思うけれど……」
反応からしてこのゲームやりたかったのかな。
何処かバツが悪そうに目を伏せる。
「……ぱぱっとやっちゃうね。」
そのまま近付く。
ポケットから工具のようなものを取り出して鍵を外して筐体を開く。
実質の所ピッキングなのだが、信頼と実績があるのか黙認されている。
と言うか、指示があっても鍵が渡されてない辺りそう言う事らしい。
「~♪」
箱を空けて備品を取り出してレバーの交換を行う。
ついでに清掃とボタンのチェックも済ませる。慣れた手つきだ。
■水無月 斬鬼丸 > 「あ、いいっすよ。気にしないで。
あー、あれっす。ちょうど負けこんでて気分転換的な…」
むしろメンテご苦労さまですと
バツが悪そうな…おそらく店員?的な少年だか少女だかに頭を下げる
とはいえ…なにかしようって気分でもない。
販売機でアイスをかって、整備を行う少年の後ろ。
じーっとその作業を見ている。
手慣れた感じで手際もいい。
こういう、細かい整備などが調子良く行われているのを見るのは
なんとなく楽しい。
男の子ってこういうの好きなんでしょ?といわれれば
多くの男子がうなずくことであろう。
■エルピス >
開いた筐体。
剥き出しの基盤。
揺れるお団子ツインテール。
柔らかそうな背中。
手際よく取り付けられる細やかな工具と部品。
男の子の好きなものが詰まっている光景だ。
開けっ放しの箱を覗くと、部品の他にもレアそうなゲームの基盤が入っている。
また新しいSTGが入るのかもしれない。
「んー……ボタンはちょっと埃が詰まってるぐらいで、こっちの部分も大丈夫そうかな……これでよし、と。」
ぱたん。
筐体が閉じられ、ピッキングによって鍵が掛け直される。
荷箱も閉じれば、スツールの隣に置き直す。
「終わったよ。えっと……お兄ちゃん。」
名前が分からなかったので、とりあえずお兄ちゃん呼びすることにしたらしい。
他意はない。
■水無月 斬鬼丸 > 男の子なのか女の子なのか…
本土ではわりとすぐに見分けがついたものだが
この島に来てからというもの外見的美形が多すぎて男女の区別が見た目ではつかない。
だが、目の前の子がかわいらしくも怪しげな
そういう空気を醸し出す見た目であることはわかる。
自分は整備風景を眺めているだけなのだが、不審者扱いされないだろうか?
少しばかり不安になって、あたりをキョロキョロと見回してしまう。
不信度が上がった!!
それはそれとして、純粋な視線で整備風景を楽しむ。
新たな基盤の群れを確認すれば、まだみぬゲームにも心が躍る。
整備の人が一言二言漏らせば、そろそろかな?と立ち上がり
整備は程なく終わった。
時間にして10分もかからなかっただろうか。
さすがの手際だ。
「あ、おつかれさまっす。
……え?おに?え…?」
普通に対応しようと思ったが…なんか突然お兄ちゃんとか呼ばれる。
流石にびっくりしてしまうが?危うくチョコミントアイスを落としそうになる。
■エルピス >
「あ、ごめん。何て呼べば分からなくて……」
"僕はここの店員さんじゃないから、お客さん、って言うのも変だし。"
そう付け加えながらもチョコミントアイスが落ちそうになると右腕の一つが伸びる。
もしも触れれば、動力によって熱が籠っているのか少し熱い。
「とりあえず、メンテナンスは終わったよ。
多分これでやり易くなったと思う。頑張ってね?」
■水無月 斬鬼丸 > 「あ、いえいえ、お気になさらず…と、と…?」
落ちそうになったアイスを思わずキャッチしようと手を伸ばすも
整備の子の機械の腕のほうがはやい。
思わず鋼色の腕に触れてしまう。
「うぉ…すいません…
っつか、結構熱くなってますけど大丈夫っすか…?」
メンテは終わり、応援してくれる整備の子。
だけど、少し気になってしまった。
機械の腕ってどんな感じか知らないけどくっつけてる場所とかこんな熱くて大丈夫なのだろうか?
確かにかっこよくはあるが。
■エルピス >
「あ、大丈夫。もともとこういうものだから。」
アイスが溶けちゃうと思えばすぐに引っ込める。
言葉通り、本人は気にしていないらしい。平然と機械の腕を操っている。
「じゃ、僕は行くよ。次のお仕事があるからね。
またね、お兄ちゃん。」
ぺこりと頭を下げて踵を返す。
そのまま歓楽街へと立ち去って行くだろう。
ご案内:「歓楽街」からエルピスさんが去りました。
■水無月 斬鬼丸 > 「あ、はい、おつかれさまっす。
その、がんばってください」
大変なんだなぁ…自分より明らかに年下に見えたが
色々と仕事をこなしているっぽいし。
なら、自分もバイトするべきか?やはり。
ゲームするにはお金もいるし…
部活にも集中したいから、そう多く入れれないだろうが…
柔らかそうな背中を見送って、再び筐体につきつつそう思うのであった。
ご案内:「歓楽街」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に葉山翔一さんが現れました。
■葉山翔一 > 普段のように商品を仕入れに行きつけのゲームセンターに脚を運んだのが夕刻。
そしてすっかりと日もくれた時間なのだが今日は一つの戦利品も手に入らずに資金が減るばかり。
そうしてついには使える資金が最後となり漸く一つだけ景品を得る事が出来て。
「今日はついてないな。よりによって一つか…」
今の人気ゲームキャラクターと思われる人形を取り出しての溜息。
目玉商品のない商売は売れ行きが落ちるが仕方がないとため息を吐き。
次の仕入れの為と景品を物色するためにゲーム機を眺めて歩く。
ご案内:「歓楽街」から葉山翔一さんが去りました。